花间令(花間令)In Blossom 全32話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『花间令(花間令)In Blossom』

2024年 3月〜 中国 全32話

 

 

出演

上官芷・杨采薇(楊採薇)→鞠婧祎(鞠婧禕)

潘樾→刘学义(劉学義)

杨采薇(楊採薇)→郑合惠子(鄭合惠子)

 

 

役者、筋書き共に、ものすごい引力を発している、、、

面白い。

 

ネタバレ 第1話~第5話。

幼い頃に父母を殺され、禾陽に落ち延びた楊採薇は、県令付きの検死人だった師父に拾われ、その弟子となる。

当時、父母が襲われた時に付けられた傷も相乗して、禾陽で収屍人という立場の楊採薇は忌避されているが、本人はあまり気にしていない。それも、過去に生身の人間から貶められた数々の出来事を経験して、死に向き合うこの生業では、生きている者よりも信用出来ると思っているからである。

 

序盤の楊採薇は鄭合惠子が演じているが、これが物凄くハマっている。劉学義と並ぶ姿も絶妙だったため、このまま、この方がヒロインでも全く問題なかったな笑

序盤の楊採薇という人間を把握させる丁寧な描写で、この人物像が出来上がっていたため、後々の楊採薇を見る目により良い印象を与えてくれる。
 
一方の潘樾は、幼少から共に過ごしてきた楊家が弾劾され、自分を頼って楊採薇が屋敷に現れたことも知らされず、十年もの間、彼女の行方を捜し続けていた。
庶子で若干弱い立場ではあるものの、おそらく、父親との確執はこの過去の出来事にあるのだと思われる。
当時には既に、先皇から賜婚されていたこの二人は、元々同じ位の身分だったと推測するが、今や親も家もない楊採薇の立場は落ちてしまった。
 
潘樾は、朝廷に仕える御史の身分だったが、楊採薇の行方を捜し当てて危機を救う。やっとのことで見つけ出した愛する女を、今度は絶対に離さないという想いを抱えてきた潘樾は、はやる気持ちを抑えきれず、早速、婚姻の話を持ち出す。
賜婚なのだから必ず娶るという潘樾を、かつて、裏切られた格好となって追い返された過去を忘れられない楊採薇は、一旦はこの話をやんわりと断る。しかし、潘樾は言う。「賜婚だからではない。十年前も十年先も、私が妻にしたいのはあなた一人。」
あの顔面でそう言われたらちょっと抗えないものがあるね。
 
そこに登場するのが潘樾を好いていた上官芷である。
演じているのが鞠婧禕なので、元々の優しい面立ちと、これまでの役柄を鑑みると、性根の悪い上官芷がそんなに悪者には見えない。
どうしても潘樾を手に入れたい上官芷は、己の磨いてきたその身体を捨てて、楊採薇の身体を乗っ取る(交換)所業に出る。この辺りはファンタジーなので、どうやって?などと考えてはいけない笑
 
乗っ取った身体で挙式に出向いた上官芷は、同日に何者かに殺められてしまった。師父にもその手は伸びていたし、狙われたのは楊採薇のようだが、過去の父親が貶められたことに関係しているのか、それとも検死人としての存在が邪魔だったのか、今はまだ分からない。妹を溺愛している上官芷の兄の線もあり得るし、、、
 
交換で上官芷の身体となった楊採薇は、辛うじて生きていて、この姿に混乱するものの、自分を殺めた者を突き止めるため、この身を受け入れることにする。
 
今のところの潘樾と上官芷(の身分の楊採薇)は、お互いを犯人だと疑っているため、楊採薇も本当のことがまだ言えないのが視聴者としては辛いところ。しかし、共に事件を解決していくうちに、言わずとも気付く時が来るのだろう。
 
禾陽には四大宗族という大きな組織があり、それを牛耳る銀雨楼は、県令となって禾陽に現れた潘樾を貶めて排除しようとしているようだから、楊採薇も共に、こいつらの策略に巻き込まれるのだと思われる。
過去の県令は、仕事もせず利益ばかりを求めていた様子を見ると、四大宗族に媚びて私利を得ていたのではないか。
銀雨楼の公子を筆頭に、面倒くさそうな事態になる雰囲気が既に出ている。
 

つづく

 

追記ネタバレ 第6話~第9話。

潘樾を追って、自分の遺体を保管していた隠れ家を見付けた楊採薇は、かつて願っていた死に場所の話を潘樾が覚えていたことを知る。この様な時の鞠婧禕の表情がいつも儚げで実に良い。

 

己の遺体と対面した楊採薇は、早速、残された手掛かりを探すことになるが、頭に針を刺されていたことに気付く。

そして、妄想するのは、潘樾が自分の頭に針を刺している情景である。この針の刺し方がちょっと面白くて笑ってしまうが、妄想の中の潘樾は至って真面目に刺している、、、

 

その針を追ってこっそり調査を始めることにするが、潘樾はその事を既に知っていたため、共に手掛かりを追うことになる。

しかし結局、その針に関する者も何者かに殺められていた。

この過程で見聞きした情報を元に、益々、潘樾に疑いを抱いた楊採薇は、勢い余って直接本人を問い詰めてしまう。

 

愛する女を殺され、必ず犯人を見つけ出すという執念を人一倍燃やしていた潘樾は、逆に、驚きと怒りを隠せず面食らうが、この辺りから、お互いが犯人ではないという思いが段々と芽生えてきたようである。

ここから、新たな手掛かりを元に、生死坊という賭場に向かった二人は、やっと真犯人を突き止めたものの、その男は黒幕を白状しないまま自害してしまう。

死に際の尋問で、疑っていた銀雨楼ではないことが判明するので、黒幕は水波紋の組織だというのが分かるが、全貌はまだ見えない。

結局のところ、十年前にこの組織を追っていた楊採薇の父親は、それが原因で貶められ、殺されたという。一人生き延びた楊採薇の行方も、潘樾が捜し当てたことが裏目に出て、狙われてしまったようである。

 

「お前が捜し出したから楊採薇は死んだ。」

という父の言葉が脳内を駆け巡り、己を責め続ける潘樾は気の毒で仕方ないな、、、上官芷の中で生きていることに早く気付けるといい。

 

そんな潘樾は、共に調査をする過程で、変わった特性を持つ楊採薇と上官芷の姿が重なり、段々顔面も楊採薇に見えてきたことに困惑する。医者にそんな病があるのかと真剣に相談したり、そんなはずはないと己を律したりと、あらぬ考えを振り払おうと必死である。

そんな時に偶然耳にした「犯人を捜すため楊採薇と同じように調査している」という言葉で、都合よくその理由にすり替えて自分を落ち着かせることにしてしまったが、いや、もっと追及せんかい笑

 

生死坊の死闘を経て、潘樾が犯人ではないと確信した楊採薇も、本当のことを打ち明けようと思い始める。しかし、元々、郡主との婚約が決まっている潘樾に、それを打ち明けて何になるの、という気持ちが否めず、言わない決断をする。えぇー言っちゃえよ!郡主とは別に約束もしてないと思うんだがな、、、

今のところ、じりじり感はあるものの、このすれ違いの時期が恋愛パートとしては一番面白い笑

 

序盤から、怪しさ満載の銀雨楼が全ての黒幕なのかと思わされたが、かつての友人、卓瀾江が銀雨楼小主だったのが今回分かる。

卓瀾江は、助けられた三年前から楊採薇を好いているため、この線はなくなり、むしろ協力体制になるのだと思われる。

潘樾のように、己を律して有耶無耶にすることなく、純粋に楊採薇だと確信して小躍りするほど喜ぶ卓瀾江は、二度と失わないよう側に置く(娶る)ことにする。この辺りは同じなんだけどね、、、

報われない二番手で、友人という立場を保たなければならない卓瀾江は気の毒だが、二番手だから仕方ないね、、、

 

過去の水波紋と関連する事件の再調査を始めると同時に、四大宗族の濟善堂に狙いを定めた潘樾は、これからも謎組織の刺客に襲われて死闘となりそう。

面白い、続きが楽しみ。

 
つづく
 

追記ネタバレ 第10話~第15話。

いやたまげたなぁ、、、

 

水波紋の令牌を追って、悪蛟の仕業とされていた過去の殺人事件を調べ直す過程で、濟善堂の顧雍を調べ始めた潘樾と、それを手助けする卓瀾江、どちらもイケている。

夏の灯会(祭り)に連続して事件が起きていたため、昨今は中止されていた灯会だったが、今回は、犯人を誘き寄せるために再開することにする。

令牌と何らかの関係がある犯人と、それを隠そうとする顧雍は、謎組織との密会の様子も少しずつ明かされているが、あの火傷顔のじいさんが誰なのか全く見当は付いていない笑

 

手掛かりを探しに顧雍の屋敷に潜入した潘樾と楊採薇は、顧雍が己の息子を監禁して、虐待していた地下牢を発見する。

ここで、潘樾が過去のトラウマからくる病で発作を起こすこととなるが、幼い頃の記憶を辿った楊採薇は、かつて、この発作を落ち着かせるための童謡を聞かせる。これは彼女独自のものだから、聞こえていれば中身が楊採薇だと分かったはずだが、潘樾本人は発作で朦朧としていて、肝心なところが聞こえていない笑
しかし、聞こえずともこの発作を収めてくれたのは上官芷で、どうしても彼女が気になってしまう潘樾は、楊採薇の位牌の前で自責する。楊採薇を殺めた犯人を捕まえるという目標も達成していないのに、上官芷にときめいている自分が許せず、再び、己を律することにしたようである。

回想で、郡主と取引をしていた様子を見ると、水波紋の令牌は、朝廷の謀反予備軍とも関係があるようだから、禾陽だけではなく、敵は割と広範囲で活動しているのだと思われる。

やっぱり、郡主とは無関係ではなくとも婚約者じゃないよな笑

 

銀雨楼の卓瀾江の方も、造り物の悪蛟の件で金水幇と関係しているのを察知する。金水幇とは、かつて、禾陽での銀雨楼の座を狙って殺戮を犯した組織である。

この事件で卓瀾江の父親は亡くなり、この輩どもと戦った卓瀾江は死にかけていたところを楊採薇に救われたのである。

 

この金水幇のスパイが銀雨楼に潜り込んで、情報を漏らすものだから、卓瀾江は刺客に狙われてばかり。

しかし、このおかげで、小笙との距離が縮まり、報われない二番手も報われる希望が出てきた。近頃では、楊採薇の友人だから、という理由を付けずとも、信じるという気持ちが湧いてきているし。

 

犯人を誘き寄せるために再開した灯会当日、潘樾は客引き担当である笑

犯人は、周りに暴挙を働く人間を狙って殺めていることが調査の過程で分かっていた。そこで、大衆の前で暴挙を振舞う姿を見せて囮となった楊採薇は、予定通り犯人に狙われることになる。

 

顔は分からずとも、犯人は、顧雍から虐待を受けていた息子の顧杉だと見当を付けていたため、追ってきた男が犯人だと思ったのに、いきなりその男は氷売りの娘に殺されてしまった。

氷売りの娘とは、悪蛟に殺されたという一番目の被害者の養女である。

たまげたのは、実はこの娘が顧杉で、息子の欲しかった顧雍に無理矢理男のフリをさせられていて、そこから逃げ出した顧杉が身分を隠して殺人を犯していたことである。

 

結局、この一連の事件は虐待されて育った娘がその怒りのせいで、同じ様に暴挙を振るう人間を殺めていた結果だったが、これを知っても、己の面子を保つため、娘を殺めようとした顧雍は、最後まで謝罪の言葉もなかったね、、、

唯一の味方だった母親も自害し、残った父親にも殺意を向けられた顧杉は、命を以って父親を糾弾し、その死で人々を殺めた罪を償うしかなかったのかもしれない。

父親と令牌の関係を詳しくは言えずに亡くなってしまったが、妻も娘も失くして捕らわれた顧雍の今の精神状態なら、ペラペラ白状し始めるかもしれない。
 
河辺で楊採薇を追ってきて顧杉に殺された黒服の男は、金水幇だったのか。あっちもこっちも狙って、一体何を欲しているのか。
 
令牌の組織を追って、この話は京の方まで伸びるのだと思われるが、32話までどう引き延ばしていくのかな笑
 

つづく

 

追記ネタバレ 第16話~第18話。

捕らえた顧雍は、十年前に楊採薇の父親を殺めた関連は認めたものの、楊採薇本人を狙ったのは自分ではないという。

どちらにしろ、白状させる前に、知りすぎている顧雍が敵に狙われるのを危惧した潘樾は、細心を払っていたはずだが、結局、彼は暗殺されてしまう。「黒幕は、楊…楊……」って、誰やねん笑

 

顧雍に毒を盛ったのは内部の仕業であるため、県衙の中にもスパイが潜んでいることになるが、流石に劉捕快や陳三ではないだろうから、主要どころで残るのは、案件文書を管理しているおじいちゃんしかいないな、、、この線は流石に無理があるか。

 

灯会の日に助けたことを言わずにいた潘樾だったが、ほどなくそれに気付いた楊採薇に問い詰められる。

己の中に芽生えた想いを抑えることに必死の潘樾は、これを機に、冷たく突き放して楊採薇を遠ざけることにする。

これまで協力して二人で事件を順調に解決してきたのに、いきなり突き放された楊採薇は、ショックと怒りのあまり、屋敷を出て行ってしまった。

これも恋愛パートの過程では、定番と言えば定番だが、気持ちとは逆に行動せねばならない思いを耐えるこの時期が、毎度切ないね。楊採薇に出て行かれてから何も手に付かない潘大人、、、

 

しかし、県令として仕事はせねばならない潘樾は、牢でのボヤ騒ぎで、水波紋を壁に描く囚人を発見する。

過去の奇妙な事件で、長らく捕らわれているこの男は、元々は書院の生徒だったことが分かる。そこで、令牌の組織と何らかの関係のあるこの事件を、今回は楊採薇なしで再調査を始めることにするが、心は沈んだままである。

 

この辺りで遂に、かつての楊採薇が自分に聞かせていた童謡を耳にする。

 

顧杉の葬儀の時、楊採薇が彼女の妹にこの童謡で慰めていた時から、この展開は読めていたが、楊採薇の元へニッコニコで疾走する潘樾の姿にはちょっと笑ってしまったな。

中身が変わっていることも、さほど疑問も持たず簡単に受け入れていたし、これまで自分が幻想で見ていた上官芷の中の楊採薇の姿は、気のせいではなかったのを一瞬で理解し、違う身体で存在していたことが余程嬉しかったのだと思われる。

 

上官芷の身で過ごしている彼女の都合を考えて、今は気付いたことを言わずにおくことにした潘樾だが、嬉しさのあまり、こらえ切れず常に口元が緩んでいる、、、これまで我慢していた気遣う気持ちを言葉にして伝えようとしているのに、何も知らない楊採薇からは嫌みだと思われてかわいそう笑

しかし、嬉しすぎてそんなことはおそらく気に留めていない。

 

調査をするために戻って来た楊採薇は、この奇妙な事件を共に追うことになるが、この事件を起こした何者かがそれを察知し、またもや狙われる羽目になる。

身体を張ってその身を救う潘樾が、抱きしめて離さない様子を見ると、もう二度と失いたくないという気持ちが伝わってきて切ない。

 

この場所で白骨化した身体を見付けた二人は、これが沈慈本人だと知ることになる。ということは、牢にいる白目の沈慈と思われる男は違う人間ということになるが、一体どういうことなのかな。最後は念力のようなものを使っていたし、もはやこの男は人ではないのだろうか。

全く繋がってなさそうなこの事件と令牌の関係が全然見えないんだけど笑

 

卓瀾江も、銀雨楼に潜む新たなスパイの炙り出しと、楊採薇へのフォローで何かと忙しい。しかも、仲良くなった小笙への気遣いも忘れない。

未だ楊採薇を想い、切ないポジションの卓瀾江だが、その彼を想う小笙の目線も切ないものがある。この見事な四角関係よ、、、

何かと事件に巻き込まれ自分を救ってくれる卓瀾江を、彼が楊採薇を好いているのと同じ理由で、惚れてしまった小笙だったが、今回は、妙なじじいに絡まれたところを救われる。

このじじい関連で、小笙の哀しい過去が明かされるが、卓瀾江は悲しそうな小笙を慰めようとして飴を渡す。

子供じゃないんだから、と躱された彼は、じゃあ10歳の(哀しかった頃の)小笙に、と言う。

えぇ、、、なんて素敵な男なのだ、強くて優しい上に、金も持ってるとは、カッコ良すぎてクラクラする。

 
小笙と楊採薇は、幼い頃に一人ぼっちとなり、懸命に生きてきた境遇が似ているだけに、あれだけ絆が深いのだね。と思うなどして、序盤の、顔に傷のある楊採薇(鄭合惠子)の姿を思い出してまた切ない気持ちになった。今考えても、あの楊採薇がヒロインで良かったのになと思う笑
いや、鞠婧禕も悪くないんだけども、元の楊採薇と比べると落ち着きがなくなってふわっとしてるよね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話~第20話。

牢に捕らわれていた沈慈だと思っていた男は、実は双子の弟の沈厳だったことが分かる。

沈厳は、幼い頃から盲目で虫を操ることが出来たため、家族からも気味悪がられて閉じ込められていた。唯一、愛ある目を向けてくれていたのは兄の沈慈だったが、兄は書院へ進学すると言って旅立ってしまった。

そこで、兄に付いて行った沈厳は、ある時、書院長のしょうもない息子以下に兄が虐められて死んでしまったことを察知する。この書院長の息子と取り巻き連中は、その立場に驕って、頻繁に院生を家畜の如く虐めていたのである。

 

唯一自分を愛してくれた優しい兄の命を奪われた憎しみで、2人を死に追いやった沈厳は死罪となるわけだが、証言をした院生が自分を見送るのを、やっと陽を浴びた牢の中で満足そうに微笑む姿には泣いたわ。

「己の選択にはそれに伴う代償も付いてくる。彼は復讐することを選択した時に、その罪によって受ける刑罰も同時に覚悟していた。」この潘樾の言葉で、沈厳には兄が全てだったのだと思ったら更に泣けた。人間にはあらゆる欲が備わっているゆえに、隣人を純粋に愛するのが難儀なこともある。虐めていた者を筆頭に、口を閉ざしていた者も。

余談ですが「秋后問斬」を調べてみたら、紀元前の儒教学者の思想で、四季によって賞を与える良い時期と罰を与える良い時期がそれぞれ決まっていて、秋冬が刑罰を与える季節となっていたらしい。

 

しかし、本当の意味で沈慈の命を奪ったのは、仕掛けられていた罠だったため、やはりここで令牌の組織が絡んでくるのだろうな。あの森に知られてはマズい何かが隠されているようだし、謀反だとすれば、武器製造基地か何か、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話~第22話。

書院を巻き込んだ事件のあの森がやはり怪しいと感じた二人は、過去の記録を元に地下の水路を見付ける。どうやら、この水路から船で秘密裏に運ばれてくる塩の管理をこの地で行っていたようだが、潘樾の調査が進んでいるのに気付いた黒幕が後始末をして、既にそこはもぬけの殻だった。

しかもだ、院生を虐めていたしょうもない息子の父、院長も、この悪巧みに一枚噛んでいるため、この親にしてこの子あり(悪い意味での)という典型を見せられる。息子を辺境へ流刑させた潘樾のことは間違いなく恨んでいるが、小者感が否めないため、密告くらいしかやることはなさそう。

武器ではなく、塩か、、、古装では塩を巡る悪巧みが多い。

 

地下から出て来たところを被せて罠に掛けられた潘樾は、沈厳が育てていた虫を利用され、あの時のように白目にさせられる。(この件に沈厳は全く関係ないけど)

見えないながらも刺客と必死で戦う潘樾だったが、全て倒した頃には側にいた楊採薇を見失ってしまった。見えないのだから、見失うという言い方はおかしいが、名前を呼んでも戻ってこない返事に、また彼女を失ってしまうのではないか、という不安がよぎる。

必死で捜しているうちに、無意識で楊採薇の名を呼んでいたのを本人に聞かれてしまったため、中身がバレていることに気付いた楊採薇は、これまでの誤解も瞬息で解けてしまった。

本人にだけは言っておけば、あらぬ誤解で互いに悶々とすることもなかったのにね、、、

遂に、身分の件は全て露わとなった二人は、話題のキスシーンへと突入するが、なんというか、直前の楊採薇の台詞と、唐突に始まるキスの演出が今一つだった気がするのは気のせいかな、、、

しかし、美しい男は白目になっても美しいのだな。

※因みに、白目はすぐに解決しました。

 

そんな中、卓瀾江の方は悲惨である。

火傷のじいさん、、、卓瀾江の親父だったのかよ。

確かに、火傷⇔火事で亡くなった父親、忠臣、孫堂主の裏切り、色々考えるとヒントはあった。個人的には、父親の存在は無になっていたから全然気付いてなかった笑

 

黒幕の手駒として使われていた卓山巨は、散々な悪事を働いてきており、楊採薇の父親も、彼女自身を狙ったのもこの男の仕業だった。

父を無条件に信じて手本としてきた卓瀾江は、亡くなったはずの父親が生きていて、そしてその事を自分には知らせず、挙句、犯した悪事の数々を知ってしまっては、心底失望するに決まっている。

正道を歩み、楊採薇や潘樾と協力して犯人を捕らえようとしていたのに、それが己の父親だったとは、もう酸味しかないね。かわいそうな卓瀾江、、、

 

しかし、卓山巨も苦しいのである。全てのことは、自分で決められることではなく、その上にいる黒幕に操られることでしか、息子や銀雨楼を守ることが出来ないのだ。だからといって、犯した罪からは逃れられないが、その事を重々承知していた卓山巨は、己の死を以って息子を守る選択をする。

凄く悲しいシーンだったのに、閉まる扉の向こうで笑みを浮かべる卓山巨にちょっと笑っちゃったのよ、ごめん、、、

最後は喧嘩別れをした父親に、酷い言葉を吐いた卓瀾江の後悔は一生消えない彼の気持ちを考えると胸が痛い。

自分には、楊採薇の友人である資格もないと言って禾陽を去る決断をした卓瀾江は、どこかへ消えてしまったが、追っていった小笙の存在があるから全然心配はしていない。

 

卓山巨が大哥と呼んでいたヤツも誰かの手駒だと思われるので、段々黒幕に近付いてはいるものの、その人物も目的も全く見えない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第25話。

京の何者かの手駒にされていた卓山巨は亡くなったが、禾陽にはまだスパイが潜んでいる。ひとまず、潘樾は、以前から疑っていた県衙内部のスパイを炙り出すことにする。

消去法でこいつしか残っていなかったものの、さすがにないと思っていた案件文書管理のじいさんが裏切り者だったとは。しかし、このじいさんも手駒のため、何も明かさないまま自害してしまった。

 

手掛かりとして残されたのは、十年前の楊採薇の父親宛ての手紙。次はこれを追って話は進む。

父親へ手紙を宛てた娘を追っていくと、その娘は、仙人となるために8人の女子を生贄にした、という過去の事件でその生贄にされ、既に亡くなっていた。この怪事件を調べるうちに、情に左右されてあらぬ方向へ向かってしまった男女の哀しい結末を目にする。

この男女の話は、黒幕への道にはあまり関連はないが、この事件に乗じて、黒幕が手紙を宛てた娘を殺めていたようである。

 

残された遺体から、百花堂に繋がることに気付いた二人は、堂主に事情を聞くことにするが、序盤から、妖しげな雰囲気が漂っていた堂主は、初めから何か知っている様子は見せていた。

 

堂主によると、百花堂では、定期的に娘達を京へ献上していたが、十年前に京へ上った手紙の娘が突然、逃げ帰ってきたという。

その娘は、京に出向いた際に、敵国と手を組んで悪巧みをしている水波紋の組織の存在を知ることとなる。そこで、楊採薇の父親へ手紙を出してこの罪を暴いて貰おうと考えたようだが、このことが謎に水波紋へ知られてしまい、父親もその娘たちも根こそぎ消されたという。

大事な娘たちを殺された堂主は、その時から密かにこの組織を追って報復しようと考えていたようだから、敵ではなくて安心した。

 

今回は、黒幕の片鱗がやっと見えるが、これまでと同じようなじいさん風だったし、全然わからん笑

顧雍が死に際に口にした「楊」の正体が黒幕だとすれば、楊採薇と何か関係がある人物なのだろうか。

敵は京にいると確証を得た二人は、早速そこへ向かうことにするが、その京には、卓瀾江と小笙も別方向から黒幕を追って出向いているため、4人が再会する日は近い。

 

卓瀾江を追っていった小笙は、流石の探察力で彼の居場所を突き止め、すぐに乗り込んでいくが、これから危険が伴う行動を始めようとしている卓瀾江は、小笙を巻き込まないために突き放す言動を今のところは続けている。

しかし、唐突に告ってきた小笙を少し意識し始めているようだから、なにか、、、なにかこの後、命に関わるなにかで、気持ちは急速に寄せられていくのだと思われる。

 

楊採薇と潘樾の方は、十年分の想いに歯止めが効かずイチャイチャしている最中だが、京には、かつて、取引をした郡主の存在がある。皇后にも婚姻の話を出されていたし、郡主としても涼しい顔をしながら、潘樾を手放す気はさらさらないようだから、権力で男を奪いにくる郡主が、若干面倒くさい存在となりそう。

 

何も知らないのは、上官蘭のみ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第26話。

郡主の脅しで25話最後を迎えたので、これは面倒な女だと思っていたのに、ただのジョークだった! しかも、楊採薇もそれに気付いていた。

元々、楊採薇と潘樾の関係を良い印象でとらえていた郡主は、これからも二人に協力することになり、途端に力強い仲間に変わる。二人のイチャイチャも微笑んで見守る優しい娘だった。

 

驚いたのはこれだけではない。

いきなりの卓瀾江と小笙の急速すぎる進展に困惑する。

今のところの卓瀾江は、黒幕に近付くために、信念に背いてもやらねばならないことがある。そのため、要求された暗殺をやむを得ず犯してしまった彼は、失意の底にいたのである。

小笙は、彼が不条理なことをしているのを感付くものの、それを責めて見捨てたりはしない。

気持ちは互いに向き始めているが、手放しでは喜べない姿が見ていて悲しい。どちらかが庇って命を落とすなんて終わりにはしないでほしいが、、、

 

恒例の百花堂から献上される娘たちに混じって、楊採薇が潜入することになったため、そろそろ黒幕に対面か。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話~第29話。

黒幕の全貌が見え始めたというのに、卓瀾江と小笙の不安定で儚い関係が相変わらず哀しい。

 

今のところの小笙への想いはどれくらいなのか、なにせ唐突な進展だっただけにイマイチ分からないが、これから、敵陣地へと潜入して危険を冒すことになる卓瀾江は、それに小笙を巻き込まないため、気持ちを無邪気にぶつけることは出来ない。

勘の良い小笙は、それを分かっていながら、以前と変わらず明るく振舞う姿がいじらしく、切ない思いをさせられる。

 

卓瀾江の潜入の動機は、結果的に父親を死へ追いやった黒幕とその組織への仇討ちなのだろうが、信頼を得て内部に潜入するには、やらねばならないことがある。

それが、潘樾暗殺である。

黒幕は、潘樾をひたすら狙っていたため、そんなことだろうとは思っていたが、反発し合いながらも禾陽で培った二人の信頼関係は案外強かった。自分を刺したのは黒幕の信頼を得て潜入するためだ、ということに早速気付いた潘樾は、急所を外した卓瀾江のこともきちんと理解している。

もうね、卓瀾江のこの先が不安でしかないの。このようなドラマでは、最後に全て解決してハッピーエンドを迎えるのが普通に出来そうなのに、卓瀾江に関してはそこが若干危うい雰囲気となっている。さすがにこんな素敵男を死なせるしかない、という筋書きにはならないとは思うけど、、、

 

京に着いてから、郡主の姉やその夫がやけに登場し始めたのは、郡主と婚姻する話になっているからだと思っていた。

ただそれだけだと思っていたのに、親切そうな郡主の姉の夫の賈大尉が黒幕だったのである。

 

えー、急に出て来て誰だよオマエぇぇぇ!

 

かつて、戦で負けた賈大尉含む姜族は、洛西人として洛西に身を置いていた。賈大尉は、この国を乗っ取ることで姜族の悔恨を果たすべく、おそらく、国の中枢に潜入し、謀反を起こすつもりなのだと思われる。

洛西出身の人間は入宮しても出世が見込めないため、戸籍を入れ替え絶賛出世中の賈大尉が、禾陽を拠点に力を蓄えていた結果、序盤から、全く関係のない者を含む多数の犠牲者を次々と出していたのである。塩もその資金を得るための手段だったようだね。

 

組織を探っている潘樾だけに剣の矛先は向いていたのに、上官芷の中身が楊採薇だというのを、しょうもない潘樾の弟が敵側に無駄に知らせてしまったため、潘樾だけでなく楊採薇も狙われるはめになってしまった。なんなの、ただ面子だけで生きている何も知らない輩が小さく掻き回すこの感じ、、、

 

この後がまた衝撃である。

一緒になって、黒幕を探る調査を進めていたことが賈大尉に悟られた郡主は、姉を人質に取られてしまってもはや逃げ場がない状態となる。提案されたのは楊採薇を罠に嵌めること。

 

結果、ごめんなさい、と言いながら自分の胸を刺して息を引き取った郡主を、その場にいた楊採薇が犯したことにされ、捕らわれる事態へと発展する罠にまんまと掛けられてしまう。

この罪の判断は、京で上位まで登り詰め、道半ばの賈大尉が握っているため、楊採薇や潘樾にとっては最大のピンチ。

このピンチを救うために卓瀾江が出て来そうな気がするんだけど、、、頼むから死なないで。

 

今回は、潘樾とその父の過去の確執の経緯も明らかにされ、なじってばかりだった父親も、ただ息子を守るためだったのだと思うと切ない話だった。

 

残り3話。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第30話~第32話(最終話)。

そうじゃないかと少しだけ予感はしてたんだよ。

最後に、検死人の楊採薇が賈大尉の悪事を暴くには、卓瀾江にしか残せない手掛かりが必要だったんだよね、ストーリー上分かるけどもさ、、、

おそらく卓瀾江は、心残りはあったとしても、その心は清いまま、父親を追い込み、友人を何度も狙った悪党を捕えるため、どこか達成感を抱えて逝ったんだろう。自分の姿を見た小笙が、きっと悲しむだろうと思って飴も握ってたんでしょ?

 

だけどさ、残された小笙はさ、、、

握り締めていた飴に気付いた小笙の気持ちを想像すると、これは辛くてたまらないのである。卓瀾江が逝ってしまったのは本当に残念だが、それよりも、残された小笙に感情を移入しすぎてマジでしんどい思いをする。

家族もおらず、たった一人で懸命に生きてきて、やっと出会った愛する男をこんなに早く失くしてしまった彼女の残りの人生を考えると、これはきついものがあるのだ。

最後は少し笑みを浮かべていた小笙も、これから生きていく上で事あるごとに卓瀾江を思い出す日々を送るんだと思う。

 

悲しみの最終回で、自分の気持ちもしんどくて沈んでしまったわ。ドラマなんだけど笑

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(´;ω;`)ウッ…