その時、検索でひっかかってきたサイトに、
こんなニュースが載っていた。。。
「1972年、アメリカのニューメキシコの奥地の渓谷で、
ハイカー達が不思議な古代遺跡を発見していた。
その遺跡はタイムトラベラー達が残したタイムカプセルで、
ある秘密組織から脱走した科学者が、
遺跡の情報をネット上で暴露」
最近のネット上の情報は、、、
個人的には、もう、あんまり信用していないので、
今の私だったら、こういう話はほとんど
スルーしてると思う。。。
けれども、、、
当時の私の反応は、こうだった。。。
「えーーーーーーっ!!!!」
・・・って(笑)
タイムトラベラーって、ホントに????
そんなニュースがあったことなんて、
全然知らなかった。。。
・・・と、そう思ったの。。。
それって、いつ発表されたニュースなの?最近?
・・・と、私は急いで、検索をしてみたのだけれども、
そのサイト以外に、そんな報道を載せているところは、
全然見つからなかった。。。
こんなすごいニュースなのに、、、
周りがこんなに静かなのは、なぜ???
どうして他に、情報がまったくないの?って。
あの頃の私は、、、
疑いもせずに、そんな風に思っていた。。。
そして。。。
好奇心だけが、どんどん膨らんでいった。。。
夜、夫が帰ってくると、さっそく訊いてみた。
でも、夫もそんな話は聞いたことないと答え、、、
なので、彼にもそのサイトを見てもらうことにした。
その時の夫もまた、、、
私と同じ反応をした。。。
「えーーーーーーっ!!!!」
・・・って(笑)
「秘密組織」がどうの。。。なんて話には、、、
私はそこまで興味がわかなかったのだけど。。。
そういう話はどちらかというと、
夫のほうが食いつきが良くて(笑)
だからあの時は、、、
私が彼にひっぱられた。。。
みたいなところが、あったような気がする。。。
********
そのサイトによると、どうやら、
その情報の発信源が、アメリカであることが解り。
その発信元へのリンクもあったので、
そこへ飛んでみた。。。
けれどもそのサイトは、当たり前なのだけど、
英語でね。。。
あの頃の私は、英語を見ると、
頭が真っ白になってしまっていた。。。
しばらく英語から離れていたこと。
慣れないネットでの活字読み。
そして、まだ小さかった子供達の世話。
・・・などなど、いろいろな状況が重なって、、、
当時の私には、そのサイトを自力で訳そうなんて、
そんな余力は、まったくなかった。
自動翻訳機にかけても。
よけい、意味不明になるばかり。。。
当時の自動翻訳。。。
今よりももっと、性能低かったからね。。。
なのでもう、諦めかけた。。。
なにも、そこまでしなくてもいいや。。。みたいに。
そんな時だったと思う。。。
そのニュースを最初にみつけたサイトの隅に、
あるリンクが貼ってあるのを見つけて。。。
そのリンク先のサイトに行ってみると、、、
そこには、アメリカのあのサイト内の情報を、
日本語に訳したものがアップされていた。。。
「やったーーー!」
・・・って思った。あの時(笑)
そして、その日本語のサイトを、
夫とふたりで、早速読み始めると。。。
最初よりももう少し、具体的なことが解ってきた。。。
********
28世紀を生きる未来人が、西暦8世紀にタイムトラベルして、
そこで特殊な建造物を作り、その中に様々な遺物を遺した。
そのタイムカプセル遺跡は、1972年に偶然発見されたのだけど、
その「偶然」も、実は未来人が仕組んでおいたことで。。。
遺跡は、20世紀の現代に発見されるように、
最初から計画されていたらしい。。。
その遺跡がどういう経緯で発見されたのか。。。
その遺跡を最終的に管理した秘密組織とは、
どんな組織なのか。。。
そういうことも、詳しく説明されていた。。。
そして、その遺跡の中に遺されていたという、
様々な遺物。。。
壁画、音楽データ、詩、哲学、そして未来の科学技術。
それらの遺物は素晴らしいものだった。
その遺物に直接触れた、秘密組織の発掘チームの
ひとりだった、ある科学者は、、、
それら遺物は、人類に大きな恩恵をもたらすものだと
実感する。。。
遺跡や、そこに遺されていた遺物の素晴らしさを、
組織の一部の人達が独占し、隠してしまうのは、
もったいなさすぎる。
もっと、より多くの人達と共有するべきだ。。。と。
そう考えた彼は、タイムカプセル遺跡に関する資料を持ち、
決死の覚悟で、その組織から脱走する。
脱走後、彼はひとりの女性ジャーナリストを選び、、、
彼女に遺跡の資料を託すと、それをネット上で
公開してくれるように頼んだ。
そしてその後、彼は姿を消してしまった。。。
姿を消す前に彼は、ジャーナリストからの
幾度かのインタビューにも応じていた。
彼の失踪後、そのジャーナリストの彼女は、
迷った末に、受け取った資料とインタビューの内容を、
細心の注意を払いながら、ネット上で公開した。。。
自身の身元がバレないように、匿名で。。。
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日本語のそのサイトを読んでいくうちに、、、
なんとなく、経緯が解ってきた。。。
ただ。。。
その科学者がインタビューの中で語っていた内容は、
なんだか、全然解らなかったの。。。
肝心の、知りたいところが、モヤモヤしたままで。。。
読めば読むほど、
何が何だかよく解らなくなっていくような感じだった。。。
フリーメーソンとかイルミナティとか。
今は、子供まで知っていて。
陰謀論的な話さえも、公の場で堂々と
話されてしまうような。。。
そんな時代になった。
数年前の、スノーデンの暴露なんかもあり、
NSAの存在も、広く認知されるようになったり。。。
でも、あのインタビューを読んだ頃はまだまだ、
そういう話は、マニアックな人たちが、
アンダーグラウンドでこっそりみたいな時代だったし。
私自身は、陰謀論の「い」の字にも
触れたことすらなかったし。。。
NSAなんて、その存在すら知らなかった。。。
だから。
あの頃の自分が、あのインタビューをすんなり
理解できなかったのも、当たり前。。。
・・・と、今は思う。。。
だから最初の頃は、、、
インタビューを理解することは、さっさと諦めた(笑)
そして次に読んでみたのが、、、
未来人たちが遺したと言われる、「詩」だった。。。
その詩も、たくさんあったので。。。
最初はほとんど、斜め読みだったのだけど。。。
その中の、あるひとつの詩に。。。
思わず息をのんだ。。。
これは、理屈ではないのだけど。。。
その時、なぜか私は。。。
その詩が、自分に向けて書かれたもののように、
感じたの。。。
「いやいや、そんなはずはないでしょ~」と。
大人の私が、そう否定してくるのだけど。。。
子供の私はね、こう言ってくるの。。。
「ここに、自分のことが書いてある」
・・・って。
そして、その時に初めて。。。
予感みたいなものが走った。。。
28世紀の未来人。
ウイングメーカーが遺したとされる情報。。。
ここに、何かがあるような気がする。。。って。
それでも、そのサイトに載っている内容は、
まだまだ謎だらけで、読めば読むほど、
私の頭が、疑問を投げかけてきた。。。
で、結局、このニュースは本当のことなの?
それとも、嘘?
・・・と。。。
そういう疑問は、全く解消されないまま。。。
ずっと、半信半疑のまま。。。
でもなんだか。
やめられなかったんだよね。
それを、読み進めていくことを。。。
やっぱりそこに、、、
「磁力」があったのだろうと思う。。。
********
アメリカのサイトでも、日本語のサイトでも。
壁画の写真が閲覧出来たり、データをもとに
再現されたと言われる音楽を聴けたりした。
今よりも未来の人達が、、、
今よりもずっと昔にタイムトラベルして、
そこに遺した壁画。。。
未来人が創った音楽。。。
もし、これが本当のことだとしたら、、、
なんてロマン溢れているんだろう。。。ってね。
なんだか、ワクワクした。。。
そして、、、
あれは、どうしてだったのか。。。
その後、あれこれ自己分析して。
ああでもない、こうでもないと、いろいろと、
考えはしたのだけど。。。
結局、本当のところは解らなかったし。。。
今でもやっぱり、よく解らない。
でも、、、あの時、、、
第1の部屋の音楽というのを、初めて聴いた時。
聴き始めて、ものの数秒も経たないうちに、
なぜだか急に、涙がドッと溢れてきたの。
あの時は、、、自分でもびっくりした。
音楽を聴いて、感動して涙が出てくる。。。
そういうことは、よくあるけど。。。
あの時のは、それとはちょっと違っていた。
音が鳴り始めたとたんに、別に、感動している
わけでもないのに、涙が勝手に溢れてきた。
そんな感じだった。
そんなことは、あの時が初めてだった。。。
一体、自分に何が起こったんだろう???
・・・と。
更に。。。
謎が深まっていってしまい。。。
だから私はますます、、、
その謎を、追いかけたくなってしまったの。。。
あの頃は、スマホとかタブレットとか。
そういう便利なものはなかったし。。。
パソコンで活字を読むのは、苦手だったし。
なので、気づけば私は、、、
その、日本語サイトのすべてのページを、
一生懸命、プリントアウトしていた。。。
なんであんなに、熱が入ったのか。
今思うと、不思議なくらいに。。。
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砂とクォークの浜辺の、波が穏やかな雷鳴を響かせる場所で
彼女はポケットに手を入れ、彷徨い歩いていた
真珠の淡い光を放つ、流れるようなガウンに身を包んで
夜が太陽の未亡人に、三日月の仮面をつけるようにささやきかける時
私には、真夜中の空の髪をした彼女の姿が見える
彼女こそ、私を私として知っている者
しかし私の肌に触れてはいない
神秘の彼方から、彼女の世界が飛び出して
静かな流れに垂れる柳のごとき
彼女の穏やかな美を知ら示す
この穢れなき場所で、彼女はその身を波打ち際に向かわせた
何をすべきかを教えてくれる、波の底にある音を聴くために
彼女の夢は、どんなに美しいのだろう
第16室 Signals to Her Heart 「彼女への合図」より
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つづく