七时吉祥(七時吉祥)Love You Seven Times 全38話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『七时吉祥(七時吉祥)Love You Seven Times』

2023年 8月~ 中国 全38話

 

原作 「一时冲动(一時衝動),七世不祥」九鹭非香(九鷺非香)

 

出演

祥云(祥雲)→杨超越(楊超越)

初空→丁禹兮

 

 

古装劇のヒット作がひしめいている中で始まった仙侠ファンタジー。前々から話題作だったようだが、皆さま観る時間あるかな笑

 

ネタバレ 第1話~第8話。

天界には多くの部門があり、その中の無駄な部門を省くため、祥雲の所属している婚縁閣が候補にあがる。

7日以内に初空戦神の縁を結べなければ、ここを取り壊すという条件を付けられた婚縁閣は、これを成功させるため、下っ端仙人の祥雲を縁結びの使者として抜擢する。

 

初空戦神は、3万年前に魔頭滄海(魔界の魔女みたいな強い神)を倒した伝説の上古神君で、これまで何度もあった縁を全て避けてきたという猛者である。こんな男に縁結びを施すのは至難の業だと考えた祥雲は、古代神器である赤い糸を使うことにする。

 

鶯時仙君との縁を結ぼうとしたのに、誤って初空と祥雲に絡みついた赤い糸は、どちらかが消滅しなければ解くことが出来ないという代物のようである。そのまま結ばれれば問題ないのかな、、、

同時に、鶯時が謎に持っていた女娲石の存在が、魔頭滄海を復活させるアイテムだといって、摩羅族がずっと探し求めていたものだったため、摩羅界はいきり立ち天界にも危機が迫る。

これに備え、3万年前の戦いから未だ癒えていない元神を回復させるため、下界で情の試練を行うことにした初空は、誤って赤い糸で結ばれた祥雲を試練の友として7世を渡ることとなる。

 

初っ端に、猪と白虎に転生した二人がファンタジーすぎて楽しい。この姿を楽しく観ていたのに、即座に殺され天界へ戻ることになった二人は、次の試練へ向かうが、下界する前には必ず忘川の水(記憶を失くす水)を飲まなければならない規定がある。

これを躱した祥雲だけが記憶を持ったまま下界し、初空との縁が自分に向くことを阻止することとなる。

 

おそらく、3万年前に初空が倒した滄海という魔女は祥雲であるし、やむを得ず倒したような過去描写があったのを考えると、二人は恋仲だったのだろう。※この二人は記憶を消されているため覚えていない。

この試練に付いて下界した修茗もまた、かつてから滄海に惚れていたようだが、3万年前の想いを今度は叶えようとしているようである。この男には3万年前の記憶はあるようだな、、、

 

下界して、陸家(初空)と宋家(祥雲)に生まれた二人は、父親が戦友同士というのもあって、その時から既に婚姻が決まっていた。記憶のある祥雲は、幼き頃からこれを全力で阻止することに奮闘するが、常に裏目に出て喜ばれてしまうという有様で、年頃になった二人には遂に結婚の話が持ち上がる。

記憶を消して下界した初空は、戦神だけあって、数々の戦で武功をあげるまでに成長したが、幼き頃から純粋に祥雲を愛しているようである。

一方の祥雲は、この生で初空を愛そうもんなら、天界に戻ってからどんな目に合わされるか分からないため、ほのかに芽生えている恋心も認められない。天界の婚縁閣でのシナリオが影響しているのもあるが、その通りに二人が動くのかどうかは分からないな、、、

鶯時もまた、初空を追いかけ下界して従妹の立場で登場するが、初空の眼中にはない。

 

初空の父親は、朝廷に仕える立派な賢臣で、あらゆる所からの評価が高く、その息子も国に多大な貢献をしている。となると、器の小さい皇帝ではこれが脅威となる。7年前から陸家と秘密裏に行っている事を利用して、なんとか陸家を消し去りたい皇帝は、謀反を起こしたことにして捕らえる(殺す)ことにする。

 

これをそそのかすのが第三皇子として生まれた修茗である。

祥雲に惚れちゃった様子の修茗は、初空の許嫁というのも気に入らず、陸家全てを潰してしまおうと考えて、皇帝やその周りをそそのかしているのである。己の手は汚さず裏で糸を引くこの男は、表情は柔らかくともやり方はいやらしい。この男がいるから、真っ直ぐでキラキラの初空が映えるというのもある。

 

この事に勘付いた初空は、この騒動に祥雲を巻き込むわけにはいかず「人の心は変わるんだよ。」などと、冷たい態度をとって退婚届を差し出すが、祥雲の初空への理解の深さからすると、嘘は全く通用しないようだな。

 

この時、初空の父を捕えよと命を課せられたのは、戦友である祥雲の父。

これまでに、この父親同士の懇意にしている描写が多々あり、睦まじく過ごす姿を微笑ましく観ていた方からすれば残酷すぎる命令である。このシーンのおじさん二人の芝居も良い。※いつも素敵な鄭國霖。

これを助けに入った初空は散々痛めつけられるが、少し前に、自分の彼に対する気持ちが愛だというのに気付いた祥雲は、死なせる訳にはいかず、そこから連れ去ることに成功する。

「この恩は来世でお返しします。」

と、別れ際に告げる祥雲の言葉を背中越しに受ける父親の姿は悲しいが、この言葉は後々実行されそう。

 

という感じで、8話の終盤は辛いが、ふと、実際は天界の仙人だしな、という現実を思い出して感情のバランスが取れるのがいいな笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第9話~第12話。

城外に逃避したものの、残してきた両親が、謀反を起こした(と周りは思っている)陸家との関係のせいで苦境に立たされるのを案じた祥雲は、初空を叔父の元へ逃がして自分は戻ることにする。祥雲を止められないことが分かっていた初空は、知らぬふりをして黙って送り出す背中がなんとも辛いところ。

 

戻った途端に、修茗が味方のような振りをして、自分へ嫁いでくれば宋家を守れる、とまたもや得意のそそのかしを始める。修茗も祥雲が欲しいだけだから味方といえば味方なのだが、やり方が汚い。ただ、実際本当に女を手に入れるためだけに戦を始めた歴史が多々あるのを考えると、珍しいことではないのだろう。

 

両親を救うため、修茗に嫁ぐことにした祥雲は、この時はまだ彼の所業を知らずにいるため、初空に申し訳ないと思いつつもこの話を受け入れる。

が、事のいきさつはすぐに祥雲の耳に入ってしまう。

自分のせいで(修茗が自分に惚れたせいで)、陸家と宋家に暗雲をもたらし、初空まで追放された形となって戻れずにいることに心底落ち込む祥雲は、そんな修茗にはとても嫁げない、しかし、自分がここを離れたら両親がどうなるか分からないという思いの挟間で更に苦しむこととなる。

そんな中、父親からは初空の元へ行くよう強く勧められる。

 

父としては、娘を逃がして、自分は朝廷で三皇子修茗の策略を暴露し、捕らえてもらおうと思っていたようだが、用意周到な修茗には先回りされ、この計画は失敗してしまった。

 

三皇子を貶める格好となった祥雲の父は、この罪によって再び娘を手に入れる理由にされることを恐れ、死罪を求めるが、やはりこれも修茗によって阻止される。

「何を聞いても絶対に戻ってくるな。」

と言われていた祥雲だったが、捕らわれた両親を捨て置けず戻ってしまった祥雲は、結局、修茗に嫁ぐこととなる。

両親の自害した意味、、、

 

叔父の元へ戻った初空は、父の配下と共に修茗へ仇討ちすることとなるが、突っ込んでいった日は修茗と祥雲の挙式の当日だったため、この戦いは若干煌びやかな景色になっている。

修茗も祥雲を余程愛していたのだろうが、多くの血を流して手に入れることに意味があるのか。その穢れた身を愛してもらえることなど永遠にないのでは。

この戦いで、初空を庇って死んでしまった祥雲は、一足先に試練を終えて天界へ戻るが、残してきた初空が心配でたまらない。

初空の方も、当然ここで死んでしまうのかと思っていたのに、亡きがらを抱えて去っていく初空を、謎に追ってこない修茗のおかげで長いこと生きていたようである。

一人残され、毎日涙を流して過ごす日々はさぞ辛かっただろうね、、、この長さが元神回復にも反映されればいいけど。

 

鶯時については、女娲石の一部である紫輝との愛情が芽生えてしまい、紫輝を庇って死んでしまうが、この情が、滄海を復活させるための元神の回復に貢献したようである。

この情で蓄えられた力を錦蓮が吸収していたが、どう繋がってるのかイマイチ分からんな。

女娲石は七つの石で構成されているのを考えると、初空と祥雲の試練と同じ数を踏むのかもしれない。

 

長い生を終え、天界へ戻ってきた初空を待ちわびていた祥雲は、出迎えに上がるが、そんな彼女を一瞥して通り過ぎる初空には、おそらく愛する気持ちは残っていても、人間界のことは現実ではない、と自分に言い聞かせるしかないのかもしれない。

 

2世目「陸長空・祥雲」編はここで終了。※名前を変えるとややこしくなるので全て初空にしています。

 

ていうかこれさ、お互い人間界で愛した記憶が残ってるのしんどくないか、、、これ何回やらされるのよ笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第13話~第21話。

天界で再会した二人は、人間界での想いが残っており、案の定ぎくしゃくしてしまう。天界での地位や神力が高くとも、やはり感情の抑制は難しいようだな。

初空の試練に付いて行った修茗や鶯時も天界へ戻るが、修茗としては、滄海である祥雲をこの生では必ず守ると固く決意しているため、戻ってからも何かと祥雲の元へ通うこととなる。それに負けじと応戦する初空は、この想いが頭では違うと分かっていながら、心は言うことを聞かず、祥雲を挟んで取り合い状態、、、

しかし、人間界が辛かっただけに、天界での無邪気で和やかな雰囲気は一息つけるところである。

 

今回は、鶯時の中身が摩羅族錦蓮の妹、錦蘿だったという事実が発覚する。

天界で偉そうにしていた鶯時は、とうの昔に身体を乗っ取られており、石の紫輝と下界で情を交わしたのは、この錦蘿だったという訳である。摩羅族の割に、天界の姫っぷりがハマっていた笑

 

錦蓮は、紫輝を殺めて石を手に入れるよう錦蘿に指示し、この石で滄海を復活させようと試みるが、逆にその力に弾かれて元神が傷付いてしまう。

というのも、渡された石は偽物(おそらく錦蘿自身の元神)であったからである。

兄に支配され続けてきた錦蘿は、これ以上血を流すのを好まず、初めて自分を愛してくれた紫輝を殺すことが出来なかったようである。

錦蘿は、兄と共に死ぬ覚悟だったが、元神が傷付いた錦蓮は、人間界での試練で修復出来るかもしれぬという望みを抱え、下界することにする。

 

3世目では、2世目と逆に、祥雲だけが忘川の水を飲まされ、初空と修茗が記憶を持ったまま下界する。

謎に一緒に下界する修茗は、天界にいる間、初空の元神が回復することと並行して、祥雲の元神が損壊していることに気付く。

 

この二人の元神は、どちらかが回復すればどちらかが破壊され、いずれどちらかの全てがなくなって塵になってしまう、という仕様のため、修茗が一緒に下界する理由は祥雲の元神を守るためである。

源が同じ元神でなければこの現象は起きないと言っていたため、おそらく、3万年前に何らかの形で初空と祥雲の元神が一体化してしまった事情があるのだろう。

 

3世目、両親(二世目と同じ方々)を殺された祥雲(小祥)は、聖凌教の教主である初空に拾われてその弟子となる。

初空の事情はややこしいが、玲瓏心を手に入れることが出来なければ、20歳までしか生きられない運命の元に生まれ、玲瓏心を持つ祥雲に心から愛されればその玲瓏心を手にし、この先も生きられるという。

なんというか、生きるために相手からそれを奪うとかエゴの塊ではないか、、、相変わらずファンタジーは設定がいみふ笑

名目上は玲瓏心を手に入れることでも、記憶を持ったまま下界した初空は、ずっと祥雲を探していたようである。

 

聖凌教では、石の紫輝と摩羅族の錦蓮、そして、妹の錦蘿も、全員が違う役回りで登場するが、この聖凌教での生活がほんと楽しい。

紫輝が花の姿の錦蘿を肩に乗せて過ごすのも微笑ましいし、現実では禍々しい空気を纏った錦蓮の、憑き物が落ちたかのような姿に顔面が緩んでしまう。

初空は記憶を持っているため、以前の気持ちから更に募っている想いで、祥雲への態度にも愛がある。


↑食べかすが口に付いていると言っていただけなのに、キスを求めていると勘違いした初空が、素直に祥雲にキスする姿はほんとかわいいね。

 

修茗の今回の役回りは、祥雲の幼馴染みでいずれ結婚する身分の男。※祥雲は記憶を失くしていて修茗の存在を知らない。

この身分で、天界の記憶もあるとなれば、もちろん攫われた彼女を取り戻すことに精を出すわけだが、初空に阻止されたため、そのまま聖凌教に潜り込むことにする。

 

自分の入る隙などなく、お互いを想い合う二人に横やりを入れる格好となる修茗に腹は立つものの、一方で、この男は3万年の間、一途に滄海を愛し、謎に祥雲となった彼女をやっと見つけたのである。

戦神初空の元神回復のために、彼女の元神が削られ、いずれ塵になると知ったからには、そりゃ全力で阻止してしまうだろう、と思うとなんとなく切ないポジションである。

 

ほどなく、慕っていた初空が、自分の玲瓏心を目的としていたことを知った祥雲は、哀しさのあまり、修茗と共に元の家に戻ってしまう。

初空もまた、己の元神回復のために祥雲の元神が削られていく事実を知ってしまったため、玲瓏心を手に入れることも諦め、それよりむしろ、己の僅かな玲瓏心を逆に捧げようとすら考えているようである。

 

初空は、祥雲の両親を殺した輩をずっと探していたが、その許文瑞(2世目も敵だった)は、人間界の者ではないようだし、この輩も元神回復のために初空と祥雲の神力を奪おうとしていたようである。

禍々しい空気を纏ったままのこの男は、何者なのかよく分からない。え、昊軒神君じゃないよね、、、

昊軒も怪しいもんだから、謎の術を使って下界し、元神を回復させてるのかもと疑っちゃうわ。

 

この許文瑞との戦いで、2世目とは逆に、祥雲を庇って剣で突かれた初空は、息耐える前に己の玲瓏心を彼女に捧げて昇天する。もはや、陸長空でもあり初空でもあるんだね、、、

初空を抱えたまま、共に崖から落ちていく祥雲の姿は、「生きろ」という初空が言った最後の言葉も聞こえなかったようである。

落ちて行く祥雲のおでこにマーキングが現れたのは、どういう意味があるのかな、滄海に戻りつつある印なのだろうか。

 

3世目「聖凌教、初空・楊小祥」編、終了。

天界に戻った二人は、下界での情の積み重ねを経て、現実でもそれが成就しそうな雰囲気が漂うが、あと4世あるよね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第22話。

自分の元神と祥雲の元神の源が同じで、己の元神が回復するたびに祥雲の元神が損壊する、ということを少し前に知ってしまった初空は、これを恐れて、古代から伝わる護神咒を祥雲に施そうとする。※護神咒とは、掛けられた方の元神が破壊されると代わりに掛けた方がそれを担う、というまじないらしい。愛が深いね。

結局、弾かれてこのまじないは失敗するが、一体化している元神も何かの術でそうなっているのだろうし、重ねては施せないのかもしれない。

 

戻って来た祥雲は、婚縁閣で命簿(シナリオ)担当の李天王が見当たらないことに気付き、何かあったのではないかと心配する日々を送る。

 

昊軒の秘密を見てしまった李天王は、あの時、昊軒に口封じをされていたが、どうなっているのかは分からない。

さすがに殺されてはいないだろうが、絶対見られてはならない様子のあの呪いみたいなものは、摩羅族の術のようだし、おそらく3万年前に滄海に掛けられた呪いなのかも。だとすれば、昊軒が滄海を貶めたのかもしれない。

 

うろ覚えだけど、以前、修茗の回想で、崖の上に倒れていた初空と崖から落ちた様子の滄海の描写があって、初空は赤服を纏っていたし、握りしめていた布切れ(滄海を掴もうとして千切れた服の布?)も赤だったような気がするので、ひょっとして初空と滄海の挙式の日に何らかの事情で昊軒から貶められたのかも、、、(勝手な妄想なので大体当たりません。)
 
3世目の、李天王が書いたシナリオの最後のページが破られていたこと、次の歴劫のシナリオが既に出来ていること、この辺りが、消えた李天王と何か関係があるのではと思い始めた祥雲は、次の歴劫のシナリオの中に手掛かりを残しているのではないかと考え、早速下界することにする。少し待ちなさい、と反対する初空もそれに引っ張られて落下。
勢いだったため、儀式もなく記憶もそのまま笑
 
因みに、摩羅族の錦蓮は、下界して聖凌教で過ごした日々を思い返して懐かしんでいるようだから、これからの行動に変化が現れるかもしれない、良い方に。構図的には妹と石の取り合いみたいになっているが。
 
4世目の始まり。
今回は、ちょっとした謎解きミステリーとなっているし、二人の中身が入れ替わっての試練となる。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第23話~第28話。

錦蘿(妹)と石の紫輝は、そのままこの時間軸でずっと過ごしていたようだが、この二人に4世目で再度出会ったということは、初空と祥雲の歴劫の時間軸は、別の時空(パラレルワールド)にはならず一本なのだな。

 

錦蘿と紫輝の間にある情の行く末はさほど興味はないものの、滄海を復活させるために、錦蓮(兄)が石の紫輝を犠牲に出来るかどうかは少し気になるところ。かつて、聖凌教で培った友情がどう影響するのか。

 

4世目は、李天王の残した手掛かりを探すための試練だったが、結局、目ぼしい物は見付からず仕舞い。

戦で散った初空と、それを迎えるように先に自害してしまった祥雲は、再び天界へ戻る。

戻ってみたら、李天王は己の歴劫で遭遇した大妖と相討ちのような形で消滅してしまった、という話を聞かされることとなる。

もちろんこれは昊軒の嘘である。え、この男ほんとに李天王を消し去ってしまったのか、、、

兄の昊軒との対話で、どうも何かを知っているようだと感付いた初空は、引き続き、祥雲と共に李天王の残した手掛かりを探すことになる。

 

李天王の残した手掛かりを俯瞰してみた結果、全ては3万年前に塵となった滄海を指していることに気付いた二人は、昊軒には歴劫で下界したと思わせておいて、3万年前までの時空を遡ることにする。

これを実行するため、摩羅族の錦蓮に過去に遡ることの出来る神器を借りることになるが、初空と錦蓮は、聖凌教では師弟関係だった記憶のあるお互いの心情は複雑である。

 

時空を遡り、麒麟族の二殿下、初空と、摩羅族の女帝、滄海として、おそらく、5世目となる試練に向かう。

ただ、今までとは違って、過去の自分自身の生を生きている訳なので、自分自身を追体験している状態だと思われる。

 

女帝とは知らずに出会ってから、対面して女帝と気付くまでを丁寧に描き、二人が想いを寄せていく過程に割と時間を割いているものの、どうも感情移入出来ない、、、なんというかなぁ、芝居から愛が見えてこないんだよな笑 丁禹兮は良いんだけど。

 

初っ端から怪しさを漂わせていた昊軒は、やはりその通りの印象のまま終わりそう。張曉晨の会話のテンポを含む、ねっちこい芝居がこの役にハマっている。

しかも、この悪巧みの理由が、麒麟族の次の族長の座を手に入れるため、というのが実にショボい。この様なファンタジーでの仙人界などでは、運命で既に決まっているという印象だし、人間のように貶めてどうにかなるというような次元ではないと思うのだ、、、

 

無邪気な初空は、族長の座など考えてもおらず、むしろ避けているようだが、勝手にライバル視している兄の思惑には気付いていない。

初空が摩羅族の女帝と婚姻すれば、完全にその地位を奪われてしまうことに焦る昊軒は、どうやら錦城(錦蓮の父)を操って利用しようと考えているようである。

摩羅族では、滄海と双子で生まれたもう一人の存在が最大の秘密のようだし、何かに感づいた様子の昊軒は、自分の立場を確立するショボい目標のため、これをもちろん利用するのだろうな。

 

この段階で、隠された双子の片割れが登場するとなると、この娘はどういう役割を果たすのか。恨んでいる様子は見えなかったが、力が制御出来ずに放出されるとしても、本筋と関係なければ無意味な話となるし、この隠された方の娘が祥雲だった、とか、3万年前、滄海の代わりに塵になった、とかでなければこの存在は必要ないけども、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第29話~第32話。

隠された双子の存在を、錦城を脅すために利用するのかと思っていたのに、己自らそそのかしに出向くとは、たまげたなぁ、、、

なるほど、滄海が全滅させたと伝えられていた帝休族(修茗の血族)は、片割れの明月が口車に乗せられてやってしまったのか。

そそのかした挙句、明月が持つ力をその身もろとも吸収してしまった昊軒は、怒涛の勢いで摩羅族を破滅へといざなうが、まやかしに目が眩んでとんでもないものを引き入れてしまったね、錦城、、、

しかしなぁ、昊軒の可哀想なところは、こんな風に人の力を奪って己の物にしても、天性の力を持つ初空にはやはり敵わないことである。

 

兄の企みを知り、それを阻止しようとした初空を庇って滄海の力が散り散りになってしまったのが3万年前、これを追体験した二人は、記憶を持ったまま天界へ戻る。

昊軒の悪事をすぐにでも暴いてやりたい気持ちが逸るものの、ひとまず初空は、3万年前に散った滄海の力を取り戻すため、妖界の詭林に向かう。

 

昊軒に疑われないよう、修茗の協力のもと、偽の死を装うが、祥雲には知らせていなかったため、本当に塵になったと勘違い。死んだと思い悲しかったのだろうが、芝居からはさほど悲しさは見えない笑

 

後に知らされた祥雲は、生きて無界へ降りた初空を、序盤に絡みついた赤い糸を頼りに探せばいいんだ!と、謎の前向き精神で詭林へ向かう。

ここは実に危険な場所で、小仙人のお前など辿り着けない、と翁翁に言われていたのに、割と簡単に初空を見つけてしまった祥雲、さすがファンタジー。

 

6世目、妖界編の始まりだが、序盤の元神を回復させるという目的は、もはや忘れている笑

 

追記ネタバレ 第33話~第38話(最終話)。

昊軒が分かりやすく悪者と化し、祥雲が滄海だったことに気付いてしまったため、今回も彼女を葬ろうと詭林にまで現れる。

自分の兄が、3万年前にも卑しい所業で自分と摩羅族を貶め、それをまた繰り返そうとしていることが、己の責任でもあると感じた初空は、自分の手でこの兄を葬らなければならないという思いを募らせていく。

祥雲としても、ここに自分がいては初空や妖界の人々が犠牲になってしまうことを恐れ、大人しく昊軒に捕まり天界へ戻ることにする。

 

3万年前に守れなかった滄海を、今度こそは死なせないと固く誓う修茗の信念はブレることなく、今回はそれを最後までやり切ってしまうという大業を成し遂げたこの男よ。

すごい働きだったよ、序盤の三皇子だった頃のエゴの塊ではもはや無く、生きてさえいてくれれば良い、と自分の想いは封印してしまったようである。

何度生まれ変わったとしても、好いている女は初空に搔っ攫われ、運命ではない自分の手には入らないのだろうが、終盤へ向かうにつれ最も魅力が炸裂した男がこの修茗である。

 

立ち位置は違っていても、昊軒も同じことである。

どれだけ欲しても、ナチュラルボーン才能には勝てず、結局、貶めてその地位を得るか、指を咥えて眺めるか、しかないのである。終盤の昊軒は哀れで仕方なかったな、、、張曉晨の芝居が哀れ味を煽って来る笑

 

結果的に、兄の昊軒を葬るために自分の命も捨ててしまった訳だが、自分が祥雲だったらと考えると、私を生かすために初空の元神を消滅させてしまうまじないなんか掛けられて、マジで勘弁してとか思っちゃうわ、、、

いや、置いて行かないでよ、一緒に連れて行ってよ、残されるの辛いって!

こうである。

 

塵となって消えてしまった初空だったが、最後の7世目でやっと穏やかに出会うことが出来る。

祥雲が振り向いた時には既にズビズビしていた初空は最高にかわいかったが、あまり芝居から愛を感じられなかった祥雲でも、最後の表情だけは実に良かった。

摩羅族の兄妹、滄海復活のために消えた石の紫輝にも、何にも縛られずに生きる次の生が与えられたようである。

 

7世に渡って話が展開するので、視聴者の気持ち的にもバタバタ感は否めないが、ファンタジーを観たという満足感は得られる笑