念无双(念無雙)A Moment But Forever 全36話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

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『念无双(念無雙)A Moment But Forever』

2025年 3月〜 中国 全36話

 

出演

姬谭音(姬譚音)→唐嫣

源仲→刘学义(劉学義)

 

 

ネタバレ 第1話~第6話。

五百年前の神魔大戦で、天梯が破壊された神界と人間界は断絶される。人間界には狐族と戦鬼が残り、神界は力の源であった神の左手が下界へ落ちてしまったため力を失っていったという。

自身で創造した神手を捜して下界した、工匠の神である姬譚音は、争乱に巻き込まれて封印されてしまうが、偶然通りかかった狐族の子供によって、その封印からも目醒めることとなる。

 

目醒めてすぐに、類い稀な力を持つという狐族の少年の噂を聞き付けた姬譚音は、この少年(源仲)が神の左手を身体に宿していると確信するが、ひとまず狐族の大寂司として君臨する源仲に近付くため方外山へ向かう。

大寂司の住む方外山へ、侍女として潜入した姬譚音は、あちこちで源仲と会うこととなるが、噂で聞いていた暴挙を奮って多くの命を奪っているような人物には見えない。

しかしここに来た目的は神手を取り戻すことであり、忍び込んで源仲の身体から剥ぎ取ることにするが、融合が進んだ神手を無理に奪えば源仲の命にも関わる。神女というだけあって慈悲深い神である。

しかもその身体に巻かれた金環(首輪)は、本来、力を制御し、自由を奪うためのものであり、やはり噂の暴君とは話が違うという思いは強くなっていく。


その理由もすぐに分かる。

当時、神の左手を手に入れた狐族の長老たちは、その力を担える子供を捜して、その反動で犠牲となる大勢の子供たちの命を奪ってきた。

神手に選ばれたのは源仲だったが、子を奪われた父母たちをも殺めた長老たちは報復を恐れ、戦鬼を倒すための道具にしたのちに、金環で力を封印し、彼自身も修行という名で40年間封印されている。その上、出て来たと思ったら定期的に神の血を抜かれるような今の日々に至っている。

この事情を知った姬譚音は、途端に源仲が不憫でたまらなくなり、この金環を外して彼を自由にするまでは側にいて守ることを決意する。

この金環のおかげで、修練すれば神に昇華出来るという出鱈目ばかりの長老に向かって、そんなに良い物なら自分で付ければ、とかいう姬譚音には胸が躍るな笑

無辜の源仲を見捨てられず、神手を取り戻すことと源仲を守ることを、条件付きで神界へも了承させたため、しばらくは方外山への滞在が許されることとなる。

回想の様子では、当に源仲が自分を目醒めさせてくれた狐の子だということは知っていたようだ。

 

ほどなく、方外山では戦鬼に操られた弟子たちが次々と源仲を狙って現れるが、消滅させたはずの戦鬼が復活しつつあることは狐族にとっては脅威である。これに対抗出来るのは神手を持つ源仲のみであり、悩んだ長老たちは、その力を解放するために金環を外す決断をしたようである。表では尊重しているように見せて、所有物のようにただ鎖を付けて逃がさぬようにしているだけの利己的なじじいばかり。

長老の中でも、幼少から共に育った常華は少し違う気がするが、鎖に繋がれたかつての親友を自由にするため、ひょっとしたら戦鬼の復活の件も、陰で仕組んでいた可能性はある。金環を外す決断がされたとき、少し喜んでいるように見えたし。

 

当時の源仲は、神への昇華も人々を守るためだと純粋に信じて40年修練を積んでいたのだろうが、現在もそう信じているのかは謎だな。利用されるだけされて恨みは一切ないとも言えない。今回、金環を外すという長老たちに、神への昇華のために修練してきたことが無駄になる、と言っていたのも、出鱈目だと気付いていて敢えて口にしたのかもしれない。

それに何度も源仲が好人なのかを確認する台詞の多さが気になる、、、姬譚音が神界をも説得して、信じて救おうとしている源仲が闇堕ちなどすれば姬譚音の立場も危ない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話~第10話。

戦鬼が降臨していたように見せた術は、源仲を利用する長老たちへ常華の怒りが爆発した結果だった。ただ丁戌(長老の長)への降臨だけは、源仲が戦鬼人の術士である老婆を使って行っていたようだから、やはり源仲には腹の内に一物はありそうだ。金環を外して自由になるためだけなら解決したが、それだけではなさそう。

 

母親を捜して、この術士の老婆へ辿り着き、図らずも降臨の術に巻き込まれた千麟は、戦鬼の血縁なのか器なのか今は謎だが、その後、戦鬼人が神界へ戻るために源仲を殺めねばならない計画を知る。母親を探し当てるためだけに、その役を自分で(勝手に)担うことにした千麟は源仲を追うことになるが、あの船に乗った元公子が源仲だということをどうやって嗅ぎ付けたのか謎だな。


一方の姬譚音は、一度、源仲を庇って命を落とすが、神族のため当然死ぬことはない。源仲は、なぜ彼女が身を挺して自分を守るのか分からず、混乱しながらもその死を悲しんでいたが、再び戻って来た姬譚音を誤って殺めてしまった。

ここまでは誤魔化せた姬譚音の死も、二度命を落とした彼女が再び戻って来たことで、さすがに身元が怪しいと思い始める。

戦鬼人は元々神族だったために、この様なことも可能だという考えに至った源仲は、自分に近付いて何かを企む戦鬼人の仕業だと思い込む。しぶとい姬譚音を見て、最終的に、戦鬼人の王族なのでは、、、などと推測はあらぬ方向へと暴走している。

結果、合計四度も命を奪われたことになるが、序盤は神女の慈悲深い思いで金環を外す目的だったのが、今では悪人か良人かを確認するためだけに彼を追っている見た目はただのストーカーである。

全ては神手を取り戻すため、悪人なら無理矢理、良人なら寿命まで待つ、という信念の元、源仲の側に留まろうとする姬譚音の優しさと相反して、腹の内の見えない源仲とその周囲での動きが不穏である。

 

同じ船に乗り込んでいた常華は、戦鬼の復活を警戒して人族と手を組もうとしているが、方外山に留まっていた知黛はその人族の貴族の娘か何かなんだろう。人族も狐族も自族を守るために打算があるのだろうが、皆が裏のありそうな空気を纏っていて実に不穏だ、、、かつて源仲を裏切った格好となった常華は、そのことを悔いているようだが、今のところの源仲は彼を許してはいない。

分かりやすいのは姬譚音の存在のみだが、源仲が自分への不運を呪いだと思い、無理に良い行いをして相殺しようとしていることには気付いていないようだね笑

 

船底で爆破を企んでいた人族の反派は、仙族にへつらって生きるより人族なりの生き方を望んでいた工匠たちの反乱だったが、それぞれの思惑が船上で一つとなり既にカオスである。

その間も何を考えているか分からぬ源仲は、逃げ惑う人々を無情で傍観するだけで、率先して戦っているのは姬譚音や常華のみである。散々利用されてきたこの世界には、やはり恨みが深いようだが、ひょっとして源仲の望みはこの世界の破滅なのか、、、

この少し前に、千麟が盗んできた戦鬼の剣によって、一突きされた神手もろとも源仲の命も尽きる寸前となるが、姬譚音の雄叫びで神界から恩赦が降り注ぎ一命は取り留める。神界の力すごいな笑

このせいで姬譚音への不信感は募る一方の源仲に対し、身元は絶対に明かさないという五神に出された条件で、誤解を拭いたくとも拭えないのがきつい。

 

何事にも懸命に立ち向かう姬譚音が、ひたすら真っ直ぐで気に入って観ているけど、その純粋な心を源仲が裏切ることになりそうで嫌だな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第12話。

姬譚音が必死で人々を救ってる中、いつまでも傍観していた源仲は、やっと重い神手を上げて船の落下を防ぐが、どうも不本意のように思えたな。噂では全て源仲の手柄になってたけど。

その後も無駄な用事を言いつけて姬譚音を遠ざけようとするが、決して追い払えないことにそろそろ気付き始めている。

 

方外山から下山した源仲は、神手が生んだ子非以外、残り4つある器霊の封印を解放するため、まずは開山(器霊の一つ)を捜して白頭山へ向かう。白頭山は源仲の旧友?である眉山君の住処で、天劫を受け続けても飛升出来ず、かといって雷刑で命を落とすこともなく苦しみに耐えていたようだが、キャラ的に全く不憫さはない。

眉山君の頼みを聞いて、この天劫を神手で請け負うことにした源仲は天劫に狙い打ちされるが、今度も姬譚音が立ちはだかって庇うことになる。さすがに天からの試練を他人に代わって受けることは天道に反するため、たとえ神族だといっても身体への負担は大きく元神も傷付いてしまう。

 

下界では例の如く、その身体は亡骸になってしまうが、源仲にとっては、何度も命を賭して自分を救う姬譚音への疑いは無くなりつつある。今回も目を醒ました姬譚音を、以前とは違う態度で甲斐甲斐しく面倒をみる姿は、情が湧き始めているように見える。眉山君の畳みかけるような言葉が効いているな笑

一方の姬譚音の感情は、今のところは完全に母性(起こしてくれた狐の子、自身の創造物である神手を持つ子)だが、まず五神に提示された、心を動かされてはならぬ、という条件がある。

 

同じ船に乗って危機を回避した常華は、方外山を降りた知黛と再び巡り合うこととなるが、知黛の回想から、過去に共に過ごした日々(短期間だと推測)があったことが分かる。常華はなぜかそのことを覚えていないようだが、知黛の出会った鹿の話とは、おそらく常華のことなんだろう。

かつて常華が探していた幻の剣(巨闕剣)を彼のために探し当て、何も覚えていないかつての日々ごと手放した知黛には切ない気持ちになった。常華は追いつけるかな、、、

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神界の韓女も一見慈悲深い神に見えるが、何か企んでいそう。未だ目醒めない泰和との関係も愛と尊敬の他にも何かありそうだが、源仲と泰和の間も訳ありなんだろうか。全然分からないけど笑

神手が生んだ5つの器霊は、最終的に、神手を持つ源仲と一体になるのかな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第13話~第18話。

更に強力な封印によって開山の解放が出来なかったのは、姬譚音の師匠である謝游の力が原因だったが、これは開山とは全く関係ないところで行われていた。

かつて工匠である謝游の弟子だった姬譚音は、師父を飛び越えて神族へと昇華したわけだが、謝游にとっては、才能を見込んで弟子にした彼女へ己の匠を伝承出来ず、かといって他に託せる者もおらず、昇華も出来ぬ自分の存在意義を見失ってしまったようである。それからは工匠を封印し、ただ流れに任せて流離っていたが、その過程で悟りに至り、自分の生き様である四つの難題を弟子に解かせて昇天する。結局、この生を弟子が理解したことで伝承する格好となり悔いなく旅立ったということなんだろうか。美しい別れだったが、謝游の心中が難解すぎて、昇天の他に最も望んでいた彼の未来図はイマイチ分からず仕舞いだった。

謝游が消滅したことにより、開山の封印は解かれてこの地での役目は終わるが、この地から出て行けぬ眉山君の天劫は変わらずこれからも続くようだ。

 

次に向かったのは鳥山唖女の伝承が残る地だが、この鳥山唖女とは、本人は無意識ではあるものの姬譚音のことである。無雙(無双)神女でもある姬譚音は、いつかの船で叛逆を起こした匠連中にも工匠の神として崇められていたが、老いた知黛へ若さを与えたのもおそらく姬譚音である。

そしてここでも鳥山唖女への伝承が根付いているため、あらゆる場所で姬譚音への信仰は深い。戦鬼人と取引をしているという人族で結成される無双会という組織も、名前から察するに姬譚音への信仰者だと思われる。敵らしき者達からも信仰されるとは一体どうなってんの笑

鳥山唖女が姬譚音だということは源仲も薄々感付いている。

 

この地を訪れたのは、橘子湖に封印された器霊の一つである鹿沉を解放するためだが、着いた時には封印が既に解除されており、鹿沉は行方不明となっていた。

この行方もすぐに突き止めるが、裴九と名乗る鹿沉は封印が解けたと同時になぜか記憶を失くしており、神手による騒乱とは全く関係ないこの地で好いた女と根を下ろそうとしている。短劇でお馴染みの程宇峰が登場してなんか嬉しい笑

鹿沉の記憶喪失の原因を探るため、源仲は自分の弟子になることを提案するが、裴九には好いた女と幸せに暮らすこと以外に興味はない。記憶が戻れば自分の役割を認識して、源仲へ着いてこの地を去るのだろうから、老板娘との別れは必至である。そもそも全ての器霊を解放した後の彼らの役割も今は分かっていないが。

 

その先を考えている姬譚音も、この件に関しての心情は複雑である。愛し合う二人をいつか引き離すことになる結果は、慈悲深い神女にとっては苦しいところ。

 

一方の常華は、かつて命を救ってくれた知黛を覚えていなかった上に、兗都城少主である知黛が方外山へスパイとして潜り込んでいた可能性を直接本人に問いただす。

あの雨の日に、これまでの経緯と、その想いを打ち明けた知黛の話は全く響いてなかったのか、さすがに鈍すぎじゃないの。

というわけで、探していた巨闕剣を手に入れ、彼への想いを手放せず身分を隠して何年も側にいた知黛の心を踏みにじる常華の態度は、ちょっとイラついたな。

その後、戦鬼人との戦闘で知黛を庇って瀕死になる常華は、やっと彼女への疑いは晴れたのだと思われる。

戦鬼人と繋がっている様子の緑遥は、無双会のメンバーなんだろうか。この緑遥って、方外山を去るという知黛に、後はまかせろと言ってたあの人だっけ、、、

 

かつての船上で源仲の命を狙った千麟は、その後瀕死となり老板娘に拾われて看病されていたが、この男も姬譚音の信仰者なんだろうか。船上では目的を達せなかったために、また源仲の命を狙う可能性もあるが、まずこの存在が今は謎だな。

謎と言えば、少年時代の源仲が信仰していた神も姬譚音だが、時間軸でいくと、子供時代に姬譚音を目醒めさせる→少年時代に祈りを捧げて姬譚音を出現させる→神手のせいで戦に利用される→神手の一撃で姬譚音を吹き飛ばして海に沈める、この順だと思うが、源仲が封印されていた40年間は、海に沈んでいたということ?

 

個人的には、源仲と姬譚音にCP感は全くないが、「不」と「不能」のニュアンスをあちこちで指摘されているのは、姬譚音に恋心が生まれているという意味なんだろう。何度も救ってくれた源仲の気持ちが愛に変わるのは分かるが、姬譚音の方はどうも母性愛にしか見えんな笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話~第22話。

鹿沉の記憶を取り戻せぬまま芸娘との婚姻の日は近付くが、源仲が功法を与えるたびに裴九の記憶は段々と消えてゆく。逆に言えば鹿沉の記憶を取り戻しつつあるのだが、姬譚音にはそれが裴九を尊重せぬ行為に見えて反発を抑えられない。

源仲にとっては、推測しか出来ぬ姬譚音の身分が信じるに値するのか半信半疑でもあって、これから行おうとしている目的を阻まれることに不快感を覚える。

このタイミングで戦鬼に憑依された姬譚音は、源仲との戦いとなるが、この憑依を操っていた戦鬼人の術士の老婆は、人族の子供を次々と攫ってその血を憑依術の材料に使っていた。たまたま芸娘がその拠点を探し出して子供を救ったために、姬譚音の憑依は解かれるが、源仲とは仲違いをしたまま二手に分かれることになる。

 

源仲や姬譚音とは別のルートで、行方不明となった芸娘の足取りを追う裴九は、戦鬼人に捕らわれた芸娘と子供たちを見付け出すが、戦鬼人との戦いは多勢に無勢でとても敵いそうもない。段々と鹿沉を取り戻していた裴九は、それを自分でも自覚していたが、芸娘を手放すことがギリギリまで惜しかったのだと思われる。しかしこの場で鹿沉を取り戻して力を発揮せねば、皆の命が守れないと判断し、遂に裴九を手放す決断をする。

この後は、完全に鹿沉としての役目を遂行せねばならないため、芸娘との日々やその想いを封印して忘れたことにするが、去り際の拳に切ない思いをさせられた。

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鹿沉が記憶を失くした原因は、戦鬼の乗り物である魔龍の魔気がその身体に残されたためだが、現在はその魔気が鹿沉の身体を介して源仲の識海へ入り込んでしまった。

その魔気を排除するため、姬譚音も源仲の識海へ入ることにするが、最も深い源仲の識海は九階も下へあるという。これを一階から下っていくわけだが、その過程で出会う源仲の思念は実に切ないものがある。

 

封印される40年前は、姬譚音と出会った少年の頃のように純粋な思いは残っていたのだと思う。しかし一人っきりでの穴倉の日々は疑心が疑心を呼んで、その純粋な心は失われてしまったんだろう。誰に意見を求められるわけでもない一人っきりの日々は過酷であり、もはや自分の中だけで答えを導き出してそれに囚われていくのは必然かの如く、神へ祈りを捧げても無意味で、己の神手で悪の根源である五罪を清めるしかないという考えに至る。それでも神の存在を否定するわけではなく、祈れば救ってくれるという神を頼る心が愚かだと言っているんだろう。

もしかしたら封印された最初の頃は、神に祈る日々を送っていたのかもしれない。それでも何も得られないことに絶望した源仲の気持ちを想像すると酸味しかないのである。かわいそうにな、、、姬譚音が神手で海に沈められていなければ、源仲の声を聞いてその心を救えた可能性もあるが。

最下層の識海では、源仲の目的が明らかとなるが、それを達成するために五つの器霊の封印を解いてまわっているのだな。ゆえに自分が一旦魔に堕ちて、悪の根源を絶つ方向へ向かっているのだと思われる。

 

神界では、韓女が泰和の身体を介して源仲の悪念を留めているように見えたが、目的はまだ分からない。源仲が悪念から浄化されると都合の悪い何かがあるらしい。泰和の身体を使ってはいるが、まるで戦鬼との会話のように見えたな。

 

一方、目を醒ました千麟を、個人的には何者なのかイマイチ分かっていなかったが、今回、やっと戦鬼人だということが分かる。自分が見逃していただけで当に周知されていたのかも、、、

これを理解していなかったために、常に千麟の危機を救い、勝手な行動も多めに見ていた明彰の行動が分からずにいたが、そうか、兄だったのか。最後は自分を救うために命を落とした兄への後悔で、生気のない顔がさらに屍のようになってしまったね、、、

 

残りの器霊は、二手に分かれて封印を解くことになるが、この過程で、自分が少年時代に信仰していた神女は姬譚音かもしれないという疑惑が湧いてきた源仲に、身分が知られる日は近い。

今のところは、子供(阿修)にかかりっきりの父母の如く睦まじい日々を送っているが、この平和な日々もそうは続かなそうだ。

 

少し前に知黛を庇って瀕死となっていた常華は、段々と回復を見せているが、常華の疑心は無くなっているように見える。警戒していた人族組織の無双会と繋がっているのは、知黛の弟の知岳なんじゃないか、なにせめちゃくちゃ怪しい。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第24話。

姬譚音の存在によって善と悪の挟間で葛藤する源仲、、、

兗都に着いたら、博九雲という謎の工匠が近付いてくるが、一体何者なんだろう、どうも姬譚音の素性を知っているように見えるが。

この男の出現で、源仲の警戒心は頂点に達する。自分の女だと公言しているわけでもないのに、不愉快な気持ちが表に出すぎではないの笑 うっかり博九雲に遭遇して探りを入れていた姬譚音を目撃した時も、麺を用意して彼女をじっと待っていた自分に腹が立ったのか、ありえん熱量で激怒する姿には仰天する。

やはり源仲の目的は、悪の根源に侵された(と思っている)この世の全ての生を奪って破壊することなんだろうか。40年の穴倉で、全てを負の方向でしか見られなくなった源仲は気の毒だが、光の方へ引っ張り上げられたと思えば、一瞬で暗闇へと戻る彼を諦めずに側にいて諭していく姬譚音は、やはり彼を善人だと信じているようである。

それに応えて悪念から少し解放された源仲とは相反して、今度は千麟からの話で姬譚音の心に疑念が生じる。このタイミングの噛み合わなさ、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話~第28話。

全ての器霊の封印を解き、いよいよ時が迫る。

源仲の葛藤は最後の最後まで続くが、眉山君も器霊の5人も彼のこれから成すことを否定はしない。それも源仲が背負わされたもの、それによって被った様々な苦渋を理解しているからなんだろう。神手の一部である器霊は分かるが、意外にも眉山君の懐の広さが見えた部分だった。

破壊の寸でのところまできて、これまでの出会った善良な人々が脳内を過ぎった源仲は、恨みに覆われた厚い壁を己で取り払い、残っていた本質がその手を止める。女神の力でもなく自分で留まったところに大きな意味があったと思う。

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身を削って源仲を救ってきた姬譚音を、失望させることのなかったこの結果は喜びが大きい。

 

各所でも、破壊が皆の望んだ結果ではなかったのが、明日を迎えた皆の表情で分かるが、神界で不穏な動きをしていた韓女には都合の悪い結果となる。

この世界では、魔=戦鬼だと思われるが、泰和の中にいるのは実体を持たぬ戦鬼の思念なんだろう。元々、神の左手は泰和に属していたようだが、かつての神魔大戦で泰和も戦鬼も散り散りになり、その一部が神界に残っているという。現在、神手を持つ源仲の悪念と、元の持ち主である泰和の身体を利用して戦鬼は生きながらえていたようだが、悪念が浄化されつつある源仲からのエネルギーは減り、既に瀕死である。

韓女は早々と源仲を殺めて神手を取り戻すことが目的なんだろうが、復活を望んでいるのは戦鬼ではなく泰和だよな、、、根っからの悪女とはどうも思えないし。

しかしこのために、戦鬼人を操り源仲の命を奪おうとひたすら力を貸している。ゆえに戦鬼と手を組んでいることが知られた今では、姬譚音を神界へ戻すことも阻んでいる。

神界で起こっていることをそこに居る神ですら見抜けないとはポンコツの集まりなのか、、、

 

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下界では、悪念から浄化されつつある源仲と、阿雪の屋敷で穏やかに過ごす4人の姿が睦まじいが、この世の破壊を踏みとどまった源仲は、どうも別の目的に切り替えたように見える。これが結局自己犠牲にならないかと不安はあるが、破壊された千麟の金丹(法源)を修復した源仲は千麟をどうするつもりなのかな。

千麟は戦鬼人だが、人族である阿雪や神女の包容力で命が繋がってきたため、その恩を忘れない性根は良い子である。これまで仲間の命を奪ってきた源仲を恨んではいるが、同時に感謝も忘れてはいない。完全なる戦鬼にするといって、韓女は怪しい空間に族長一味をいざなっていたが、源仲は別の道でそれを千麟に達成させようとしているのか。とにかく千麟と族長とは求める方向が違っているため、敵にはならなそう。

 

一方の知黛も、弟が野心を持って何か企んでいることにやっと気付いたため、ここも敵対関係となってしまった。知岳は人族の繁栄のためだけに、神界や戦鬼を利用しているだけなんだと思う。

知黛や常華とも協力体制に入った源仲は、魔の片鱗も未だ見せつつあり、何か考えがあるようだが推測だけではっきりとは分からない。それでも敵と言えるような相手は戦鬼(に付随する多くの輩)しかいないけど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第29話~第31話。

人族や狐族、戦鬼人、この全てのハイエナどもが一手に集まり、再び源仲を狙う。丁戌なんて取り巻き連中を従えて下山してくるとか、ほんと邪魔くさいんだが。コイツらが神手を手に入れたところでどう扱うつもりなんだろうな、、、

その上、それらをそそのかした韓女が、すました顔面で民衆の前に現れて扇動する姿は苛立ちの極みである。そりゃ愚民は神の言うことなら訳が分からずとも信じてしまうだろうよ、愚民の一部である自分もその自信がある!ゆえに、その力を利用して小狡い手を使う韓女の神と言うにはほど遠い姿に苛立つのである。

 

同じ神でも姬譚音なんて、同じくそそのかされた兗師の封印から逃れるため、神骨を取り出して神の座を捨てたというのに。謝游が言っていたように、神へ飛升して力を得てもなお信念のブレることのない姬譚音は、その力を悪事に利用することはないどこまでも慈悲深い神女である。

兗師は己が信仰している無双神女だとは知らずに、動きを封じていたようだが、源仲を救うために神の座を捨てた姬譚音の言葉で、欲のために自らを混沌へと導く人間の愚かさに気付く。やっと失っていた初心を取り戻した兗師の良心は残っていたようである。

 

一方の源仲は、ハイエナどもに追われ、救おうとした民衆までもが敵に回る。破壊の手を止めたとき、過ぎった善人までもが汚されるこの仕打ちで、再び源仲の心に絶望が押し寄せる。投げられた石がおでこを命中する描写は長月燼明でもあったね、哀しいシーンだ、、、哀しくとも神の一声でこうなってしまうのは愚民がゆえに仕方がないとも思う。

しかしここで源仲を救うのは戦鬼人の千麟である。個々の本質を知り種族を隔てても善悪を判断出来る実に優れた男だった。

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四方を敵に囲まれて息絶え絶えの源仲を見付けた瞬間の、姬譚音の顔面がなにしろ良かった。やはり母性が垣間見えるこの様な神女の設定では、唐嫣の実年齢くらいでないと表現できない味がある。それでも美しすぎてオーバー40には見えないのだが、慈悲深い神女の役柄が実にハマっている。

 

神界では、韓女の企みを薄々感じ取った龍伯が捕えられ、姬譚音と神界を繋ぐものが今のところは皆無となっている。神手をもつ源仲の側にいることで、いずれ神界へと乗り込むことにはなるんだろうが、源仲はどこか悟ったような諦めたような穏やかな態度で姬譚音と共に時を過ごしている。

薄々、姬譚音の正体に気付き始めているが、本人も知られてはならぬ自分の正体を未だ明かしてはいない。神の座を捨てた今でも、以前五神と交わした約束は有効なんだろうか。

 

序盤に千麟が使った神手を滅せるナイフで胸を刺された源仲の傷が若干不安要素ではあるが、人族では知岳が捕らわれ兗師が我に返ったため、敵は一つ減った。それでもそれ以外と戦わねばならぬ源仲はやはり自己を犠牲にする決意の元、あの落ち着きっぷりのように見える。それを簡単にはさせない姬譚音も、結局、自己を犠牲にする気がして不安だ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第32話~第34話。

知黛に若さを与えたのは姬譚音だと思っていたが、韓女だったとは驚きである。この代償を、前々から企んでいた計画に利用するため機会を狙っていたんだね。

代償とはもちろん源仲を滅して神手を奪うことへの協力だが、この世界を守る信念のある知黛には、途端に老いてしまう姿との引き換えで苦悩する。おそらく源仲に絶望的な話をした知黛は本物ではなく、信念を捨てなかった彼女の身体を借りた韓女だったのだと思われる。それでも一旦は揺らいだ自分が心苦しくてたまらないんだろう。

 

源仲は神女だということは気付いたものの、それを決して本人には言わない。韓女を止めるため、この結界内へ源仲を残して一旦神界へ戻ることにした姬譚音だが、それを察した源仲は不安でたまらない。

目の見えないフリをしたり、傷を悪化させたりと言葉にはせずとも引き留めることに必死である。一度離れたら二度と戻ってこない予感で不安がつのる源仲が、共に過ごしている間もずっと悲しそうなのがつらい。

遂にそれを姬譚音の口から直接伝えられた源仲は尋常でない動揺を見せるが、これも源仲を守るためだけにきついものがある。以前の、何度も生き返った時のような帰還なら、肉体が側にあるという安心感は得られるが、肉体ごと去られたら戻れる確証など残っていない。これまで利用され続けて積もった悪心が、姬譚音の存在とその愛によってようやく剥がれかけたのに、その存在が去ってしまえば、自身の本質が保てるかどうかも不安だったのかもしれない。かわいそうにな、、、

それでもここを一旦去ることを了承する代わりに、婚姻する条件を出した源仲の気持ちに、姬譚音も応えるのである。
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このタイミングで、常華、千麟、知黛が現れる。

間髪入れずに、韓女に操られた知黛が、姬譚音が側にいる目的を明かして源仲を絶望させるのだが。

これまでの姬譚音の言動が脳内を巡った源仲には、それを否定するものも見当たらず、神手を自分で引きちぎることとなったが、これまで諦めていた期待を抱いた途端にこの事実を知らされるとはどこまでも不憫な子だよ。

唯一の光は自分のものではなかったことに絶望する源仲に対し、姬譚音も五神との約束で、愛しているとは言えないのだが、その言葉だけを期待している源仲が落胆するのを見るのもつらい。だけど源仲を守るためには言えないんだよね。

 

すかさず神界へ乗り込んでいった姬譚音は、待ち受けていた韓女と殴り合いとなるが、ようやくここで神手の使い道を知らされる。

韓女は、人間だった頃の恨みを手放せず、泰和に一度は救われたものの、その泰和も、結局は嘘つき呼ばわりをするまでに恨みは倍増してしまった。ゆえに韓女は泰和を愛してなどおらず、当の昔にその心は魔に堕ちていたのである。

ていうかさ、こんなに恨みに染まった人間がなぜ神へ飛升出来たのかが謎だな、、、しかもここに来るまで、戦鬼とは戦鬼人の長、一個人の名前だと思っていたが、こいつは魔君と呼ばれる泰和だったらしい笑

神手を手にして、お馴染みの巻物に姬譚音を封じ込めた韓女は、結局、神手の宿主に選ばれた源仲へその左手を返すのだが、目醒めた源仲は源仲ではなくなり、その身体は魔君に支配されるのである。

 

この絶望的な危機に、天の試練をようやく抜けて神へと飛升した眉山君が、絶妙なタイミングで神界へ現れたのは運命という他ない。出来る子すぎる、、、

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残り2話。

身体を奪われた源仲も識海の最下層で、まだ花びらを目にして光を失ってはいないため、完全に消滅はしていない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第36話(最終話)。

そうなっちゃうか、、、

最下層の識海で、序盤とは逆となって今度は姬譚音が微かに残った源仲の意識を目醒めさせることとなるが、この極限では五神との約束を守ってはいられない。血反吐を吐きながら閉ざしていた胸の内を明かす姬譚音と、その身体の外側で、この世界を守るために一丸となった皆が激しい戦闘を繰り広げ、いよいよクライマックスという空気が漂う。

それでも源仲が塵となった瞬間は、どうなるの!?と思ったものだが、ちゃんと戻って来てくれたよ、、、初の黒泰和の登場も( ゚д゚)ハッ!と言ってる間に塵となって、源仲の身体は取り戻すことは出来た。

しかし外側では出来る子すぎた眉山君が滅されて、おそらく全ての視聴者が悲しんでいたと思う、、、登場した当時は、とても大義のために命を懸けるような男に見えなかったため尚更である。

千麟の命が繋がったことがせめてもの救いだった。

 

結局、大事にしていた妹の自分への後悔だけが欲しかった韓女は、それを得られなかった悲しみで恨みだけが募っていったわけだが、最後などは虚しさしか残らず、この世での未練も吹っ切って、己を方外山と共に巻物に封印することでこの生を終える。

 

この様にして神手を巡って苦渋を強いられた長い戦いは、悪を滅してこの世での二人の安寧は得られたように見えた。

しかしながら神骨も捨てて五神との約束も遂げられないまま、自身を犠牲にして源仲を守った姬譚音の身体は、生きるには耐えられる力は残っていなかったようである。

終盤の生気のない姬譚音を、消えないで欲しいと祈るように観ていたが、やはりそうなってしまうのか。序盤から母性のような大きな愛で源仲を見守り、最後は塵となってこの先を生きる彼の周りのもの全てに姬譚音が存在する、という、やはり母性を感じる美しい終幕だった。

それでもファンタジーなんだから、終幕の美しさはさておき、ただ戻って来て欲しかった。元神が全てのものに存在するなら、「護心」(侯明昊&周也)のように姬譚音も蘇らせてよって思う笑