2018年では、2012年に失踪した許靖陽を捜し続ける祁連の元で、失踪時、許靖陽が残したスマホが作動したのを機に、二人は出会うこととなる。
ここから、2018年での時間軸で話は進むが、この時間軸の江曉媛は祁連の学生時代からの友人であり、その頃から彼女を好いていたようである。
当時、誰にも言わず学校を中退して行方が分からなくなった江曉媛は、祖母の手術代や入院費の負担を強いられており、その後、お金を置いて出て行ってからは、未だ消息不明だという。
2025年の江曉媛と対面した祁連は、行方の分からなくなっていた彼女が戻って来たと喜び、職や住居を当てがって甲斐甲斐しく面倒を見るが、江曉媛にとっては見知らぬ男である。
自分は2025年から来た江曉媛で、祁連の友人の江曉媛ではないのに、断りを入れてもひたすら自分に付きまとう祁連に困惑する。
それでも、この世界で知り合いもおらず一人っきりになってしまった江曉媛は、彼の助けがなければ露頭に迷っていたと思い直し、段々と信頼を寄せていくこととなる。
時が経つにつれ、祁連がかつての想い人だと勘違いして、面倒を見てくれることが心苦しくなった江曉媛は、自分はその人ではなく、2025年から穿越してきた人間だということを告白する。
祁連としては、自分の江曉媛だと思い込んでいるため、何か事情があって失踪していた期間のことを話せないのだろうと思い、一旦それを飲み込んで新たに友人関係を築くことを提案する。
程なく、想い人だと思い込んでいた江曉媛が、別の人間だと気付いた祁連は態度を翻すが、この豹変っぷりが酷い。
江曉媛にとっても、突然2018年に飛ばされて訳が分からないのに、彼女の身体をお前が奪ったとでもいうかの態度で接する祁連にはちょっと引いてしまった。
とはいえ、この男も、やっと再会出来た想い人が違う人間だったという事実のやり切れない気持ちを、彼女にぶつけるしかなかったのかもしれない。
職場の美容室でも貶められているのに、祁連の態度の豹変っぷりに、いきなり江曉媛が気の毒すぎる展開となるが、元いた世界へ戻りたい江曉媛と、自分の江曉媛を取り戻したい祁連は、怒りは一旦しまっておいて、互いに協力して穿越の謎を解くことにする。
2025年が本当の世界ならいずれ戻るはずだけど、この世界での美容室での貶め合いや、人との繋がりを妙にじっくりやっているのを見ると、この2018年が現実世界なのかもしれない。
渋々協力している関係でも、一緒にいる時間が長ければおのずと感情も湧いてくるのだから、現在の江曉媛の方へ段々惹かれていく己自身を否定するため、好いていた江曉媛の身体を守るという名目を保つ祁連は、表情は厳しくとも行動は優しい。
その優しさを感じる江曉媛も、自分ではなく想い人のこの身を守るためだと分かってながらも、気持ちは徐々に動き始める。
しかし、きっと同じ人物なのだろうなこれは。
まず、違う人物だとすれば、どちらにも心を寄せてしまった祁連の後処理が面倒ってのがある笑
それに、スマホの受信器となっている場所を捜しに出掛けた当時、謎の組織や施設らしきものがあったのを考えると、2018年が実際の時間軸で、かつて施設の装置で謎に記憶を消されて2025年へ飛ばされた江曉媛が、再び2018年へ戻ってきたのでは、、、
スマホの電池が一年しか保たないと言ってたのも、消息を経ってからの期間と合っている。
2025年の許靖陽が、記憶のあるまま飛ばされているのだとすれば、序盤に江曉媛を促していたのを考えると、この男は組織に属しているのかも。2018年には許靖陽の存在を証明するものが無くなっているのも、この組織に隠滅されているのかもしれない。
目的は何なのかは全く分からないけど、祁連の身近な人間ばかりが穿越しているし、この人に何か関連があるのか。
いや、妄想しても辻褄が合わないところもあるし、全然分からないな笑
つづく
遡った記憶を取り戻した江曉媛は、ここで自分にとっての祁連の存在を思い出すこととなる。
しかし、一方では2025年の記憶も残っているため、それが自分だと認めてしまえば、今まで自分だと思っていた2025年の自分は何者なのか、認めてしまえばこの自分の存在ごと見失ってしまう、という恐怖から、それを頑なに否定する。
かわいそうにな、、、結局、脳科学の実験で、苦しい記憶を取り除き、幸せな記憶を植え付けられた江曉媛は、新たに取り戻した過去の自分とどちらの記憶も存在することとなり、気が狂うくらいに混乱してしまう。
被験者は、概ね1年後には気が狂ってしまうという結果になっているようだから、バーチャルゲームだと信じていた同じ被験者の霍柏宇は、そのまま気が狂って亡くなってしまった。
かつての実験室へ出向いて、そこに至るまでの記憶を取り戻した(全部ではないかも)江曉媛は、やはり2025年の自分は現実ではなかったと絶望し、祁連、祁連、と繰り返し口にして縋る姿は、過去からずっと変わらずお互いしかいなかったんだな、と思わせる実に切ないシーンだった。
引き続き許靖陽の所在を探る二人は、自分を庇って大怪我をした仲間だったはずの彼を、当時の仲間は誰も知らない。
思えば、6年前に失踪した許靖陽を捜していた時から、存在しないと言われていたこの男は、実は本当に存在していなかったのである。
この辺りから、ヤバ、、、祁連も記憶を操作されているのかも、という思いが脳内を駆け巡るが、正に、祁連もあの実験室での被験者だったということが分かる。
江曉媛と祁連の許靖陽への記憶は一致しているため、お互い別々の記憶を植え付けられているのか、或いは、その記憶の中で交差しているのかがまだ分からないが、こうなってみると、どれが本当でどれが偽なのかが本当に分からなくなってきた。
本当だと思いたい学生時代の尊い記憶も、ひょっとしたら作られたものなのかもしれないし、過ごしている現在の存在も危うい、、、
しかも、その実験室はかつての場所から撤退しているとはいえ、江曉媛を追って実験に関係する謎の男が迫ってきている。
おそらく許靖陽なのだろうが、祁連も実験に参加していたとすれば、なぜ江曉媛ばかりが追われ、脅されているのかが全くの謎である。
やはり、亡くなったといわれている祁連の母親が関係しているのでは、、、父親も何か知ってる様子に見えたし。
周りの人間を傷付けぬよう、皆の元から離れ江曉媛が頼った先は、メイクの神と言われている蒋博だが、この男の関係者に実験室の女ボスがいた繋がりも全く見えない。
つづく
しかし、範篠篠の情緒が不安定すぎる。
息子の蒋博(血の繋がりはない)を支配して、少し反抗すれば目を剥き出しにしてキレる。
夫を殺めた罪を幼い蒋博になすりつけた過去もあるというのに、その高圧的な態度がマジの謎なんだけど。蒋博もひょっとして脳にチップを植えられ記憶を操作されているのか、、、
なんとなく見えて来たものの、全貌は明らかにはなっていないので続きが気になるところ。
あと4話。
つづく
最後は、人生の選択は正誤などなく、自分の選んだ道を信じて懸命に前へ進め、というようなメッセージで締めくくりとなる。
終盤、蒋博のターンとなりメイク大会云々で若干失速したものの、巡り巡って再び唯一の二人に戻れて良かったね、という感想である。