サンクチュアリ 聖域 全8話 | 一言難盡

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Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

 

『サンクチュアリ  聖域』
2023年 5月 日本 全8話
Netflixオリジナル
 
監督 江口カン
脚本 金沢知樹
 
 
配信予定をみて、面白そうだと思っていた。
観てみたら、めっちゃ面白かったんですが、、、最後はもう顔面がぐちゃぐちゃになるくらい泣いていた。

えぇ?ここでエンドロール⁉という際どい場面で第8話が終了するので、おそらくシーズン2があるのだろう。

このまま終わりでもいいかなという気もしているが。

 

ネタバレあり

小瀬清(のちの猿桜)が、金を稼ぐために相撲を始めるところから始まるが、その経緯を簡潔に、かつ丁寧に描いているので、この前半の短い時間で、視聴者を主役に感情移入させることに成功している。

 

やんちゃしていただけあって、やりたい放題のこの男は、可愛い門司訛りで口汚い言葉をまくし立て、え、そこまで言うか、という場面も多々あるものの、これも後半をより生かすための演出だったのだろう。

 

第7話にして初めて敬語を使ったのを聞いた時の驚き、半分嬉しさが、前半の描写のおかげで、より貴重なもののように感じさせる技、巧みである。

そもそも、暑苦しいのは染谷将太演ずる清水だけだったのに、最後は全員が一つとなる、スポ根(さまざまな壁を乗り越えて成長し、ライバルとの勝負に打ち勝っていく姿を描くジャンル)ドラマと化している。これもあの前半があったからこその盛り上がりなのではないか。

 

そして、おそらくライバルとなる国彦(静内)の哀愁がヤバい。

この哀愁を帯びた理由となるこの男の背景もきちんと描かれており、最終的には姿が映るだけでも目頭が熱くなるくらいの存在感を放っている。

主役のライバルであったとしても、こちらにも感情移入してしまうようなキャラクターの描き方が巧みだわ、、、

 

カメラなのか演出なのか、日常と勝負どころの緩急の見せ方も良く、ストーリーと相まっていっそう痺れる展開となっている。でも一番はきっと、脚本なんだろうな笑