力関係を使った性暴力をふせぐ。信仰とグルーミング

今回は力関係を利用した性暴力と“グルーミング”

について書いています。

性被害をふせぐためにできることを

知識として知ることで、今からでも大人の自分に。

そしてお子さまにも、身につけていきませんか。

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先日のニュースで

四国の尼僧の方が寺で約14年にわたり、

最高位の僧侶から性暴力や恫喝をうけてきたことを

実名で記者会見をされました。

訴えの内容は加害した僧侶と、

その僧侶の加害行為を手助けしたとして
天台宗の宗務庁に対し、

大僧正の僧籍のはく奪を求めるものでした。

性暴力に対して声をあげること、ましてや

お名前と顔を出して、

社会的な立場が上の人を訴えること。
ここまでにどれだけの苦しみや

葛藤を抱えながらいらしたのだろうと思うと
やりきれなさを感じると同時に、

ご本人の勇気と決意に頭がさがります。

会見の中で性暴力がどのように起こり、

助長されていたかが語られており、
改めて、立場を利用した性暴力にある

構造の問題のことを思いました。

たとえば

・お寺にくる方は既に苦しみを抱えておられ、

僧侶に心の救いを求めている。
すでに僧侶を信じておられる。
そのような方々に対して、現状を明かすことは

何重もの苦しみを与えることになってしまうのでは…

という被害に遭われた方の“二重の言えなさ”。

(性暴力自体が訴えにくいことに加えて)

・「私が手を引っ張ってこの寺にお前を

連れてきたわけではない。
お前の意思と足でこの寺に来たのだ」

という責任の転嫁や理論のすり替え。

それによる自責。

・下の立場にある者は上の者の言うことを

きかなければいけない、という戒律的な教え。

それによる心理的なしばり。

・仏の道にいる者が間違いを犯すはずがない、

自分の捉え方が間違えているのでは、
という思いになってくる混乱や自責。

ほか、力関係(立場や年齢、周りとの関係)

のある中で起こりやすいのは

・言ってもわかってもらえない、

信じてもらえない、という恐怖や
そこからの孤立感

・最初は良い人、お世話をしてくれる人、

という印象から、時間をかけて性加害への移行による
「この人がそんなことをするわけない」

「悪い人ではないし」「自分もお世話になってきたから」
などの被害を感じにくい、もしくは感じても

信じられなくなる“グルーミング”による混乱。
自分がいけないんだ、ヘンなのだ、という自責。

まだまだありますが、こうして挙げただけでも、

被害に遭われた方がどれほど心理的、

状況的(身体的)に孤立し、戸惑い、

自分を責めるようになるか、が見えてきます。
前提として、大きな悲しみ、恐怖、怒り、

苦しみがあることに加えて、です。

会見の中でこの方は

「性暴力は誰も見ていないところで被害にあう

最も悪質な支配関係による暴力行為です。
1人の人間の人格をすっぽり丸ごと破壊し、

バラバラにしてしまうアイデンティティの殺人です」

とお話をされていました。

今回は特に「信仰」という、人の苦しみや祈り、

願いが関わっている状況での加害。
立場と状況を利用して、徐々に不適切な関係を作っていく

という“グルーミング”の問題を感じました。

“グルーミング”は立場や年齢など

力関係があるところで起こりやすいものです。

大人としての今からでも。
そして小さいうちから。

情報として知っていると防げることもあります。

たとえば入り口として

・自分を大切にすること
・OKなこととと、ダメなことの違い
・NO!と言うこと、離れることもときに必要なこと

など。

恐れをベースに生活を送るのではなく、
知ることで安全に、楽しく過ごすために。

これからもトラウマや性被害についてのお話、
一緒に学び、考える場を持ちたいと思います。

4月からのご入園、ご入学を迎えるお子さまがいる方に向けた
ワークショップも開催します。

性被害の予防は安全なところで、