仙剑四(仙劍四)Sword and Fairy4 全36話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

 

『仙剑四(仙劍四)Sword and Fairy 4』
2024年 1月~ 中国 全36話
 
出演
韩菱纱(韓菱紗)→鞠婧祎(鞠婧禕)
云天河(雲天河)→陈哲远(陳哲遠)
慕蓉紫英→茅子俊(茅子俊)
柳梦璃(柳夢璃)→毛晓慧(毛曉慧)
玄霄・玄影→汪铎(汪鐸)
 
同時期に同じゲームを題材にしたドラマが2つ始まったみたい笑

同じような世界観では、内容がごちゃまぜになってしまいそうなので、ひとまずこちらを視聴。

出遅れたので、16話まで一気見、、、

 

ネタバレ 第1話~第16話。

開幕に、仙族と妖族の争いの描写がある。

望舒剣(青剣)の宿主、夙玉が剣を抜いた途端、二本の剣で保っていた均衡が崩れ、もう一本の羲和剣(赤剣)の宿主、玄霄はその反動で被害を被ってしまう。

瓊華(琼华)門の弟子だった雲天青は、そのまま夙玉とその望舒剣を奪って共に逃走してしまったため、妖族を引き入れ禍をもたらしたという理由で、瓊華一派の裏切り者となってしまった。

 

19年後、亡くなった父(雲天青)の教えを守り、ここから下山することもなく青鸞峰の結界内でのんびりと暮らしていた雲天河は、結界内に入って来た外界の菱紗と出会う。

菱紗は、従妹の病を治すための薬と交換の望舒剣を手に入れる(盗む)ため青鸞峰へ突入したのだが、饒舌な菱紗の話術に乗せられて、外界を知らず無垢な天河はコロッと騙されてしまう。

天河としては、父以外の人間と会うのは初めてだったため、菱紗を良い人だー友達だーと言って、短期間で絶大な信頼を寄せるようになるので、騙されているとはつゆほども思っていない。

 

菱紗は勢いのある娘で、父親が禁域としていた場所へもずかずかと入り込み、遂に望舒剣を見付けてしまった。 

二人同時に柄を握った瞬間、ここぞとばかりに剣が発動してしまったため、その存在を探していた全ての者に在りかが知られてしまい、二人は命を狙われることとなる。

菱紗の出自はよく分かっていないが、彼女も剣に関わる何者かなのかも。

 

菱紗は、雇い主の玄影に望舒剣を渡すため、天河を「父親の過去を探る」という名目で上手く騙して下山することにするが、この頃には、全身全霊で自分のことを信じている天河を騙している事実に耐えられなくなってきたようである。

 

玄影という男は未だ謎の人物で、瓊華掌門(夙玉の妹)の弟子のようだが、顔面は玄霄だし、人ではないと言っていたし、禍々しい空気を纏っている割に、うさぎの傷を治してあげたり、友達は裏切らないと約束はきっちり守ったりと、実に義理堅く優しい男である。

あの口調と言葉が、千と千尋の「かおなし」に見えるし、演者が汪鐸というのもあって、ほんと切ない気持ちになる、、、

影というくらいだから、夙瑤の作り出した玄霄の幻影なのかもしれないけど、玄影の意識が無くなるまでは、菱紗のことを友達だと思っている気持ちを裏切らないで欲しい。この立ち位置だと、夙瑤より菱紗を守って消滅するのかもしれないな。

 
天河を連れて下山した菱紗は、望舒剣を玄影に奪わせることにするが、剣の宿主でなければその剣を持つことが出来ない仕様となっている。夙瑤は、玄影に奪わせるを諦めて、天河ごと瓊華門へ連れて来るよう命を下し、引き続き、これに菱紗を使うこととなる。
 
これまでの過程で、幾度となく二人を助けてきた慕蓉紫英も、悪者を成敗して正しい道を貫く、という目的以外に、身を挺して二人を守るその強い意志はどこからくるのだろうか、というくらい正義マンの塊のような素敵男である。
同じく、下山して出会った夢璃にしても、自分の出自を探るため、共に瓊華門に向かうことにするが、慎ましく思慮深さの中にある優しさが溢れる娘である。
この4人で共に行動しながら進むため、4人の絆に割って入る意地悪な輩も皆無でイライラすることがない、とてもいいドラマ笑
 
途中、望舒剣を欲する妖怪どもに足止めを食らって、元神があっちこっちに彷徨うはめになるものの、ここでも紫英と夢璃の智慧と霊力によって二人は命を取り留める。最後は、天河の持つ強大な霊力で撃退することになるので、この力が脅威となって焦った瓊華門の者達に敵意を向けられることになるのだろう。

 

瓊華門に無事弟子入りした三人は、力とは別に、裏切り者の雲天青の息子という理由で敵意を向けられることとなる。

妄想だけど、夢璃の夢中の記憶を考えると、おそらく父親と思われる玄震が妖族を引き入れ、その罪を被って逃走したのが雲天青だったのではないのか。望舒剣を奪って去った事情もこの辺りにあると思われる。玄震もよんどころない事情でそうなってしまい、掛け軸に封印されているようだから後々真相を語ってくれそう。

 

しかし、自分の出自を知ってしまった夢璃は、いくら心優しくとも親の仇の息子だと思うと今までのように接することが出来なくなってしまう。

「見えている表面のものだけで判断してはいけない」

ずっと一緒にいると誓った仲間を簡単には切り離せない夢璃に、師父から聞いた話を聞かせる紫英の高潔すぎる姿で、夢璃も今一度考える時を得られたようである。

 

門弟子たちに敵意を向けられ、煽って来た弟子たちを赤目青目の力(そんな名前ないけど)で吹き飛ばしてしまった天河は、罰せられることとなるが、これを庇ってまたもや紫英が鞭打ちの刑を受けることとなる。

やっぱり、序盤から紫英の身を挺して天河を守るこれぞという理由が分からないんだよな笑 この段階では、友情なのかもしれんが。でもこの罰って後々大変なことになるって皆言ってたよ?

 

天河の青目は剣の宿主だから分かるけど、赤目も内に秘めているのが何なのか分からないな。赤剣の力も持ってるのかしら。

 
つづく
 

追記ネタバレ 第17話~第18話。

17話開幕、呼んでもないのに駆け付けた玄影を見た夙瑤は、自分を心配してくれるのはこの弟子しかいない、と少し感動した様子だったのに、玄影の口から出た言葉が「薬、、、ください」だったのには、夙瑤には悪いが笑ってしまった、、、いや予想はしてたけどね笑

 

大切な友達の菱紗に早く薬を届けてあげたくて、呼ばれてもいないのに催促に行った玄影は、期待を裏切られた夙瑤に痛めつけられ薬は貰えず笑

そこで、保管してある薬をあるだけ盗んで、全てを菱紗に捧げる姿はいじらしくてマジで切ない。

「その薬じゃないの」と言われても「身体、、、良くなるから」持っていけという玄影に、胸の締め付けが止まらない。

怪我をした玄影に気付いた菱紗に、逆に薬を渡された彼の喜んでニッコリする姿には、不憫な最期なのだろうという予想はつくため、尚更泣けてくるのである。

 
過去録を読んで、自分が玄震の娘だと思っていた夢璃。

実は、師姉の璇葉が玄震の娘だった。しかも、禁忌とされている弟子との間に出来た子だったため、師父の恥部を晒すことは出来ず、弟子達総出で一連の罪を雲天青に押し付けて璇葉の存在を隠したという。そのことを晒さず過去録も書き換えてしまったため、雲天青は永遠に反徒という烙印を押されてしまったようである。

 

この事実を知らず、親の仇を天河で果たそうとしていた璇葉は、己の存在に絶望して自ら命を絶ってしまった。

 

事実ではない詭弁で、雲天青への罪にすり替え、結果的に璇葉を苦しめることとなった弟子どもが、被せて天河の罪だと罵る厚かましさには仰天する。いやオマエラさぁ、、、自分達のやったことはどうなのさ、なんでそう無駄に前向きなのさ、自問して己の姿を省みたりしないのかよ。

 

この事実のせいで、夢璃の出自は分からず振り出しに戻ってしまったが、それでは、19年前の争いの最中に、夢璃を抱えていた黒化の男(掛け軸に封印されているヤツ)は誰なのか。あれが父親なのかも謎だけど。

璇葉を保護した弟子達の後からやってきた雲天青は、その時すでに夢璃を抱えていたが、瓊華門から逃走した後、養父母に大切にするよう預けた経緯を考えると、ただの子供ではないはずだけど。もう全然分からん笑

 

菱紗の存在も謎だらけである。

元々、体寒症を患っているし、序盤から、望舒剣の気に引っ張られ眩暈を起こしていた。今回も、夙瑤が剣から受けるダメージをその身体に感じていたし、望舒剣に関連するただの娘ではないのは確かだが、これも全然分からん、、、

 
父親の汚名を少しだけ返上できた天河は、共に3人で喜びを隠せずにいたが、遂に、捜していた玄霄に引っ張られ対面することとなる。
うーん、、、玄霄は元々、天河の父母と共に正道を歩んでいて、夙玉(天河の母)に惚れていたようだが、この男が魔に堕ちたのが、夙玉の逃走前なのか逃走後なのかがイマイチ分からないな。19年前の争いに妖族を引き入れたことに一枚噛んでいるのかどうかもまだ分からない。
逃走前なら嫉妬からだし、逃走後なら、、、やはり嫉妬かな笑 或いは、貪欲に力を欲した結果なのか。
 
ともかく、19年前の二の舞にはさせぬと重光長老に禁じられた術を、玄霄が天河に教示するようだから、結果、天河も魔に堕ちる可能性が出て来たのでは。
 
未だ、どれが正でどれが誤なのか分からないし、どちらかが悪という分かりやすい構図ではなく、一気に複雑になってきた。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第19話~第24話。

24話まで観て思ったんだけど、、、

天河の父親は天青ではなく、玄霄って話ではないよね?

もし玄霄が父親だというのなら、羲和剣の宿主である玄霄の血筋で天河の赤目の説明はつくんだけど。

いやでもなぁ、望舒剣の真の宿主が実は菱紗だったというのが今回分かってしまったし、血筋は関係ないのだろうか。

それとも菱紗も血縁なのか。いやいやそれだと天河と血が繋がっていることになるし、それはないか。もしや天河と母親が血縁ではないのか、でもそれだと赤目の根拠が青目には当てはまらないことになるからおかしいね、、、(妄想が爆進中)

 

主演はともかく、その最期を見届けるために観ていたといっても過言ではないほど心を寄せていた玄影が、早々に消滅してしまってほんと悲しい。

菱紗に渡す丹薬を手に入れることに力を注いでいただけなのに、そのせいで重光長老に玄霄を殺すチャンスを与えてしまった玄影は、その身を以って菱紗を守り逝ってしまった。

いくら夙瑤が作り出した玄霄の影だといっても、そこに感情が生まれてしまっては、玄影の心はただの傀儡ではなくまさしく人であった。ばいばい玄影(´;ω;`)ウッ…

 

今後は、19年前に愛する女と望舒剣を持ち去られてしまい、剣を失くしたことで魔に堕ちてしまった玄霄のこの先を見届けるために観ることになるな、、、結局、汪鐸かよっていう笑

天河に「親人」と言われた瞬間の玄霄にはちょっと胸にくるものがあったし、全てをくだらない事だと薄ら笑いを浮かべる彼でも、欲しているものは家族でありその愛なのかもしれない。

 

19年周期で、幻瞑妖族によって謎の侵略を受ける瓊華門以下人間界は、その時が着々と近付いて来ている。

それらの命を守るため、重光長老は禍(玄霄)を取り除こうとしていたようだが、天河と玄霄に反撃され霊力が散り散りとなった彼には、もはやその力は残っていない。

そのため、この世界の命を守れる者は玄霄だけとなってしまった。その役目を担わせるには玄霄を復活させなければならないが、目下、氷の術で封印されている彼の束縛を解くには、3つの寒器が必要だという。

 

そこで、残り2つの寒器を手に入れるため、4人の新たな冒険が始まる。手掛かりの紀寒図が韓家(菱紗の生家)に保管されているのを思い出した菱紗は、ひとまず4人で生家へ向かうこととなる。

 

玄影が必死で手に入れた丹薬を、やっと与えられて死に際だった阿姐が速攻回復した姿を見ると、その薬、とてつもない力だな、となる笑

 

韓家の家系では、おおよそ30まで生きられない運命を背負っており、阿姐と菱紗の二人以外は既に亡くなってしまっていた。

寒器を探しに再度家を離れるという菱紗が心配でたまらない阿姐は、猛反対するものの、運命なんてクソくらえ的な若いエネルギーと、そこにある愛を目の当たりにして、やむを得ずそれを許すことにする。

元気になって、やっと菱紗と落ち着いて暮らせると思っていた阿姐には気の毒だが、その先には、望舒剣の宿主だというもっと厳しい事実があるわけである。未だ、この事は玄霄と夙瑤のみが知るところ。

 

菱紗に惚れてしまった様子の紫英は、どうみても報われない不憫枠だが、きっと他に役目があるはずだから頑張って欲しい。

夢璃と並ぶと、どこか似ている雰囲気を持つこの二人は、血縁者ではないのかと疑ってしまう。思えば、師父も同じ人だったし、それを分かって紫英の元を離れた後、敢えて夢璃の元に向かったってわけではないよね、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話~第30話。

ドラマも終盤という雰囲気になってきた。

 

寒器を探して4人の旅は続く。

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なんというかね、前半の、自分が死んだことも知らず、夫へ向け琴を弾き続ける女のエピソードといい、紀寒図を持つ神仙と、そのかつての妻が何度も輪廻を繰り返し夫の元へ戻るエピソードなど、サブエピソードで一々泣かせてくるのやめてくれんか笑

 

紀寒図を手に入れ、残りの1つ(なんかの鱗)を探して、青鸞峰(天河の生家)に戻ることになり、ここで遂に夢璃の出自が明かされる。

幻瞑界の暴れん坊が登場するようになり、もしやと思わされていたのが現実となり、妖族に変貌した夢璃は絶望する。

養父母の仇で悪者だと思っていた妖族が、実は己の出生だったというのを知ったらそれは認めたくないだろうね、、、かわいそうな夢璃、、、

 

目の前で、妖族に変化した夢璃を変わらない態度で受け入れる天河は、これまでの彼女をその目で見てきたわけなので、かつて誓ったずっと一緒だという気持ちは簡単には揺るがない。仙族も妖族も共存できる世界を目指していた天青からの教えで、その辺りに偏見がないのも強い。

そんな教えがなくとも、ナチュラルに天河と同じ思考の菱紗も夢璃を見捨てはしない。

 

紫英としては、師公を滅した仇の妖族全てを消滅させなければならない、と幼少から揺るがぬ意志を持ち続けている。

師公の残した「魔を排除して正しい道を守り、光へ向かって進め」という言葉を、おそらく言葉通りの魔=妖だと思って生きて来た紫英は、師父が言っていた「誰を恨んで誰を守るか、判断を誤ってはいけない」、青陽長老が言っていた「大切なのは光に向かい続けること」という言葉でその本当の意味を悟る。

結局全て、己の心を失ってはならないということを聞かされていたのに気付いた紫英は、幻瞑界に戻った夢璃を守るため、天河菱紗と共に幻瞑界に突入することとなる。

 

夢璃が妖族と分かった途端、長年の思いを翻す紫英や、不離不棄といって義兄弟となった玄霄の元を早速離れる天河の共通点は、夢璃の方が大事だったということだから、他を捨ててもここがブレないのは大きい。

だからさ、簡単に誓いを立てすぎなんだよなぁ笑

 

3つの寒器が揃い、いよいよ玄霄の封印が解かれてしまった。

この辺りになると、19年前の戦も、どちらかといえば瓊華門が幻瞑界に仕掛けて大惨事となってしまったことが分かってくる。

玄霄の限りなく貪欲な計画を、当時は天河の父母によって阻止することが出来たが、封印が解けた今、再びそれを繰り返そうとしている。

この世界の神になるつもりのようだけど、邪悪さが滲み出る玄霄の色気が凄い。あとは、、、捨てられそうになっても、相変わらず天河への想いが重すぎる笑

 

となると、ラスボスは玄霄でその子分が夙瑤をいうことになるな、、、夙瑤も、体寒症を治癒するという名目で、菱紗の持つ宿主の力を得て己が宿主になり、玄霄の番いの地位に君臨しようと企んでいる。

何度玄霄に拒否されても、この執念を掴んで離すことが出来ない夙瑤にも不憫さが否めない、結局何も手に入れられないと思うとね。

この二人の、手に入らないものへの強い執着は共通するところ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第31話~第36話(最終話)。

これ、白と黒の装いを入れ換えた方がいいんじゃないの?ってくらい瓊華の一部は、腹黒く欲深い奴らの集まりではないか。

悪者っぽい装いで登場した重光長老は、瓊華以下、人々の命を守るためのあの所業であったし(しかも最後は玄霄にサクッと命を獲られてしまった)、全く悪者ではなく、むしろ白い方の人間だった。

結局、19年前の戦の真相は、当時の掌門が「飛升」という私欲のために、幻瞑界の紫晶の力を欲して襲った結果だったようだ。

 

もうね、幻瞑妖族なんも悪くないの笑

ただ、幻瞑界の命の源である紫晶を守るために対抗してただけ。

瓊華を紫晶の力で仙境に引き上げるために、19年周期でちょうど幻瞑界が真上に来る機会を狙っていたのは、なんだろ、二つの世界が回転して日食のような月食のような状態になったとき、紫晶の力を二つの剣の力で吸収するためだったようである。

 

陰陽紫闕の力だけが、この二つの剣を破壊できるという謎を解き、その力を母から受け継いでいたことを知った天河は、己の命を賭して剣を破壊することを決心する。

菱紗もまた、一族が命が短いのは、かつての先祖の所業による神罰であり逃れられない宿命というのを悟る。

そのため終盤は、互いを思いやって己を犠牲にしようという二人の想いが交差する。

※天河の持つ赤目青目は陰陽紫闕の力せいだったみたい。しかも、剣の宿主は血筋とかではなく、掌門に決められていた笑 菱紗のは謎。

 

なんとか戦を阻止しようと尽力する4人+青陽長老の努力も虚しく、玄霄と夙瑤の悪巧みが始まってしまったが、「飛升」が、その言葉通り、ラピュタみたく天空に昇って行くのには仰天したわ笑

 

陰陽紫闕の力を発揮し、剣を破壊しようと試みる天河に向かって、「陰陽紫闕は二つの剣を完全なものにするための力なのよ、(バカめ)あはは!」などと高笑いされ、逆に、天河の命ごと吸い取られてしまったのにはちょっとした絶望感がよぎる。

しかし、朦朧とする天河の魂は身体から離れ、謎に幻瞑の入り口にいた神龍の元へ辿り着いてしまった。

それを目の前にして、己の意志と気合のみで神龍の試練を乗り超えた天河は、神龍の力を持つに値する男だと割と簡単に認められてしまった結果、100年の命の猶予を与えられることとなる。

 

陰陽紫闕の力を吸い取られ瀕死になりつつも、神龍の息の助けで逆にその力を吸い取り返した天河は、命を落とすことなく二つの剣を破壊することに成功する。

 

「飛升」というくらいだから、仙界だと思っていたこの瓊華門は仙界の手前の地位なのか、人間界と仙界の間なのかイマイチ分からないけど、剣を破壊した後に現れた神仙が天罰を与えたということは、天界から見るとかなり下の愚民程度の地位だったのだろうか、、、

悲しいね、、、仙境へ昇格するため、門弟子や人々の命を犠牲にして、結果、何も得られず天罰のみを賜るとはね。

 

天界は、下界の争いごとに手出しは出来ないのだろうが、幻瞑界から力を奪って仙境に昇ろうとしているのが分かっていたなら、その前にどうにか止めてくれても良かったよね。

かつて、盟友だった天青や夙玉は、玄霄を諦めて去って行ってしまったが、天河だけは自分を見捨てなかったその事実を抱いて天罰に向かった玄霄が、少しでも救われてたらいい。

 

天空に浮かんでラピュタとなった瓊華が、それを維持していた剣の破壊により、そのまま地上に落ちる衝撃で人々に被害を与える危機が、え、ファンタジーなのにそんな直接的なやつ?という感じにちょっと滑稽さが見えたものの、幻瞑界での皆が天河に手を貸して、ラピュタを叩き割った部分はちょっと胸熱だった。

幻瞑界なんも悪くない、とここでも改めて思わされる。


100年後には、天青の目指した仙族妖族が共存する世界となり、平和に暮らす人々の姿があったが、かつての契約どおり、100年延ばされた天河の命もここで尽きることとなる。

先にこの生を終えた菱紗との思い出と共に、残された100年を生きた天河だったが、死に対して悲観的な見方のない父の教えのおかげで、それほど悲しみに暮れる100年ではなかったと思いたい。

 

なんというかね、脇があまりにも強すぎて(力だけではなく)、主役がほぼ霞んでいた印象、、、結局、剣の宿主という重要な役割だった割に、目立った活躍もなく終わった菱紗は勿体ない気がしたな笑

途中、紫英が主役なのかな?という気持ちにもなったし、個人的には玄霄、玄影が強すぎてそちらに持っていかれてしまった。

とはいえ、4人の互いを思う心は最後までずっと変わらず、死にゆく姿を見送り見送られる時も、切れない友情で繋がった4人の関係は良かった。