今回はインテグレイテッド心理学を基本にした

「投影」について書いてみたいと思います。



ふだん、私たちは全てのものを「目&思考」を通して把握しています。

(視覚以外の五感でも)実は、すでにここで「投影」が起きています。

例えば、「私」が朝起きて準備をして、お皿の上にあったパンを食べ、

コーヒーを飲み、お母さんと挨拶をして、地下鉄に乗って会社へ行く。


この、お皿、パン、お母さん、電車、会社、同僚。全て投影です。


目に入るモノ、人、そして、それが何か(誰か)とわかるのは、

知識や経験があるから。だからこれが「おいしいパン」

「優しいお母さん」だとわかりますよね。

(そしてこの「おいしい」や「優しい」という部分は経験によって異なってきます。

パサパサのパンしか食べたことがない人にとっては「パンはまずい」になるでしょうし、

眉間にシワを寄せて怒っていることが多かったお母さんの印象がある人には

「ヒステリーな女性」「こわいお母さん」とみえるかもしれません。)


この時点ではまだ、投影に良いワルイもありません。

けれど、特別な意味をもった投影が重なると・・・
 ◇

1)薄い投影が、自分の反応ポイントによって特別な意味を持ち、投影が濃い部分ができる
2)すると自分にとってさらにそのネガティブな意味(エネルギー)が強くなる
3)シンプルな状態(モノ・人・できごと)に自分特有の解釈が加わり、

その解釈の方を「本当のことだ、」と思うようになる
4)もともとのシンプルな事実から離れ、苦しみのストーリーが展開されてゆく
5)そして「そういえば、あの時も」「やっぱり私は、あの人は」

「いっつもこう」など、事実から離れたところで、自分の解釈が真実味を増してゆく
6)さらに自分の描くネガティブなストーリー、パターンが真実として強化されてゆく
7)その誤解のまま苦しみが深くなってゆく
8)事実から遠ざかり、本来の姿、シンプルなことが見えなくなる、

(この時点で気持ちも重く、ストレスも強い状態。)

 ◇
という流れで、問題(悩み)として出てきやすくなります。

また、ネガティブな濃い投影(自分の解釈)があることで


・他の人には気にならなくても自分だけが気になる、
・それを見ると(考えると)ネガティブな気持ちになる、
・その気持を引きずる
・それ(反応するモノ・人・できごとなどの対象)に関する

違う考えが続々と出てきて、頭がパンパンになる
・それを見ると(考えると)体がギュ、やザワザワ、など反応する
・解釈だけど、それが「本当のこと・絶対の真実」だと思い込む
・避けるため、行動が制限される
・自分のほんとうの気持ちを深く抑えるようになる
・抑えることが続くと、自分の本当の思いがわからなくなり、

どうしたいのか、どうすればよいのかわからなくなる


…などのループが強くなり、自分の考えの中で本当の姿から離れ、

真実が真実ではないまま、作られた苦しみがいつの間にか増している。

ということにもなります。


~投影・見え方の違いを感じる簡単なワーク~


ここでちょっと簡単なイメージワークをしてみましょう。

例えば、ある家に双子のAさんBさんがいたとします。

Aさんは自分に対して、深い部分で

「私はいつも後回しにされるどうでもいい存在だ。」と思ってます。


そのAのさんが朝起きて服を選ぶとき、どんな気持ちで服を選ぶのか。

お母さんが笑顔で「おはよう!行ってらっしゃい^^」と声をかけたら、

その言葉をどのように感じるか。満員電車に乗っていて、

誰かのヒールがつま先に乗ったらどう思うか。

会社で上司が無言で書類を渡してきたら、どう思うか。

Aさんのキャラになったとして場面を進めるとしたら、どのような感じがしますか?


今度は逆。もう一人の双子のBさん。

昔から「私はいつも大事にされてきた。」と感じながら育ちました。

このBさんがAさんと同じように朝起きて準備をして、

お皿の上にあったトーストを食べ、コーヒーを飲み、

お母さんと挨拶をして、地下鉄に乗って会社へ行く。

という場合、Bさんのキャラになったとしたら、どのような感じがしますか?

同じ家で、同じトーストを食べ、同じお母さんに声をかけらたとき。

電車で誰かのヒールがつま先に乗ったとき。会社で上司が無言で

書類を渡してきたとき。Bさんの場合、どのようなことを思うでしょうか。


このAさんとBさんの見え方の違いが「投影(解釈)」の違いです。

住んでいる場所、関わる人、育った状況が同じでも、

AさんとBさんの朝の様子をイメージをしていただいたように、

違いがあるのです。同じものを食べても感じ方が違い、

同じ人を見ても、受ける印象が違う。間に自分の思考フィルターが入ることで、

同じものが同じではなくなる(ように感じる)ということです。


このように、「濃い投影(自分特有の解釈)」があることで、

実際には同じもの・状況(パン、お母さん、会社)でも、

AさんとBさんの体験が異なってくる。というのが投影のポイントです。

あなたの投影が濃くなる部分は、どこでしょうか^^


ちなみに「Aさんの性格がわるいから」とか

「Aさんがネガティブだから、そう見えるんだ」ということではなく、

知りたいのは、

◯どのような解釈メガネを通して世界(や自分)を見ているのか。

(投影のパッケージの中身は??)


◯そのメガネはどういうきっかけで作られたのか。

(抑えてきた思い、感情、できごとなど)


ということです。どんなに傲慢に見えるあの人も、

絶対にあちらがワルイ!と思うあのことも、、、「投影」を知った後だと

いかがでしょうか。(良く思おう、許そう、という意味ではなく。)

また、「私はいつも認められない。」「どうせ私は大したことないから。」

そういう自分への決めつけも。「投影」の観点からすると、どのように見えますか??

ポイントは『自分の見ている・感じている世界が唯一、不変の正しい世界だろうか?』

ということ。柔らかな「この思い、ほんと?^^」という視点で

自分自身や世界を見直してみるのはいかがでしょうか。
 

 

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