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お正月早々、昨年末に新潮社から出た「オオカミの護符」(小倉美恵子:著)に感動。

うるうるしながら読んでいます。

私よりちょっとお姉さんの小倉さん。

おっとりと優しい方です。

川崎という都会に生まれ育ち、高度成長期~バブル期を経験・謳歌していたある日、小倉さんの目にとびこんできたのは農家である実家の土蔵に貼られた一枚の護符。

そこから、神仏と関わりながら暮らしてきた関東の農家の人々の昔の暮らしぶりが浮かびあがってきます。


ゆさぶられました。


たった一枚のお札をきっかけに次々に新しい扉が開き、

とうとう山岳信仰の世界にまで到達していくくだりは

小倉さんと一緒に謎解きの旅をしているようでドキドキと圧巻でした。



ところどころ背中がゾクリとするような文があります。

中でも私が「おおっこれは!」と思ったのは、


『村の伝統行事の多くは、そもそも農事と密接な関わりがあり、月の満ち欠けをもとにした旧暦によって日取りが決められている。安易に日程を変えれば、本来の意味が失われてしまう』


『「ささら」とは、日本の庶民が伝えてきた竹製あるいは木製の古い楽器で、芸能が人と神(自然)を仲立ちし、禍を祓い、福を招く力を持つことを表す』


『かつて芸能を携えて漂白しながら村々を言祝ぎ、神々と人々の心をつないで回った芸能者』


『人ではなく、神を喜ばせる。そこには、人と神(自然)を結ぶ「芸能」の本来の姿がある』



ああ、本来芸能というのはこういうものであったのかと、ハッとしました。


そしてそこでも月の運行は重要であったに違いありません(この本では月の事はつっこんでありません)。


私の母の生家(福岡県ですが)では、

存命であったころはいつも謡を謡っていた祖父や手まりをこしらえていた祖母の姿が

目に浮かびます。芸能好きの一家であったようです。


私が音楽を聴いたり踊ったりするのが好き(決して詳しくも上手でもありませんが)なことと、

アロマテラピーの世界に惹かれることは

関係があるように思えてなりません。


深いところではつながっているような気がするのです。


そんな事を、この本を読みながら考えてました。