仙台有树(仙台有樹)Love of the Divine Tree 全40話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『仙台有树(仙台有樹)Love of the Divine Tree』

2025年 2月〜 中国 全40話

 

出演

苏易水(蘇易水)→邓为(鄧為)

沐清歌・薛冉冉→向涵之

 

 

ネタバレ 第1話~第6話。

ファンタジーの開幕定番の説明によれば、かつて仙界が上古魔神を倒したが、その霊力だけは破壊出来ずに霊泉となって幽界へ封印されたという。その霊泉はこの世の悪念を吸収して再び魔の子を誕生させ、この封印を解こうとしている。

18年前に、西山宗主の沐清歌がこの霊泉を奪って、この世を混乱に陥れたため、弟子の蘇易水を筆頭に、四大玄門に滅ぼされることとなる。

伝説と言っている割に18年しか経っていない笑

 

易水は、塵となった師父である沐清歌の残魂を探し出し、再び生まれ変わるよう、自分の金丹の半分を消費して樹に生命を宿らせることにする。この理由は、掌門の命が途絶えれば、その弟子たちもまた命を落とす、という謎の仕様を阻止するためだと伝えられているが、大体の開幕の説明は、単なる誤解の場合が多いため当てにはならない。

 

予定より早く樹から落ちて生まれ変わった薛冉冉は、かつての記憶はなく、今のところは料理に精を出しているただの民間人である。身体が弱いのは、霊力が再び宿る前に落ちてしまったためだと思われる。

生まれた時から側にいる凌霄という枝は、薛冉冉の命の危機を常に防いでいるが、この枝はおそらく易水の一部(金丹)なんだろう。薛冉冉は料理を極めながら、凌霄が朽ちてしまわぬよう命を保つ方法を探している。

 

魔気を纏う赤門の魏糾は、沐清歌の奪っていった霊泉を欲して、復活の時を待っていたが、噂を聞きつけて薛冉冉の暮らす村へやってくる。

この動きを察知した現西山宗主の蘇易水は、薛冉冉を救いに現れて、再生後に初めて再会するが、自分を覚えていないかつての師父に混乱する。

18年前、沐清歌との戦いで呪いをかけられた易水は、これを薛冉冉に解除させるために彼女の命を守らねばならないが、樹から早く落ちたことが原因で霊台が壊れてしまった。霊台とは、霊力を持つための土台のようなものだと推測、、、

易水は、霊台が破損して命が短いという薛冉冉に力を与えるため、師徒の契りを結ぶことにするが、既に、この契りは沐清歌と結んでいる。生まれ変わった薛冉冉とも、逆の立場で二つ目を結ぶとなると天道に反するため、悉く邪魔をされるが、そんなことは全く気にしていないようだな笑

しかしこの時点で、呪いの解除だけのために薛冉冉を守っているのではないことが、易水の纏う空気から漂っている。沐清歌が、自分のために霊泉を奪ったということも既に分かっている。

 

ここから22年前の沐清歌と蘇易水の出会いに遡る。

これが6話まででは完結せず続くため、あやうく開幕の生まれ変わった師弟が逆転している設定を忘れるところだった。

 

易水の幼少時は悲惨である。

平親王の庶子として生まれた彼は、母親と継父に虐げられあげく捨てられてしまった。寒空の中で戻る家も失くした易水は、ろくでもない平親王の元へ向かうことでしか生きる術がなかったのだが、ここでも、霊泉に耐えられる器である自身の天賦の才能を利用され、魔修を強いられる。平親王は継承争いで蘇域を滅するために子を利用しているだけだが、側にいる不気味な術士が余計なことばかりするのが邪魔くさいんだよね、、、

虐げられるだけの人生では、力を持たねば生き残れず、平親王の駒の如く生きる易水だが、全てはこれまでの恨みを晴らすべく力を習得しているだけである。

 

その天賦の器を見抜いた当時の沐清歌は、強いられている苦しみから易水を解放するため、自分の弟子になることを提案する。この世に恨みしか持たない易水は、その提案に反発を続けていたが、ほどなく、騙されて師徒の契りを結ばされてしまった。

沐清歌自身は、べらぼうに強いため何事にも怯まず、反発する易水を穏やかに見守っており、余裕のある満面の笑みは実に安心感がある。

 

「一個屋子前有了樹便不再只是屋子、而是家」

戻る家もなかった易水にとって、門から傘を携えて迎えに現れた沐清歌の姿は、初めて感じた人の温もりだったのかもしれない。

この辺りから沐清歌の慈悲深い部分を認め始めた易水は、その思いが信頼へと変わっていく。

西山での沐清歌の教示のお陰で、魔気を排除し、金丹を得て、平親王に握られていた命の呪いも解除出来て安心していたのに、またも術士の策略に嵌められてしまう。易水もさぁ、不用意に敵の出した茶など飲んではならぬのに、、、

 

このせいで、逃れられぬ魔気を体内に再び宿した易水の未来は、霊泉を得て魔神となった彼が、この世を破壊する運命へと一直線に結ばれてしまったようである。

天道に反して運命は変えられないこの未来を見た沐清歌は、弟子を魔に堕とさぬよう尽力することになるが、やっぱり序盤の伝説となっていた行動は、易水を守るためだったんだね。

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最近の流行りである、生まれ変わった人間が別人格である描写では、また分かりづらくなるため、薛冉冉自身に、沐清歌の記憶が戻るという形で進んで欲しいな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話~第8話。

18年前の争いは、事情を知らぬ人々に伝わっていた見える部分は概ね事実だが、それぞれの心中は全く異なっていたし、易水に関しては序盤の描写とは全然違っていた。

沐清歌は、魔神へと続く運命を阻止するために易水を閉じ込めたわけだが、その理由を本人には言えない。そのため易水にとっては、やっぱり裏切られたという気持ちは否めない。その心を魔に引きずり込む禍々しい声は、霊泉からのものなのかな。

その霊泉を奪いにいった沐清歌は、塵になる前に奪ったはずの霊泉も自身の金丹も失くしていたが、おそらく奪った霊泉を自分の金丹でどこかへ封印したんだろう。金丹を手放したこの時点で、弟子のために命を落とすことに躊躇いもなかった沐清歌を、理由は分からずともやはり信じていた易水は、最後に、この師父の行動は自分のためだったことに気付く。

 

これが開幕に繋がる。あの時、安直に沐冉舞を信じ、四大玄門を誘き寄せて沐清歌を死へ追いやった悔恨で、大きな代償と引き換えに転生樹を手に入れ、自身の金丹の半分を沐清歌の再生のために費やした易水は、苦行に耐えて沐清歌が生まれ変わるのを待っていたのである。

当時の沐清歌もさながら、この2話は、その後の易水の後悔がほとんどの割合を占めていたため、その悲しみようが見ていてつらくなった。

この代償だが、破損した金丹を埋めるために冰蓮の力を借りるには、全ての情を捨てて修練しなければならない。情に左右されれば、金丹の補修は出来ずに神力も失ってしまうようだが、そうなると師父から託された霊泉の封印は不可能となる。或いは、沐清歌が見た易水の未来を本人は知らないはずだが、師父が望んでいなかった魔に堕ちる自分を、何とか阻止したいのかもしれない。

無情で取り組まねばならないこの修練は、薛冉冉が弟子になったことにより、乱されることになるんだろうが、易水の師父への想いは、過去の時点で信頼から既に愛に変わっていたんだろうか。

 

沐清歌が奪ったはずの霊泉と彼女の金丹はいずこへ、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第9話~第10話。

無情で修練せねばならない金丹の補填は、予想通り、薛冉冉の出現により乱される。易水は借りを返すためだと言い張っているが、あの頃から既に沐清歌を愛していたんだろう。かつての蘇域との関係に易水がモヤついていたのは、自分が利用されていると思い込んでいたためだと思っていたが、薛冉冉と蘇域の交流に明らかに嫉妬している様子は、昔もその気持ちがあったように思える。

 

沐清歌が塵となる前に、沐冉舞も噬魂鎖を姉の身体に残していったが、それが転生樹で二つの実となり、呼んでもないのに沐冉舞も重生してしまった。

噬魂鎖とはその名の通り、重生した薛冉冉の霊力を奪う鎖なのだが、これを引き剥がす方法を易水と曾易は探している。霊台に貼り付いた沐冉舞の噬魂鎖は、血脈が同じために融合が進んでおり、簡単には剥がせない。

その上、熟した実は沐冉舞となって落ちてしまった。そこで、薛冉冉の身分を四大玄門や魏糾から隠すため、沐冉舞を沐清歌に仕立て上げることにする。タイミング良く、易水の呪いも解けたと見せかけ(解けてはいないが)、沐清歌の血で解除出来る陣も沐冉舞が解除させたと思わせることが出来たため、今のところ敵はそれを信じて、薛冉冉の身分は知られていない。

この身代わり計画は、沐冉舞を蘇域へ押し付けるところまで練られているが、蘇域は簡単に騙せそうにないな。

 

沐冉舞本人は、かねてから沐清歌を羨み、自分が沐清歌になれたと勘違いして大喜びしていることが滑稽の極みだが、この全ては、易水を手に入れるためなのだと思われる。コイツが易水を好いてた描写があったかどうかも覚えていないけど、、、

魏糾は、かつて沐清歌へと弟子入りを所望したこともある、今よりは純朴な男だったが、大衆の前で恥をかかされて彼女を恨んでいる。霊泉を執拗に欲するのは、今となってはその恨みを晴らすためだけではないのかもしれない。それでも根本は、沐清歌への憧れが転じて魔に堕ちてしまったんじゃないかな笑 そう考えると愛らしいところもある。

その魏糾に対抗することを易水だけに委ねる四大玄門へ、薛冉冉が罵っていたその思いは、記憶はなくとも沐清歌と共通するものである。ゆえに、過去では四大玄門と西山は距離を置いて、己の信念のもとに人々を救済していたんだろう。

 

魏糾を罠に嵌めて、その魔力を吸収する易水の姿は、魔神となる土台は未だその身体に秘めていることを思い出させる結果となり、不安は煽られる。しかしこれも薛冉冉の存在の周知と、自身の記憶が戻らないことには話は進まない。

薛冉冉本人も、その身に起こる謎現象に関して疑念を抱くことになるが、転生樹から生まれた実だということ以外は、易水も口を噤んでいる。凌霄の魂主が易水だということも、自分が沐清歌ということも未だ分かっていないが、易水が自分のために身を削っていることだけはうっすらと感じているようである。

 

あらゆるところで易水の愛(魂)が薛冉冉を守っている描写をみていると、なんか切なくなっちゃうな。いずれ記憶が戻って、金丹を彼に返すときが来るのだろうが、そうなるとまた犠牲が逆転してしんどい思いをさせられそうだ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第12話。

そうだった、沐冉舞は蘇域の屋敷でぬくぬく生きてきたんだった。霊力も弱く、側にいながら蘇域を振り向かせることが出来ないために、易水を騙して沐清歌を貶めた過去があった。

コイツを注視していなかったから、あまり印象になかったな、、、個人的には、ドラマにおける悪い子の背景を描かれると直ぐに感情移入してしまう質だが、人の力でぬるま湯に浸かって育ちながら、欲しいものが手に入らないと、妬んで貶めて奪うこのタイプは嫌いだ、、、好いた男を振り向かせられないのは、助ける霊力がないという理由ではなく、その薄汚れた根性がみえみえだからだよ、、、他人に成り代わって愛されても、それは自分への愛ではないことが己を惨めにさせないのか。

 

蘇域が沐冉舞を沐清歌だと思い込んでいるため、そっちで勝手にやってくれよと心底思っているが、マジで噬魂鎖が厄介。てか、蘇域って、薛冉冉の元へ通っていながら正体に気付いていなかったのか。沐冉舞への結婚の申し出が受け入れられて、大喜びしていたが、中身が違うのだから遅かれ早かれ正体は暴かれるし、沐冉舞と違う角度から、どこまでも邪魔して来そうで今から気が滅入る。どれだけ悪事を働かれても、妹を見捨てることは沐清歌には無理だと思うと、さらに気が滅入る。

 

易水と曾易は、姉妹二人を対面させて噬魂鎖を引き剥がそうとしたものの、こうまでしても無理だったようだから、一旦、薛冉冉の霊力を奪われぬよう、彼女の金丹を沐冉舞へ与えるだけになってしまった。

この噬魂鎖を沐冉舞に与えたのは、序盤に出て来ていた邪魔くさい術士(平親王の側近)に見えたが、アイツだとすれば、どこまでも鬱陶しいヤツだな。

 

易水は薛冉冉を守りながら、無情に徹して金丹の補填に励んでいるが、その恋心や嫉妬心が邪魔をして、常に金丹が破壊される危機と戦っている。記憶のない薛冉冉は、師父を慕って無邪気に纏わりつくだけだが、己の愚かさを後悔しながらその想いを自制せねばならない易水は、本当に不憫だ、、、それだけではなく、クソみたいな妹との繋がりを絶てないことが腹立たしい。全て噬魂鎖のせいだよ、ぐぎぎ、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第13話~第16話。

冉舞の性根の悪さは隠せず、蘇域は既に彼女を疑い始めている。もっと上手く隠せばいいものを言動がゴミすぎるんやが、頭は大丈夫か、、、己の器以上のものを求めれば、当然ボロは出るわけだが、そのボロから正体を察知されぬよう、じわじわと冉冉に標的が向いて、どんなあくどい手段で貶めてくるのかを妄想すると苛立ちがつのる。冉冉が樹から想定外に早く落ちたのも、どうせコイツの仕業なんだろうなぁ、、、しかも易水に正体がバレていないという安易な考えで、色仕掛けで利用しようとするのが本当に気持ち悪い。易水は虫を見るような目で冉舞を一瞥するが、その後の、欲しい物はどんなことをしても手に入れる云々は、完全に冉舞本人に言っていたよね。

人の霊力を奪って生き永らえているゴミが、その本人を存在ごと消そうとしていることにイラつきすぎて、悪口が止まらないごめんなさい笑

 

魏糾と手を組んで、霊泉や清歌の行方と、怨水の解除を交換条件に、易水に目を付けたため途端に鬱陶しくなってきた。

魏糾は冉舞を清歌だと思い込んでいるため、彼女の予想外のへっぽこっぷりに驚いている姿が笑える。魏糾は割と悪い子だが、幼いながらも屠九鳶を救うような性根の優しいところは見える。ゆえに、この男にはこの男なりの正義はあるんだとは思う。自分より性悪な清歌(と思っている中身は冉舞)に若干嬉しそうなところも愛らしい。

そうはいっても易水側の視聴者から見れば、完全に敵で害悪なのだが。

 

易水は雑念(恋心)を振り払うため、冉冉と顔を合わせることを避け、一年が過ぎる。顔を見せない易水に、冉冉の彼への想いは募り募って、ほどなくこれは恋心なのだと気付いてしまった。

度々、冉冉が自分の識海に迷い込んで、さらけ出す心中を聞かされていることもあって、当然これを察知した易水は、冉冉の告白を遮り、修行に専念することを厳しく言い聞かせる。

突き放されて一瞬揺らいだ冉冉だったが、持ち前の楽観思考で、謎に師父も自分に気持ちがあるという隠された正解へと辿り着いたため、全くめげることなく無邪気に師父の力になれるよう力を尽くす。

 

傍らで、かつて清歌の弟子だった秦玄酒が、羅盤の異変を携えて易水の元へやってくる。秦玄酒はかつて、羅盤に異変があれば清歌を訪ねるよう言われていたが、冉舞が清歌に成り代わっているため、秦玄酒との約束を知るはずがない。そのため、頼るところは西山の易水しかいなかったのだが、いい選択だったね笑

羅盤が妖気を発していたことから、軍営に出向いた易水は冉冉以下弟子達と鉢合わせをする。

弟子達も、秦玄酒の軍営で異変が起きていることを聞きつけてやってきたのだが、冉冉と行動を共にせねばならない易水にとってはまた嬉しさ半分の苦渋の始まりである。

 

この事件での羅盤から発していた妖気と五娘からの怨気の違いがイマイチ謎だが、五娘の身体にあった七邪化形咒はどうやら霊泉の仕業のようである。開幕に言われていた、霊泉がこの世の悪念を吸収して再び復活しようとする動きの一環なんだろうが、行方が分からぬことには手出しは出来ない。しかも易水が探し当てたりすれば、その身体は霊泉に支配される危険性もある。

冉冉も、この事件を探る過程で、断片的に前世の記憶を取り戻しつつあるが、易水はこれにも若干の焦りが湧いている。

七邪化形咒を施した霊泉の使いは、おそらく親父の側近の術士であり、冉舞に噬魂鎖を与えたアイツである。あの男の正体は既出の誰かなんだろうが、今のところは全然分からない。ただ、易水を霊泉の器にしようとする方へひたすら誘っている。

思惑はそれぞれでも、四方からやってくる敵の動きが不穏でしかないが、この過程で、母親から捨てられたという事実の裏の事情が判明して、いくらか傷が和らいだことは救いだったし、軍営で飼っていたにゃんこの献身には泣けた。

 

その間にも、恋しい想いを隠し切れず、寝ている間に額にキスする易水の姿も見られるが、これも後に苦しみの代償となってその身に降りかかるのである。それでも、このくらいやらせてやって欲しい、、、頼んでもいない運命を背負わされる易水が不憫すぎる。

 

てかね、鄧為の顔面の小ささは一体どうなってんの笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第17話~第18話。

七邪化形咒の件で、清歌の酒友だった酒老仙(名前が分からん)や梁無夢を訪ねた易水は過去での誤解で恨まれているが、何も口にはせずじっと恨み言を聞く易水を見るのがつらい。

しかしここでの話で師父を庇った冉冉は、本人にも清歌の思いを代弁するが、記憶はなくとも心意気はやはり昔と変わっていない。

弟子を守るため、自分が魔の器の汚名を背負った心中を今世の冉冉が口にしたことで、易水にとっては少し救われたんじゃないか。魔の器となる子が自分で選んだわけじゃない、というところが重要で、ちょっと長月燼明を思い出しながら観ていた。

 

この地で、屠九鳶に追われた冉冉を易水が救うシーンがあるが、彼の心臓から排除出来ない霊泉の一部が増大して、魔神の片鱗を見せる易水がべらぼうに美しくて仰天する。

過去に、あの術士に植え付けられた霊泉は、解毒出来たわけではなく未だその身体に残っているようだ。どうやら封印された霊泉に共鳴しているために、皆の目標である霊泉に近付いていることが証明され、ますます易水が危ない。

その上、早々に、冉舞が冉冉を姉だと見破ってしまったため、これから始まる悪巧み快進撃が憂鬱だ。やれやれだ、お前が該死だよ!

 

この霊泉の作用(と酒かな)で、閉ざしてきた自身の苦しみをぺらぺら口にし始めた関連性は謎だが、己を制御出来ず、その勢いで冉冉にキスまでしてしまう易水も美しかった、、、長相思ではひたすら璟にイラついていたため、ラブシーンなどほとんど観ていなかったが、なんというか美しいキスするんですね、、、

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厄介なことに、冉冉は清歌の代わりにされたと傷付き、易水は冉冉が蘇域を好いていると思い込んでいるため、完全にすれ違っている。おかしいな、易水の識海で冉冉はハッキリ告ってたと思うんだが。凌霄の魂主が易水だと知れば、さらに愛が増すだろうに。

 

ほどなく皇宮の荷車が地割れに吸い込まれる事件と遭遇するが、地下にいたアナコンダも霊泉の仕業ではないかとハラハラする。少し前に、梁無夢が言っていた、魔の子にしか霊泉は封印出来ないという言葉も気になるし、霊泉に近付きつつある易水は、やはり魔神になってしまうのか。

ここでも蘇域を助けに向かう冉冉の姿にヤキモキする易水だが、今も昔も、清歌が蘇域に恋心を抱いていたとは思えない。清歌を想うあまり、その言動も偏って見えたただの節穴だったのかもしれない。

 

一方の赤門ペアは、もはやコメディ担当である。

屠九鳶は幼い頃から魏糾を好いていたようだが、魏糾にはそんな気持ちなどないと思っていた。しかし今回、彼も屠九鳶を好いていたことが分かり、全く悪者には見えなくなってしまった。情に厚く優しさを秘める魏糾は、悪いままでは終らなそうな気がしている。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話~第22話。

霊泉が近付いていることは分かっていたが、あのアナコンダの地下にあったことに驚いた。こんな早くに霊泉の行方を発見するとは、、、

しかしやっとここで、清歌が自身の金丹を使って霊泉を封印した場所を突き止める。易水には、自分が霊泉を幽界へ封印する使命があるため、その霊泉を回収するが、そんな近くに置いておいて易水の身体が蝕まれないか不安だ。

同時に、封印のために使用した清歌の青溟剣が冉冉の元へ戻ってきたため、蘇域は冉冉が清歌だと確信してしまった。

 

この少し前に、清歌が残した書簡で夜心という名の人物が語られていたが、あの人相書きを見ると、幼い頃に清歌と冉舞を引き取った白髪の男のようだった。易水はその男を知るはずもないのに、どっかで見たことがある、と言っていたことで、めちゃくちゃ妄想が膨らんだ結果、夜心=怪しい術士、という可能性が閃いたんだけど、、、

そうだとすれば、当時、清歌の才能を見抜き、二人を引き取った夜心は、易水と同じ才能を持つ清歌を器にしようと考えていたが、それが出来ない事情があって、易水に乗り換えたとか、、、あ、妄想です。

 

この村で足止めされた西山一行を、皆殺しにしようとやってきた冉舞は、かつて清歌を塵にした九重祭骨陣を使って皆の命を脅かすが、蘇域もそこに居た想定外の状況に、一旦手を止めることにする。

ここで救った青龍の逆鱗が見せた未来は、喜兒、高倉を除いた蘇域や易水にとっては全く良いものではなかった。蘇域は弟から毒を盛られて死の床へ就く未来、易水は清歌と敵対して清歌の命を奪う未来、、、救ってもらったお礼だと言っていたが、余計なものを見せられてむしろ迷惑なんだけど。

このせいで、易水がますます冉冉を自分から遠ざけなければならぬと焦るハメになってしまったではないか。

 

九重祭骨陣を敷いたのが冉舞だと分かっていた易水は、コイツを殺めたくとも、冉冉の命が懸かっているため手を下すことは出来ない。清歌の命や正体を盾に脅しをかける冉舞は、怨水の解毒と交換で口を噤む取引をするが、一緒にコイツを西山へ連れて帰るのが本当に嫌だった(私が)。

一方の冉冉も、九重祭骨陣を敷いたのが清歌に成り代わった冉舞だと見抜き、それを易水に忠告するが、まず無意味である。易水の願いは、冉冉が前世を忘れて今世を幸せに生きることであり、その他の前世のしがらみは、本人に知られないようその身に背負う覚悟である。そのため何も口にはせず、冷たく突き放して西山から離れるよう仕向けている真逆の態度が実に切ない。

傍らで、霊泉を幽界へ封印するため、清歌が見付け出した入口を探っている最中である。

易水の態度は、仕向けられた通りに冉冉を動かし、絶望して西山を降りる決断をさせてしまったが、西山から降りるには金丹を完成させねばならない。そのため冉冉は、洗髄池での普升を目指して天脉山の試練へと挑戦する。

 

この天脉山での、蘇域の冉舞の使い道が秀逸だったんだけど笑

蘇域は水路確保の事業で結果を求められていたが、この地で滞っている水脈をどう開通させるかで頭を悩ませていたんだろう。そこで思い付いたのが、冉舞に皇家の宝玉である天璽を渡して試練に参加させ、冉舞の悪巧みでの使い道を予測して水路を開けることをやってのける。さすがにこれには感心した。

 

小狡い手段で洗髄池へ乗り込んできた魏糾も、一旦、まとめて冉舞の餌食になるが、ここで見せた彼の、悪事に対する超えてはならぬ一線が見えたことが良かった。やはり悪人ではない、コメディ担当である。

魏糾も良かったが、朱雀が鳳凰に変身したのには痺れた。

 

突き放しても、小白に憑依して冉冉の命を守る易水は、きちんと本人にも気付かれていた。そのため冉冉のぷんすこ気分は無くなり、ここでやっと凌霄の魂主も師父だと判明したため、やはり自分のためのあの態度だったのだと気付く。冉冉は、以前から魔の子に同情していたし、師父がその器だと知っても全く気持ちは変わらないのである。

前世の記憶が戻れば、冉冉では訳の分からない易水の行動も、全て綺麗に理解出来るのだが、そうなればまた過去の繰り返しとなる。それを絶対に阻止せねばならない易水は、力を使い果たして金丹を補填していた冷蓮破壊で命の危機に瀕していても、冉冉の金丹完成で安心したのか、師弟の契りを解除して彼女を自由にすることはやり遂げる。

血反吐を吐きながら、口に出せぬ思いだらけの易水が本当に不憫だ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第24話。

易水を救うため、識海に入って自分の霊力を注入した冉冉のおかげで命は救われたが、霊泉の誘惑が激しさを増している。

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このポスターが出回った時は、いちゃいちゃシーンだと思っていたが、実際は命の懸かったシーンで予想と全く違っていた笑

 

小白に憑依した術の副作用で、仕草も猫仕様になってしまった易水の、湯呑コロコロが可愛いすぎた。我に返って、すかさず突き放す態度を貫く易水だったが、冉冉は決して彼の側を離れぬと決意は固い。

以前、幽界の入口を見付ける方法が玄天教志に記してあるという話が出ていたが、これが蘇域の屋敷に保管されているため、易水は二度と戻らぬ覚悟でそれを奪いに向かうが、置いて行かれた弟子達はたまらない。特に冉冉は、常に自分を守ってくれた師父を一人で死地へ向かわせるわけにはいかない。と同時に、易水の秘密の部屋で断片的な記憶を取り戻して自分の正体を知る。

やっとだね、、、あの時どんな思いで霊泉を封印したかの記憶まではまだ戻らないが、それもじきに戻りそうではある。

 

天脉山で水路を開通させた蘇域は、皇帝に結果を証明するそもそも国のためだと思っていたが、冉舞と同じでコイツも相当ろくでもなかった。似た者同士でお似合いなんだから、不相応なものを求めず二人で勝手にやってくんないかな、、、

まだ何をするつもりか全くの謎だが、水路を確保して水中で龍を操り、修士の金丹を奪いながら、傍らで冉冉を娶ろうとしている。これが蘇域の長年の計画だったようだが、この龍をどうするつもりなのかな。結局、目的は霊泉のような気もするが。

 

一方の赤門コンビは、付き合い始めたカップルのような可愛らしい姿を見せている。魏糾が鈍感すぎる笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話~第26話。

長年の計画だったと思っていたが、清歌を娶ることは長年の計画でも、龍から長寿を得る計画は割と最近だったのか。弟に毒を盛られたことに気付いたのもそう昔ではないし、少なくとも18年前の蘇域とは変わってしまったと皆が口を揃えて嘆く姿は、以前は無辜の命を奪って私利を得るような人間ではなかったんだろう。

この龍は、かつて魂誓を交わした青龍(孟章)との、失くした卵を龍島へ帰す、という約束事であり、これを守らねばならない易水は、一旦、馭魂術を使って暴れ龍を制御している最中である。この龍の命が蘇域に奪われれば、魂誓の罰が下るため、何とか彼の計画を阻止しようとしている。

 

卵から孵るまで百年の時を踏むはずだったこの龍は、蘇域が怨水を使って成長を早め、短期間で卵から孵らせてしまった。浦新村で盗み聞ぎした会話で霊泉からの怨水だと気付いたためにそれを利用したわけである。さらには、今の易水は馭魂術で龍に憑依しているため、空っぽとなっている易水の身体を奪おうとしている。

これまで国のために尽くした(かどうか知らんが)自分が、継承争いで毒殺されることが我慢ならないゆえに、闇堕ちしてしまった蘇域の気持ちは分からんでもないが、そのために大勢の命を奪い、力ずくで好いた女を手に入れようとしているのがエゴでしかない。太子という立場では余程成熟していない限り、こうなっては他人の命も意思も本人にとっては重要ではないんだろう。

という姿に、七邪化形咒の力で成らされているのだとすれば、この呪いが解けたとき、蘇域は己を振り返って元の慈悲深い男に戻るのかもしれない。青龍と愛し合った柳じいさんのように、最後は塵になるのかな。てかさ、蘇域の側近のじいさんがそそのかしているよね、コイツも霊泉の手下なのかもしれないが。

 

それに比べると冉舞には望みがない、、、呪いの仕業でもなく勝手に姉を妬んで闇落ちしたどうしようもないやつである。才能がないのなら出来る範囲で自身の活路を見出せば良かったものを、姉の恩恵を受けて守ってもらいながら、その恩を忘れて恨み言しか言えないとは、それだから誰からも愛してもらえないんだよ、、、

 

しかし蘇域も冉舞も中継ぎのため、この後の霊泉との戦いが待っている。今回も夜心叔の名前が出ていたし、やはり夜心=術士がラスボスとなるんだろうか。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話~第28話。

ちょっと待って笑

易水冉冉西山総勢で、蘇域に乗っ取られそうになった身体を必死に奪い返して、小龍の背に乗って龍島へと向かい、途中の洞窟で飛び出た霊泉をまたビンに戻して封印し、冉冉から遂に凌霄と金丹を返してもらう、という怒涛の展開を経て一息ついている裏で、赤門コンビは、独立して縦型ドラマのような面白コメディを繰り広げてるのなんなの笑

one night standで子を授かるなど、ここだけまるで別世界ではないか。こなれた風に、嫉妬か?と聞いていながら、そうです、とそうハッキリ言われると、途端に純情な部分が露わとなる魏糾がめちゃくちゃカッコ悪くて最高だ。

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どうよこの、見よう見まねの顎クイを披露する堂々たる姿。

今回は、龍と鳳凰のカッコ良さと、この縦型ドラマに翻弄された回だった笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第29話~第30話。

うーん、ラスボスはやはり夜心のようだが、中盤の天脉山に保管されていた記憶で登場した盾天でもある。ということは、仙界へと飛昇するために妻子を犠牲にした後悔で、仙界へ昇っても妻子を蘇らせようとしていた盾天は、魔の力を借りねばそれが叶わないために闇堕ちしてしまったのか。もしかしたら蘇らせることをまだ諦めていないのかもしれない。

コイツがラスボスのため、中継ぎだと思っていた蘇域や冉舞は退場するのかと思いきや、各々の目的のために手を組むことになり、ほんとダルい、、、蘇域は闇堕ちのままか又は正気に戻るか謎だが、ハイエナムーブの冉舞にはもううんざりしている。

 

序盤から目指していた幽界で霊泉を封印する、という目的を、残り10話でやり遂げたため、これがまた解除されるかもしれない一抹の不安はある。それでも最後の一滴の「封!」には達成感はあった。

ついにやり遂げた封印で一つ問題は解決したが、今度は夜心によって易水の記憶が奪われる。いちゃいちゃからのよくある急展開で、清歌に不信感を持ち一番荒んでいた時期まで遡ってしまった。残り10話もあるのに目的を遂げたことに不安はあったが、記憶喪失か、、、色々出してくるよね。

 

ここからは、記憶喪失→夜心闇堕ち同盟からのそそのかし→封印解除→魔神の誕生→清歌あるいは易水本人の犠牲→再び封印、みたいな流れかな、、、

その点、赤門コンビは相変わらずの面白ムーブ。なんせ魏糾が最高にカッコ悪い笑 悪巧みばかりでは視聴者に気を滅入らせるだけだという気遣いで、赤門コンビはコメディ枠にしたのかもしれないね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第31話~第34話。

記憶を奪われ、恨みのみで生きていた当時の姿に戻った易水は、冉冉に対しても冷ややかに接するようになるが、当の冉冉は、かつての清歌のように満面の笑みで対応してどこか余裕である。余裕に留まらず、もう一度愛してもらえばいいじゃん!という気持ちの実に前向きな姿勢は、侘しさは全く見られない。清歌と同じく冉冉のこの余裕に安心感があって、全く焦りを感じさせないところが良いよね。

それに比べると、易水の態度はただの反抗期の少年で、早々に心は寄せられていてもそのことも、過去の自分もまだ認められない。それでも元々の弟子である、高倉、柏山、喜兒への冷遇によって、新弟子たちに舐められていることを自分の責任だと咎められた易水は、反抗はしていても道理にかなう冉冉の言い分を否定はしない。というより度々の衝動的な行動にも、冉冉の助言が脳内を巡るなど気持ちでは彼女を尊重しているため、記憶は奪われても脊髄は反射しているようだ。

 

ラスボスである盾天は、霊泉と、赤焔山に封印されている淬金之火を使って、どうやらパラレルワールドを創ろうとしているようだ。それもこれも自らの欲で犠牲にした妻子を蘇らせて、あの頃の生活を取り戻すためなんだろうが、そのために蘇域や冉舞を利用している。

幼い頃に二人を引き取って育てたのも、この計画の一部だったのだろうが、一方で、清歌や冉舞に失くした娘たちを重ねていたのかもしれない。かといって盾天に何の同情心も湧かないために、ただの私欲で皆を巻き込む迷惑なヤツでしかないが。

 

盾天が淬金之火を欲しているのを知り、易水と冉冉は先にそれを奪いに向かうが、何でも欲しがる四大玄門や、力を欲する魏糾、赤門を出て行く条件に淬金之火を提示された屠九鳶、盾天に易々と裏切られぬための保険にする冉舞、この全てが赤焔山に集結する。

霊泉を追っていた皆が標的を変えて淬金之火に群がる様子が、金に群がる現代の縮図のように見えて滑稽である。その中でも冉舞のしょぼさは抜きん出ていて、さすが期待を裏切らない。

 

赤焔山では盾天の妻の膨大な怨念が積もり積もって、皆の前に立ち塞がる。易水と冉冉に、どちらか一人が生き残る怪しい邪術をかけたりするなど、盾天と同じく、妻もめちゃくちゃ面倒くさいんだが笑

噬魂鎖で冉冉と繋がる冉舞もこれに巻き込まれたために、己の命を惜しんだ冉舞は、まずこれを冉冉の責任にして、自分で鎖を斬ってしまった。すごいよね、自ら人の霊力を奪うために呪いの鎖で拘束しておきながら、そのせいで巻き込まれたことを相手の責任にしているこの被害者面よ、、、それでも序盤から苛立ちの極みだった噬魂鎖が消え失せて、逆にありがとうという気持ちも湧いたよ笑

 

噬魂鎖が消滅したことで、清歌の記憶全てが戻った冉冉は、同じく当時の感情も蘇ることになるんだろうから、そうなると冉舞への愛情も思い出して全てを許してしまうんだろう。

当時の清歌が、易水の存在を弟子以上に思っていたのかは今はまだ分からない。

 

蘇域に関しては、弟に毒を盛られたという怒りで、その弟を牢に拘束していたが、盾天にそう思わされているだけで、おそらく弟は毒など盛っていない。

 

赤門コンビは、相変わらず面子を気にする魏糾が素直じゃないせいで、力だけを欲する男だと思い込んでいる屠九鳶が、子を守るため魏糾の元から去る決意をしている。魏糾が限りなくカッコ悪くて最高だが、素直に気持ちを明かさねば手遅れになる。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第37話。

盾天の企みが段々と見えてきて、ついに易水の身体は魔王(神ではなく人だから魔神ではないらしい。)に支配されるが、これが美しすぎて仰天する。

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目の下にラインを引くと一段と美しくなるのだな。その点、同じメイクのはずの魏糾は、中身が面白すぎて個人的にはそこが際立ってなかったごめん、、、

 

盾天の計画に則り霊脈を奪うために動く魔王は、一体何の利点があってのことなのかいみふだったが、後に、実はギリギリで意識を保っていたことが分かる。盾天が常に見張っていたために、完全に魔王に支配された自分を敢えて見せて、この先の計画を聞き出そうとしていることに途中で気付かされたが、ほどなくそれも盾天に暴かれる。

 

この間、赤門では屠九鳶に縋りつく(直接縋りついているわけではないが笑)魏糾が、物で釣ろうと必死だったが、この鈍感男には彼女の欲しいものは永遠に分からないんだろうね。それでも行方を見失ったと聞くやいなや飛んで行く辺り、無意識に体現はしているんだけど。

魏糾が向かった先にいた地上版アナコンダの血で、クローンが作られる術は、盾天のパラレルワールド計画の一部のようだが、魏糾もこれに引っかかり、クローンの自分と、連れ去られた屠九鳶によって崖落ちとなる。

この直前に、騙されている屠九鳶に衝撃を受け、同じタイミングで子の存在を知った魏糾は、二重の衝撃を抱えて本当に不憫だが、なんというかコメディ枠だから面白いんだよねごめん、、、

屠九鳶は、クローン魏糾が自分の怪我を心配していた初めから、おそらく本当の魏糾ではないと気付いている。そのため騙されたフリをして本物の魏糾を崖から落として逃がしたのだと思われる。(妄想)こんなに優しい言葉を掛ける魏糾とかおかしいよね、と絶対に思ったはずだ笑

 

一方で、毒に侵された蘇域も既に虫の息である。生きるために盾天の計画に乗ったものの、この世界を破滅させ、別の同じ世界で生きるという事実を聞かされた蘇域は、自分の守ってきた人々やそのために成してきた数々のものを、容易には捨てられない思いを抱く。

このドラマでは、軍営のにゃんこの献身以外で涙を流すタイミングはなかったが、周飛花(太子妃)が最後まで蘇域を見捨てなかった尊い想いは胸に来るものがある。

茶を入れる辺りから、清歌に夢中になっていた長い間も、離れず側にいた周飛花を、姿は違ってもどこか懐かしい思いに駆られた蘇域の表情とその会話には、ぎゅっとなって涙止まらんくなった。

おそらく最後は毒で逝ってしまうのだろうが、周飛花によって一握りくらいは救われるのではないか。或いは、毒がなければおそらく正道を歩んでいた道を、謎の解毒で、もう一度歩める機会があるといい。

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冉舞に関しては、この生ではもはや救いようがないために、望んだパラレルワールド(奈落)へ盾天と共に散っていくのがいいと思う。

 

盾天の計画を先回りするため、龍島に保管した天書を取りに向かった清歌は、龍神の許しを得てその中身を垣間見ることとなる。

三千界の塔を開くために、魔の子、人皇の子、神龍の子の三つの肉体が必要だと盾天は言っていたが、神龍ってあの皇宮の池に捕らわれていた小龍のことなんだろうか。

この間、ギリギリまで意識を保っていた易水は遂に魔王に支配されることになり、清歌が天書を手にすることを阻止しに向かうが、かつて青龍(孟章)に見せられた未来はここでの出来事だったようである。しかし一筋の意識を奮い立たせ、運命に逆らって自身の結丹を破壊した易水の魂は、そのまま塵になってしまった。最期の鄧為の顔面が美しすぎる。

 

この易水を蘇らせるため、清歌は、かつての易水のように不可能を可能へと導く方法を選ぶが、互いを何度も蘇らせるこの繰り返しは、スーパーナチュラル(アメリカのドラマ)かよって思う笑

残り3話。盾天はまだ生きているため、執念深く目的を達成しようと抗うのだと思われる。冉舞と盾天以外は皆生きて欲しいな。

 

プレミアム会員ではないので、カレンダー通りに視聴の予定です。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第38話~第39話。

識海へ入っても清歌の声はなかなか届かない。

易水が意識の深層で何をしているのかと思えば、かつて清歌を死なせた自責でひたすら己に罰を与えていた。序盤からずっと口にし続けていた遺憾は易々とは解放されず、心の奥底でずっと嘆いていたことを思うと実に不憫である。

しかしこれも清歌という光の存在で解放され、無事現世へ戻ってくる。

ここからは、記憶も取り戻してやっと素直に気持ちを伝えることが可能となり、あまりに微笑ましくて見ていられない。魏糾の使った布団を捨てろといった易水が、一針一針清歌が縫ったものだと知って、焦って拾いに行ったあげく、ゴシゴシ洗濯する姿が実に愛らしかった笑

 

その外側では相変わらずクローンが猛威を奮い、霊脈を奪うために玄門へと押し寄せている。これをまず解決するため、一番初めにクローンが作られた人物を捜すことになるが、これがどうやら魏糾だったようである。魏糾にとっても、好いた女と抱えている自分の子を救わねばならないため、へっぽこながらも西山と協力体制に入る。

 

ひとまず魏糾のクローンを消滅させて屠九鳶も救い出し、聖地も以前、易水が破壊している。そして三人の子も盾天の手にはないために三千界の塔を開くのも不可能かに見えた。

しかしコイツは諦めない。代替となる計画をいくつも練っていた盾天は、青龍の子を攫い、蘇域の弱点を突いて自分の元に引き寄せる。魔子に関しては、事前に消滅しない方法を取ってクローンを手に入れていたため、易水の身体は必要なかったようである。

しつけぇ、、、

 

封印内に隔離された蘇域は、死にゆく自分に耐え切れず、最後の希望に縋りつこうとしていたが、そんな愚かで哀しい男をやはり周飛花は見捨てない。その献身で、盾天のやろうとしてることが無意味だと気付いた蘇域は、静かに自分の運命を受け入れたように見えた。

最後に自ら封印を出たのは、愚案に乗るためではなく周飛花の父親を守るためである。この終盤にきて、ほんと蘇域が泣かせてくるんだよね、、、周飛花は、あんな小さな頃から側にいたんだね。

 

一方、忘れかけていた冉舞は、やっと最後に自分を愛してくれる唯一の存在に気付いたというのに、止まらぬ愚行の末にその遂枝まで失くしてしまった。こんな愚かな娘を自分を犠牲にしてまで守った遂枝は仏か何かですか、、、冉舞には終始腹立たしい気持ちにさせられたが、遂枝がこれほどまで愛した良点が何かあったんだろう。

この死もまた清歌の罪にするのかと見ていたら、なんと、、、最後は気が触れてしまった。これまでの悪行は置いておいても、遂枝の死による業だけは己で背負っていくことを受け入れた結果なのかもしれない。

 

残るはしぶとい盾天のみ。

いよいよ明日は最終回。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第40話(最終話)。

仙侠ファンタジーのほとんどは、どちらかが犠牲となってこの世界を守り、塵になって再び生まれ変わる、という具合である。

しかしこのドラマはラスボスを倒して、さっ、帰ろっか、で二人仲良く西山に戻っていくのが新鮮だった笑

のちに西山を大師兄へ任せて世界を放浪する旅に出るが、自身の力で背負った運命に抗い、この世界を守った今となっては、やっと重荷を降ろして自由になることが出来たというものである。

てか、龍神様が強すぎる笑

 

蘇域の最期は少し残念だったが、脱線してもその心は戻ってきたことが救いである。

個人的には、解毒が実現することを期待していたが、これまで犠牲にした無辜の命を取り戻すことは出来なくとも、これからの世界を己の死によって安寧に導く決断が、償いのように見えたな。

結局、毒を盛ったのは弟だったのかな、そうなると次の皇帝は毒盛り弟なんだろうから、それはそれで複雑な気持ちになる。

 

それでも最後は皆が穏やかに暮らす姿で終わって満足した。

怒涛の20数年を経て、樹のある庭でダラダラする清歌と、袂を上げて家事を頑張るお父さん姿の易水との穏やかな日々が、実に和んだ最後だった。やっぱハッピーエンドは良い。

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