『ブラックリスト THE BLACK LIST』
シーズン1〜シーズン10
2013年〜2023年 アメリカ
Netflix配信中
今年もNetflixで配信が始まり、いそいそと視聴を始めたが、なんと、シーズン10がファイナルシーズンだったようだね。
かつてのキラキラ王子だったジェームス・スペイダーに、思いを馳せながら見始めた作品だったが、スーパーナチュラルもしかり、10年も15年も続くとファイナルシーズンは感慨深いものがある、、、
全22話をあっという間に見終えたわけだが、レディントンが死に支度を始める終盤から、ラストまでの数話にレディントンという一人間の生き様が凝縮されており、ちょっと感傷的になってしまった。
正直、そこまで一生懸命に全シーズンを観ていたわけではない。しかし、作品全体の印象はやはりラストが全てという他ない。
この男の人生は、愛すべきものを愛し、憎むべきものを憎む、それも利己的な価値観でしかなかったが、その中心にあったのは怒りだという。
最後は、自分に向ける果てなき他者の怒りによる原動力を、言葉通り身体で受け止めて、かつて憧れた英雄の如く死を迎える。死と隣り合わせで生きることに躊躇いもなかった人生で、それでもつまらぬ死に方はしたくなかった彼の、褪せない怒りの中での最後を迎えたことは、ある意味幸せだったのかもしれない。
怒りを失った自分は、生きている意味もないかのように、死に場所を探しているようにも見えたから。
根底にあるのは怒りで、ありきたりに愛などと生温いことは言わないわけだが、それでも彼の人生は愛に溢れていたな。
だから、正体が何だったのかというのも、どうでも良いと思えるくらいのラストだった。