運命の出会い 107 | TRIQUETRA ~Tributary Zone~

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2代目のブログです

そのお店の店長は、私よりもだいぶ若い人で、

たしかあの頃、30歳くらいだったかな。。。

 

 

もともとは、どこかの劇団で役者を

やっていたみたいなのだけど、

お父さんが亡くなったのをキッカケに役者をやめ、

一般的な会社員に転職したのだそうだ。

 

 

バイトの人たちは、、、特に女の子達は、

あの店長の女癖の悪さを、よく噂していた。

 

私がお店に入った頃は、彼はもう結婚していて、

生まれたばかりの娘さんがいたので、

一見、落ち着いている風に見えたのだけど。

 

 

実は、そうではなかったことが、

あとになって、徐々に解っていくことになる。

 

 

結婚も。

前のお店のバイトの女の子に手を出して、

出来婚だったのだそう。

 

この話は、、、店長本人から聞いた。

 

 

そう言えば今って。

 

出来婚のことを、「授かり婚」なんて

言うんだってね。。。

 

 

*******

 

 

「元役者」なせいなのか。

 

私には、彼の言動の一つ一つがいつも、

どこか、「演技」に見えた。

 

どこか、大げさに見えた。。。

 

 

そして、彼が演じたがっていたそれは、、、

 

「王」

 

・・・だったのだろうけど。

 

 

あの頃は、彼のその思いは、、、

だいぶ、空回っているように見えた。。。

 

 

思い。。。というか。

多分それは、彼自身も気づいていない、、、

 

無意識。。。だったのだろうけど。

 

 

彼は、太陽星座が獅子座なだけあって、

「存在感」は、かなりあったし。

 

多分、カリスマ性のようなものも、

あったと思う。。。

 

だから、たくさん経験を積んで、、、

そのエネルギーを上手に使えるようになれば、

きっと、「王」になれる素質はあったのだろう。。。

 

 

でも、あの頃の店長はまだまだ若く。。。

 

そこを目指しながらも、いろいろと経験不足で。

 

 

だからまだ、「本物の王」になれず。。。

 

単なる「権力者」とか「独裁者」にしか

なれずにいたのだろうな。。。

 

・・・なんて思う。。。

 

 

そんな「激しさ」と同時に彼は、

「繊細さ」を持っているようにも見えた。。。

 

その繊細さは、乙女座的な繊細さ。。。

 

神経が過敏で、あれこれ気づきやすく。

完璧主義でロマンチスト。

 

そして、実は傷つきやすい。

 

 

彼のホロスコープを実際に見たわけではないから、

彼が本当に乙女座のエネルギーを、

持っていたかどうかは解らないし。

 

彼は、自分のそういう部分を、

必死で隠そうとしていたけど。。。

 

 

でも、長い間一緒にいて。

いろいろ話していたりすれば、そういうのは

いくら隠しても、滲み出てくる。。。というか。

 

見えてきてしまうもので。

 

 

私は彼の、そういう乙女座的な匂いのする部分に、

どこか、自分と似たものを感じていたりもした。

 

 

*******

 

 

「ウサギと亀」で言うならば、彼はどう見ても、

「ウサギさんタイプ」。。。

 

ある程度のことならば、なんでも簡単に、

器用にこなせてしまう人。。。

 

 

だから、、、

仕事上で、「亀さんタイプ」に対して

イライラしていることがよくあった。。。

 

 

「本当に、バカばっかりだ」

 

 

・・・と、私によく、愚痴をこぼしていた。

 

 

そんな店長を見ながら、私は。。。

昔の自分を見ているような気持ちになった。。。

 

 

正直言えば。。。

彼がそう言いたくなる気持ちも、

解らないわけではなかった。。。

 

 

でも同時に。。。

 

「本当にバカなのは、あなただよ」

 

・・・とも思っていた。。。

 

 

その頃の私はもう。。。

 

誰かのことを責めたり。。。

誰かを何とかしようとしたりとか。。。

 

そういう思いは、自分を苦しめるだけで

何も解決しない。。。

 

・・・ということを、経験で学んでいたから。

 

 

そして、当時の私は。。。

 

彼にも、それを気づかせてあげたい。。。

そうすれば、彼ももっと、ラクになるだろうに。。。

 

・・・なんて。

 

 

そんな、おせっかいなことを、

よく、考えたりしていたな。。。

 

 

*******

 

 

「あんな簡単なこと、なんでいちいち

言われないと、気づけないんだ?」

 

 

・・・と、彼は真面目に、、、

「気づけないこと」が不思議でしかたない

ようだった。。。

 

自分にとっては、こんな簡単なことを、、、

他の人がサラッと出来ないことに、

彼はいつもイライラしていた。

 

 

たしかに、彼の言っていることは

いつも「正論」で、そして、「完璧」で。。。

 

彼自身、自分に対しても厳しくて、

口だけでなく実際に、その高い目標を

きちんとクリアしている。

 

どこにも、文句を言える隙はない。

 

 

そして彼は、、、

自分と同じ完璧さを、周囲にも求めていた。

 

ものすごいプレッシャーを、あえて

周りに課してね。。。

 

 

私は、こういうプレッシャーには、

実は、強い(笑)

 

こんなのには、絶対に負けない。

絶対にやってやる!

 

・・・と、闘志が湧いてくるほうで。

 

 

もしかするとこれは、バレエの世界での経験で

培われた精神力なのかもしれないけど。

 

逆に、そこに楽しささえ感じたりする。。。

 

 

 

けれども、、、

人には、向き不向きがあって。。。

 

全員が全員、こんな、体育会系なワケはなく。

 

だから、そういう「根性」の世界を、

楽しいどころか、辛く感じる人も、

たくさんいるのだろうと思う。。。

 

 

店長は、そんな体育会系な上に、、、

理想が高くて、さらに完璧を目指す人だったから。。。

 

だから、彼が従業員に課してくる

プレッシャーは、かなり大きくて。

 

そんなプレッシャーで身体が動かなくなり、、、

普段はしないような失敗をしてしまう人も、

たくさんいた。。。

 

 

店長が、お店の中にいるだけで緊張して、

逆にミスが増え。

 

更に店長をイラつかせる。。。

 

・・・みたいな悪循環が、よく起こっていた。

 

 

私はそういうのがイヤで。。。

 

なんとかお店の雰囲気を和らげようと。。。

仕事中、いつもそればっかり考えていた(笑)

 

 

店長は、売り上げを増やすために。とか。

どうしたら、お客が増えるのかとか。

 

そういうことをよく言ってたけど、私は。

 

従業員の心が安らげば。

お客も自然に増えるだろうなぁ。。。

 

なんて思っていた。

 

 

だからいつか、この店長と。。。

 

腹を割って、じっくり話し合いたいと。

 

そんな風に思っていたりもした。。。

 

 

*******

 

 

店長があの時、、、

何に対してイライラしていたのかと言えば、

多分それは。。。

 

「弱さ」

 

・・・に対してだったのだろうと思う。。。

 

 

私も含め、どこか気の強い人に対しては、

そこまで無理難題を言ってくることは、

あまりなかったから。。。

 

 

ある主婦のパートの人がいて。。。

 

その女性は、私よりもだいぶ年上で。

 

だから彼女は、店長の彼よりも一周り以上も

年が上の人だったのだけど。

 

彼は、彼女のことを目の敵にして。。。

 

ほとんど、いじめに近いくらいの勢いで、

よく、辛く当たっていた。。。

 

 

*******

 

 

つづく