阿麦从军(阿麥從軍)Fighting for Love 全36話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

 

『阿麦从军(阿麥從軍)Fighting for Love』
2024年 1月~ 中国 全36話
 
出演
阿麦→张天爱(張天愛)
商易之→张昊唯(張昊唯)
常钰青(常鈺青)→王瑞昌
唐绍义(唐紹義)→高戈
 
 
なかなか同時に追えず、出遅れ気味で猛追中。
連続視聴も苦にならない面白さと、頓智の効いた阿麦の活躍が煌めいている。
 
ネタバレ 第1話~第10話。
開幕から、痩せっぽっちで薄汚れた男の格好で登場する女主1だが、瞳だけはキラキラ輝いていて美しい。
南夏国の盛国公の娘だった阿麦は、幼少時、養子の陳起に両親を殺され、その復讐を誓って陳起の行方を捜している。
その過程で偶然出会った商易之は、南夏国の前太子の息子であり、現在の皇帝の妹が嫁いだ先でひっそり養子として迎えられ育てられた経緯がある。
 

前太子の息子が存在することを知った皇帝は、同じ年に生まれた男子を、下手な鉄砲数打ちゃ当たる方式で次々と殺戮していくが、易之がその息子だと確信はしていたようである。

もちろん、謀反を起こされて玉座を奪われないための所業であるが、無駄に血を流して何がしたいのか分からない。

今回も、愚帝の中の愚帝が華麗に登場するようだね。(尹鋳勝先輩いつも愚帝役ありがとう笑)

陳起への手掛かりを捜している過程で、皇帝に狙われた易之を助けたことで、易之の信頼を得ることとなった阿麦は、あっという間に女だというのが知られてしまう。
今のところ、易之だけはこの事実を知っていることが何かと役に立っている。
 
易之という男は、責任もなく気楽に生きてきたせいか、浅はかな言動が多く、一見チャラく見えるものの、揺るがない大義は身に付けている清々しい男である。阿麦との会話もテンポが良くて無駄がない笑
 

この様にして、バッタリ再会して窮地を救う状況の繰り返しで、易之の気持ちとしては、陳起を追って銀堡城へ向かう阿麦との別れが名残惜しくてたまらない。

しかし、下手な鉄砲の巻き添えをくらって亡くなった定南侯(父親)の後を継ぎ、自分が将軍として青州へ向かわされる任務を課せられたため、泣く泣く別の道へ進むこととなる。

皇帝は、なんとか易之を消そうとするその手を止めることなく、しつこく追ってくるのがほんと邪魔くさい、、、

 

銀堡城に陳起の行方を知る者がいるという情報で、この地へ着いた阿麦は、ここでも小競り合いの戦に巻き込まれる。

 

北漠から逃げ出して、銀堡城でひっそり暮らしていた矢師が開発した最先端の武器製法を手に入れるため、北漠将軍の常鈺青は銀堡城に攻め入ることになるが、ここに常駐する熱血漢の唐紹義は、これに対抗して矢師を必死で守ることとなる。

 

常鈺青さ、攻め入る時に城主である将軍を一突きして「百姓には危害は加えないから安心して逝け」とか言ってたのに、お前の部下は逃げ惑う百姓を散々殺戮してたんだけど、、、そこはいいの?信に怒られるよそれ。

 

他国に攻め込むのだから大戦になりそうだが、愚帝は己の保身に忙しいため、少しくらい土地を獲られても気にしていない。

もちろん、そこで殺戮される軍兵や百姓のことも全く気に留めていないようだし、さすが愚帝と言わざるを得ない笑

 
阿麦の機転の利いた智慧で、常鈺青を躱して城外へ脱出した熱血漢(唐紹義)から、易之と同じように信頼を得た阿麦は、この様にして行く先々で猛将たちを味方に付けていくのである。阿麦が一番かっこいいけどね。
唐紹義とも城外で別れることとなり、拾った秀兒と共に、一旦、易之のいる青州を頼ろうと森をうろうろしていた阿麦は、少し前に別れた易之と再び遭遇する。
 
銀堡城で北漠に対抗して血まみれとなり、秀兒をヘンタイから救出し、城外へ脱出するために機転を利かせ、鎧まで手作りして命からがらここまで来た阿麦と比べると、皇帝の追っ手を躱しているうちに、森で2日も過ごしていたという易之は、一体何をしていたんだよという気持ちになった笑
 

青州に着いても、案の定、皇帝の手が伸びており、将軍たちは私腹を肥やし、百姓は苦渋を強いられていた。

更に、定南侯である易之を捕えて強制労働場に送るという愚行をやってのける。

これも皇帝の差し金なのだが、ここでもやはり阿麦の絶妙な働きによって、易之を救い出し、悪代官どもを排除することに成功する。

 

その後、謎に太子がしゃしゃり出てきて、悪代官を排除した罪を易之に擦り付けるという所業に若干困惑してしまった。

というのも、愚帝の息子の割に、一番まともに物事を考えているように見えていたからである。太子の目的はどこにあるのかまだ掴めないが、青州に乗り込んできて一体何をしようとしているのか。

 

元定南侯の旧友を訪ねて豫州へ行っている間に、罪人とされた易之に再び災難が訪れようとしている。皇帝と太子とか、敵がデカすぎるんだよなぁ笑

しかし、阿麦もいるし、熱血漢にも偶然ここで再会したし、豫州の石将軍も上手く太子の手下を転がしているため、あまり心配はしていない。

 

阿麦の仇である陳起は、北漠で軍師を名乗っているようだが、こちらも幼い皇帝を巡って内政がごたついているようだし、自分は南夏国へ戻って己の権力を取り戻すとか、既にいみふな事を口にしている。

そのため、常鈺青に乗っかって南夏へ攻め入るのだろうな、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第14話。
楊玄率いる豫州の兵と、易之率いる青州の兵を競わせる大会で、豫州が勝ってどさくさに紛れて易之が命を落とせば誰も責められなくて済むじゃない!という石将軍の口車に乗せられた楊玄は、それを承諾する。
青州が負ければ易之は生きられない可能性が高い策を立てた阿麦は、慎重に事を運んで見事に豫州を撃破することとなる。
慎重といっても、個の力頼みとなるような大会では、普通はこんなに上手くいくかどうか分からない。唐紹義は凄いね、絵に描いたように真っ直ぐな熱血漢っぷりが笑
 
このタイミングで、太子が北漠に捕らわれる事態が発生する。
そこで、大会に勝った易之を統帥として、青州豫州が連合軍となって太子を救いに向かうことを石将軍に提案される。
これで、国や太子に恩を売ることになり、皇帝としても功績を上げた易之をそう簡単には殺せなくなってしまった。

食糧の分配をお願いに豫州へ来ただけなのに、ここまで考えて智慧を授けてくれる石将軍はほんと頼もしい男である。

 
それにしても、太子さ、親父のご機嫌を取るためだか何だか知らんが、易之を捕えようといきなり青州に現れて、挙句何をすることもなくただ敵に捕らわれるとか、どうなってんの笑
それとも、太子は皇帝の振る舞いに疑問を抱いているし、もしかしたらその暴挙を止めるための太子の計画なのかな。でなければ、太子の心情を林相に聞かせた意味がないとも思う。
どちらにしろ、二皇子は愚息だけど太子はまともだと思いたい。
 
この太子の失態に、激おこの皇帝に向かってペコペコしている姿も、狂った父親を失脚させる計画での茶番だったらいいのにな笑
客観的に観ると、皇帝が何枚もの襖の奥からトコトコ走り寄る姿と、それを迎えてひれ伏す太子の構図は、茶番だと思うとちょっと笑える。
 
そんなことをしている間に、北漠は、軍を従え遂に靖陽関まで攻め入って来てしまった。
 
阿麦は、北漠にいると思っている陳起の元へ向かうことにするが、なんとか引き留めようとする易之に、初めて幼少時の出来事を打ち明けることとなる。
また自分を騙そうしている、と茶化してその話を信じない易之に、諦めた様子の阿麦はそのまま軍営を去ることにするが、一晩経った朝、易之が見送りに現れる。
阿麦のこの先の心配と、茶化してしまった己を反省して全力で償おうとする姿(備品の説明)に泣けたものの、いきなりのキスに困惑してしまった。あ、そういう気持ちあったんだ、と初めて気付いたし笑
 
初キスも終えて、いざ北漠に向かおうとしていた阿麦は、既に陳起も常鈺青と共に靖陽関に乗り込んできていることを知る。

そこで、易之率いる連合軍への入隊を志願した阿麦は、男に交じって訓練を受けることとなる。

 

両親を殺し裏切った義兄を、それまで信じて慕っていただけに、より恨みが深くなってしまった阿麦の気持ちは、訓練中の狂った様子を見ると痛々しいほど分かる。

伍長の嫌がらせには目もくれず、ただ陳起に復讐するためにそれを苦渋とも思わない姿に、阿麦の意思の強さが見える。

戦では、仲間を信じて一枚岩で挑まなければ命を落とすということは皆が分かっているため、伍長との関係もほどなく改善していくこととなり、陳起に対面する準備は整ったようである。

 

これまで何の責任を持たず生きてきた易之は、父の死で悲しみに暮れる間も無くその称号を継ぎ、初めて大軍を率いて戦に向かうこととなった事態に尻込みする。

そりゃそうだよね、何万人の命を背負う立場にいきなり立たされれば、それはほとんど尻込みするに決まっている。

しかし、気楽に生きてきた易之でも、兵や百姓の命の尊さが分かっている分、大将の素質は元々備わっている。あとは決断力だが、これは阿麦と共にいることで後々開花されるのだと思われる。

 

阿麦の激の甲斐あって、戦に向かう易之の堂々たる演説は胸熱だったが、その直後に聖旨を携えてきた特使に、出鼻を挫かれないよう早口言葉で惑わして躱していく易之には笑える。

その後の機転の利いた巧みな話術で相手の目を眩ます石将軍も、易之と同じ素質を持っていて毎度頼もしい。石将軍は、心理戦に長けているね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第22話。
阿麦のイノシシっぷりが突出してきた笑
恨んでいるのは分かるが、一介の兵が統帥の号令も待たずに、私情で突っ込むとか許されるのだろうか、、、
不意打ちを食らった七隊は必死に付いていっていたが、別隊の兵士たちも、各々での心の準備もあるだろうに、足並みも揃わず想定外の犠牲も多かったんじゃなかろうか。軍の規律を乱すこのような行動は、それによる対価があまりにも大きいのでは。
後に、徐軍師にお叱りは受けていたものの、え、そんな言葉のみで許されるのかとちょっと困惑してしまった。
易之も公私混同が甚だしく、甘んじて罰を受け入れるという阿麦に苦痛は絶対に与えない。更に、軍の下した戦術(七隊をおとりにするくだり)に、反して城へ戻って来た阿麦のまくし立てる正論に怯む。
易之も徐軍師も、それは重々承知していて、苦渋の決断だったのだと思われるが、言う事を聞かず正面切って正論で攻めてくる阿麦のような兵は、軍を率いる者にとっては痛い所を衝かれてキツいものがある。正論は度々人を傷付けるよね、、、
阿麦の言う通りに事が運べば理想的な結果となるが、運ばなければ全滅である。
だから、これはファンタジーとして楽しむことにする笑
 
己の身を自分だけに分かる形で晒した阿麦を認識した陳起は、過去を振り返るが、義父母を殺した経緯にはどうやら事情があるようだし、阿麦を傷付けたくない気持ちが現れている。
後に、朝廷側の玄武軍と共に盛国公を襲ったと口走っていたのを考えると、陳起の実親に何か関係しているのかもしれない。真偽はともかく、こいつも唆された挙句の仇討ちだったのかな。
 
石将軍の防御する豫州では、兵のいない隙に常鈺青率いる北漠軍に包囲されてしまう。勝てる算段のない戦で、百姓の命を無駄にすることは出来ないと考えた石将軍は、自ら裏切り者の名を背負い北漠に投降することとなる。
後々、陳起のゴミ兵士らによって百姓が苦渋を強いられていたことを知り、何も知らなかった己を責める石将軍の姿はかなしい。
 
一方、戦いの最中に橋から落ちた阿麦は、陳起側の軍の手下によもや殺されそうになった常鈺青の命を救う。勿論、この男に情があるわけでなく、北漠兵の包囲網から脱出することに利用するためである。
 
常鈺青の方も、北漠内での内政争いに巻き込まれ散々であるが、何度も会うこのイキの良い女に早速情が湧いたようである。
自分の敵でもある陳起に復讐をするという阿麦に、何の躊躇もなく協力する姿勢は、一見仲間になったかに見える。
復讐を果たすため、利用されているのを承知で偽の挙式も行うことになるが、この後、忠犬のように懐いていた弟分が、易之の放った矢によって亡くなってしまった。
その矢が易之のものだとは今は気付いていない常鈺青だが、これで本当に阿麦とは敵同士になってしまったね。
個人的には、常鈺青もその弟も愛着が湧いていただけに、弓を射ったあと、何もなかったようにその場を去る易之と阿麦には唖然としてしまった。阿麦はこの弟と面識あったよね、、、
しかし、ここでは敵という認識しかない二人の反応はおそらく妥当なのだろう。これはただの視聴者の気持ちだから。
 

弟を見送る常鈺青の哀しい笑みが刺さる。本人が涙を流しているわけではないのに、その表情に底なしの哀しみが見えた。

 

イノシシとはいえ、鎮北軍の大隊長となった阿麦に、女ではないかという噂が立つ。この時点でその事を知っている者は若干増えているものの、秀兒は未だこの事実を知らない。

この下らぬ噂で阿麦が煩わしい思いをしているのでは、と心配した秀兒は、自分が阿麦へ嫁いでこの噂を払拭する手助けをしようと考える。

 

正体を明かした阿麦を知っても、手助けする気持ちの変わらない秀兒は、それでも皆の前で嫁ぐ演出をやってのける。良い子だ。過去には、阿麦の態度にいじけて、打診された石夫人のお付きとなり若干距離を置いていたが、阿麦の窮地だというのを知り軍営まで駆け付け、軍兵にも献身的に尽くしていた。

女だというのを打ち明けられた後も、騙されてたという気持ちなど一瞬も持たず、変わらず阿麦を慕い続けるこの娘は、助けられた恩義を忘れずそれを返そうとしている。良い子だ、、、

 

軍内には、その座を嫉妬してか女を馬鹿にしてかよく分からぬ賀超とかいうモブが、小蠅の如く周りを飛び回っているのが若干煩わしい。おそらく、このモブによって、阿麦の正体は晒されるのだろうが、すぐに解決すると思われるのであまり心配はしていない笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第26話。
賀超とかいうモブはすぐに消された、、、笑
 
石将軍は、反徒の汚名を着せられ処刑されることが決まったが、易之はそれを阻止するため尽力することを決意する。

しかし、石将軍はそれを許さず汚名を被ったまま自ら命を絶つことで後を易之に託した格好となる。このことで自分を殺さねば、易之も反徒の名を着せられ、消されることが分かっていたからである。石じい、、、ほんと素敵な人だった(´;ω;`)ウッ…

 

ここから舞台は盛都に変わる。

盛都では皇帝の息子二人の後継者争いで貶め合いが続いていた。(貶め合いというか二皇子が欲深く太子の座を狙っているだけ。)

王子を産んだために太子となった兄を妬む野心家の二皇子は、戻って来た易之の軍事力を早速味方に付けようと画策する。

 

もちろん、欲深いだけの二皇子の狙いは見え見えなため、易之は、盛都での己の命の保証を得ることと、後継するための後ろ盾となるための軍事力を携え、賢く慈悲深い太子側へ付くこととなる。

 

盛都に戻ると、一気に後継者争いの渦に巻き込まれ、皇帝以下息子たちが全面へ出て来て、もはや二人の存在感は薄い笑

今回は、踊り出す皇帝、孫が来るのをしゃがんで待ち構える皇帝、相変わらず襖の間をトコトコ行ったり来たりの皇帝、守銭奴を装った阿麦を見破る皇帝、と様々な姿を見せられて、なんか大好きになってしまったな、、、思いがけず、息子や孫への愛も深いことが分かってしまったし。

 

面白くない二皇子は、色々な手で太子を貶め、皇帝の気持ちを揺さぶる愚策を実行するものの、案外賢いこの皇帝は、小手先の誤魔化しには全く動じない。

そこで、太子の息子を拉致することを思いついたようである。

 

ここで、太子の息子は実の息子ではないことが判明する。

おそらく当時は、太子の座を手に入れるため、息子を産んだという事実を作ったのだと思われるが、太子はその息子を心底愛して大事に育てていた。

しかし、この事を二皇子に知られてしまい、脅される格好となった太子は、この秘密に信ぴょう性を持たせないために自害してしまう。

 

太子が賢帝となるのだろうと思っていたから、これには仰天してしまった。

噂であろうとも、この事を耳に入れた疑い深い皇帝にはどれだけ弁解しても、結局息子は殺されてしまうだろう。それには、この話を払拭する証が必要となる。

 

よもや、実の息子ではない子のために命を懸ける人間がいるとは誰も思わないだろうと考えてのこの自害は、実の子ではなくとも、深く愛してしまった息子を生かすための唯一の手段だったのだと思う。もしかしたら、あんなに孫を可愛がる皇帝を失望させたくないという思いもあったのかもしれない、どちらにしろ愛が深い太子だった。

そんな太子がこんな形で逝って、ゴミはしぶとく生き残るんだね、、、

 

阿麦と易之の玄武軍捜索の方も驚きの展開となる。

なんと、かつて阿麦の両親を殺めた玄武軍とは、北漠兵に扮した易之の父親が率いて犯した所業だったのだ。

それを母から知らされた易之は、絶対に阿麦に知られてはならない、と一生この事を隠す選択をする。

 

うーん、事情があるにせよ殺めたのは事実だし、これが明らかになったとき、阿麦の性格にして許すことが出来るのか。親の所業に子は関係ないという話になればいいが、そもそも隠していたことが許せない理由になるかもしれない。

 

易之の母は、なんだ、息子を皇帝にしてしまおうという考えなんだろうか。阿麦が盛国公の娘だと知って、易之とは永遠に一緒になれないと悟ったために、林相の娘に舵を切ったのか。

 

陳起もあれで終わりだとは思えないし、常鈺青も乗り込んでくるだろうから、これからまだまだ乱世の如き混乱に陥る予感はしている。

 

相変わらず唐紹義は馬鹿みたいに真っ直ぐな熱血漢で安心する。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話~第30話。
この四話の皇帝と長公主の存在感たるや、、、
 
太子を失くし、序盤からの狂った姿が消えてまともな思考に戻った皇帝の様子を見ると、これまでの殺戮は、全て太子と齊煜のためだったのかもしれない。
幾度となく「报应(報應)」という言葉を使っていたが、太子が逝ってしまったことはまさにそれであり、これまでの狂った所業は無意味かの如く、ただの抜け殻となってしまった。
しかし、散々人を殺めてきた彼も、人を愛する心は持っていたのだな。
 
過去回想から推測すると、おそらく、前太子を殺して皇帝となった彼は、大勢を貶めた自分の歴史の上に立っている事実に、いつか己も同じ様に貶められる日が来ることを恐れていたのだと思われる。
易之を執拗に狙っていたのも、前太子の息子にその座を奪われ、己の子(太子)や孫に何も残せなくなる事態を危惧していたのではないか。
反面、殺戮を止めることの出来ない己自身を厭忌しながら、その自分の姿を直視することを避け続けていたのかも。
だから、自分に似ている二皇子を愛せなかったんだと思う、、、(妄想だけが爆進中)
 
皇帝の真意は、結局のところ、安全に太子や孫にこの座を継がせるためであり、それを邪魔しない者まで排除していた結果の所業だったのではないかな。
 

皇帝は、己を振り返り後悔しながら逝ってしまったが、それに比べて、死ぬ間際まで高潔だった長公主。

二皇子が皇帝となれば、兄の二の舞となり、再び多くの犠牲が出るこの先の大局を踏まえ、易之へ継がせることに奔走するが、当の本人は、女に呆けてその気持ちを全く理解しようとしない。
そのため、二皇子の策略に乗っかって彼を挑発し、己の命を以って易之に理解させるという大業を成し遂げる。
※予告で、朕のいう齊換が誰だか分からず、思わず調べてしまったが(あげく相関図では見つからず)、当時の易之の名前だったんだな笑
 
己の因果を受け入れた朕の自害により、それに関わる全ての者を回収して前世代の因縁は終結するが、このドラマの類で描くには重い内容だった。
 
仇討ち目的の阿麦から、なぜ両親を殺したのかと問われても、はっきりとした理由も言わず、頭の中は自分が去った後の齊煜のことで占められていた朕、、、
つまり、疑わしい以外の大した理由もなく、阿麦の両親は殺されたということか、、、それとも、後に陳起から明かされるのかもしれない。
 
新世代となって、早速、林相が暗躍しているため、一難さってまた一難。
てか、あの穆白って林相の息子なの?スパイ?
 
つづく
 
追記ネタバレ 第31話~第34話。
もういーって笑
皇宮の話は終わって、やっと本題(仇討ちという名の戦)に入ると思っていたのに、林じいの陰謀はもういいって笑
 
林じいの娘と結婚させられた易之は、阿麦を側に置いておきたくて何とか妃という名を与えて入宮させるが、目的も果たせずそんなところで優雅に黙って過ごせるほど阿麦は暇ではない。
皇帝となって皇妃を迎えたところで、この二人の未来はおそらく夫婦という形には成りえなくなってしまった。
 
林じいは、林家の繁栄のため、一旦おバカに見える易之を皇帝にしておいて、失脚させるという計画を着々と進めていたようである。
子供ながら賢さの秀でている齊煜はもちろん排除する方向で、皇帝と己の娘の間に出来た孫に皇位を継がせる狙いだったのだと思われる。
 
なんなのこれ笑
てか、易之を退位させて、どうやって孫を皇帝へ祭り上げるのか謎なんだけど。まだ産まれてもない男か女か分からない子に皇位を継がせるって、退位させられた皇帝の子を皇位に就かせるとか出来るの?
女が産まれたら、再び齊煜を利用していつか排除しようとしていたのだろうが、いみふなこの林じいの計画は、実の息子(穆白)と娘(皇后)の反旗により終幕する。
ちなみに、陳起を焚きつけて阿麦の両親を殺させたのも林じいの策略だったし、随分前から準備していたようだが、肝心の味方に裏切りを受けるっていう、、、

おそらく、このドラマのメインテーマである陳起への仇討ちは、予告から推測すると、最後に決着を付けるようだが、そもそもの原因は林じいの私欲に利用されただけだし(しかもまだ理由は明らかになっていない、見逃していなければ)、陳起と一騎打ちなどする意味はあるのか、、、
 
皆が心待ちにしているであろう、常鈺青の役割も謎なんだけど。
ただ、いい男を客寄せのようにチラ見させて、引っ張っているとしか思えない。あまり頻繁に登場させると、そのカッコ良さで男主1が置き去りにされることを懸念でもしているのかと勘繰ってしまうな笑
 
しかも、この終盤で易之をそんなにダメな男に描く必要はあったのかな、かわいそうにな。
流石に林じいの言っていたような裏は易之にはなさそうだが、もしそこが当たっていれば、それこそ何の意味があるのかが分からなくなる。
 
あと2話、皇宮のじいさんらに時間を割かれて、唐突の戦に展開する最後は、すんげぇ駆け足になりそう。
 
つづく
 
追記ネタバレ 第35話~第36話(最終話)。
34話最後に林じいが言っていた、易之は北漠と結託している、という言葉は嘘ではなかったが、前皇帝からスライドされた責務のため、易之が自ら暗躍していたわけではない。
 
当時、北漠軍に抗う力は南夏にはなく、疲れ果てた前皇帝は、北漠の恐れる猛将盛国公の首と交換で、南夏へ十年は侵攻しないという約束を交わした過去があったようである。

つまり、戦で亡くなりえる南夏全ての命は、阿麦の父親の首一つで守られていたということか。ただ国を思うがゆえ勇敢に戦に立ち向かった末のこの仕打ち、、、多くの命を守ったという点では、客観的に見ると無駄死にではないものの、その命の取捨は他人が決められることではないからね、、、

 

前皇帝と北漠との取引成立で、林じいが屁理屈で陳起へ己の義務を無理矢理自覚させた過去を見ると、やはり阿麦の仇は陳起ではないと思うんだけど笑

阿麦の憎しみも、陳起を慕っていたがゆえに膨らんだ結果だったのに、話もせずにいきなり一騎打ちから始めたりするから、結局は悔いが残るのではないか。

話が通じない相手なら仕方がないと思えるものの、お互いに情は残っている状態で、二人とも話せば分かる人物像だったのに、ここは俺が死なないと終わらない、という謎の最後になってしまったのが実に残念。

 

完全に無駄死にの骨頂だった唐紹義の死には驚きしかない。(今となっては常鈺青の弟も無駄死にだった。)

あのブレない熱血漢っぷりが清々しく、ひとかけらの曇りもない男だったのに。

元々決まっていたことなら、わざわざ対面させて戦をせずとも易之が先に話せば無駄死もなかったよね、どうせ後で真相は明かされるのだから。先に嫌われるか後に嫌われるかってだけじゃない。

皇帝となった易之は、前皇帝から受け継いだ責務での他国との交渉や、慣れない国の統治に全力を尽くしていたようだが、やはりこの男は最後まで浅はかで気の優しいお坊ちゃんという感じだった。

とはいえ、他に方法はあったはずだ、という阿麦の理想とする言い分も分かるものの、そう理想的に事が運ぶとは限らない。一国を治める長としての判断は苦渋を伴うのものも少なくないことを思うと、どちらが正しいとも言えないところ。

 

結果、靖陽城へ鎮北軍と共に常駐して盛都へは二度と戻らないと言って去っていく阿麦を、権力で無理強いすることも出来たはずだが、黙って送り出す易之は昔と変わっていない。

その後も、何かと穆白や徐軍師を靖陽城へ送り、阿麦の自由を守っている。阿麦には相当嫌われてしまった易之も、それでも黙って陰で援助しているからこそ、あの靖陽城の安泰が保たれているのだろう。

惚れた女を自由にさせるという一つの愛のかたちなのかな笑

 

北漠は北漠で、軍を握っているのは阿麦に惚れている常鈺青という強みもあって、南夏の北部は平安が保たれている。

北漠の内政がごたついていて、南夏を攻める暇なんかないよ、と伝えるために、わざわざ軍を引き連れて阿麦に会いに来る常鈺青とは、戦をする理由もないね笑

後半は、皇宮での尺の長さで序盤の印象とは変わってしまったが、なんというか、最後はやっぱりファンタジーコメディだったなと思うなどした。