田耕纪(田耕紀)Romance on the Farm 全26話+番外編 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

 

『田耕纪(田耕紀)Romance on the Farm』

2023年 10月~ 中国 全26話+番外編

 

出演

连蔓儿(連蔓兒)→田曦薇

沈诺(沈諾)→曾舜晞

 

農村っぽい、色合いのポスターがほのぼの感を振りまいていて、のんびり観れる作品かと思っていると、割とスピード感があって面白い。

 

ネタバレ 第1話~第4話。

観る前に妄想していたこの農村は、実はバーチャル世界だったのが初っ端に分かるが、金のためにこのゲームの体験版のバイトを始めた連蔓兒は、いきなりゲーム内での大家族の農村に放り込まれる。このゲーム内の連蔓兒のミッションは、1000金を稼ぐことである。

三兄弟+小姑の中の、三男の娘としてゲームをスタートする連蔓兒は、既に、殉葬のための生贄として嫁ぐことが決まっていた。

これも、あくどい長男が金を手に入れるため、人(弟)の娘を犠牲にしていたのだが、いきなり死を宣告された(まだ周りは知らない)連蔓兒は、すぐさま命を獲られるのはたまらないと逃げ出すことにする。

 

この道中で登場するのが、官軍に追われて負傷した沈諾であるが、逃亡中の身でこの男を助けることなど出来ないと思った連蔓兒は、これを一旦はスルーする。

しかし、何度スルーしても目の前に現れる沈諾は、どうやらゲーム内のNPCで、助けなければならないシナリオになっているのに気付いた連蔓兒は、この男の助けを借り、なんとか殉葬を免れようと策を練ることにする。

沈諾の方も、追われている身で身分を隠すことに好都合だと二人の利害は一致したようである。

 

序盤、沈諾はNPCだと思っていたが、彼目線の回想で人物紹介のタグが付いていたのを考えると、ひょっとしたら連蔓兒と同じく、このバーチャルゲームのテスターなのかもしれないな。

 

沈諾の謎に長けた話術と武芸、連蔓兒の頭の回転の良さで、大家族をたらしこんで(言い方良くないけど笑)、一旦、殉葬を免れたかに見えたが、嫁ぎ先では金を出しているのもあって、なかなか諦めようとしない。※この金は長男家族が使い切ってしまっているんだけど。

力ずくで連蔓兒を拉致って、葬式を行う嫁ぎ先に颯爽と現れる沈諾は、アクション部分も最高であったが、痩せすぎていない曾舜晞自身が良いのではないか、、、中国の役者はみんな痩せすぎているし。

ここでは、沈諾の後に続いて、大家族の当主(じいちゃん)と次男のおじさんが蔓兒を取り戻そうとする姿にも泣けたわ。家族はともかく、赤の他人の沈諾が命懸けで助けるとか正義感どうなってんの笑

もはや蔓兒を諦めた嫁ぎ先は、今度は長男の娘の花兒を拉致して殉葬を執り行おうとするが、貶められたにも拘わらず、花兒を助けに向かう蔓兒、、、優しい子だよ。※助ける方法がすごい良かった。

因果応報ともいえる長男家族の身勝手な態度には辟易するが、助けられた花兒自身も、お礼を言うどころか、全く意地悪心が改心してないあたり、これからもイライラさせられるのだと思うと気が滅入る。

 

幼馴染みの王幼恒もいい働きをしているが、幼少から蔓兒を好いていたのもあり、沈諾の存在をかなり警戒している。医療の知識を持つ幼恒は、沈諾の脈をみただけで、水難に遭ったという話も信じておらず、むしろ戦闘に長けた人物で家族に禍をもたらすのではないかと心配している様子である。相変わらず、脈だけで全てを見抜く古装劇の医術者、、、笑

 

幼恒を演じている星擇と、沈諾の仲間で劇団に潜入している十三を演じている昌隆は、これまでのドラマの役柄が良かったのもあって、個人的には初っ端から好感度が高い。

 

1000金を稼がねばならない蔓兒と、陰謀を企んでいる様子の酒楼の社長と富豪の宋海を追う沈諾のミッションがそれぞれ重なりながら展開していくのだと思うが、沈諾のゲーム内の身分はまだイマイチ掴めないな。官軍に追われている身だが、国管轄の機関を信じている辺り、敵側に貶められているのかも。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第5話~第6話。

富豪の宋家と酒楼の社長の企みを追っている沈諾は、宋家の荷を狙った山賊に出くわす。颯爽と荷物を盗んで去っていく山賊は、純粋な悪者なのか宗家の回し者なのか、又は、私腹を肥やす宋家を罰しているのかまだよく分からないな。

十三が沈諾を「郎君」と呼んでいるあたり、沈諾はちょっと身分の高い人間なのかも。

田畑の税も、獲れたら獲れただけ上がる仕組みとなっていて、農民は貧乏生活を余儀なくされている。これも、富豪と地方官が手を組んで私腹を肥やしているからである。

この様な、国の暴挙を暴くために沈諾は個人で動いているのだろうか。

 

蔓兒のいる連家では、意地の悪い花兒と小姑の悪巧みが止まらない。

働きもせずブラブラしているこの娘達は、なぜこれが許されているのか謎だが、汗水垂らして働いている他の家族を差し置いて、いい思いをしている。

少し賢い花兒は、おバカな小姑を利用して蔓兒を貶めようとするが、勘の良い蔓兒に気付かれ毎度しっぺ返しを食らって悔しい思いをしている。そんな思いをしたくないのならやらなければいいだけなのに、そういう話ではないらしい笑

加えて、ばあさんも意地が悪い。納税で苦しめられ金がないのも一つの原因である。

 

花兒家族に殉葬させられそうになったことを許してもいないのに、今度は、産まれて来る予定の小八を、息子のいない長男の養子にしようと提案される。提案したのは家長のじいちゃんだが、また長男家族に喰い物にされる格好となった蔓兒は、我慢がならない。父親は気弱で煮え切らないため、蔓兒は常々考えていた分家という道を逆に提案する。

この件では、父親が自分の家族の気持ちは考えず、家族じゃないかと分家を反対する姿にひたすらイライラさせられる、、、

 

花兒の家では、お前が男子を産まないから悪いと父親に咎められた母親が、惨めな思いをさせられたと悲しむ姿を見て、それもこれも蔓兒の家族のせいだと恨みを募らせる。

そこで、またもや小姑を使って今度は蔓兒の母親を瀕死に至らせることとなった花兒は、この悪事が発覚したとき、どうするつもりなんだろうか、、、※まだ発覚はしていない。

うーん、この様な事を言われる花兒の母親は、大変気の毒で極めて理不尽な話だが、だからといって人を貶める理由にはならない。お前の父親やじいちゃんの思想は、蔓兒の家族とは全く関係ないやろ笑 むしろ、産まれてくる息子を取られるのに怒りまである。

ていうか、殉葬させられそうになったのを助けてもらった記憶はマジで喪失しているのかもしれない。

 

母親は小八を亡くし瀕死だったが、幼恒の治療の甲斐あって意識を取り戻す。この際、なんとか分家したいという思いの蔓兒は、治療に金が掛かるという一芝居を打って、ばあさんに追い出されるように仕向ける作戦に出るようである。※予告でそれを匂わせていた。

 

役立たずの娘達や、父親の身勝手さにイラついて忘れかけていたが、ここはバーチャルゲームの世界である。この大家族のいざこざは、1000金ミッションとは全く関係がないのに、これに時間を取られて本題に取り組めていないのが全くの謎である。一体、どこに向かっているのかさっぱり分からないゲームだが、関連があるとすれば、このいざこざで分家して蔓兒が金を稼ぐ技を見出す、という方向しかない気がする。

こんなゲーム売れるのかな笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話~第10話。

あ、すぐバレた笑

蔓兒は沈諾の協力の元、おバカな小姑を上手いこと騙くらかして、自白させることに成功する。小姑と花兒とで罪を擦り付け合って同情を引き、結局、蔓兒を悪者にするあたり、たいした娘だよ、、、

騒がしいおなご共が煩わしく面倒になったのか、この話は終わり、と言って、騒ぎを収めようとする家長のじいちゃん、、、なに許されてんの、いみふなんだけど。

あまりにも理不尽なことが普通に起こっているこの時代の風習は、現代人の蔓兒から見ると信じられない出来事の連発である。

 

花兒は、前々から宋家に嫁ぐだのなんだのと言っているが、え?沈諾が追ってるあの富豪じゃないよね?

 

常に、長男と三男家族の様子をみて立ち回る次男夫婦はあまり賢くはないが、その場その場でのポジションを上手く使い分けている。己の意見を表明するための言動も、なぜか屈託がなく聞こえるし、全く嫌な気分にはならないのは元々徳が高いのだろうか笑

 

少しの間ここに留まるだけだった沈諾も、この騒動に巻き込まれ、分家するためのじいちゃんへの説得に協力することとなる。

家長のじいちゃんに、些細な事から意図せず争いが始まって、最終的には8国の戦にまで発展した話を聞かせる沈諾に、察しの良い家長は、自分が養子縁組の話を出したことで、カオスになっている家族のことを言われているのに気付く。

家長はこの時代で言えば割と常識人であるため、これ以上、家族同士の争いを発展させることは家長としては出来ないし、家族を守るため分家させることもやむを得ないと考えたようである。

 

家長が背負っている責任は重く、それぞれの言い分を聞いて都度適切な判断を下さねばならないのは実に難しいだろうね。しかも、身勝手な人間が多いこの家族の中では特にである。

雨の中、誰も手伝わない畑に三男と二人っきりで農作業を黙々とこなすじいちゃんは、この歳まで必死で家族のために働いてきたことが、こんな時ほど虚しくなってしまうのではないか。という妄想をしながら観ていると、じいちゃんの背中が泣かせるのだ、、、

そんなじいちゃんの気持ちも知らず、金が掛かる嫁は要らぬと言って、三男に離縁を迫るばあさんは、これまで何も逆らわず言う通りにしてきた三男に、反旗を翻されるとは思ってもみなかったようである。

ばあさんの圧力にも負けず、これからも妻を守り敬う、といって分家を表明した三男には初めてグッと来た。全てのことに優柔不断だと思っていた三男の、これだけは譲れなかったやれば出来る子な姿を見せられて、イラついていた気持ちも無くなってしまった笑(ちょろい)

 

遠方から母親の親族が駆け付け、その勢いもあって、よい配分で遂に分家した蔓兒の家族だったが、相変わらず住んでいる場所は同じ場所であるため、引き続き意地悪ばあさんや小姑、長男家族に横槍を入れられそうで安心は出来ない。

これから金を稼ぎ始めるであろう蔓兒を監視して、ハイエナ状態になりそう。情も無く、自分勝手で意地悪な分家の人間たちに振り回される姿をいつまで観なければならないのか笑

 

蔓兒を貶めるため、村の権力者の娘をそそのかし、落花生で稼いだ少しばかりの金から罰金を取らせるというセコイ戦法を考え出す花兒はほんと懲りないね。

ばあさんはばあさんで、その作り方を教えろと駄々を捏ねる姿が、かつてインドで出会ったおばさんとそっくりすぎて、酸っぱい記憶が蘇ってしまったではないか。

 

基本的に、あいつズルいー、の精神で生きているこの大家族は、人を貶めて楽に利を得ることしか考えていない。

 

↑このシーンで、脈略もなく「沒想到能在這兒遇見你」(ここで君に出会えるなんて思ってもみなかった。)と言う沈諾。

 

前から知ってたのか、現実世界で?

もし、現実世界で既に蔓兒の存在を認知していたのなら、この世界で身分を隠さねばならないとはいえ、殉葬に遭ってしまった蔓兒を命懸けで助けたのも納得するところだが。加えて、現実世界で彼女を好いていたのだとすれば、初っ端から幼恒にライバル心を燃やしてたのも分かる。

しかし、これもいつもの個人的な妄想なので真偽は分からない。

 

分家はしたものの、意地悪家族の悪巧みに振り回され、一向に金は溜まらないな笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第14話。

相変わらず、盗人根性家族に振り回される蔓兒は、それでも何とか金を稼ごうと前向きに過ごす。

宋家の音楽会の賑わいに乗じて、帳簿を盗もうと宋家に潜入した沈諾と十三は、どうやら何らかの罪を着せられた沈諾の、汚名返上のための証拠を手に入れるために、この帳簿が不可欠のようである。※帳簿に載っていた錦陽行とかいうのに反応していたが、以前名前は出ていた気がする。しかし何だったのか忘れたな、、、寧遠という貴族の率いる組織の呼び名かも?

 

十三が既に潜入している劇団は、実は宋家の荷を盗んでいったかつての山賊であり、その山賊と宋家で鉢合わせした沈諾は、そのまま必要な帳簿も彼らに持っていかれてしまう。

残した手掛かりを頼りに、帳簿を手に入れるため山賊を追うことにした二人だったが、そうなると、現在貶められながらも必死で金を稼ごうとしている蔓兒の元から離れなければならない。心残りのある沈諾はこのことを言い出せずに、結局、置手紙一つで蔓兒の元から去っていく。

何も約束などしていないのだから、捨てられたという言い方は変だけど、蔓兒にとってはまさに捨てられたという心情しかなく、心底悲しんでいる姿を見ると、この短期間の間に生まれた二人の情は案外深かったようである。

 

山賊の残した手掛かりの香料を頼りに、割とあっさり住処を見付けた沈諾と十三は、その住処に招待を受ける。

この山賊は、国からの搾取で畑仕事を続けられなかった者や災害で住む場所もなくなった者が一戸の村を作っており、金持ちや役人だけが私利を得て、民を顧みないことの報復という名分の元、富豪から荷を盗んで生活している場所だった。

荷を奪うことを手伝うことと交換で、帳簿を手に入れることにした二人は、しばらくそこに滞在することにする。

 

その頃、蔓兒は相変わらず金を稼ぐことに精を出す。捨てられたという気持ちがあっても、未だ色んな所から借金をしているため、くよくよ落ち込んでいる暇はない。

落花生に加えて、白蘭酒の生成も始めた蔓兒家族は、これでも少しお金を稼げるのではないかと期待したものの、早速、花兒の悪巧みによって出鼻を挫かれる。

 

宋家に嫁ぐと言っていた花兒が、本当に嫁げるとは思っていなかったが、本当に嫁げたのだな。しかも、相手はあの宋家の四男。

花兒が出て行って、やっと癌が一つ去ったと思ったのも束の間、貧乏な出自と、かつて、宋家から貰っていた玉佩を無くし、誤魔化そうとして騙されて買った偽物で抱えた借金があるのを隠していたことを咎められる。※この借金が、蔓兒を殉葬のために嫁がせようとしていた原因であり、この話が無くなったので幼恒の親に借りた借金は残っている。

おまけに、婚礼の日、宋家に集まる金持ち相手に白蘭酒の商売を始めた蔓兒のことも指摘されてしまった。

さすがに、嫁ぐ娘にとってはこれは迷惑な話だとは思うが笑

 

嫁いだ四男は、宋家からも期待されておらず存在が軽いことが発覚し、華々しく貧乏から脱却して贅沢な生活を送れるという花兒の期待とは全く違っていたことに激おこ。

そこで、金持ち相手に商売を始めた蔓兒の荷を、山賊に依頼して盗ませることにしたという訳である。

 

宋家の荷だと思って盗んだ山賊は、沈諾の滞在している組織の輩で、持ち帰った落花生の味で蔓兒の荷だというのに気付いた沈諾は、このことで彼女が苦しんでいるのではないかと心配でたまらない。

帳簿も欲しいが、酒も蔓兒に返してあげたい、どちらかを選択せねばならなくなった沈諾は、何らかの悪事の証拠である帳簿は一旦捨て置き、蔓兒を選んだようである。

確かに、帳簿が手に入ったらあっさり話が進むし、蔓兒の元へ戻る機会をまたここに絡めてくるみたいな流れが、いやほんと、上手く話を繋げるもんだなと感心する。

 

しかし、ハイエナに囲まれ、貶められたり借金取りに追われたりで、このバーチャルゲームは虐展開に力を入れ過ぎていて気が滅入る。次回の予告でも楽しい思いはさせてくれない不穏な空気を纏っていたし。

この逆境の中、どう金を稼ぐかというのがゲームのテーマなのだろうか。

そういえば、現実世界の蔓兒も何かの授業料のためにこのゲームのテスターを始めたのを思い出した。共通しているのが貧困という点で、このゲームを経て金を稼ぐその意義を改めて考える、、とか。

 

今のところ、沈諾が去り、代わりに幼恒が懸命に蔓兒を支えているが、こんなに献身しても、おそらく報われない二番手だと思うと泣けるな。

十三は、次男娘の葉兒と進展がありそうだけど、幼恒にも何か当てがってあげて欲しい笑

以前観た作品も、この人報われない二番手だったわ、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第18話。

置いて行かれた悲しみと、借金取りの催促で心が休まることのない蔓兒を元気づけるため、花火を上げる幼恒、、、優しい。

しかし、花火への願いごとは「もう一度あの人と会えますように」だった件。

 

このタイミングで、ゆっくりと馬を引き、戻って来る沈諾を目にした蔓兒は、早速願いが叶ったという思いだったが、ここで沈諾の本当の身分と現在抱えている目的を知らされる。


なんとなく、地方の役人か何かのお坊ちゃんだと思っていたのに、もっと位の高い朝廷に仕える役人だった沈諾は、国庫も空なのに、地方の錦陽郡は税金も納めず、災害があったと言っては金を無心することに疑問を抱き、朝廷から調査を命じられていた。

そこで地方官と富豪が癒着して、民を苦しめ私腹を肥やしているのに感づいた沈諾は、この手下に追われていたようである。

相手に沈諾の身分が知られているのかは分からないが、この調査を阻むために消されそうになっていたところで、蔓兒と出会ったという訳である。※錦陽行の下に武爺、その下に宋家がいる。

余談だけど、この武爺役の曲高位を見たとき、胸がキュッとしたのはなんでだろうと思っていたら、この方「天盛長歌」の寧齊だったわ、、すんごく可哀想で寧弈よりもそっちに心を寄せていたから、顔面を見てそれが蘇ったんだと思う。

 

ガーン、、、利用されていた、、、という気持ちが先立ち、この後の「好きだ」といって抱きしめる沈諾の告白はスルー笑

蔓兒に、この言葉は聞こえていたものの「協力するって言ってるじゃない、無理してそんなこと言わなくていいよ。」などと言って、取り付く島もない。

 

喜んでくれただろうか、とウッキウキで蔓兒の元へ駆けて来た幼恒は、タイミング悪く抱き合っている二人を目撃してしまう。

もうそんな君の悲しい顔観たくないんだよ、、、

 
蔓兒と幼恒は、どちらも利用されていたことに怒りを覚えてはいるものの、悪党を捕えるため沈諾に協力することにする。
これには、悪党(宋家)の荷を盗むことを止めさせなければならない、と山賊の協力も請うことになるが、それでは生活が出来ないという彼らに、蔓兒の酒造りを共同で行い、賃金を払うという取引をサクッと決めてしまった。
山賊と言ってはいるが、元は気の良いただの農民なので、飯が食えれば文句はないのである。
 

医師のいないこの村でも、見返りなど求めず尽力を尽くす幼恒は素敵男すぎるのに「ずっといい友達でいようね」なんて言われちゃってほんとかわいそう。

 

山賊の村の人らと合同で始めた酒造りは順調に進み、収入も得るようになってきたのに、やはり家族が足を引っ張ってくることに終わりはみえない。


まず、宋家相手に商売を始めた蔓兒が気に入らない花兒は、得意の芝居で夫に取引を辞めるようそそのかす。

意地悪な娘の嫁いだ先と取引をする蔓兒も、これは予想出来たはずだし、宋家ではなく他に商売相手はいないものかと思ってしまうが、小さい町で金を稼げるような権力者はやはりここしかないのだろうな。

 

次に、次男(伯父)がこっそり蔓兒の酒を盗み、水で薄めて村人に売っていたのが発覚する。それを飲んだ村人が死にかけで運ばれてくるが、たまたま居合わせた幼恒の治療の甲斐もなく亡くなってしまう。

目の前で命を落とした人間を見るのがおそらく初めてだった幼恒の心は、ちゃんと回復できるのか、、、毎度毎度不憫すぎるやろ。

 

この売られた酒のせいだといって、捕らえそうになった次男は、自分可愛さに娘の葉兒を売って、その金を賠償金にすると言い出し、一気にクズに成り下がってしまった。

遠方で勉強をしている息子を優先して、病気の葉兒には金を惜しんで医者にも見せぬと散々雑に扱ってきた娘を、今度は売ると言う父親には仰天しちゃうわ。←その場を取り繕うことに必死で、多分何も考えていない。

貧困は人の心を荒ませる、現代でもそれは変わっていない。

 

ここで、十三に救われることとなった葉兒の心は、完全に奪われてしまったようである。

 

捕らわれた夫を助けるため、蔓兒の稼いだ金を盗めと長男にそそのかされた次男妻は、悪いと分かっていながら言われた通りの選択をするが、その金は長男が懐にしまい弟も助けないという意地汚さ。

長男は、この金何に使ったんだっけ、、、家賃?

ここまで来ると、情の欠片もない長男家族に言葉を失ってしまうな、、、

挙句ですよ、家族が辛抱して長男に金を費やしたのに、その恩は返さず毎度盗人さながらの所業を、家長のじいちゃんに咎められて逆ギレするという情けなさよ。被害者面すげぇな、、、そりゃ、役人になって息子が恩を返してくれると期待はしていただろうよ、そういう時代なのだから。己の盗人根性は顧みず、ただ被害者面をするこの小者感には呆れてしまう。

 
しかし、花兒が宋家の夫に頼み込んで役人の座を手にした途端、被害者面から一転して浮かれる長男、なんなのコイツ笑

役職に就いた長男は、当然、貧乏な実家は助けず去っていく。

 

金を奪った次男妻(伯母)に、返さなくていいから葉兒を頂戴と条件を出す蔓兒に応えた次男妻は、結果的に娘を売ってしまったが、心中はともかく、これで葉兒の人生も開けたという意味では良かったのではないか。

十三の励ましの甲斐あって、以前より元気になっている姿にはじんわりする。

 

沈諾に利用されていたことを未だ許せない蔓兒は、十三から、酒を優先して帳簿を諦めたという話を聞かされる。

沈諾を想うがゆえに利用されていたのが許せなかった気持ちは、この話で一気に脳内から消え去ってしまったようである。沈諾はとっくに告白していたのだから、蔓兒が許せば解決だった関係もここで一気に進展する。

幼恒の気持ちを思うと泣けるが、二番手だから仕方ないね、、、

 

ほどなく、酒店を開くことにした蔓兒の計画を知った花兒が、負けじと同じ酒店を開くため、蔓兒が当てにしていた店舗も奪ってしまう。可愛いのにほんと意地悪だよ。

気を取り直して、別の店舗を構えて店を開くことにするが、宋家の力には敵わず、なかなか客が集まらない。

そこで、温泉の側に構えた畑で収穫した野菜を目玉にして客を呼び寄せることを思いついた蔓兒は、まんまと集客に成功する。この地域では冬に野菜を収穫することが出来ず、温泉のおかげで温度が変わらない場所に、早々と畑を作った蔓兒の智慧が功を奏したようである。

 

この騒ぎを聞きつけて店を訪れた武爺。ついに悪党2番手と沈諾が対面する。

沈諾の言葉で、これは只者ではないと気付いた様子の武爺は、おそらく何か仕掛けてくるのではないかな。

 

しかし、この4話で一番グっときたのは、沈諾が山賊の村人たちに版籍を返すところ。

あんなに金だ、金だと騒いでいたのに、それよりも版籍を返して貰えたことに大喜びをする村人には胸熱だった。やはり存在を認められるということは何事にも代えがたいのだな。

版ということは土地も得ることが出来るのだろうか。そもそもこの国で土地は得られないはずだが、この時代はどうだったのかな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話~第22話。

既に、最終話+extraまで配信されているようなので(金を払えば)、うっかり最後の部分のネタバレを踏んでしまった笑

 

温泉畑の野菜の成果あって、町民で賑わいを見せる蔓兒の店に、武仲廉(武爺)も訪れたというのに腹を立てる花兒は、こっそり毒を仕込むことにする。すごいね、この家族盗人と殺し屋しかいない笑

段取り良く役人にも通報して、営業停止を余儀なくさせるところまでは手際が良かったが、実行した輩に金を更に無心され、無事その反動をくらう。ここで、十三がその輩を捕えて白状させなければ、花兒はこの輩も始末していたのではないか。

 

早速、これが夫の宋海龍の耳にも入るが、この宋家の四男は、兄が武仲廉の組織でこそこそやっている悪事を既に見破っていたようである。

人の良い無垢な男だと思っていたのに、案外しっかり周りは見ている賢い男だった。しかも、妻の悪事も己の責任だといって、花兒を追い出すこともせず許すことにした宋海龍は、めちゃいい旦那でひっくり返りそうになるが、再度悪事を働くには尺が足りないため、おそらく、これで彼女は改心するのだと思われる。

悪事を重ねても、家族だからと許される花兒には若干解せない気持ちもあるけど、、、

 

無事、武仲廉の組織に潜り込んだ沈諾と十三は、悪事の取引に使っているのは塩だと思っていたのに、真の目的は赤鉄鉱だということに気付く。兵器を作る元となる赤鉄鉱は、個人的に手に入れることは固く禁じられているのに、それをこっそり掘って運んでいるのである。

どうやら、この組織の大ボスは、寧遠とかいう貴族のようだが、赤鉄鉱で兵器を作り、目先の私利を得るのが目的ではなく、その更に大きな計画(謀反)があるのではと考え、二人は調査を急ぐことにする。

 

この赤鉄鉱を運ぶのに時間が掛かりすぎると叱責をくらった武爺は、蔓兒の村人達の土地を没収し、そこを運搬ルートにしようと考える。

いくらか金は貰えるとはいえ反発する村人達だったが、手段を選ばずやってのけようとする力には敵わず、皆そこから出て行くことを余儀なくされる。


じいちゃんほんとかわいそう、、、この地で家族を守りながら何十年も生活してきたのに、金持ちの都合であっさりこの地を手放さなければならないこの姿は気の毒でたまらない。

image

 

それもこれも悪党どもを捕えるためだ、と蔓兒も、その蔓兒を信じる幼恒も、これを甘んじて受け入れることにする。

武仲廉の信頼を得るため、表向きは沈諾と十三が土地を奪った格好となってしまい、蔓兒と幼恒以外の人間は、この二人を敵だと思わされてしまった。葉兒と十三も辛抱の時。

 

武爺の側近の劉富貴の小姑(秀兒)を娶るという計画は、何かに利用するためだと思っていたのに、劉じいがただ小姑を気に入っただけだった。あの状況で小姑を気に入るとかすごいな笑

この小姑に散々嫌がらせを受けた蔓兒だが、この嘘くさい婚姻を疑って反対する蔓兒の話は聞かず、長男に騙されて自ら嫁いでいった小姑を、花兒の時と同じく見捨てることが出来ない。

結局、智慧を絞って小姑を助けることにする蔓兒は、もはや何がミッションなのか分からないね笑

個人的には、幼恒が立ち直って安心している。

 

残り4話は、悪党が捕まり、娘達も改心して少し明るい話になりそう。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第26話(最終話)+番外編。

バーチャルゲーム内の出来事だと分かっていても、観ている方としては、ドラマ内の現実世界と仮想世界をそう簡単には切り離して考えることは出来ない。

だから、本編だけを観ると「長い夢を見ていたようだった」と、ただゲーム内の出来事として終わってしまったので、主演二人に関しては、期待していたものは得られなかった。

 

大混乱の末、最後は心も一つとなった連家族や、遂に悪党を捕えて土地が与えられた民、医療の道へ進む手段を得た幼恒、そして最後に死にかけて戻ってきた沈諾に、永遠に側にいると約束する蔓兒の姿を経てゲームは終了する。

もちろん、ミッションの1000金獲得をクリアしたためだが、実際は、てんでバラバラの方を向いていた連家を一つにするミッションだったのでは?というくらいのファミリードラマだった笑

 

すんごく編集されて、端折られた部分が見え隠れするものの、わずか1分程度の番外編は、敢えて制作されたのかもしれない。

 

ゲーム内では、全てがシナリオのある仮想世界の出来事だったが、その場その場の判断は、プレイヤーの気持ちに属していたようである。

懐かしい想いを馳せながら体験版を終えた蔓兒は、壁に貼ってある沈諾の写真を目にする。


その背面から

「沈逸」←沈諾の本名

「職位:開発部総裁」←多分、こう書いてあった。


と表記されている名札をぶら下げた男が現れ、葉っぱで編んだ動物を手渡す。これは農村で沈諾が編んでいたこともあって、おそらく、本人であり、このゲームを開発した一人なのだと推測される。

顔面が映らないのでなんとも言い難いが、共にテスターとしてバーチャルゲームを体験し、現実世界で再び出会ったということなのだろうな。

この二人に関しては、番外編まで観ないとちょっと虚しい気持ちになってしまうかもしれない笑

かわいすぎるやろ。