长相思(長相思)第一季 Lost You Forever 全39話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.


『长相思(長相思)第一季 Lost You Forever』

2023年 7月~ 中国 全39話

 

原作 「长相思(長相思)」桐华(桐華)

 

出演

玟小六・小夭→杨紫(楊紫)

轩辕玱玹(軒轅瑲玹)→张晚意(張晚意)

叶十七(葉十七)・涂山璟→邓为(鄧為)

相柳→檀健次

 

7月は古装劇の嵐となっていて、ひとまずこのドラマを見始めたが、ほんと面白い。第一季ということはまだ続くのかな、、、※英題が不穏なのが気になる笑

 

ネタバレ 第1話~第10話。

西炎国で仲睦まじく暮らす様子から、二人が引き離される幼い頃の瑲玹と小夭の描写から始まるので、もちろん、この二人が主役なのだろうと思ってみていると、煌びやかなメンズが次々と現れ、男主1のはずの瑲玹の影が薄すぎて困惑する笑

ひょっとして、小夭から渡された狐の尾っぽを持っている瑲玹と思っているはずのこの男は、そのように思わされているだけなのか、と初っ端から色んな妄想を巡らせてしまった。※段々、存在感を放つ仕様になっている笑

 

300年が経ち、小夭がどのような経緯で清水鎮に行き着き、医院で玟小六と名乗る男として暮らしているのかは、かつて捕まって虐待されていたと思わされる過去描写が少しあっただけで、まだはっきりとは分からない。

あるとき河辺で倒れていた死にかけの男を見付け、医院へ連れ帰り治療した小六(小夭)は、泥を払った姿があまりに高貴な空気を纏っていたため、この男を一旦は追い払おうとする。しかし行き場がないという彼を気の毒に思い、引き取ることとなる。

以前から、みなしごを引き取って一緒に暮らしていた小六は、今回もこの十七と名付けた男を家に置いてあげることにしたようである。


命を救ってくれた小六を、即座に女と見抜き、従順に仕える十七は、割と序盤で尻尾も登場しており、妖力も使えるため、九尾一族なのだろうと想像は出来る。

 

幼き頃に玉山へ送られた小夭を迎えに行くと約束し、それを守れなかった己の過去を後悔して生きてきた瑲玹は、清水鎮で小夭が暮らしているのではという一縷の望みをかけて、この地に現れたようである。しかも携えて来たのは阿念という姫。

元々、皓翎国の王姫だった小夭は、母親(元皓翎国の王妃)と西炎国で過ごしていたが、皓翎には戻らず、母親が西炎の大将軍として出征し戦死したため、身の安全のために玉山に送られてしまった。

その後、人質という名目で皓翎国へ送られた瑲玹は、そこでこの阿念と出会ったようである。

小夭への行き場のない悔恨を、阿念を可愛がることで償っている瑲玹は、内密に小夭を探しながら、償いも同時にやっているようである。

 

瑲玹が小夭の代わりにしている阿念は、甘やかされて育ったため実に我儘で、出自も高貴な神族であるし、清水鎮では平民をバカにしてやりたい放題。

これに巻き込まれた小六一家は、この娘に屈辱を味わわされることになる。小六は家族を守るため、下手に出て許しを請うが、そんなことはお構いなしでクズ所業を続ける阿念を懲らしめるため、毒を盛ることにする。

なにも本気で殺めるわけではなく、謝罪を求めただけだったのに、瑲玹がマジの神力で対抗してくる姿にイライラする。

え、なんなの、、、代わりの妹の我儘放題を放置し、その代わりの娘のために、本物の小夭に手を出すとか許せんのだが、、、


しかも頼りにしていた十七もその場から姿を消し、対抗する力もない小六はやられるだけになってしまって、十七に対しても許せん気持ちが湧いてしまった。普段の忠実な十七を信じて、大口を叩いて見せたのに、これは惨めすぎるやろ、、、

それでも人に期待しては落胆するターンを、懲りずに繰り返してしまった己の責任だと反省する、かわいそうな小六、、、

 

十七に関しては、二度もこの落胆を味わうこととなる。

二度目の、十七の正体が青丘公子だというのが発覚した時なんて、驚いたすぐ後に少し笑ってしまった小六の、ほらー、またやっちゃったよ自分、という心の動きが伝わる実に辛いシーンである。※この少し前に、十七が「あなたの側を離れない」と言っていたことで少し期待していた部分があったから。

 

辰栄国の軍師、相柳は、ちまたでは残酷非道で有名な男(命が九つある蛇妖)であり、たまたま辰栄領土へ薬の元となる植物を取りにいった小六は、この男に捕らえられてしまう。

相柳も即座に小六を女と見抜き、助けに来た十七の存在も、高貴な神族と気付いて目を付けたようである。

それから、小六を利用しようと度々姿を現すが、怪我を治す効力のある小六の血を吸っているうちに、彼女と対話することが増えた相柳は、過去の己と姿が重なったのか情が湧いてきたようである。雑な扱いだった小六への態度も、気持ちの変化と共に変わってきている。

 

西炎と辰栄は敵国のため、瑲玹は辰栄残党の相柳を狙い、相柳は瑲玹を狙うという小競り合いを繰り返している。そのため、薬を巡って争いとなった二人のうち、相柳の方に協力した格好となった小六は、瑲玹に捕らえられてしまう。

阿念と交換で薬を取り戻す計画だったが、妹を拉致られ怒り心頭の瑲玹は、ここでも小夭と阿念を重ねてしまっている。

代わりの阿念を可愛がるのはいいが、本物には手ひどい拷問を課す瑲玹には、おまえは一体なにをやっているのだ状態でまたイライラする羽目に、、、

いや、気付いていないから仕方がないのだが、九尾の十七と、よく分からん相柳ですら女だと即座に気付いたのに、高貴な神族の割に何も気付かないとか鈍すぎやろ、、、

 

この後、相柳と一騎打ちになった瑲玹の身分に気付いた小六は、相柳の渾身の一撃から守るため、瑲玹を庇って瀕死となるのである。

なんというか、瑲玹は何も知らず小六を痛めつけ、気付いてしまった小六は命を賭して彼を救うという構図が本当に歯がゆい。

 

青丘公子の身分に戻った十七は、せっせと小六のために尽力を尽くす日々を送る。六年の情も断ち切らねばという思いの小六に、他人行儀に振舞われ落ち込むものの、その手は休めない姿がいじらしい。きっと、結ばれはしないのだろうが、序盤からの存在感で、個人的には幸せになってもらいたい。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第13話。

清水鎮での穏やかな暮らしも、メンズ3人との関わり合いにより、危うくなってしまった。国家間の争いを避けてこの地で生活していた小六は、ここを去る時がやって来たと察し、一人旅立つ準備を始める。

しかし、瑲玹以外のメンズ2人の想いは、己を犠牲にしても小六を守るという方に向かっているようである。

これが、逆ハーレム状態になっているのに、気持ち悪さが全くなく、むしろ面白く構成されているのが実に巧みである。

 

まず相柳の方は、瑲玹を殺す絶好の機会を、小六によって二度をも不意にされたにもかかわらず、瀕死の彼女を救い、瑲玹の中にある蟲を自分に移し換えることに協力する。

蟲といえば、風月變に登場したのが記憶に新しいが、こちらの蟲は、雄雌蟲といって情に左右される蟲のようである。

その男女間に愛情がなければ、育てるのは難しいというこの蟲は、自分の痛みを相手も感じてしまい、心も身体も一つに繋がったような状態になるという。

元々、相柳を懲らしめるために使おうとしていた蟲が、誤って瑲玹の身体に入り込んでしまったのは、なるほど、誤りではなく必然なのかと納得した。

当時は、まだ瑲玹だと気付いていない小六だったが、蟲には分かっていたようである。

 

この蟲を彼の身体から取り除くには、別のもう一人に移し替えるしか方法はないが、その別の一人にも愛情がなければならない、という仕様になっている。

更には、たとえ命が九つある相柳でも、心は一つしかないのだから一歩間違えれば、逆に蟲に食われてしまう、という危険な代物である。

それなら自分に移し替えることが可能だと考えた相柳は、既に自分の気持ちを認識しているようだし、犠牲も厭わない覚悟のようである。

表面的にはちっとも優しくないこの男の姿は、不器用すぎて泣けてくる。

 

この蟲を引き受ける相柳の動機は、単に小六から頼まれたからなのか、他に理由があるのかよく分からんな、、、相柳に全く利点がないところを見ると、小六の危機にいち早く気付けるように、とか、瑲玹と繋がっているのが気に食わない、とか、感情面での働きがなければこの行動はいみふである。だとすれば、彼女への想いは相当強いのでは。おそらく蟲を引き受けることと交換で出したあの条件も、課すつもりはないんじゃないかとなんとなく思う。

※この情の繋がりの部分が蟲に影響することは小六には知らされていない。

 

涂山璟(十七)の婚約者で、相柳側らしき王姫に弓で射られた瑲玹は、再び小六に救われる。この傷を癒すため、一旦皓翎国に戻った彼は、皓翎王から小六を連れて来るよう申し渡される。

あー、、、これは無理なのでは、、、

おそらく皓翎王は小六の実父であるし、事情を聞いて何かを察した様子の王が小六と会ってしまえば、当然娘だと気付かれてしまうだろう。

 

皓翎王の命のもと、現れた瑲玹を躱すために十七に協力を請う小六は、躊躇いなく「好」と答える十七に驚きを隠せない。

毎度この調子の十七だが、今回は皓翎王の命に背く行為であるため、自分を含め涂山家への危機にも繋がるのである。それを躊躇いなく助ける十七は、一度失くした命を再びこの世に戻してくれた小六以外のものは、己の命すら厭わないようである。

 

個人的には、未だ小六が、なぜ身分を隠して暮らしているのかがはっきりと分かっていないため、早く教えてくれないかと待ちわびている。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第14話。

この回、涙止まらんのやが、、、

 

十七に協力してもらって逃げ出したものの、直ぐに捕まってしまい皓翎に送られる二人。

牢の中での、十七との濃い会話や海からスイーッと助けに現れた相柳など色々あったものの、中盤からそれは全て吹き飛んでしまった。

 

観念して皓翎王と対面した小六は、敢えて失礼な振る舞いをして、娘だと気付かれないようにしていたようだが、淡々と優しい言葉をかける皓翎王には分かっていたようだ。※相変わらずイカしている鄭國霖。

分かっているのを理解した小六の表情も、それを察して、もしや、、、と小六から目が離せなくなった瑲玹の微妙な表情も、全てが切なく、この辺からもう顔面は涙でぐちゃぐちゃである。

 

二度も命を救ってくれた小六に対し、なぜ自分を助けたのかと何度も尋ねていたことがあったが、既に自分が何者かを行動で示していた彼女を、己が心を閉ざして見ないようにしていた結果だったと悔やむ。

そりゃそうだろう、人生の大半を小夭への想いに費やしてきたのだから、気付かなかったとはいえ、あれだけの仕打ちをしてきた自分を顧みて、後悔に後悔が被さった格好となった瑲玹には痛すぎる現実である。

 

十七には気の毒だが、これは無理だわ、、、

二人の間に漂う空気に、十七は完全に背景になっているもん、、、

あれだけ序盤に存在感を消していた瑲玹を、ここで一気に天辺に押し上げてくるこの演出はすごいね笑

 

って、さっき結末の情報を誤って踏んでしまったんだけど、なるほどそうか、、、この回は起点なのだな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第18話。

前話に引き続き、涙なしでは観れぬ15話。

 

言葉にはせずとも、小六が何者かを感覚で見抜いてしまった皓翎王と瑲玹だったが、無理に聞き出すことはせず、小六から打ち明けるときまで待つことにする。

が、その時はすぐに訪れる。

 

皓翎王は、西炎国の大将軍となり、戦で散ってしまった小夭の母のことを余程愛していたとみえて、後妻(阿念の母)に迎えた妻が瓜二つ。

その後妻に会ったのが引き金となり、小六は突如乱心する。


これまで何事にもさほど動じず冷静な態度で過ごしてきた小六が、この様に取り乱す姿は十七はおろか視聴者でも見られなかった代物である。

なんというかなぁ、これまで誰にも言えず300年胸に閉まっていた想いが詰まっている気がして辛くなったわ。

その背面で、誰が声を張っているのかと思えば瑲玹だったのにも驚いた笑 そんなキャラでしたっけ、、、この後は、案外感情的な男だったのだなという感想に落ち着く。

 

このせいで、自らが小夭だというのを白状した格好となった小六は、本当の身分を打ち明けないわけにはいかなくなってしまった。

 

身分を隠して生きて来たのも、行方不明となった神族の娘というだけで、食われたり攫われたりするのを避けるためであったし、知らずのうちに、顔面が変化する神器を体内に植えられていた小夭は、己の真の姿が分からなくなってしまったようである。

 

最大の気懸かりは、自分が皓翎王の実子ではなく、母と赤宸(名前うろ覚えだけど、冒頭に出て来た戦敵のことかな)との不義の子ではないかと聞かされていたことである。

子供だった小夭は、噂話を真に受け、父の子ではない自分を迎え入れてはくれないのではないか、という思いを300年も抱いて家にも戻れずにいたようである。※この噂が嘘か本当かはまだ分からないけど。

それからも九尾族の男に囚われた小夭は、力を奪う妙なヤクを飲まされ、友人が戦でお前の母親に殺された仕返し、という理由で虐待を受ける日々を送る。←結局最後は己の力でこの男を始末する。

 

ここでも話を聞いて頭にきた様子の瑲玹は、300年間小夭だと思って大事にしてきた狐の尻尾を投げ捨てる激情っぷり。さすがは一気に頂点まで存在感が躍り出た男なだけある笑

 

十七に関しては、皓翎王の娘だというのに驚きはしたものの、気持ちは変わっていない。

「私の記憶違いでなければ、君には婚約者がいたはずだが、私の記憶違いか?」

皓翎王にマジの表情で詰められ、しどろもどろの十七。

この件に関しても、青丘公子という立場の整理も、小六の側に居るためには約束した十五年の間に処理をしなければ、と青丘に戻ることにする。


「十五年ね、その間他の男を好きにならないで。」と、しっかり念を押す十七に対し「待ってるから。」と答える小六は、本当に待つつもりなのか、安心させて送り出すためなのか分からない。

幼少から期待を裏切り続けられてきたこれまでの苦い経験によって、その期待を持つこと自体に虚しさを感じている小六の本当のところの心中は見えない。

 

同じく、そろそろ西炎に戻って国政を担う覚悟の瑲玹は、かつて守るべき人を守るため西炎王となる、と当時の西炎王(じいちゃん)に誓った言葉を実行するときが来たようである。

その背中に背負った重荷を、自分もこの人の側で一緒に背負わねばと決めた小六も、皓翎王姫(小夭)の立場に戻ることになるのである。

 

西炎の継承争いと関係している様子の涂山璟の婚約者や、涂山璟を痛めつけた兄の存在が、これからめっちゃ邪魔くさくなりそう。

 

しかし今の感じだと、瑲玹と小夭の間に兄妹の情はあっても、男女の情はないように見える。

むしろ、ここまでは十七が圧倒的に有利な位置にいるし、小夭の中の僅かな嫉妬心を引き出しているのもこの十七である。

相柳に至っては、天涯孤独の自分と重ねて、運命のように感じていた小夭に、戻る場所があったんじゃないか、と若干裏切られたような気持ちになりヤケ酒を煽る日々である笑

相柳は辰栄側にいて、涂山璟の婚約者が手を組んで瑲玹を殺そうとしているが、その婚約者は、おそらく西炎の王叔の指示で動いてるようだから、この関係性がイマイチわからんな、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話~第22話。

瑲玹には男女の情はないのかと思っていたのに、王姫に戻った小夭を見た途端、俄然その気持ちが湧いて来たようである。

涂山璟との密会にも、涙を流しながらヤケ酒を煽る、まるで相柳と同じ有様になっている。


相柳もまた、よく分からん手法で愛を伝えているのだろうが、いや分かりづらいんだよなそれ笑

当然求めるものには答えてくれない小夭を海中に置き去りにしていく相柳は、涂山璟に助けられ、抱っこされている彼女の姿に傷付き、蟲が悪さを始めているようである。

この蟲の働きがイマイチ見えないけど、想いの方向によって、制御出来るか食われてしまうかになってしまうようだな。

涂山璟は、相変わらずじっと静かに待ち続けるスタイル。干潮だった海が満潮になってもなお、同じ場所で小夭を待ち続ける背中に侘しさを感じる。

 

王姫に戻った途端、これまでの面白さから若干失速したものの、西炎山に戻った瑲玹は、いよいよ継承争いの火種となり、あからさまに命を狙われることとなる。

西炎に戻れば、おそらく孤立無援となってしまう瑲玹の立場が分かっていた小夭は、共に西炎山に戻ることにする。

 

西炎王(じいちゃん)には「西炎山は王叔やその息子、皆が狙っている。私は手伝わないし、欲しいのなら己の力で上り詰めて来い。」と断言され、叔父やその息子には分かりやすく邪険に扱われる瑲玹を見て、一層自分が支えねばならないという気持ちになっていく。

 

この背面で、小夭を助けるため瑲玹側で動いている涂山璟は、同時に防風意映との婚姻の話からも辞退するべく祖母に許しを請うことになる。

この婚姻は、涂山家の嫡子の役目でもあり、私情でどうにかなるわけでもない。ゆえに、当然反対を受けるが、祖母も涂山璟の想いを無碍にすることは出来ず、意映から破棄するよう仕向ける作戦に出たようである。

当の防風意映は、涂山璟を痛めつけた兄からの指示で婚約者のボジションに留まっているようだが、彼の方には愛情は見えず、どうみても利用されている。

この兄だが、幼少の不遇さを鑑みると同情はするものの、あんな仕打ちを璟に与えてもなお、ふてぶてしく目の前に現れる根性が既にヤバい。

 

しばらく姿を見せない涂山璟に、やはり期待するのは虚しいと感じている小夭は、裏で彼が友人の赤水を使って援護していることは知らない。

 

その後、謎に防風意映の兄、防風邶として登場する相柳は、一応、別人だという話で進んでいるが、瑲玹を狙う立場は変わっていないようだし、よく分からんな、、、

三国がメインだが、どの家、又は個人がどの国に属しているのか、人物が多すぎて混乱する。

 

瑲玹を狙う西炎側に防風兄妹がいるが、涂山家と懇意でもあるし、璟は個人的には瑲玹側であり、その兄は意映を利用している。

相柳は辰栄側にいると思っていたから、西炎とは敵だと思っていたが、辰栄(赤水)は瑲玹に対して敵意がない様子だし、瑲玹を好いている赤水の妹は、辰栄公主と言ってた気がするので、この相柳の所業は国単位ではなく、妹と共に西炎側に付いて何かを狙っているのか、または個人的な恨みなのか。

命を狙われ絆深まる二人だが、このせいでお互いの情は変化するのか、他メンズは心穏やかではいられない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第26話。

防風邶の身分でなら素直な気持ちを口に出来る様子の相柳は、度々、小夭の前に現れてはチャラく振舞っているが、実は本気で口説いている。

小夭としては、この表面の部分を見て、相柳とは別人だと思っているようだが、胸に手を当てた瞬間に蟲の知らせで相柳を少し感じ取ったようである。

 

それを見掛けた璟の心中は穏やかではない。

この男の場合、小夭に惚れすぎていて小夭しか目に入っていないため、とにかく他の男といるのを見掛けては傷付くというのを永遠と繰り返している。些細なことでいちいち傷付きすぎやろ笑

 

瑲玹に関しては、もう気の毒すぎて見ていられない、、、

西炎山に戻ったはいいが、ここを拠点にして計画を進めるのは立地的にも利点がないし、中原の辰栄山に移ったらどうだろう、と赤水に勧められた瑲玹は、それを実行することにする。


西炎山に入るのは簡単でも、今度は叔父どもに警戒されないようここを出るのが難しくなった瑲玹は、堕落した自分を演じて追い出されるように仕向けることにする。

己の身を削って堕落人間を演じるのも本気の瑲玹は、毒をも飲んでその身を痛めつける。※毒と言われていたけど、おそらく麻薬のような物だと推測する。

興味もない芸子をはべらせ堕落した生活を演じる瑲玹に、訪ねてきた阿念も頭に来た様子で皓翎に帰って行ってしまった。


阿念は単純でおバカさんなので、瑲玹の計画にまんまと騙され帰るように仕向けられたのだが、これも余計なことに巻き込まないためである。

個人的には、単純おバカの極みである阿念を、近頃は可愛いとさえ思っているが。

この話を聞いた皓翎王は、彼には何か思うところがあってその様に振舞っているはずだ、とさすがの思慮深さを見せる。ほんとかっこいい、、、

 

これを支える小夭は、乱心して襲い掛かってくる瑲玹を絶対に見捨てない。

引き続き、女としての小夭の気持ちは璟へ向いているようだが、万が一瑲玹の敵になってしまったら、以前、小夭も言っていたように、想いを寄せる璟であってもサクッと捨ててしまうのだろう、と確信が持てるくらいの深い絆が見える。

300年、小夭を探し求めながら苦しみ、西炎でまたこの様な有様では、瑲玹が気の毒すぎて泣けてくるが、大業を成し遂げるためには通らなければならない道なのかもしれない。

 

疑いを持っていた防風邶に、やはり相柳が化けていたという理由も今回明かされるが、これも結局は哀しい話である。


死にかけた防風邶に偶然遭遇した相柳は、彼の霊力と引き換えに、死にゆく彼の母親の最後を看取ることを頼まれた過去があり、そのまま防風邶の座に就いたようである。

普段の冷血妖怪の相柳とは全く異なり、母親に愛を持って接する姿は、見ていてなんだか哀しくなってしまった。卵(繭って言ってたかも?)から生まれた相柳は、母親という存在もなく常に一人だったため、母親との愛の掛け合いを疑似体験できた、と静かに微笑む姿になんとも言えない哀しさが漂うのである。

 

しかし男女の情ではやはり璟が誰よりもリードしている。もう告白なんかしちゃってたし、これはもはや揺るがないのかもしれない、敵に回らなければ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話~第30話。

意映と連れ立って行動する璟を見掛ける小夭が、璟を冷たくあしらい、それを璟が弁解する、という繰り返しのやり取りが若干だるい。

これが加速し、遂に相柳を利用して璟を傷付けるところまでいってしまった小夭には、序盤での男だった姿はなくなり完全に女になっている。当てつけの急な名前呼びにもちょっと引いたが、、、

 

当て馬のような位置に置かれた相柳は、惨めな自分にさぞ情けない気持ちになっただろうね、、、

弓を教える相柳には、小夭が自身の身を守れるようにという思いがあるわけだが、その場を己もろとも情の駆け引きに利用され、面子は丸つぶれである。

それでも、易怒ることなく冷静に己の心を抑えるこの優しい妖怪が、個人的には一番不憫に見える。

 

意映と安易に退婚できない璟本人にも苛立ちが募るが、以前、祖母がほのめかしていた計画も、自分をなだめるための嘘だったことに気付く。

「まず意映と婚姻して、それから意中の子とも一緒になればいい。」

青丘公子なのだから欲しいものは手に入れられる、と言わんばかりの祖母の言葉に、この座を捨ててもいいと宣言する璟は、手を離したらすぐにどこかへ消えてしまいそうな小夭を、掴んで置けない状況に焦りを感じてるようである。


しかしこの後に璟の暗殺未遂があったおかげで、嫉妬でちょいおこだった小夭も素直な気持ちを認め、いつの間にかイチャイチャモードに突入。

幸せそうな姿を見せて、どん底に突き落とす流れがこの辺りから見えていたが、案の定の展開に苦しい思いをさせられる。

急に襲い掛かられた小夭を観ながら、誰が狙っているのだろうと脳みそを巡らせていたが、よく分からぬ沐と名乗る男が姿を見せる。

ぽっと沸いてきたのこの男が刺客だというのに益々混乱させられたが、どうやら、赤宸に全滅させられた沐家の生き残りだったようである。

かつて、小夭の父親は赤宸だ、と噂に聞いていた、あの赤宸の名がここで登場するが、その娘に仇討ちだといって刃を向けるこの男は、皓翎王の娘だと訴える小夭の話など聞いちゃいない。話聞けよ笑

 

普段、小夭の周りには無駄にメンズが何人も連なっているのに、命を狙われている大事な時には誰も来ないのかい。

なんというか、全員が全員間に合わず、肝心な時にはてんで役に立たないこの有様には憤りを隠せない。

いや、相柳さ、蟲で痛みが繋がってるのに時差あり過ぎじゃないの、、、

 

青丘に戻っていた璟が到着した頃には、既に息が絶えていた小夭を抱えて、己の命も捨ててしまった彼は、やはりこの生に小夭以外のものは何もいらないのだね、、、

 

妹だと言い聞かせて気持ちを隠し、秘密裏に軍を立ち上げ着々と準備する瑲玹は、小夭を、璟と相柳にどうしても渡したくない思いが溢れ出ており、赤水を挟んで阻止したかったのだろうが、そんなことをしている間にこの有様である。瑲玹に関してはこういうの前にもあったね。

 

しかし余程確信があった様子のこの刺客の姿を見ると、やはり小夭の父親は赤宸なのだろうか。

以前、皓翎王が小夭の衣装を見て、赤宸を回想し、抱いた嫌な気持ちを払いのけるような素振りを見せたのもそのせいなのかもしれない。

 

結局、蟲で繋がっている相柳に小夭を託すしかなくなった瑲玹は、背に腹は代えられない、と彼にこの先を委ねることにする。

死んでしまった小夭でも、その中の蟲がまだ生きていることで、繋がっている相柳の蟲がどう作用するのかイマイチ分からんけども。

 

水道から水が出るように、相柳の胸から出て来る心血に仰天してしまったが、表面からは分かりづらい想いも、持てる全ての霊力を与えて命を助けようとする相柳の姿にいじらしさが募る。

死を望んで眠り続けている璟や、手立てもなく他人に縋るしかない瑲玹と比べて、相柳にしか助けられない命という点では他メンズよりリードしている。※赤水豐隆はもはや候補ではない笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第31話~第34話。

相柳が命を救うだけあって、この4話は彼の出番が多い。

小夭に心血を注ぐ相柳は、これだけの描写では苦しさしかないのを考えてのことなのか、小夭の幽体と時間を共に過ごす。※相柳は気付いていないが。

この幽体のおかげで、視聴者的にはさほどどんより感もなく、むしろ外界の事情を知らない小夭の能天気な雰囲気に和まされる。


小夭が言葉通り意識を取り戻すまで、相柳は心血を注ぎ毒素を取り除く(自分の身体に移し替える)という治療を繰り返し行う合間に、これまで歩んできた道を独り言のように語る。

彼には幽体が見えていないため、普段は口にせぬ己の事情を散々語って、視聴者の胸を抉ってくるのやめてくれんか、、、

 

奴隷の身から脱却し、助けられた辰栄の大将軍への恩義を未だ忘れず、その恩を返す道半ばの相柳は、義理堅い自分を隠すように表面的には冷血妖怪を装っているように見える。


37年間心血を注ぎ、小夭を目覚めさせることに成功した相柳は、小夭には会わずに外界へ送り出すわけだが、命を削ってまで助けたかった彼女に口を噤んでいるのはなぜなのか。

助ける代わりに条件を付けた相柳は、小夭に後ろめたさを感じさせたくない、秘めた想いを悟らせない、などの理由で、その気持ちを隠し計算高い自分を強調して見せているのはなぜなのか。

 

妄想なんだけど、小夭が眠っている間、殊更「恨まないで」と繰り返し呟いていたのは、洪江への恩に報いるため恨まれるようなことをこれからやらかす気なのではないか。

この義理を果たすために生きているのだとすれば、小夭への想いを悟られないよう振舞っているのも分かる。

 

40年勝ち続ければ奴隷から解放される、という闘人(人同士が戦う賭場)に足繫く通う相柳は、左耳と小夭が名付けた奴隷の少年に己の姿を投影していたようだが、「站起来!」という小夭の鼓舞に、震えるような瞳で見入っていたのは、自分が言われているような気がしていたのか。

 

勝手な妄想のため真偽は定かではないが、脳内をその様な妄想が駆け巡っていたため、とにかく34話の賭場での「站起来!」辺りから、城下で解放された左耳とのひと時を過ごし「あなたが死地から逃げ出したとき、私が助けてあげられれば良かった。そしたら洪江への恩も辰栄への義理もなにも背負わず、防風邶として自由に生きれるようにしてあげられたのに。」という小夭の言葉を聞く相柳が哀しげに微笑む姿までの流れには参る。14話ぶりに顔面が水浸しになったし、いちいちかわいそう味溢れる芝居で魅せてくるのズルいわ笑

 

例えば、何のしがらみもなく璟のように己の気持ちを真っ直ぐぶつけていたなら、小夭の気持ちは相柳に堂々と向いていたような気がするのだが。

かつて、海中で口移しに酸素を貰うことを拒否した理由を「因為我害怕…」「你」と言っていたのも、おそらく行間に隠されている大事な言葉がある。

目覚めて初めて再会した小夭の手が震えていた様子を見ると、以前、涙が真珠に変わったのも然り、自分では気付きたくなくとも既に相柳へと心は寄せられている。

過去に散々酷い目に遭ってきた小夭は、相柳の自分への気持ちが愛だというのに気付いていないため、絶対的な安心感をくれる璟を選んだ格好となっているが、分かりづらく怖いと思っている反面、一番好きな人は相柳なのではないかな、となんとなく思う。

あ、蟲はどうなったんだっけ、、、

 
死にかけていた璟は、戻って来た小夭のおかげであっという間に目を覚ますが、目覚めたら目覚めたで面倒事が待っている。
二度も失くしそうになった命から復活した璟は、今度こそ全てを捨てて永遠に小夭の側にいる、と誓うが、祖母は璟を族長にすることを諦めない。
一緒になりたいという女が皓翎王姫という身分の高さも併さって更に反対を受けるのである。
そこにきて、血を吐く祖母、、、それを捨てられない璟。
 
なんというかね、、、皓翎王姫という立場の小夭を案じて、とか、この立場を捨てたら瑲玹への援助が難しくなる(これも小夭のため)、などの理由で躊躇するのかと思いきや、祖母の命が僅かというのを知り、その祖母の希望に背くことが出来ないとか言っているのがいみふなんだけど。
 
「小夭のいない世界など生きている意味がない→死を選ぶ→小夭が戻って来た→小夭以外なにもいらない→祖母に意映と結婚して族長になれと迫られる→一族を捨てても小夭の側にいる→家族は大事だよ、と小夭に諭される→観念して族長になる」
 
この流れなら話は分かるのだ、小夭に諭されたとなれば仕方あるまいよ。
しかしこの場合、小夭を失くしたときに味わった後悔をすっかり忘れて、自ら小夭へ祖母の願いを断れないとか言ってんのがなんか違くないか?小夭がいなければ生きてる意味がないと言って命を捨てたのに?そこまでしておいてまだしがらみに囚われるの?となるのだ。※十七推しの方々ごめんなさい(´;ω;`)ウッ…

璟の兄貴も負けず劣らずのいみふ具合がすごい。己で族長を欲しながら璟に勧められるのは気に食わない様子で「施しは受けぬ!」とか言っちゃってんの、つべこべ言わずお前が族長になれよ、それで丸く収まるんだけど、という気持ちになる。
 
瑲玹はといえば、もはや己の気持ちは二の次で、小夭が幸せならそれでいいと達観してしまったようである。
璟との仲を反対するのも、青丘公子という婚約者もいる立場を崩せない男が、小夭を悲しませるのではないかと危惧しているからである。
小夭の命を獲った輩全員を炙り出し、血祭り状態にして仇を討った瑲玹は、幼き頃からの守るべき人を守る、という思いは変わらず、それを実行している最中である。小夭のことでないなら、二度も自分に刃を向けた男ですら放免するほど己のことには構わぬようである。
後々、この男は瑲玹の配下となるが、その揺るがぬ信念に共鳴を受けた者たちを、続々と仲間にしてゆく姿は、西炎に屯っている王叔たちのような低俗さは見受けられない。
王叔たちは、瑲玹側に付いていく名だたる氏族に若干焦りを隠せないようだが、瑲玹にとって不利となる切り札を謎に持っているようである。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第39話(最終話)。

第一季の有終の美を飾るのはやはり男主1の瑲玹。

幼き頃から揺らぐことのない信念を突き通すこの男のブレない姿は、実に魅力的である。

 

この5話は、中原の氏族から支持を得て西炎王になるべく奮闘する瑲玹の姿がほとんどを占める。

 

西炎の王叔以下息子どもは、なんとか瑲玹を貶めようとして、あの手この手で腕を振るうが、彼らにとっては全て裏目に出る結果となり、本当に活該としか言いようがない、、、

遂には、西炎王への暗殺を仕込み、瑲玹がやったのではないかと思わせる作戦に出る。


え、正気か?と思わせるような、王叔どもの堂々とした瑲玹への狙い討ちに、頭は大丈夫なのかと心配してしまう。ここで小夭もろとも瑲玹を殺して一体どう言い訳をするのか、後のことを全く考えていないこの所業にはちょっと笑ってしまった。

その刺客の中に交じって瑲玹を狙う相柳は、序盤からその部分はブレていない。これもおそらく、かつての恩義に報いることと関係しているのだろうが、小夭を傷付ける可能性を避けるため、一旦ここは退散することにする。

 

ここで小夭が手にしていたのは、相柳が鍛冶師に作らせていた弓である。偶然を装って小夭の手に渡るように仕込んでいた相柳は、彼女が自分の身を守れるように、という思いを込めて作らせていたことはやはり誰にも言わない。

瑲玹と同じ、信念はブレない男である。

 

それに比べて璟よ、、、

あの時命を捨てたよね、捨てた時点で祖母も涂山家も一切を捨てたも同然なのだが、戻ってきたら祖母が、、、じゃないのよ。それって優しさじゃないのよ。

 

気持ちはそうでなくとも、結局のところ、どちらにも良い顔をしてるだけに見えるのがなんとも言い難く、言ってることは綺麗でも行動はてんで真逆の璟にモヤっと感が否めない。

情を捨てるのが簡単でないことは分かる、しかし、一度捨てた命だと思えば、唯一のもののために己の意思を貫けないものか、何のためにあの時命を捨てたのか。

そんなところで立ち止まってるから、その祖母に貶められ、小夭の口から意映が身籠ってることを言わせてしまうのだ。

どちらも手にしようとして、どちらも失くすっていう、、、それを心底悲しんでいる姿を見ると実に滑稽である。

期待していた璟のこの不甲斐なさには、もはや姿を見るのも嫌になってしまった。ヤケ酒を食らって落ち込んでいる姿がほんと頭に来るの、、、※だから期待しちゃいけない笑


小夭としても、もちろん璟に対しての怒りはあるものの、散々律してきた人に期待するという思いで、またもや傷付いてしまった自分への怒りも大きいようである。

おそらく、意映が身籠っているのは兄との子供なのだが、この兄は何がしたいのか、満を持して「わっはっは!実は俺の子なんだよ!」と言って単に璟を傷付けたいだけなのか。素練らせるのも大概にしておけよ。

 

ひたすら璟にイラついた終盤だったが、西炎王から戴冠された瑲玹が、第一季の締めくくりとなる姿は胸熱である。

第二季でも、小夭を想う気持ちを隠し、見えぬところで涙を流して、相変わらずじじい共にも諮られ続けるのだろうが、きっと己の信念を全うするのだと思う、この男は。