母が、ある仏教学者の先生に出会って、
本格的に仏教にのめり込み始めたのは、
私が高校生になった頃だったけど。。。
それ以前の母は、怪しい新興宗教にひっかかったりと。
いろいろと、やらかしていたらしい(苦笑)
そこは、お布施をたくさん要求してくるところで、
母も途中から、「何かがおかしい」と
感じていたようなのだけど。
抜けるに抜けられなかったのだとか。
そんな母を、半ば強引に連れ戻したのは、
父だったそう。。。
そんなことがあったなんて。
子供の頃は、全然知らなかったし。。。
そういう話は、、、
もう私が、結婚したり子供を生んだりして、
だいぶ大人になった頃に、初めて聞いた。
母本人から。。。
そんな話を聞きながら、、、
私は、あることを、なんとなく思い出していた。。。
私がまだ、小学生の低学年の頃。。。
母に、こう訊かれたことがあった。。。
「もし、お父さんとお母さんが別々に暮らすとしたら、
あんたは、どっちと暮らしたい?」
・・・と。
あれは、夫婦の離婚の危機だったり
したのだろうな。。。なんて思ったけど。
まぁ、離婚の危機なんていうのは、
どこの夫婦でも、一度や二度はあるものだし。
そのことは、いいのだけど。
ただね。
その時、私、こう答えちゃったんだよね。。。
「私は、どっちとも住まない。
おばちゃんたちと住む」
・・・ってね。。。
あの、幼い私の真意は、、、
お父さんかお母さんか、どちらかを選んだら、
選ばれなかったほうが、可哀想だから。
だから私は、どちらも選ばずに、おばちゃんを選ぶ。
・・・だったのだけど。
そこがまだ、幼かったところで(苦笑)
そのおばちゃんが、父の姉である。。。
というところまでは、頭がまわっていなかった。。。
そして、あの母のことだからきっと。。。
私のそういう「真意」には、気づくはずもなく。。。
だから、、、
私からそんな言葉を聞かされた母は、、、
きっと、相当ショックだっただろうな。。。と。
結婚をして、子供を生む経験をした私は、、、
その時の母の気持ちがよけい、手に取るように
想像できてしまったりもしたのだけど。。。
もしかすると、ああいうこともひとつのキッカケとなって、
母は、宗教に走ったりしたのかもしれない。。。と。
なんというかね。。。
そういうところにもまた、、、
母と私の間にある、強い縁。。。
みたいなものを感じたんだ。。。
母の話を、よくよく聞いていると、、、
「知的好奇心」がキッカケとなった私とは違い、
明らかに、母は、、、
「苦しみ」がキッカケとなって、
精神世界に目を向けていったようでね。。。
そこに、救いを求めて。。。
そして、仏教に。。。
・・・というか私には、「あの先生」に救われた
ように見えるのだけど(苦笑)
とにかく、母は、救われた。。。
こういう流れというのはやっぱり、、、
「信者」になりやすいんだな。。。って。
母を見ていて、、、
そう感じた。。。
そしてそこには、もうひとつ重要な要因があって。。。
それは、母が、、、
とても、素直な人であった。。。ということ。
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「あんたとお母さんの人生は、似てるわね」
・・・と、母はよく言っていた。
たしかにね。。。
いろいろ、似ているところがあるんだ。。。
「道の辿り方」が。。。
例えば、高校のこと。。。
これも、のちのち知ったのだけど、、、
母は、仏教系の高校に通っていたそう。
けれども母も、高校時代の私と同じで、
その学校は、家から近いから。。。という、
そういう安易な理由で選んでいる。。。
そして、これもまた、私と同じで、
高校生の母は、仏教になんて、まるで関心が
なかったと言っていた。
けれども、巡り巡って。。。
母は再び、仏教と出会い、そしてそれを
真剣に学ぶようになっていった。。。
母は、学生時代は仏教には興味なかった。と。
そう言っていたけど。
けれどもやはり、「影響」というものは、
知らず知らずのうちに受けているもので。。。
私が物心ついた頃には、そこに、
「お釈迦様」とか、「地獄と極楽」とか。
そういう感じの、、、
ちょっと、古臭い絵の漫画がいろいろあった。
多分、家族旅行でお寺なんかに行くたびに、
母は買ってきていたのだろうと思うけど。
それが、私たちの目につくところに、
さりげなく置いてあったりするものだから。
当然私たちも、読んじゃうよね(笑)
幼い子に、「地獄」のお話は、、、
トラウマになるので、やめたほうがいいと、
私は思うのだけどね(泣笑)
母のああいう行動ってやっぱり、、、
学生時代の影響が強そうに、私には思えた。。。
いろいろな経験をしていくうちに、母は、、、
仏教というものに、「縁」を感じたのだろうし。。。
そして。
表面的な形は違えど、本質的な部分で、
自分と同じような道を辿った娘の私にも。
やっぱり、「縁」を感じたんだろうと思う。。。
母の場合はそうやって。。。
とても、信心深い人ではあったのだけど。
逆に、霊感のようなものは、ほとんどなかった。
女性だからやっぱり、「勘」は鋭いのだけど、
父のような霊感は、あまり持っていなくて。
だから、父とか私が心霊話をしてると、いつも。
「そんなの、気のせいよ」
・・・と、バッサリ切って。
場をしらけさせていた(苦笑)
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父は父で。
霊感はあっても、宗教にはほとんど、
興味を示さなかった。。。
歳をとってからは、多少、受け入れてはいたけど、
若い頃の父は、宗教は大嫌い。というか、
宗教って聞くと、怒っていたような人だった。
それもそうだよね。
母がおかしな新興宗教にひっかかって。
そこから強制的に連れ戻してきたのは、
父だったそうだから。。。
いろいろ、大変だったんじゃないのかな。
だから。
父が、宗教アレルギーになったのも、
ちょっと、解る気がする。。。
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父と母は、お見合い結婚だった。。。
父の姉、つまり、今隣に住んでる伯母が、
母と会社で同僚で、弟を紹介したのだとか。。。
だからふたりは、大恋愛の末に結ばれた夫婦。。。
というわけではないのだけど。。。
それでも私には、、、
あの二人の間にある、「強い縁」が
見えることがよくあった。。。
母は、とても若い頃、付き合っていた人がいた。
母の話しぶりからして、おそらく。。。
母は、その人のこと、、、
大好きだったのだろうなって思う。。。
「なんで結婚しなかったの?」
・・・と訊いたら、母は、、、
「身分違いだったから」
・・・と答えた。
それでも、きっと。。。
母は、心の底では待っていたのだと思う。。。
その人と、結婚できる日を。。。
けれども。。。
そうこうしているうちに、その人は、、、
自家用セスナで事故を起こして、
亡くなってしまったのだそう。。。
母はその時、、、
どれだけ悲しい思いをしたんだろう。。。
悲しむ母に、おばあちゃんは、
こう言ったんだって。。。
「時が解決してくれるよ」
・・・って。。。
一方、父も。。。
若い頃に、恋人を失くしている。。。
母と違って、父は、、、
私たち子供に、自分の過去の話は
ほとんどしなかった。
自慢話以外は(笑)
だからこれは、、、
伯母たちから、こっそり教えてもらった
お話なのだけど。。。
父が留守の時に、その人は父に会いに、
家を訪ねてきたそうで。。。
弟は今、出かけてますよって。
その人に伝えたのは、伯母だったそう。。。
その人は、「そうですか」と言って、
そのまま帰っていったそうなのだけど。。。
その足で、自殺してしまったのだそう。。。
自分のいない間に、その人が訪ねてきたことを、
あとになって知った父は。。。
その後長い間、随分と苦しんだみたいで。。。
「あの時、自分が家にいれば、
死なずにすんだかもしれないのに」
・・・と。
伯母たちに、そう言っていたって。。。
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信心深くて霊感のない母と、
霊感が強くて、宗教アレルギーの父。
そういうふたりを親として選び。。。
幼いころに、彼らの影響を
受けることを望んだのは多分、
私自身。。。
その結果のひとつとして私は、、、
「目に見えない世界の存在」
を、まったく疑わない人になった(笑)
まぁ、、、その人が出来上がるのは、、、
なにも、親だけがその要因ではないけどね。
その証拠に。
同じ親に育てられた、弟と私は、、、
また違う人になってるし。
何がしたくて生まれてきたのかは、、、
兄弟であってもやっぱり、違うのだろうしね。
でも、いつも感じるのは、、、
私自身が。
こういう親を選んで
生まれてきたのだろうな。。。
・・・ということ。。。
そして、こういう親の元に育ったこともやっぱり。
19歳の時の、あの体験に繋がって
いくのだろうと思う。。。
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つづく