宁安如梦(寧安如夢)Story of Kunning Palace 全38話+番外 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『宁安如梦(寧安如夢)Story of Kunning Palace』

2023年 11月〜 中国 全38話

 

原作 「坤宁(坤寧)」时镜(時鏡)

 

出演

姜雪宁(姜雪寧)→白鹿

谢危(謝危)→张凌赫(張凌赫)

 

5月に延期されてから、どうなるのだろうと思っていたが、11月7日に突然配信スタート。半年も経つと白紙も白紙になったかな、、、これはちょっと観たかったドラマなので許されて嬉しい。

 

ネタバレ 第1話〜第6話。

愛を利用し人を貶め、悪の限りを尽くして皇后まで上り詰めた雪寧が、謝危率いる反逆軍に追い詰められ自害させられる。

最後の願いは、張遮だけは助けてください、だったのを考えると、彼の存在は大分重要なのだと思われる。

張遮(刑部侍郎)との回想のやり取りから、おそらく皇帝に忠実で実直なこの男は、王朝を守るため、あらゆる罪を一手に引き受けて牢に捕らわれていたのが分かる。

「助けてくれないか、罪を犯した者を必ず見付けて償わせるから。」「これからはいい人間になるから。」

と、雪寧が頼んでいた様子から、どうやら定国公の娘、薛姝が皇后の座を狙って策略していたようだから、自分の罪ではないのかもしれない。しかし彼女自身も、誤って歩んできたその人生を悔いているようにも見える。

 

自害させられた後、場面は現代に戻るが、この話はweb小説内の出来事だったようである。

思い入れのあるキャラクターだった雪寧を、こんな風に終わらせることに納得のいかない作者(白鹿)は、このキャラに人生をやり直させて過ちを修正し、自分が本当に欲しいものは何なのかを追求させる、という方向へ加筆することにする。

一応、小説内のキャラクターが過去に戻って人生をやり直すという話なので、最近よくある作者が穿越する類ではないみたい。

 

場面は再度小説内へ戻る。

自害したはずの自分は、まだ入宮していない年代へ戻っていた。

記憶を持って過去へ戻ったため、これまでの人生での過ちを一つ一つ修正し、今度こそは、あのような最期を回避する道を歩もうと決意する。

この辺りは、つい最近までやっていた「為有暗香来」と被っている。

 

元々、姜家の嫡子として生まれた雪寧は、同じ日に生まれた側室の子とすり替えられ庶子として育ってきたが、その側室(養母)のすり替えの罪が明らかとなり養母が亡くなったため、嫡子として姜家に戻ることになった経緯がある。

 

幼馴染の燕臨は、この頃はまだ雪寧を追いかけ回してその気持ちを素直に表現している。最後には敵対していた回想を考えると、まさに愛が憎しみに変わったような出来事が起きたのだろうと想像は出来る。

「あなたは私の欲しい物を与えてはくれない。」「でも彼なら出来る。」といって、燕臨を捨てた格好となる回想も、これから修正をしていく事柄となるのだろう。

 

謝危は朝廷に仕える太師であり、皇帝をはじめ、貴族の指導をする所謂先生という立場であるが、どうやら、本当の身分を隠しているようである。離魂病という病を患っているのを朝廷に知られると身バレして大ごとになる、と警戒をしているが、まだ何者なのかは分からない。

 

謝危と再会した雪寧は、皇后となった自分を追い詰めて自害させたという記憶が生々しく残っているため、身体が硬直してしまうくらいこの男に恐怖を抱く。

謝危もまた、四年前に出会った雪寧の別人格を垣間見て、普段は無害な様子を装っているのではないかと疑い監視を続けている。この別人格ではないかと思わせるものが何かはこれから分かるのかも。

ともかく謝危としては、かつて離魂病で殺人鬼ばりに豹変した自分の姿を見られてしまったため、雪寧は永遠に監視の対象となっている。

 

しかしこの謝危も、雪寧の最期を見届けた後のあの表情は、敵対していても愛していたのではないかと感じてしまったシーンだったし、この二人の歴史も追々という感じである。

 

人生を修正するには、まず入宮するのを拒否しなければならない雪寧は、沈芷衣(皇帝の妹)には絶対に出会ってはならないと固く誓うが、かつての侍女だった尤芳吟を探しに行った先で、運悪く沈芷衣と再会してしまう。

過去に、皇后となる過程で沈芷衣の勉強仲間として入宮した雪寧は、おそらくこの公主と良い関係を築いていたのだろう。

 

20年前に平南王が謀反を起こし、それを華麗に撃退したという歴史のある王朝だったが、その戦で受けた傷を恥じていた沈芷衣に対し、勇気付けたい気持ちに駆られた雪寧は、思わず「您的疤痕本是王朝榮耀何必以之為恥」(あなたの傷は、この王朝の栄光の証です。何を恥じることがあるのですか。)という言葉をかける。

こんな言葉をかければ、気に入られるのは目に見えていたが、案の定、意図に反して今回も彼女と縁が出来てしまう。

一度結ばれた縁は切れずに留まり、やはり運命には抗えないのかもしれない。とはいえ、このシーンの雪寧はほんと素敵だった。

 

この後、過去に経験した皇宮での伴讀(勉強仲間)を選出する催しにも無理矢理参加させられた雪寧は、敢えて失敗する策に出る。

ここで失態を犯したにも関わらず、謎に一番で突破した雪寧は、次点の筆記試験に挑み、試験官の謝危にふざけた回答を提出するものの、本文の行間に本質が見えるとかいう謎の理由を付けられ、落とされず保留にされる笑

必死の抵抗も虚しく、やはり入宮して再度沈芷衣との関係を築く時がやってくるのだろうが、謝危にとっても警戒している雪寧を、自分の弟子にして監視するという意図があるのかもしれない。

出会った四年前からやり直さなければ、謝危の疑いからは逃れられないとも思うが、これは既に愛なのだろうな。

 

光武衛の周寅之は、いずれ謀反に加担したという罪を掲げて燕家を襲撃する運命だが、この運命を変えるため、雪寧は奮闘する。

定国公には燕家で平南王との繋がりの証拠を探せとせかされ、雪寧には燕家を守れと言われ、人の良い周寅之は板挟みで実に気の毒なポジションである。

その動きを素早く察知した謝危は、賢いだけあって勘が冴えている。朝廷の争いには首を突っ込むな、と雪寧に念を押すが、今回は燕臨と張遮の運命を必ず変えてみせるという決意は固い。となると、おそらくそのまま巻き込まれていくのだろう。

 

そして、6話の最後、、、え、ひょっとして謝危の本当の身分は、20年前の平南王の謀反の時に、皇帝を守って亡くなったと言われていた燕臨の従兄の薛定非なのか?その時は死なずに生きて平南王側におるのか?

だから執拗に、謝危と燕臨の関係はただの師弟ではないはずだ、と雪寧が疑っていたのか。ダークすぎるやろ、、、

ていうか、薛って定国公の姓じゃないの?他にいたかなこの姓、、、え、定国公の息子だとすれば、燕家から嫁に行った勇毅侯の姉(亡くなったけど)が、定国公の側室だったとか?でも年齢合わない気もする。

 

ひょっとして平南王は既に亡くなっていて、では、今盛んに刺客を放って殺戮している、平南王の印付きの輩に指示を出しているのは誰なのか。

と、思ったら、怖いこと思い付いてしまった。まさか、謝危の別人格であるあの殺人鬼じゃないよね、、、?いや、まさかね、、(いつもの妄想なので大体当たりません。)

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話〜第10話。

既にきな臭くなってきた。

 

抵抗虚しく入宮させられた雪寧は、初っ端からあからさまに公主の寵愛を受けることになったため、運命は未だ変わっていない。

 

病がちで子供のいない皇帝を継承するのは、おそらく弟の沈玠だと予測し、皇后の座を得るため彼に狙いを定めていた薛姝は、キーのハンカチを何度も目にして、雪寧が沈玠と内密に付き合っているのでは、という疑いを向ける。

このハンカチエピソードは、雪蕙とのやり取りだったため完全に勘違いなのだが、これが面白くない薛姝は、雪寧をなんとか貶めようと裏で他人を動かすことに悪知恵を働かせている。これからの雪寧に関するトラブルは、十中八九薛姝が糸を引いているのだと思われる。

 

謝危の正体は、やはり定国公の息子の薛定非なのだろうな。

この薛定非は、平南王が謀反を起こした20年前、皇帝を誘き寄せるため、百姓推定300人が人質にされるという惨事があり、この人質と交換で当時7歳だった彼が皇帝の代わりに名乗り出るという、気合の入った子供だったという。

にも関わらず、結局、薛定非を含む推定300人を全て殺戮した、と後々には伝えられており、誰も生きているとは思っていない。

 

側室だと思っていた薛定非の母は、実は一番目の正室だったのもこの一連の話で分かってくる。

当時、定国公には力が足りず、燕家の援助を得るために燕敏を娶り薛定非を儲けるが、この惨事で逝ってしまった(と思っている)息子のことを嘆き、ほどなく母親の燕敏も回想にあったように亡くなってしまった。

定国公は、援助を受けるためだけにこの妻を娶ったため、すぐさま後妻を娶って薛姝とその弟を儲けたようだから謝危とは異母兄妹ということになる。

謝危は、平南王のスパイという立場で皇宮に潜り込んでいるが、燕家に心を寄せているような気もするし、本当の目的は全く分からないな。

 

皇宮では、謝危が先生となって勉学に励む日々を送るうちに、猜疑と恐怖は拭いきれないものの、お互いに少し気持ちの変化が表れ始める。

謝危が抱いていた、別人格を持っているという疑いは、出会った当時、命を助けられ、肝の据わった言動に好感を抱いていたのに、城で見かけた雪寧が下人を激しく叱責しているのを見て失望したという理由があったようである。それでも皇宮で頻繁にやり取りをするうちに、実は変わっていなかった、と当時の気持ちを取り戻した謝危は、段々と雪寧を気に掛けるようになる。

雪寧の方は、目下、燕家を破滅させないために尽力する日々を送るが、謝危に対する気持ちは前ほどではなくなっているように見える。

 

ほどなく、太后への贈り物の玉如意を巡っての騒動に、大勢が巻き込まれることとなる。

玉如意に彫られた文言に罪悪を感じた太后は、それが怒りとなり早速犯人探しが始まる。(300人の無辜の魂を奪っておいてよくその座に座ってられるな、みたいなことが書かれてた。)

これが平南王手下の公儀丞の仕業で、この罪を燕家に擦り付けようとしているのを知った謝危は、、、今のところ、状況の把握だけでこの件については特になにもしていない。

 

薛家(定国公)と燕家(勇毅侯)は敵対しているため、定国公は勇毅侯に対抗しようと私兵を養成し、勇毅侯の管理する軍の武器を盗んだりして、内乱のような有様となっている。

薛家は光武衛を管理しているようだから、それを使って燕家を貶めようと常に機会をうかがっている。

これ以上、苦渋を味わわされることに我慢のならない勇毅侯は、定国公が私兵を養成していることや軍の武器を奪った事実を、皇帝へと進言するため皇宮へ向かうことにする。

 

その道中で、刺客に遭った勇毅侯だったが、この刺客も公儀丞から指示が出ていたようだから、なんだ?定国公と公儀丞は手を組んでいるのか?公儀丞は平南王側だし、定国公は皇帝の叔父である。敵と手を組んでいるということは、やはり謀反が目的なのだろうか。

力を貪欲に欲する定国公は、じわじわとその力で様々な部門に干渉しているため、この辺りは謝危がどう関係してくるのか全く分からない。因みに、定国公は謝危へも敵意を抱いているため、邪魔者扱いである。息子なんだけど、、、

 

雪寧の方は、平南王と結託して玉如意を仕込んだのではないかと疑われ、捕らわれそうになる。これも何者かが雪寧を貶めようとして証拠を仕込んでいたせいだが、おそらく薛姝の仕業なのだろう。

かつて皇后だった雪寧は、皇宮の規則を熟知しているため、ぽっと出の黄公公には簡単に捕らわれたりしない。燕家に矛先が向かわないよう、慎重に言葉を選びながらの弁明となるが、最終的には、刑部を呼びつけて捜査をしてもらうところまで持っていく技が実に巧みである。

 

ここで、遂に焦がれていた張遮が登場する。

自分が薦めたというのに、姚家の娘との結婚に落ち込んでいた雪寧は、思いがけず張遮が現れて心の動揺を隠せない。この様子を見ると、皇后でありながらも余程彼を愛していたとみえる。

 

刑部が入っての捜査の結果、おそらく証拠不十分ということになり、雪寧は助けられるのだろうが、ここで張遮との縁も始まることになったため、四角関係みたくなってちょっと面倒くさいな笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話〜第14話。

薛姝が雪寧を皇宮から追い出そうとした策略は失敗し、この罪を被った宮女は牢でお亡くなりになってしまった。

これが姪の薛姝の仕業だと見抜いた太后だったが、薛姝を皇后にと考えている太后は咎めるわけでもなく、一緒になって追い出す算段のようである。

 

謝危もまた、雪寧を庇って薛家派である太師のじいさんとその手下を皇宮から追い出したため、薛家に疎まれており、定国公も謝危を何とか貶めて追い出そうとしている。ただ皇帝は、胡散臭い叔父よりも謝危の方に信頼を置いているため、簡単には追い出されはしない。

 

張遮のことを語る雪寧の様子から、即座に気持ちを見抜いた謝危は、その惚れた気持ちがいつか弱点となり、何者かに利用される時がくる、だから自分なら気持ちを誰にも悟られないように隠す、と釘を刺す謝危の口調の激しさは、なに、経験者かなにか、、、?

このようにして、燕家を守るため、なんとなく同じ方向を目指している二人は、このまま釘を刺し合いながら、助け合いつつ各々の目的を果たすのだと思われる。

 

毒矢に打たれ死にかけていた燕家の勇毅侯は、医師を呼ぶのも阻まれ、窮地に立たされていた。この時、謝危が己の権限を使って医師を手配したおかげで一命を取り留めることとなる。

 

燕家を訪ねた謝危に、深々とお辞儀をし謝意を示す勇毅侯は、同時に、自分に不利になるようなことを成した彼が、ただ燕臨の師匠だからというだけではない、と勘ぐるくらい謝危の起こした行動は案外大ごとだったようである。

 

庭の金木犀の木の下で、勇毅侯が想いを馳せながら甥(薛定非)のことを語る姿を見て、初めて謝危が子供だった頃の回想を見せられる。

叔父に懐いていた様子の薛定非と、優しい眼差しを向ける勇毅侯の姿を見ると、今の身分も目的も明かせずにいる謝危が気の毒すぎて泣けてくる。ひょっとしたら、勇毅侯は既に謝危の正体に気付いているのかも。

この様子だと、やはり燕家を守って薛家を倒すのか、という妄想が広がるものの、王座を欲しているわけでもないため、300人の命を奪って平然と王座に君臨する薛家への復讐なのだろうか。

∑(゚Д゚)ハッ!

もしかして離魂病の件も、この殺戮を見てしまったトラウマで発病してしまったのか。(妄想が暴走中。)

 

開幕に、燕家と共に軍を率いて皇宮に乗り込んで来た描写があったため、薛家を玉座から引き摺り下ろすのだろうが、これまでの過程が、やり直す前とどう変わっているのかが全く分からないために、未だ前と同じ轍を踏んでいるのかもしれない。

 

絹を買うように助言された尤芳吟(皇后だった頃の侍女)は、雪寧の助言通り着々とそれで銭を稼いでいく。商才があると言われるくらい上手く立ち回る尤芳吟だが、この助言もゆくゆくは燕家の助けになるということらしいから、不遇なこの娘を助けたいという気持ちだけではない。しかし、あの助けた鄭保もしかり、たとえ裏に真の目的があったとしても、あらゆる場面で弱者を救う雪寧は、言うほど悪女ではないように見える。

 

尤芳吟の行動が怪しいのに気付いた尤月は、早速横槍を入れて来る素早さ。暇なのかよ、、、

この一連の出来事の各々の行動を先に読んで、計画を実行する雪寧のカッコ良さにはトキメキが止まらない。

かつて、張遮を侮辱され井戸水に尤月の顔面を沈めて平手打ちしたことも、いつまでも虐げられている庶子の尤芳吟をあの家から解放するための芝居も、毎回カッコ良すぎて痺れる。

光武衛の周寅之の協力のもと、牢に捕らえられた尤月のみを取り戻したい清遠伯に、厄介者の庶子は好きなようにしてくれと言わせることが出来たため、やっと尤芳吟は自由を得ることになりそう。うーん、なんともいえないこの清涼感。

 

同じように姉の雪蕙にも、かつて皇后になるため姉の想い人を奪った形となった沈玠と、今回は再会させることにする。

この様にして、やり直しの人生は少しずつ変わってきていて、謝危との関係も情報を交換しながら同志のようになっているため、最後は望む形で終わって欲しいと心底思う。

 

もう一つ、雪蕙に関しては、公主に寵愛されていることを有効活用して入宮させることに成功する。1番の望みを最後に提案するという交渉術か、賢いな。

ハンカチで沈玠の想い人を勘違いしていた薛姝は、入宮してきた雪蕙への沈玠の態度と、持っていたハンカチを見て、ターゲットをこちらに変えたようである。

 

雪蕙が入宮したら、いずれ薛姝にロックオンされるのは分かっていたものの、燕家のことでもやるべき事を抱えているのに、嫉妬に狂った娘の相手をしている余裕はない。

勘違いで貶められるのを避けるために姉を入宮させたことを、正直に本人に打ち明ける雪寧だが、これが理由の一つだとしても、やはり一度奪った姉の縁を今回は返してあげたかったようである。

姉の雪蕙は、そもそも性根の良い娘であるし、姚家の娘に雪寧を蔑まれる発言をされ、それを真顔で反撃するような、表面の物静かさの中に宿る確固たる大義も持っている。

 

朝廷では、逆賊と疑われている燕家への捜査が始まり、その役目を張遮が担うこととなる。堅物で実直なこの男を好いている雪寧は、今回は皇后への道には進まないため、ひょっとして彼と一緒になれるかもしれないという淡い期待を抱いている。

ここで燕臨の冠礼の話題が上がっていたし、運命の時は近付いてきている。

 

既に雪寧に想いを寄せている謝危は、何かと彼女を気に掛けているが、同時に秘密も握られているという思いもあって、警戒は未だ解いていない。

その割に、四年前のやり取りも記憶している謝危は、二度に渡り、好きだと言っていた菓子を買って渡す姿がいじらしい。しかも二度目のものは、四年前と同じものを作らせるという健気さよ。

このように雪寧を喜ばせる一心でやっていることでも、絶対に他者にはその気持ちを見せない。手下は気付いているけどね笑

 

寧二姑娘の呼び方の件で、理由は雪寧に言わせていたものの、またもや妄想が膨らんだのだけど、、、ひょっとして、謝危の方も加筆されて人生をやり直しさせられてる?

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話〜第18話。

例の菓子は、調理場のおじちゃんに作らせていると思っていたのに、自分で作っていた笑 あんなに賢くて策士であるのに、こと情に関しては純粋すぎて好感度は上がる。

 

燕家の調査を請け負う張遮は、裏で糸を引いている存在が謝危なのではという疑いが拭いきれない。

堅物の張遮にとっては、謝危の言っていることも的を得ないし、引き続き、謝危を念頭に置きながら調査を進めることにする。

 

燕臨の冠礼の日が近付き、勇毅侯は、戴冠の執行人を謝危に願い出る。これも薄々、甥だというのに気付いているからだと思われるが、これを頼まれ一瞬動揺する謝危は、すぐに冷静さを取り戻して快く引き受けることにする。

 

冠礼当日、初めて訪れた母の位牌の前で一粒涙を落とす謝危は、敵の手中に落ち、妙な病を患って一体どの様な思いで生きてきたのだろうか。その姿を見て、自ら身分を明かすまで何も聞かずにいる勇毅侯の、甥を不憫に思う気持ちが伝わるこのシーンは実に切ない。

 

定国公のしょうもない息子、本当にしょうもなかった。頭脳も力も大したことないのに、プライドだけは一人前。さすがに雪寧のほっぺを引っ叩いた姿には怒りを覚える。怒り狂った燕臨とあやうく殺し合いになるところだったではないか。

しかし、よくこんな高慢ちきな顔面の役者見つけてきたよなと感心する。ゲームオブスローンズのジョフリーぶりにいい配役だと思った笑

 

儀式の最中に勅旨を持って乗り込んできた定国公は、燕家の親子を逆賊として捕えようとするが、定国公の行動に先回りで準備を整えていた謝危は、軍の手配の件を質問してしばし時間を費やす。

更に、どこにも忖度しない張遮に、勅旨を読まずにその者を捕えることはできないと指摘される。

渋々、勅旨を読まされた定国公だったが、今度は印が足りないのを指摘され、その勅旨は有効ではないという話に発展する。それを指摘されたくなくて読み上げたくなかったのだろうが、一旦これを弾いた燕家と参加者は定国公を退散させることに成功する。(今回の黄海冰は悪者だけど相変わらず芝居はイケている。)

 

燕家の管理する軍は、平南王の手下が紛れ込んでいるため、燕家の危機だと騒いで軍を扇動して乗り込み、そのまま破滅させるという計画だったようだが、ここにも先回りしていた謝危の采配でその場を収めることに成功する。

全てを把握している皇帝は、謝危を全面的に信頼しているため、例え勅旨を出しても、謝危が取り仕切っているこの行事の最中には、何も起こらないと踏んでいたようである。

 

やり直す前は殺戮が起きたのに、今回は先回りして謝危が抑えていたという事は、かつての殺戮のことを知らなければ出来ないと思うんだけど、、、そう思うと、やり直しさせられてるのは雪寧だけではない気もする。

しかしひょっとしたら、これまでの雪寧の道が皇后から外れたことで、バタフライ効果が発揮されたのかもしれないし、未だ謎ばかりで混乱する。

 

定国公と公儀丞が手を組んでいる描写は未だ出て来ておらず、謝危が口にしていた憶測でしかないが、諍いが連動しているのを見ると、やはり手を組んでいるとしか思えない。平南王はなぜそんなに燕家を潰したいのかな。燕軍を潰したとしても、代わりの誰かが通州に派遣されるだけだと思うんだけど。

 

怪しさ満載の謝危に引き続き疑いを持つ張遮は、祝辞に「忠誠心」が抜けていたのがどうも気になったようである。

謝危が燕家を庇うのは別の理由があるのではないか、と口にする張遮は、薄っすらと何かに気付いており、謝危と同じ鋭い男である。普通気付かないけどな笑

 

雪寧は、未だ謝危に恐怖は感じているものの、燕家の件では必ず救う手立てを持っているはずだと信じているようである。

おそらく、やり直す前の雪寧は、脇目も振らず皇后になることのみを考えていたために、謝危の人格など分かるはずもない。興味がなかったのだから、この男が薛定非だということも知らなかったのだと思われる。(未だ気付いていない。)

しかし今回はその道を進まず、燕家を救うために尽力している謝危とのやり取りが多いため、この男の人格を理解しつつあるように見える。

 

結局、印を携えて戻って来た定国公に、燕親子は捕らわれてしまったが、前回はこの日の血みどろの戦いの中、勇毅侯は亡くなってしまったのだから、血みどろにもなっていないし、勇毅侯の死亡も回避している。

この後、燕家の印を皇帝に預けることで軍も皇帝直下となったため、燕親子は王都を追放され辺鄙な場所へ送られることとなる。

 

やり直す前に流刑された燕臨の運命を変えるため、尽力してきた自分の行いが、全て無に帰したと落ち込む雪寧は、訪ねてきた張遮から、このことが謝危の提案だったという話を聞かされる。

「謝危と懇意にしているようですが、一旦距離を置いた方がよいでしょう。」「虎は所詮虎なのです。どんなに違って見えても、結局、根っこの部分は変わらない。そして、いつかその虎に咬まれる時が来るのです。」

張遮の謝危に対する不信感はもはや揺るがないものとなっていて、このような助言を受けた雪寧は、今までこの目で見てきた謝危の事が分からなくなり、戸惑ってしまう。

 

しかし直接聞かなければ分からない、という気持ちで屋敷に乗り込んでいった雪寧は、かつての殺人鬼に豹変した謝危が、まさに公儀丞を殺める瞬間を目撃してしまった。

 

平南王の手下の公儀丞は、自分の計画を悉く潰す謝危に業を煮やし乗り込んで来ていたのだが、雪が降り始めると別人格が現れる離魂病という病で、殺人鬼に豹変した謝危は公儀丞を遂に殺めてしまった。

いやね、この時のメイクのせいもあって、張凌赫の見開き半笑い芝居がマジ怖すぎて震えたんだけど。すごいね、張凌赫は呆けた芝居だけでなく、この方向もいけるのか。

しかし、やはりこの病は7つの時に見た百姓推定300人殺戮のトラウマからなのだろう、雪の日だったし。

 

序盤から手を組んでいるわけでもなかった公儀丞とは、味方でもなかったようだが、それなら平南王との関係はどうなっているのか。四年前に虎(謝危)を野に放したと言っていたが、一体どういう関係なのか、どういう目的があるのかイマイチ分からない。そもそも平南王はまだ生きているのかも謎である。

結局、平南王の指示でもなく個での目的を果たそうとしているのか。「忠誠心」を抜かして祝辞を与えたあたり、平南王にも今の皇帝にも忠誠心を持っていない様子の謝危は、燕臨にも、薛家(皇帝)にそれを持つ必要はないと思ってのことだったんだろうか。

皇帝は薛家の血筋であるし、忠誠を誓っていると見せかけてやはり彼も復讐の対象なのだろうか。この皇帝も腹黒さをチラ見せしているし、何を考えているかは分からないが。

 

謝危の人を殺める姿を目撃してしまった雪寧は、豹変した謝危にあやうく殺されかけるが、彼女を愛する元の人格がそれを阻止するという、ちょっと切ないシーンとなっている。

張遮の言っていた、根っこの部分は変わらない。というのが薛定非のものであるなら、今後まだ希望は持てる。

 

辺境へ追放した燕親子のことを責める雪寧に対し「お前が考えているようなことが理由ではない。」と言う謝危だが、未だ目的がイマイチ分からないため、他にも何か考えはありそうな気はする。雪寧としては、一度信じた人をやはり信じたい気持ちは残っているように見える。

この状況を見ると「回」と名付けた意味が生きている。今は遠く流刑されてもいつか自分の有るべき場所へ戻れる時がくるはず。

 

主演の二人が最後は愛し合うという一般的な流れでいけば、今は張遮に気持ちが向いていても、結局、男主1と結ばれるはずだが、この調子でどの様にして謝危へ気持ちが移っていくのかが実に想像し難い。ただ、皇后だった時と違い、既に芽生えている謝危に対する信頼が、今後どの様に変わっていくのかが気になるところ。

 

皇帝の子、無事産まれてくれれば運命変わるのになぁ。まだチャンスはあると言う太后と薛姝の悪巧みが止まらない。

今回の姜姉妹、運命共同体のようで実に良い雰囲気だった。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話〜第20話。

以前、公儀丞が既に薛家の手中だと言っていたのを、平南王を含めた全部が手を組んでいるのかと思っていたのに、なんと公儀丞だけが寝返っていたようである。

 

前回、謝危が殺めてしまった公儀丞が亡くなったことを知るのは、今のところ刑部と皇帝のみとなっているため、謝危は逆賊を捕えるため危険な計画を提案する。もちろん本人以外は犯人を知らない。(雪寧は知っているが、国政とは立ち位置が別なので一旦除外。)

 

まず、公儀丞が捕らわれたという噂を流せば、必ず平南王の手下が口を割らせないよう彼を手に入れようと牢を襲ってくる。

平南王の配下には「度均山人」という謎の人物が存在するという噂があり、この人物は隠者のため誰にも顔を見せた事がないという。この人物に化けて、襲った牢から逃げ場の無くなった平南王の手下と共に脱獄し、相手の軍営に潜入するという計画である。

 

度均山人とは、もちろん謝危のことだが、誰にも顔を見せた事がないと本人が言うのだから、誰が潜入してもバレないという確信はあるのだろう。ただ、おバカが潜入しても仕方がないため、この役目を張遮が担うこととなる。賢いと色んな所で頼りにされて大忙しである。

なぜこんな提案をしたんだろう、と張遮が口にしていたが、おそらくこれも謝危の計画に含まれていて、自分自身でその役目を務めるつもりだったのだと思われる。

 

しかも今回は、薛定非の替え玉がいることも発覚する。替え玉を作っているということは、いずれ皇宮に戻して何かに利用するのだろうが、皇宮に戻って来ている描写も、今回雪寧の回想で語られる。

 

替え玉は、長い間新報のない謝危が寝返っていないかを確かめに来たようだが、実は燕牧(勇毅侯)を殺せ、という密信の中の一部を届けに来たという。この役目が重荷だった替え玉は、運良くその密信を公儀丞の手下に盗まれてしまった。

同じ時に、挙動のおかしい人物を捕えた周寅之は、この捕らえた男が、勇毅侯が平南王と手を組んでいる証拠の手紙を持っているとほのめかしたため、雪寧を訪ねてやって来る。

しかし、その男自身は手紙を持っていなかった。そこで、その手紙を持つ仲間の男を呼び出して手紙を手に入れることにする。

この取引をスパイに先回りされ相手に知られてしまったため、ただでは渡さないといって、手紙と交換で大金を要求された雪寧は、謝危の手元に届くよう琴を売る→琴を売るほど金に困っているのかと謝危に思わせる→自分の動向を探らせる→自分と周寅之が頻繁に会っているのを目撃させる→何か事を起こす時は、必ず周寅之を使うはずだと思わせて監視させる→燕臨に渡すためのお金を周寅之に持たせて再度、取引場所へ行かせる→取引の終わった相手を謝危の手下が捕まえる→自分の策だと気付かれる→金は自分の元へ戻って来る、という策を練り、まんまと成功を収める。雪寧も相当の策士だった笑

 

手に入れた手紙は、勇毅侯が平南王へ送ったもので、薛定非が生きているのを示唆した平南王に、甥と会わせて欲しい気持ちを綴った手紙だった。せつない、、、

 

うーん、ちょっと分からないんだけど、朝廷に届けるはずの、替え玉が言っていた、燕牧を殺れと書かれている密信はどこへ行ったのだ、、、別々だと思っていたこの密信は手紙のことなんだっけ。なんか見逃したんだろうか。

替え玉の言葉が本当なら、平南王は辛うじてまだ生きているようだし、やはり、この密信で燕家を潰そうとしている意図が分からないな。この替え玉も、実は公儀丞と同じ寝返っているのなら辻褄が合うんだけど、、、金陵から出ない替え玉が寝返る線はちょっとキビシイしな。

 

平南王は、もはや手下のはずの公儀丞や謝危を信じていないため、最も信頼している部下を上京させて、通州関を爆破させる計画を実行するようだが、その先にある陰謀は何なんだろうか。最終的な目的は、王都を乗っ取ることなのだろうが、替え玉が言っていた北にある何かが分からないな。

 

平南王側へ潜入するはずの張遮は、度均山人に化けて牢にいたが、予想通り乗り込んで来た平南王の手下と鉢合わせをする。

この時、追放される燕臨に牢まで会いに来ていた雪寧も、これに巻き込まれてしまったため、張遮と共に通州へ向かうことになるのだろう。

通州関の爆破に思いっきり巻き込まれそうだが、謝危としては、この爆破計画は全く知らなかったため、策を進行する上で厄介事が増えてしまった。そもそも張遮が潜入するということも計算外だったと思われるし、過去にはなかったことも起きるのでは、、、

この計画が、平南王や張遮にまだ知られる時ではないため、その時は全員を犠牲にせざるを得ないとすら考えている謝危は、そこに雪寧がいることはまだ知らない。

 

今回でやっと謝危の目的が見えて来た。

やはり燕家を救って、百姓や母親、そして自分を犠牲にした薛家に復讐をするようだな。

雪寧は、手紙の様子からこれを察したようだが、未だ謝危の正体を知らないため、かつて謝危が燕臨や軍を引っ張って、皇宮へ乗り込んで来た彼の役回りがまだ掴めていないようである。

 

辺境へ追放された燕臨は、かつては雪寧を恨んだままの別れだったが、今回は違う。

この辺境にも謝危が手を回しているため、おそらく安全な生活が送れるのだろうが、都を去る二人に背面で琴を弾く謝危の姿はちょっと感傷的にはなってしまう。

しかし以前とは違い、本来の真っ直ぐな心を持ったまま旅立っていった燕臨を思うと、必ず戻ってこれるという期待で個人的には胸が昂る思いである。

 

運命を変えるため、雪寧の行動によって目に見える出来事で変わったことは、

★冠礼中の血みどろの争いは起きていない。

★燕牧の生存。

★姉の入宮。

★自由を手に入れた尤芳吟。

★去り際での燕臨の雪寧への気持ち。

思い付くこの5つでも、恨みに転化しない分、実に大きな変化である。目に見えない心の部分はもっと変化しているのかもしれない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話〜第24話。

脱獄後に平南王の腹心、馮明宇と落ち合った張遮と雪寧は、度均だということに疑いを向けられながらも通州へと向かう。

張遮との関係をしつこく聞いて来る相手に、「私奔」という嘘を吐いた、と打ち明けられた張遮のキラキラの純真っぷりは、これまで異性に脇目もふらず任務のみを実直にこなしてきたこの男の人格がよく現れている。

 

謝危の方は、牢で見失った雪寧が見付からず焦りを隠せずにいたが、己の策に巻き込まれ張遮と共に通州へ向かったことを知り、ヘロヘロの身体に鞭を打ち北へ向かう。

この時期の北部は雪の日も多く、手下は病のことを心配するものの、頭の中は雪寧が危険に晒されているという思いで一杯のようである。

同じく、定国公も軍を引き連れ逆賊を追って通州へ。

 

この先は、通州に駐在している燕家の軍、定国公が引き連れて来た光武衛、そして馮明宇率いる平南王の兵がごっちゃまぜになって戦闘が始まる。

馮明宇は、通州関を爆破するという任務の他に、燕軍と光武衛ももろとも潰せることに歓喜していたが、最後に颯爽と現れた謝危に打たれてご臨終。

この時、張遮が打たれると勘違いして、その身を賭して彼を庇った雪寧を見た謝危の心中を想像すると、これは酸味しかないのである。

この雪寧の行動は、通州への道すがら、小間使いだと思っていた小宝少年と、ぽっと出てきた薛定非(替え玉)が、謝危の手の者だと知らされたため、謝危が己の策略のために張遮を利用し、彼を生きて通州から出さないのでは、と思い込んでしまったせいである。少し前の謝危の言動を見るとあながち間違いでもないんだけど。

 

当然、張遮は、謝危がただの朝廷に仕える太師ではなく、別の身分があり何か陰謀を企んでいるのではないかと疑いを向けることとなる。

雪寧の方は、この上なく怪しさを放つ謝危に対しては謎の部分が多く懐疑的ではあるものの、やはり彼を悪い人ではないと信じているようである。

「張遮は良い人間だが、私は違う。」と言う謝危は、どれだけの業を背負って生きてきたのか。もしや、300人の犠牲もその身に背負っているのかな。

雪寧を挟んで一気にバチバチしてきた二人だが、今のところ雪寧の気持ちは、昔の想いから継続して張遮の方へ向いていると思われる。しかし雪寧本人も、この気持ちは愛なのか、かつての罪悪からなのかが分からない。

 

お前が張遮を庇って何かあったら、結局、張遮を不幸に陥れることになる、と叱られた雪寧は、やり直す前の過去を振り返って反省する。

どうやら、かつても自分の目的のために周寅之を使い、その罪が発覚した彼を助けて欲しいと張遮に頼んだ事情があり、そのせいで巡り巡ってとばっちりを受けた張遮が破滅したという経緯があったようである。

今のところ、自分の変えたい未来が、結局同じ轍を踏んでいることに落ち込む雪寧は、張遮を好いているものの、今回は距離を取らなければと考えている。それもこれも過去の罪悪から来るものなのかもしれないが。

 

雪が降り始めた夜に、「雪の日には近付くな。」と言っていたのを思い出したのか、遠くのれんの隙間から見える謝危を見つめる雪寧の表情には、絶妙な憂いを感じた部分だが、これまでとは違った角度で気にかけ始めたのを芝居で表現しているのだとすれば、すごいね、ちゃんと伝わっている。

 

雪寧と張遮の距離が縮まっているように見えている謝危は、その苦しさを能面の下に隠しているが、父親に見捨てられたあげく敵地で過ごすこと十数年、雪の日には外に出られず、目的のために身分も明かせない、そして好いた女は別の男を想っている、と何も良い思いはさせてもらえない謝危の抱えるもの一つ一つを思い出すと、不憫でたまらない。

 

戦いで負傷した不肖の息子を連れ、部下のことはお構いなしで逃げ出す定国公は相変わらず身勝手だが、かつての定非の命は捨てられても、このしょうもない息子には愛情があるのだな。

逃げたくせに通州に舞い戻ってきて、暴言を喚くしょうもない息子にもイライラするし、生きていた息子(定非)を王都へ戻る道中で消そうという算段の定国公がまた腹の立つところ。

 

王都では、尤家から解放されたと思っていた尤芳吟が、再び連れ戻されることになる。銭のために、すんごい数の側室を持つ色情じじいへ嫁がせるために連れ戻された尤芳吟は、もちろん尤月の代わりにされたのだが、これを呂顕が助けに現れる。

謝危への協力のため、話を聞き出そうと尤芳吟の牢へ頻繁に通っていた呂顕は、縁の出来てしまった彼女を放ってはおけなかったようである。

そこで、妊娠しているから結婚したいという嘘を吐いて、助け出すことにした呂顕は、そのまま尤芳吟と一緒になるのだと思われる。

ドラマ全体の雰囲気が薄暗いので、このCPと替え玉薛定非には和む。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話〜第26話。

あー、、、結局、どうやっても起こるべきことからは逃れられないのか。

 

替え玉薛定非が本物かどうかの疑いは拭いきれないものの、馮明宇以下逆賊を葬ることに貢献したことを認められ、一旦、薛家に引き取られた替え玉は、おそらく、この家を掻き回すため、前もってこの役目を課せられていたようである。それに応える替え玉のやりたい放題な姿は一見めちゃくちゃに見えるが、全ては定国公への疑念を皇帝に植え付けるためである。

 

通州で、張遮が燕六に調査を頼まれていた定国公の私兵や盗っ人まがいの所業も、全て皇帝に報告してしまったため、彼の叔父への疑惑はますます増していく。

謝危の巧みな誘導によって、母親の太后にも疑いを向け始める皇帝は、憂いてばかりでイマイチ何を考えているのか分からないな。身内を取るのか、その座を守るために身内を切るのか。

 

ようやく家に戻った張遮は、庭に倒れていた母親を発見する。

やり直す前の母親は、皇后(雪寧)に頼まれ周寅之への罪を被って牢に囚われた張遮の無実を訴え、雪空の中、三日三晩を牢門の前で過ごしたあげく、その心労と寒空のせいでたった一人で逝ってしまった。

今回は潜入するための計画で牢に捕らわれたわけだが、何も知らされていない母親は、結局一度目と同じようにして亡くなってしまう。

かつてと同じ様に、自責する張遮を再び見ることとなった雪寧は、過去の自分を責め、やり直すチャンスを得たのにも関わらず何も変えられなかった自分の責任だと深く傷付いてしまう。

 

しかし今回は、張遮の気持ちが自責に向かわないよう、自分を恨ませるような嘘をつく。この嘘も張遮を傷つけることには変わりはないのだが、以前のように己を責めて生きる気力を失くすより、自分を憎むことで生きる糧を得られるならその方がましだと考えた結果である。

 

そう分かっていても辛くてたまらない雪寧は、追ってきた謝危へ縋るように答えを求める。

いつもとは違った様子で優しく雪寧を包み込む謝危は、断ち切ると決めたなら前へ進め、きっとまた相応しい人が現れる、とありきたりな言葉をかけるが、26話にして初めて心中と行動が一致した謝危には少し感動してしまった。

これを機に、互いへの想いが若干恥じらいに変わっているようだが、ここから簡単に愛には変わらないのでは、、、未だその部分は想像し難いところ。

 

太后と薛姝の悪巧みは続いていて、沈玠が娶りたいと思っている雪蕙をどうにかせねばと画策し、雪蕙は完全にロックオンされてしまった。現在、替え玉が実に上手に引っかき回している薛家からの波紋でこちらもどうにか潰せないものか。

 

引き続き呂顕と尤芳吟の関係には和むものがある。他に手がなかったため呂顕が尤芳吟を娶った格好となっているものの、当人二人は仕方がなかったと否定しつつも既に想いを寄せているのは明らかである。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話〜第30話。

「你自是與旁人不同」

目的のために周りの人を利用している、という雪寧の言葉に傷付いた様子の謝危は、今この時には愛だと言えなくとも駒ではない、これだけは伝えておきたかった事なのだと思われる。

謝危の隠された想いをほんの少し覗かせる27話開幕のシーンは、その後に気持ちを隠すように色んな理由を付けた言い方しか出来ない彼が不憫に思われてならない。後半の言葉の比重の重さで、謝危の真意は全く伝わっていないなこれは。

 

薛姝の皇后の座への執念は留まることなく続く。

雪蕙を沈玠の選妃から辞退させるため、謝危の計画に巻き込まれて通州に向かった雪寧の立場を世間に流言し、姜家の評判を落とす作戦に出る。しかも姉の雪蕙本人には、本音を堂々と明かして直接脅すというたまげた娘だった。

 

この私的な目的のため、光武衛を巻き込んで噂を広めた薛姝と、3年前の災害で難民への救済金を横領した定国公への罪を併せて朝廷へ報告されたため、薛家は境地に陥る。

娘たちのために官職を辞することは疎か、己のクビ(言葉通りの首)を懸けて定国公の罪を訴えた姜家父、最高か。

引き出しから出してきた3年前の証拠の経本、他にも山程あったけど、それも全て不正の証拠なんだろうか笑

 

薛姝の策略の裏取り調査を謝危から依頼された張遮は、母親の死と雪寧の言葉に打ち拉がれていたものの、これを機に刑部へ復帰して少し気力を取り戻したように見える。本来の能力をここで再び発揮出来たことに少し安心した。

 

そんな中、平南王の件も片付いていないのに、突然大月とかいう国が登場する。

大乾と大月の間では、以前から幾度となく戦への緊張感が漂っていたのもあって、遂に国境で小競り合いとなってしまう。しかし大乾は、先の災害で国庫は空の状態であり、燕軍を率いていた燕牧も流刑された今、攻められても対抗できない状況にある。

ここで張遮が、大月に対抗するため燕牧が軍を率いるのが得策ではないかという提案を挙げたため、燕親子が戻る日は近いと思われる。

 

一方では、この様な事態に鉄板で提案される和親のための婚姻で沈芷衣が嫁がされるという雰囲気が漂う。

この件も過去に雪寧が経験した出来事で、政略で嫁いだにも関わらず戦が始まり、沈芷衣はここで逝ってしまうという惨劇が起っていた。

 

これを絶対に阻止しなければならぬと悩む雪寧は、謝危が示唆した世の道理を生かし、薛家のこれまでの暴挙を世間に触れ回り、その責任として薛姝を嫁がせろ、という方向へ世論を扇動することにする。いつの時でも替え玉の働きっぷりが素晴らしい。

うーん、いくら腐った薛姝でも、この役目を押し付けるのは如何なものかと感じた部分だが、公主ではなく薛姝が嫁げば軌道が変わり、結果、戦も始まらず死人も出ないかもしれないな。

 

父親にも太后にも見捨てられた薛姝は、皇后への道はほぼ絶たれてしまったし、自分が大月へ嫁がなければならない雰囲気の中で遂にタガが外れてしまう。そこで思い付いたのは、皇帝を利用して側室の座に就くことである。まんまと引っかかったように見える皇帝も、おそらく薛姝を利用出来ると思っての打算である。

皇帝の女となっては嫁がせることも出来なくなったため、結局、かつての如く公主が政略結婚の駒に当てがわれてしまった。

 

燕家の件以降、阻止したい出来事は結局同じ轍を踏むことになり望む道には全く導けていない。とはいえ、それまでの過程がやり直し前とは異なっているため、それに伴う結果もおそらく良い方に変わるのではないだろうか。

 

協力を請われた謝危としては、何とか雪寧の思いに応えたい気持ちがあるため、公主を助ける作戦を立てることにする。

雪寧に懇願される過程で、これで貸し借りは無くなる、と突き放すような言葉を掛けられた謝危は、傷付いた気持ちをそんな乱暴な態度でしか表現出来ないんだね、、、

 

薛姝の邪魔がなくなったため、雪蕙は選妃の催しに参加出来ることとなったが、沈玠が正室にと望んでいることを太后は絶対に許さない。

反対を押し切って正室にすれば、おそらく毒を盛られて彼女を永遠に失くしてしまうことを恐れた沈玠は、やむを得ず側室として迎え入れることにする。

この苦渋の選択を雪蕙は知らずにいるため、心底傷付いてしまうが「側室がなんだっていうの、身分を取り換えられる方が悲惨でしょ。」という言葉にクスッとする姿は、その言葉に勇気づけられて気を持ち直したようである。毎度、雪寧の言い方は素っ気ないもののほんと優しい。

 

雪蕙の運命は変えられた、だから公主の運命を変えられるはずだ、と思ったのも束の間、輿入れに光武衛が護衛に当たるという変更で謝危の計画は潰れてしまう。これはもう公主の手を取り輿入れ前に逃げるしかない、と別の計画を立てた謝危と雪寧だったが、公主本人に拒否されて、嫁ぐ姿を見送るしかなくなってしまった。

沈芷衣は、公主という民への責任のある立場で、自分一人がそれを放棄して逃げ出せぬことを思い直す。逃げ出したために、大乾全部に戦の禍が降りかかることを危惧した公主は、その身を犠牲に嫁ぐことを決心するのである。

いつか必ず大月に勝利して公主を帰城させると誓う雪寧だったが、結果を変えられなかったことに落ち込んでいたちょうどその時、薛姝がケンカを売ってくる。これに応えた雪寧は、皇帝の女の立場を乱用され謎に鞭打ちの刑を受けることとなる。はぁ、、、腹立つ、、、

以前からロックオンされていた雪寧は、生きている限り執念深いこの娘によって禍をこうむるのがはっきりと見えた瞬間だった。

 

雪寧が出門してくるのをじっと待つ謝危は、鞭打ちで傷付いた雪寧を見て怒りが収まらない。このせいで何かが目覚めた様子の謝危の、お姫様だっこ→眠っている雪寧にキス→これを咎めた雪寧父へ、何が悪いんですかと開き直る態度は、終盤に向け、これまでの謝危からは見えなかった姿へいきなりの変貌を遂げる。

 

ゆっくりと計画を進めて来たのもこれまで、糸が切れた凧の如く、薛家破滅計画を猛進することについても全く躊躇いはないようである。

その頃、定国公に剣を突きつけられた周寅之が謝危の名を漏らしていたが、彼が簡単に裏切るとは思えないしこれも計画のうちかもしれない。

 

呂顕によれば、四年前から雪寧を好いていた謝危はその気持ちに自分では気付いていなかったようだな、、、傷付けられた雪寧の姿を見せられ、病ではなくついに己の中の虎が目覚めたのか。

早々に薛家を倒すため、璜州で燕牧を救って軍を出陣させることに半ば衝動的になっている姿に呂顕の心配は止まらないが、個人的には、その想いの激しさにドキドキが止まらない。

 

権力を手にした薛姝が、自分が居るせいで姜家に禍を課すことを恐れた雪寧は、都を離れて元いた辺境へ戻ることにする。これを聞いた謝危はどうするのかな、己の中の虎が目覚めているしな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第31話〜第32話。

都を離れるという話を聞いて乱心する謝危が、ほとんど告白のような言葉をかけて、必死に引き留める姿は不憫すぎて泣けてくる。

いくら鈍チンの雪寧でも、これはもしや私を好いているのでは、、、と感じたものの、すぐに、やり直し前の謝危に色仕掛けで迫った自分の姿を思い出し、いやいやそんなはずはない、とその様な考えは脳内から排除してしまった。

雪寧にこれ程まで思わせる謝危は、前回は余程上手に気持ちを隠していたのだと思われる。

 

謝危の方は、拒絶されて離れていく雪寧を思うと辛くてたまらず病が悪化してしまう。この病、、、心の病なのは理解出来るものの、イマイチ分からんのだが、精神的に負担が掛かると発病するのだろうか。

謝危に関しては、雪から思い出される過去のトラウマと愛している女からの薄遇など。

 

大月に嫁いだ公主は、草原で行われるらしい挙式に向かう道中で、スパイが潜んではいないかと自身の輿を探られる。屈辱を味わされた公主は、大月の公子に平手打ちを喰らわせたようだが、これが公子の怒りを買うこととなり拉致られてしまった。

どうやら、燕牧が追放されたのを機に攻め入る時期を見計らっていた大月は、婚姻を結んで和平をもたらそうとは全く考えておらず、公主を拉致して大乾の出方を窺っているところである。もし戦となれば、公主はおそらく一番に命を奪われることになるだろう。そうなれば、この部分も雪寧の望む結果にはなり得ない。

 

今、戦を始めるわけにはいかない大乾は、相手の出方を探るため、謝危を北へ向かわせることにする。

必ず迎えに行くと誓った雪寧もまた、公主を救うために謝危と連れ立って北へ向かう。

北といえば、平南王も北に何かあるような含みがあったが、手を組んで大乾に攻め入ろうとしてるのか。そのために燕牧を狙っていたのかな、、分からん笑

 

この直前、家を離れる前に、言い争いばかりしていた母親と和解出来たのはよかった。

 

北へ向かう道中、二人は定国公の刺客に襲われる。

かつては命よりもこだわっていた琴を、今回は盾にするまでになった謝危を驚きの表情で見つめる雪寧、全ては彼女を守るためである。

この姿を見た雪寧は、姉の婚姻の日に謝危が言っていたこと、「発病して死にかけた時は助けてもらえないか、あなただけが彼を救うことができる。」という呂顕の言っていたこと、そして今回の刺客から懸命に自分を守る彼の姿、これらを思うと妙な気持ちが芽生え始める。

 

刺客から逃れ洞窟で一夜を過ごすことにした二人だったが、病から回復していない謝危は、雪が降り始めたのにも追い打ちをかけられ熱に浮かされる。そこで見た夢は過去のトラウマ。

夢にうなされ口にした「定非願意去」という言葉を聞いて、謝危の正体を知ってしまった雪寧は、彼の抱えているものが何であるかが薄っすらと分かってくる。

 

この回は、病のせいで狂ったように強吻する謝危の姿が初登場したものの、一番の胸きゅんポイントは、その後の「雖然發病但我知道自己在做什麼」という事実。

いいとこを邪魔してくる刀琴と剣書、、、そりゃ来んの早くね?って言われるわ笑

 

謝危の正体を知った今、以前、呂顕に言われた「手段は悪どいし、憐憫も必要としていないようにみえる。それでもあなたは彼と長い間過ごしてきて、その身に背負った彼の苦闘が見えませんか?」という言葉が刺さる。

なるほど、どのタイミングで雪寧の気持ちが愛に変わるのかが想像し難いところだったが、おそらく、この不憫な子という気持ちを経て愛に変わるのだな。愛とは概ね不憫だと思う気持ちから始まる。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第33話〜第34話。

重い、、、背負ったものが重すぎるよ。

終盤に入り、私とお前は同じだ、と繰り返し口にする謝危は、何を以ってのことなのか、知ってるの?やり直し前の雪寧の所業を?

とにかく破滅型すぎてこえぇんだけど笑

 

定国公の刺客を躱して遂に燕親子と再会する二人。

微笑みながら雪寧を迎える燕臨との関係は、やり直し前とは全く違っている。今回は生き延びた勇毅侯(燕牧)と謝危の目を腫らしての再会も感動物である。

しかし勇毅侯が登場すると画面が締まるな。

 

大月の王子(公主が嫁いだ輩)は、己が王座に就くための策略で、公主を拉致って草原に留まっていたようだが、これを謝危に見破られたため、大月への謀反という形となり俄然自分が不利な立場に追い込まれる。

潜ませていた刀琴や剣書、そして、勇毅侯以下その兵たちが、大月王子の兵と忙しく戦う中、軍師のような佇まいでじっとしている謝危の姿は、不自然すぎてちょっとおもしろい。

 

無事公主を救い出し、帰還させた謝危への雪寧の想いは、一つずつ恩として重なっているようだが、とにかくだ、謝危の狂ったような愛が激しすぎて、雪寧も戸惑っているのが見て分かる。

本当はもうこんな渦中には留まっていたくないのに、なにかと一緒に行動することから逃れられない雪寧は、謝危から離れることも容易ではない。

「何をそんなに恐れているんだ。」と問う謝危に、やり直し前の記憶が蘇る。自害させられたかつての記憶は簡単には消せずにいる雪寧の気持ちは変わり始めてはいるものの、未だこの男を恐れている。

「それなら私を殺せ。」と、雪寧にナイフを持たせて己で腹を刺す姿は、ほぼ狂気の沙汰である。

「ほら、もう怖くないだろう。(ニコッ)」いや、怖いって笑

思考が極端すぎるよ。痛みなしでは喜びは得られない、痛みを避けて喜びを得ようとするならドブネズミと何が違うんだ、とか何を言ってるんだよ、マジのいみふなんやが笑

このように傷付け合ってばかりで、最後はどう収まるのだろうか。

 

平南王は、やはり大月の王子と手を組んでいて、再び大乾へ謀反を起こすつもりのようだが、大月王子の件を謝危が処理してしまったことに怒り心頭である。先の通州での爆破の失敗も謝危の仕業だと気付いた平南王は、替え玉と小宝を捕えて拷問を科していた。

その上、謝危を呼び出す道具として雪寧を拉致ることにしたようである。

張遮への気持ちをいつか利用される時がくる、だから気持ちを隠せと言っていた謝危は、それが己に降りかかってきた格好となり、焦りを隠せない。

小宝は命を獲られ、もはや替え玉の身も危うくなってしまった。個人的には、替え玉には是非生き延びてもらいたいが。

 

王都では、遂に謝危の正体を知ってしまった定国公には、やっと息子の目的が見えてくる。そのため、謝危が燕牧への帰京の勅旨を勝手に書いて釈放し、燕軍を率いて謀反を起こすつもりだ、などと皇帝へ進言して捕らえる計画を立てている。

 

燕親子は、謝危の計画に則って薛家を潰す方向へ進んでいるが、雪寧が人質として捕らわれ、連れ戻しに行った謝危の身も危惧しなければならないため、どのような手を使うのかな。

回京した後の燕親子の活躍が楽しみだな、、、

 

雪寧は、清々しくて潔い心の真っ直ぐな燕臨と一緒になるのが一番良いような気がするが、過去に背負ったものが重すぎて、雪寧にとって燕臨は眩しすぎるのかもしれない。

熱度値が10200を超えたらしいですが、未だこれが凄いのかどうかは分かっていません、、、にわかなので(´;ω;`)ウッ…

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第38話(最終話)。

平南王の元で、忠誠を誓うふりをして燕臨率いる燕軍を動かし、着々と王都へ迫る謝危の計画に、コロッと騙されているかに見えた平南王は、さすがに順調に進み過ぎておかしいことに気付いていたようである。

雪寧をハナから消すつもりだった平南王は、遂にそれを実行しようとするが、謝危が己の身体を犠牲に守り続ける。

何度も何度も、お前があの時命を救ってくれた、と口にする謝危は、幼き頃から命を利用されてきた人生で、初めて自分に対して利他的な行動を取った雪寧を、全てを破壊することになっても守りたかったのだと思われる。

傷だけが増えていく姿は気の毒だが、逆に心の傷は相殺で癒されているのかも。

 

燕親子と謝危の連携で、やっと召された平南王は、「もう年だし、言ってることもよく分からないんだよ。」と、以前替え玉が言っていたこととは全く異なり、20年経っても実に若々しくしっかりしていたな笑

 

計画に則って、朝廷への謀反を装いながら次々と城を落としていく燕臨は、序盤からは考えられないような輝きを放っていた、、、

流刑され一回りも二回りも成長した彼の姿は、眩しすぎてクラクラする。さすがは燕牧にしてこの息子あり。

このドラマ、ほんと没にならなくて良かったね、、、

 

その燕臨の言葉を受け、これまでを思い返すと、確かに自分のために数々の犠牲を払ってきた謝危という存在の大きさをはっきりと感じた雪寧は、この辺りで既に彼の想いを受け入れる決心をしているように見える。

ちょうど、皇帝の勅旨を携えてきた張遮にもそれを告げ、ここで張遮と雪寧の情の部分は完全に終わってしまった。

この後がもう大変、、、張遮と会っていたことを隠された謝危は怒り狂って、激しい感情を剥き出しにするのだが、、、えー、若干引くぐらいの嫉妬深さがもはや恐怖なんだけど笑

 

視聴者が引いてることはさておき、自身の気持ちを既に決めていた雪寧は、謝危の激しい嫉妬深さや破滅行動もろとも受け入れて、遂に互いの気持ちは通じ合う結果となる。この後も変わらず嫉妬深さは続くわけだが笑

なんというか、激しく石のようにぶつかり合って丸くなるって感じ、、、

 

「兄長(謝危)が何かしたわけでもなく、ただ雪寧が僕を選ばなかっただけだ。それは彼女の自由だし、幸せならそれでいいさ。兄長もこれまで苦悩ばかりで、心を寄せる人を見付けることも容易ではなかったはずだから。」

比べてこの燕臨の潔さよ、、、ほんとかっこいいって!父親の燕牧も息子を気遣っての言葉が温かくて素敵だよ!

私だったら親も含めこの家を選ぶ、と思うなどした。

 

捕らわれていた替え玉は、幼き頃に捕獲され自由もない身代わりとしての人生だったが、やっと自身の人生を取り戻して旅立っていく姿には安堵する。

 

その後の37話には衝撃が止まらない。

え、まってまって、尤芳吟を死なせる意味あるの?

まさかそこに飛び火するとは思っていないから、生死など心配してなかったのに。この死必要あるの?

しかも最後の言葉よ。

「私を通して他の誰かを見ていたのは気付いていました。その人より私は上手くやれたでしょうか。」

いやその人って、やり直す前に侍女だった君やから、、、過去も現在も、信じて側にいてくれた尤芳吟は一人なのに、、、だから、生きていて欲しかった。

謝危のことを一番深く理解していた呂顕は、人のことばかり心配して、自分の愛する人は亡くしてしまった事実が気の毒すぎて、これはキツいものがある。

なんでだ、なんで死なせることにしたんだ、別に生きてても邪魔になんないでしょ?周寅之の命を獲るのが理由だとしても、死なせることないじゃん。

周寅之が謝危の名を売った時には、もしかしたらこれも計画のうちかと思っていたのも、わざわざ尤芳吟の名を出して捕らえたところで真の裏切りなのかもという予感は少ししていた。それでも、これも演技でしたー!な展開を健気に期待していたのだ。

しかし周尤の対比が絶妙な牢内での会話で、やはり裏切りかと思い、次の焼印で確定してしまった。

やり直し前に、この男を救うため張遮が捕らわれたが、前回もおそらくこのようして裏切っていたんだろう。

とはいえ、薛姝にしてもこの男にしても、やり方はあるにせよ、ただ生き残るためにもがいた結果である。

 

王都では、謝危を信じて止まない皇帝を疎ましく思った定国公が、薛姝を使って遂に手を下すが、結局これも定国公を罠にハメるための皇帝+謝危の策略だったようである。

大月へ発つ前に、自分が定非だと告白された皇帝の思いは昔と変わらず、名を変えて現れた謝危へ知らずのうちに絶大な信頼を置いていたのも、どこか運命を感じるところ。薛家といっても、性質の異なるこの皇帝は、忖度せずに善悪をきちんと判断できる賢帝だった。

 

まんまと引っかかって謝危の命を獲りに来た定国公は、策に引っかかりあえなく撃沈する。

さすがは薛家の血を継いでいる、と何度も言っていたが、最後にその血は全て返されてしまったね笑

黄海冰、、、相変わらず死に際の顔面イカしてるなぁ。

策に引っかかり、皇帝を自らの手で葬ろうとしていた薛姝の命もここで尽きることとなる。

 

 

幼き頃に代わりとなって敵へ身を差し出し、実父には命を取られそうになった挙句、生き延びたら敵地で散々な虐待を受けて育ったこの人ほんとかわいそう。私を愛するがゆえに、好きだと言ったお菓子を手作りして、私の目的のために本当に尽くしてくれたし、私のために敵の言うまま掌もダメになって琴も弾けなくなったのに、それでもなお、私はお前のものだ。といじらしいことを言う。私がいなきゃこの人ダメなのよ!

 

……といった感じだろうか。

これ、ヤングなイケメン役者が演じてるからまだ許せるところだが、実際に出くわしたらヤベェ→逃避、こうである。

とはいえ、情の部分ではドン引きすることの多い謝危が、これまで多くの命を救ってきたのは事実だし、完璧な人間などいないのも事実である。欠点がデカすぎるのが難だけど、、、

 

最後は、穏やかに暮らす姿で幕を閉じたが、嫉妬深さはそのままだし、いつあの狂気に満ちた虎が現れるかと思うと怖くて仕方ないな。しかし、それもこれも置き去られる恐怖からゆえに、それを丸ごと愛せる雪寧だからきっと大丈夫なんだろう。

番外でも、焼き回しではない穏やかな二人が見られる。

 

あくまでも小説内の話で、作者が穿越したわけでもないのに、最後の現代での再会シーンで、あれ、なんか会ったことあるような、、、と言っていたのは、自分の書いた物語に己を投影していたからなのか。或いは、最後に余韻を持たせたかったのかな。

 

加筆した結果の皆の最後は、恨みで心を失くすことなく穏やかに時を過ごす姿に変わり、終始、緊張感が続いただけに大きな満足感を得られる。最後に雪寧が見た夢は、ひょっとしたら加筆する前の謝危の姿なのかも。

その謝危の台詞でもあった小説最後の「聖人看透唯其一死、若生貪恋便作凡人」は、生死を理解してこそ聖人になれる、煩悩や執着に陥ればそこに到達出来ず凡人となるしかない。という意味のようだが、これが難しいから凡人ばかりの世の中なのである笑

 

すんごく面白かったけど、心を寄せていた尤芳吟が逝ってしまったことだけが悲しい。