呼吸器の仕組みシリーズ 続きはこちら

>>>1.呼吸器の仕組み<鼻腔>

>>>2.呼吸器の仕組み<咽頭、気管

>>>3.呼吸器の仕組み<痰について>

 

 

 

アロマで痰のケアをしようと思うとき、ひとつは

 

粘液を溶解し、痰を排出しやすくするアプローチが考えられるというところで前回終わりました。

 

 

 

ローズマリーシネオールでの吸入についてでしたが、

 

ローズマリーシネオールにはケトン類(カンファ―)が10%前後含まれています。

 

 

 

 

ケトン類は脂肪を溶かす力があると言われており、痰を溶解する力があり、痰のケアに役立つと考えます。

 

 

痰の構成は

 

8~90%が水分、粘液糖蛋白、炭水化物、脂質、灰分などでした。

 

 

 

ケトン類がアプローチするのは特にこの中でも脂質になります。

 

 

脂肪溶解作用

粘液溶解作用

 

 

痰に含まれる脂質を溶かすことで大きな塊となっている痰を小さくし、排出しやすくします。

 

 

 

ローズマリーには他にも

 

 

ローズマリー・ベルベノンなどありますが、この精油に含まれるベルベノンという成文もケトン類の仲間で、ベルベノンが3~15%ほど含まれており、

 

 

ベルベノンには固有作用として粘液溶解作用があることから、粘液の流動性を高めることで痰を排出しやすくするのではないかと思われます。

 

 

ローズマリーカンファ―にはカンファ―というケトン成分が20%前後含まれています。

 

 

 

 
 

また、ユーカリディベスという精油にもケトン類が40%前後含まれているので痰や副鼻腔炎、中耳炎といった粘液の過剰生産によるトラブルに有用とされていますが、

 

 

ただ、ケトン類は神経毒性があるため、妊婦、授乳中、てんかん患者、乳幼児は使用しないこととなっていますので、気を付けて使わなければならない精油群になります。

 

 

なのでお子さんには中々使えないのですねーえーん

 

 

 

ケトン類は扱いが確かに少し注意が多い成分なので初心者さんは控えていただきたいですが、ケトン類を含む精油は上手に使うととても便利なこともあります。

 

 

 

子どもさんの痰などにはやはりローズマリー系やペパーミントは使えないので、

 

 

その場合は、ユーカリラディアタラヴィンツァラなどの酸化物類の1.8シネオールの抗炎症作用や粘液溶解作用を活用するのもひとつです。

 

 

 
 
他にも
 
ユーカリグロブルス(大人だけ)
ローレル
ニアウリ・シネオール
マートル・シネオール
ローズマリー・シネオール(大人だけ)
 
 
なども酸化物類の1.8シネオールを多く含む精油になります。
(大人だけと書いてある以外の精油でも子どもに積極的な使用をしないものもあります)
 
 
 
酸化物類には
 
去痰作用
抗カタル作用
抗ウィルス作用
免疫調整作用
抗菌作用
 
などあります。
 
 
その中でも1.8シネオールの固有作用としては
 
抗炎症作用
免役調整作用
粘液排出作用
 
などがあります。
 
 
 

この場合のアプローチは、

 

・分泌しようとする反応そのものを抑制すること

 

に、ひとつ該当するかと思います。

 

>>>前回記事参照

 

 

 

粘液の過剰な分泌は炎症性伝達物質が多量に放出されることによって起こることもあります。

 

 

炎症性伝達物質を抑制することにより、炎症を鎮め、粘液そのものの分泌を抑制していることから、抗炎症作用と表現しているのではと思います。

 

 

1.8シネオールは、アラキドン酸代謝、そして炎症性物質サイトカイン(インターロイキンやTNFα)やプロスタグランジンの産生を抑制することが分かっています。

 

 

また1.8シネオールは、繊毛運動を亢進させることによる去痰作用も見込めます。

 

 

 

線毛運動を活発にしてくれるというと、フランキンセンスも使えるかもしれません。

 

粘膜の保護もしてくれるので裏メニュ―的にお勧め。

 

 

 

1.8シネオールは皮膚刺激は強い成分ですので、皮膚の状態や濃度には注意して使用します。

 

 

またラディアタであっても6歳未満のお子さまは、注意して使用して下さい。

 

 

 

ユーカリラディアタやラヴィンツァラにはα―テルピネオールという成分も微量入っていますが、

 

この成分にも固有作用として、

 

 

抗アレルギー作用

抗喘息作用

鎮咳作用

去痰作用

 

などがあると言われています。

 

 

成分だけを見て効能を考えるだけでは不十分ではありますが、参考にするのもとても大切です。

 

 

 

 

オレンジやレモン、グレープフルーツなどのd-リモネンにも油やタンパク質を溶かす力があるので、軽い去痰作用を持つとも言われていますが、

 

 

単体で選ぶより、ラヴィンツァラなどとブレンドして使うと良いのではないかなと思います。

 

 

柑橘系の精油を使用する場合は、光毒性に注意してください。

 

でも上手に使えたら柑橘系だと子どもも香りも好きですし、良いですね照れ

 

 

 

今回の精油成分の考察は、気道粘膜への各成分の直接的な作用についてでした。

 

 

 

吸入の仕方は、

 

 

マグカップのお湯に精油を一滴ドロップして、

 

 

ハンカチタオルで目から下の鼻の辺りを覆いながらマグカップを口と鼻に近づけてゆっくりと蒸気を吸入します。

 

※精油の成分が目の粘膜を刺激するので必ず目をつぶるかハンカチを使用してください。

 

 

 

基本的に鼻からの吸入で構いませんが、

 

 

鼻づまりが酷いときは鼻から吸入し、

 

喉が痛いときは口を開けて口呼吸で吸入するのも良いです。

 

 

咳がひどかったり、喘息気味の方は、蒸気でむせて咳がひどくなってしまうこともあるので、この方法は控えるか温度を低くして蒸気を抑えてください。

 

 

温度を低くしてもあまり咳き込む場合は皮膚塗布にしますが、呼吸器粘膜へと直接アプローチできる吸入は上手に活用するととても便利です。

 

 

精油は、今回は痰をなんとかしたかったので成人な私はローズマリーシネオールにしましたが、

 

 

呼吸器系のケアには上記にあげたようにたくさんの精油が使えますので、用途や使用する人によって使い分けてください。

 

 

 

吸入は簡単ですが、上手に使うポイントがあります。

 

また実践的に活用するためにこちらでも吸入についてくわしくお伝えとフォローをしています。

 

 

初心者さまから楽しみながら学んでいただけるコースです

 

 

 
 
 

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*アロマを使用する際の注意
 ・妊娠初期の時は使用を控えてください。

 ・お子様や高齢者、てんかんや高血圧の方などは注意が必要です

 ・服薬や治療中の方は医師とご相談の上でご活用ください。

*日本では精油は雑貨扱いであり、様々な品質のものが同列に並びます。品質をきちんと見極めた上でご活用されることをお勧めします。

*アロマテラピーは医療ではありませんので自己責任の元ご活用ください。

*当ブログの記事は管理人当人の勉強のため使用しています。参考にしていただく分には構いませんが、それによるトラブル等には責任は負えません。

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