春闺梦里人(春閨夢裡人)Romance of A Twin Flower 全38話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

 

『春闺梦里人(春閨夢裡人)
Romance of A Twin Flower』
2023年 3月〜 中国 全38話
 
出演
季曼・聂桑榆(聶桑榆)→彭小苒
宁钰轩(寧鈺軒)→ 丁禹兮
 
 
これは面白い。
この前に観ていた「春家小姐是訟師」と比べると言葉も分かりやすいし(春家小姐是訟師は結構難しかった笑)、同じ古装でもだいぶ違うなぁという感じ。
 
 
ネタバレ 第1話〜第10話まで。
開幕、聶桑榆が追われ崖から飛び降りるという深刻な様子で始まるので、その路線で行くのかと思っていたんだけど、、、
 
寧鈺軒の第一夫人だった聶桑榆は、第二夫人を娶るという夫に反対し、第二夫人となる温婉を刺した罪で追われる事になるが、川から引き揚げられ目が覚めた時には記憶を失くしてしまっていた。忘川、、、?
元々、下人に対する度々の暴言や暴行などで、毒婦(無慈悲で性根の悪い女)と呼ばれ恐れられていた彼女だったが、記憶を失くした事で全くの別人になってしまう。
 
この別人聶桑榆が抜群に良い。彭小苒はこのような朗らかで前向きな少しお転婆っ子役がとても似合う。
 
変わってしまった彼女を周りの下人達もにわかに信じ難く、この際仕返しをしてやろうという気持ちが芽生えたのか、理由を付けて火を付けたり鞭で打ったりと、昔の己の所業を何も知らない聶桑榆が若干いじめられている様子は実に不憫である。が、それをくよくよ思い悩むことなく、次から次へと面白いことをやってのける。君はひらめきの天才か、、、
 
寧鈺軒の方も聶桑榆との仲は芳しくなく、存在をスルーして生活していたが、全く違ってしまった人格を目の当たりにし、こいつは本当にあの聶桑榆なのかと心の動揺が隠せない。
この過程で、謎に商売人気質の聶桑榆が、元来女性に人気のあった寧鈺軒を餌にし、屋敷で夫の絵を売ったり、夫を「こっそり見る」ことに値段を付けたりして、銭を稼いでいるのが本人にバレているという屈託のない振る舞いがマジで面白い笑
 
寧鈺軒には、盗賊狩りの他に、父の代から恨みを持つ袁朗や政敵の凌剣星など、周りに敵が多く、刺客が現れたり貶められたりで傷の絶えない日々を送っている。
記憶を失くす前にはふれ合いなどなかった聶桑榆が、失くしてから発覚した彼女の持つ様々な知識を垣間見て、これは本当に聶桑榆なのかという思いを更に募らせていく。
 
結果、はっきりとはまだ明言されていないが、どうやら幼子の頃に引き離された双子の片割れだったようである。ということは、旧・聶桑榆は生きているのか死んでいるのかも分からないし、新・聶桑榆は実際に記憶を失くしていることになり、どうやって入れ替わってしまったのかも今はまだ謎である。
 
ほどなく凌剣星の策略により、流民の集落を襲って村民を殺戮した罪で牢に入れられた寧鈺軒は、やってもない罪を調査するうちに、どうやら刺客は海坊からやって来ていたことを突き止める。もちろん、凌剣星に嵌められたのは理解している。
このやってもいない罪を、皇帝にも激しく叱責された寧鈺軒は、海坊へ左遷されることになる。

タイミング良く海坊かと思っていたところに、皇帝の思惑は別にあった様子。海坊からの刺客で寧鈺軒が貶められたのことを感づいていた皇帝は、一度落ちぶれた海坊の復活と統制をさせるため、彼をそこに就かせる事にしたようである。今回の皇帝は賢人。
 
凌剣星の事もあって、屋敷に一人聶桑榆を置いていくのは危険だと感じた寧鈺軒は、共に海坊へ連れて行く事にするが、これは賢明である。
凌剣星だけでなく、屋敷には温椀という第二夫人の曲者がおり、こいつが何をしでかすか分からないからだ。
開幕で温椀を刺したというのも、己の手でナイフを引き寄せキャー刺されたぁと被害者面をしていたし、鞭打ちの刑もこの女の差し金であり、その後も様々な手で聶桑榆を貶めようと腕を振るっている。この事を寧鈺軒が気付いているのは幸い。
 
海坊へ向かう道中で、再度、凌剣星の刺客に襲われ聶桑榆が人質となるが、序盤の彼女の命など別に惜しくないよ状態の寧鈺軒とは対比の姿が見られるので、ちょっと感動する場面である。
愛する息子のために剣をおろした父親と、その姿が寧鈺軒と重なり、あの時の父の想いが今まさに理解出来た瞬間なのか、と彼の気持ちを想像すると胸熱である。もう惚れちゃってる、、、
 
つづく
 
追記ネタバレ 第11話~第18話。
海坊の長官として赴任した寧鈺軒は、早速そこを牛耳ってる輩を観察して調査を始めるが、思った以上に汚職が進んでいたようである。
観てるこちらも若干ややこしくて、こいつは誰だっけ?みたいな状態になる笑
 
沈運成を筆頭に海坊を牛耳っている蛟龍幫という輩どもの組織は、檀王(皇帝の叔父)が後ろ盾になり、やりたい放題。この下に凌剣星やら、海坊で大金持ちの王錦堯やら、名前も分からぬ謎の男やら、なんせ悪党が大勢連なっており、いきなり現れた寧鈺軒が汚職を正そうとするのを煙たがって追放しようと躍起になっていく。

京に居た頃も敵の多かった寧鈺軒だが、ここではほぼ全員が敵という有様である。
しかもこの忙しい時に、温椀もが海坊に駆け付け(誰も呼んでない)、凌剣星の策略に乗っかる格好となり、悪知恵メンバーが勢ぞろい。※温椀には直接指示することなく委ねる系、、、
 
一応、皇帝から派遣された寧鈺軒を、あからさまに貶めることは出来ず、聶桑榆に狙いを定めた様子の海坊輩ズ+温椀は、旧・聶桑榆の暴行で傷だらけになった身体を持つ妙なおなごを使って聶桑榆の名を汚す行為に出る。
ここでも身に覚えのない過去の所業を暴露され、毒婦と罵られる聶桑榆を必死に庇う寧鈺軒だが、既に妻の正体が李曼だと分かっていても、この場で公言することは出来ず彼女を酷く傷付けてしまう。
※この事件の少し前に、海歸号(ボートピーポーみたいな)を起点として商業を営む李銘の船に、蛟龍幫の輩ズが強盗に入り、それらを捕まえた寧鈺軒は船を捜索する過程で聶桑榆が李銘の娘、李曼だという確証を得ている。
 
更に、この傷を持つ妙なおなごは口封じ+この罪を李曼に負わせる策略で殺されたため、疑われた李曼をやむなく己の手で牢に閉じ込めることになる。
この事件を自分が処理出来なければ、京城の大理寺などに手を付けられ事態は悪化するばかりだと考えた結果である。
全ては李曼を守るためであり、告白したあの日から、彼女のために心血を注ぐ寧鈺軒の好感度は上がりっぱなしだが、李曼にとっては、おそらく想いはあるものの彼の様に完全ではないと思われる。
 
幼い頃から李曼に好意を寄せていた袁朗は、海坊へ向かった二人を追いかけてくるが、この男の第一の目的はかつてバラバラにされた茶幫を再び復活させる事である。
父の事で恨みを抱いている寧鈺軒は敵であるが、茶幫を返り咲かせるために蛟龍幫を潰すのもまた目的であるので、状況によって寧鈺軒を助ける形となり、もはや敵か味方かわからない笑
しかも、好いている女は彼の妻である。李曼を助けることで結果的に寧鈺軒を助けている事実は分かってはいるものの、そんなことは小事という清々しい感じなので、個人的には袁朗も気に入っている。※蛟龍幫の主に上り詰めたので目的まであと一息。
 
身元が分かった李曼は、自分を庇い大怪我をした寧鈺軒に名残惜しさはありながらも、やはり海歸号に戻ることにする。
妻ではないんだし、家に帰るよ、と言われた寧鈺軒は動揺を隠せずにいたが、何かと理由を付けて屋敷に戻るよう知恵を絞ったりして健気に頑張っている笑
 
水娘子と千憐雪との三人で商売を始めることにした李曼は、蛟龍幫の主だった沈運成が逝って今のところは一件落着に見えるが、まだ温椀の執念が道半ばであるし、壇王や凌剣星といった京城の悪党が残っていると思うと気が重いな。
盗賊をおびき寄せるために第二夫人に迎えただけなのに、あの人は私のものよ状態の温椀マジで面倒くさい。
 
つづく
 
追記ネタバレ 第19話~第20話。
温椀の攻撃がより一層過激になり勢いが止まらない、、、
 
花灯節(花灯に願いを託し川に流してキャッキャする祭り)で皆が浮ついた気持ちで楽しんでいた頃、温椀は着々と悪事を進め、皓雪堂(3人で開いた店)を言葉通り炎上させてしまう。
 
幼少時のトラウマのせいで火を恐れていた寧鈺軒だったが、李曼を悲しませる事と己の恐怖心を秤に賭けると、軽く李曼への気持ちの方が勝っていたようである。
身を挺して燃え盛る火を鎮火させようとする彼の姿に、李曼の気持ちにも段々変化があらわれる。※ここの会話でサラッと聶桑榆が死亡していた事を語る。

水娘子と鬼白CPも同じパターンで互いに惚れてしまったようだが「私と侯爺を選ばなければならなくなったらどっちを選ぶの?」との問いに「侯爺」と即答する鬼白は臣従の鏡だな、、、
 
割と大火事の描写だったのに、店にはそうダメージがなかったため、商売を再開するが、先の毒婦の噂が広まっており客足は途絶えたまま。
そこで、富裕層相手ではなく、一般人も買えるような値段の品を代替の材料で作れば商売の対象が増えるじゃない!と、ひらめいた李曼は、早速新商品に取り組み材料を入手しに出向くこととなる。しかし、少し前まで安かった材料が高騰しており、代替品を使ってコストを下げようと思っていた李曼は出鼻を挫かれる。
その過程で、価格が上がった薬が高くて買えない親子の姿を見掛かけたのもあり、それなら己で材料を調達して安く分け与えようと考えた李曼は、波止場を通さず独自で行動を始める。

海坊での物の価格は、均一にしなければならない規定(勝手に決めた規定な気がするけど)があり、値段を決定するのは波止場を仕切っている大商人の王錦堯が担っている。その規定を守らず、李曼が勝手に安く提供しているのを知った王錦堯激おこ。
海が荒れて運輸がままならないため値段を上げているなどと理由を付けているが、おそらく私利で値段を決定している彼はそれを寧鈺軒に見抜かれ動揺する。
 
王錦堯は、この話を蛟龍幫の袁朗に話を持っていき、悪事仲間に引きずり込もうとするが、袁朗が今の立場に居るのは茶幫を復活させるためであり、金には興味がない。
しかし、そのためには王錦堯を信用させ、与さなければならないのが先である、と一旦彼に乗っかったふりをして、李曼の船荷を奪うことにする。※この船荷は寧鈺軒が無事見つけました、鳥の💩の中から、、、
 
袁朗は性根の良い男なので、いつか茶幫が海坊を仕切る時が来ても私利で動くことなく、皇帝から派遣された寧鈺軒と共に、正しい方向へ導いていくんだと思う。
 
20話の最後は、流民と共に穏やかに過ごす李曼と寧鈺軒の姿で締めくくられているが、いやぁ、、、温椀の執念を利用し、壇王が更なる悪事を仕掛けてくる嵐の前の静けさだと思うと滅入るなぁ。
これは妄想だけど、温椀は寧鈺軒を幼少時代から好いていたようなので、父親が盗賊に殺されたあの事件も、そもそも寧鈺軒に娶られる為だったら怖いな、、、
 
つづく
 
追記ネタバレ 第21話~第26話。
残り尺のせいか、今週の6話は割と駆け足で進む。
 
流民の村で、村民の男衆が出て行ったきり戻って来ないと嘆く老女の話を聞いた二人は、この件には何か裏があるのではと調査を始める。
同時期に、海坊から京城へ納める金を海運する日時が決まり、これらの行事を仕切っている王錦堯と共に寧鈺軒も船に同乗することにする。

王錦堯はマジの悪党で、金を運ぶ船を己の手下に襲撃させて海賊がやった事にしてしまおう、という悪事を得意としており、今回もこれを実行することにする。しかも、やった事になっている海賊役は、騙くらかされた流民の男衆。ここで海賊役にされ皆殺しに遭っているため、いつまでも戻って来ないと流民の村に残された女衆が嘆いているのである。
 
この悪事に誘われた袁朗は、寧鈺軒を貶める事には賛成でも、なんの関係もない村人を海賊に仕立て、殺めることには全く同意できない。そこで、一旦、船を襲うフリはしたものの、寧鈺軒が王錦堯を取り押さえる絶好の機会にやはり協力する形となる。
袁朗は、寧鈺軒と同じく筋の通った男で、くそー寧鈺軒めーと言いながら、毎度このように二人同じ方向を向いているため(個々の感情はともかく)、きっと彼には人を貶めることなど無理なのだと思う笑
 
悪党その1(王錦堯)はここで退場。※鬼白の投げた手裏剣が頸動脈を掠め死亡。
この一件で、寧鈺軒を心配して密かにこの船に乗り込んでいた李曼は、船上での争いに巻き込まれ、再び海へ投げ出されたため、それまでの記憶を全て取り戻してしまった。
当時、聶桑榆を助けようと海に飛び込んだ李曼が、既に沈んでいった聶桑榆と間違われ引き揚げられてしまった事情もここで明らかとなる。

しかし、記憶を失くす前から寧鈺軒を好いていたとは、、、序盤に酔って迫っていた彼女の行動は本能がそうさせていたのか。
これで、本人としても寧鈺軒の妻ではないことを自覚することになったが、皇帝から称号を貰ったのは夫人としての立場であったし、別人となれば、父の李銘や聶桑榆の父親も割り込んで来る、という複雑な事情をどうやってのけるのか、、、
 
そんなことは気に留めてない様子の初々しい二人を観ていると、夫人だけど別人だし、でもまだ世間には夫人だと思われているため、どのタイミングで公表するのか、公表するとすれば再度婚姻することになるし、茶幫に属していたであろう李曼の実父(李銘ではない)の仇は寧鈺軒の父親だし、などの考えが頭を巡りこの二人の進展に嬉しい気持ちはあるものの、辻褄の合わない関係に困惑する笑
 
京城の方は、王錦堯が消えて、皇帝としては落ちぶれた海坊が正常に動き出すことに歓喜する。
そこで、寧鈺軒に船舶を取り仕切る役目を与えるが、これが実に面白くない壇王は怒り心頭である。狙いは玉座なのだろうが、海坊から金を吸い取る事も出来なくなり、新たな策を仕掛ける準備を始める。
第27話以降の残りの尺は、茶幫と寧鈺軒の父親、そして、寧鈺軒の父が殺めたという李曼の実父関連を経て、壇王との決着になりそう。
 
そして、相変わらずキレッキレの温椀、今度は周りから固めていこうと考えた結果、借金で苦しんでいる千憐雪の弟に目を付けるが、ほんと冴えてるよな、、、この賢さが悪巧みにしか使えないのが勿体ないくらい。
ギャンブル狂いの弟を賭場に誘い、更に借金を重ねさせた後、それを利用して千憐雪を操り、李曼を貶めようと考えたようである。その傍らで、李曼の商売道具のおしろいにも毒を混入させるという早業をやってのける。

しかし、温椀の冴えた悪巧みも、そもそも本性を知られている寧鈺軒には全く効かず、むしろこれまでの悪行を並べ立てられ、大理寺に送られてしまう。
悪党その2(温椀)もここで退場。ただ、この女は壇王の駒で再度登場するかもしれない。
 
ギャンブル狂いの弟だが、ちょっと諭されたくらいで改心するスピード感、千憐雪と秦奕閒の唐突なお付き合いスタートはあっという間に起きる出来事なので、やはり終盤に向けて第三CPは巻きで進行している笑
 
第二CPの鬼白と水娘子はもう少し丁寧に描写されている。
寧鈺軒に実直に仕える鬼白は「私に人生を捧げず、自分の人生を生きていいんだ」と言われても、真っ直ぐな瞳で「私は愚鈍なので一つの事しか上手く出来ません。その一つとは侯爺を守ることです。」と答える彼は、ほんと分かんないやつだな、、、と主人に言われる始末で、未だもどかしい状態。怖いから瞬きしてくんないかな笑
 
つづく
 
追記ネタバレ 第27話~第32話。
李曼の父、李銘が海坊へ帰還し、どれだけ娘を可愛がっていたかがよく分かる描写が続いた後、寧鈺軒との話が出た途端、顔色が変わる。
それもそのはず、茶幫の名だたる名家の長を殺し、散り散りにさせたのは寧鈺軒の父であり、永遠に茶幫の仇なのである。その息子と娘(実娘ではない)が一緒になりたいなどと、いくら可愛い娘のいう事でも受け入れられない。そりゃそうだね、、、
 
その事情を未だ知らず、父があれほど怒り狂って反対するのを理解できずにいる李曼は、父の目を盗んでこっそり寧鈺軒と逢瀬を重ねる。その合間で、寧鈺軒の方は、挙式の準備を進めている健気な男、、、序盤では考えられないほどに愛らしくなった寧鈺軒の、久々に会った時の「わぁーーー」(と抱きしめてくるくる回す)が可愛いすぎる。

しかし、コメディ要素があったのもここまで、、、雲行きが変わる。
 
こっそり二人だけの挙式を計画したその日、絶対に寧鈺軒とは一緒になれない事情を袁朗から聞いた李曼は、どん底に突き落とされる。

↑こうなるはずだったのに、これは惜しくも夢である。

 

寧鈺軒としては、いきなり李曼に避けられ始めたのが何故なのか分からず悶々と過ごす日々を送るが、その事情を李曼の口から聞くことになる。

彼にとっても、父を死へ追いやった茶幫は永遠に仇であるし、序盤から茶幫の生き残りに注意を払っていた描写が多々あったのもここで回収である。愛してはいるものの、過去はどうやっても変えられないこの別れには、お互い離れ難くとも納得しなければならない。

 

そして、温椀復活である。でたー笑 ※凌剣星のオマケ付き。

「皇商大会」という品評会なるイベントに群主として現れ、この大会をかき回す係である。

え、寧鈺軒へ嫁いだ当時、身分を偽って盗賊に襲われたふりをした?と思いきや、どうやらこれは壇王と凌剣星が、寧鈺軒を貶めるために温椀に新しい身分(元々壇王の親族の行方不明になっている娘の身分)を与え、駒として海坊へ送ったようである。

彼女も、生きるため、欲しいもののために、じじい共に利用され、ゴミの様に捨てられるのが最初から分かっているので、イラつくことはあるものの実に不憫である。

 

同時に、調査した結果、寧夫妻は不仲なのでは、、、と感づいた凌剣星は、皇帝から賜った婚姻で、しかも称号も与えられている夫人との不仲が発覚すれば、罪となり罰せられることを期待し、早速監視を始める。相変わらず敵は勘が鋭いな、、、

これに感づいた寧鈺軒は、凌剣星に夫人と睦まじく過ごす姿を見せるため、芝居をしてもらえないかと李曼の父に嘆願することになる。

 

芝居とはいえ、気持ちは変わっていないのだから、お互いの素が出てしまう瞬間が多々あり、監視されてるといっては触れ合う姿が哀しい気持ちにさせる。こうでもして理由を付けないと触れ合えない二人、、、

 

かつて、二人で星を見たあの時とは全く異なった状況で、再度、星を眺めるお互いの表情は暗く、今は視聴者も辛抱する時である。

 
つづく
 
 
追記ネタバレ 第33話~第38話(最終話)。

袁朗はマジの漢だな、、、清々しいにも程がある。

 

寧鈺軒を貶めようと海坊へやってきた凌剣星は、ひとまず蛟龍幫幫主の袁朗にも挑発を試みる。しかし、中々行動しない彼に業を煮やし、過去にお前の父親が裏切りを図り、幫主や寧鈺軒の父を死なせたという話を吹き込むことにする。

 

幼い頃から道徳を守る心、人を思いやる心を持ち、常に仲間や民のために行動してきた袁朗にとって、これらは父からの教えであり、まさかその父が裏切ったとはにわかに信じ難く、心の動揺を隠せない。


茶幫が殲滅された当時、唯一火事の中で生き残った袁朗の父は、今では少し気が触れており、会話も出来ない状態である。それなのに、袁朗の問いには肯定するような言葉を口走る父に心底絶望したようである。

そうとも知らず、寧鈺軒を勝手に恨んできた自分を恥じ、かつての父の罪を、まるで己の犯した罪のごとく自責する袁朗が、死ぬほど苦悩する姿はマジでかわいそう、、、普段の人道的な行いがあるから尚のことである。


しかし、この事実から逃げず、膝を付いて仲間や寧鈺軒に打ち明ける正直で謙虚な振る舞いは、まさに信用に値する男である。父の罪もおそらく事実ではないのだろう。そんな父親の元でこのような息子が育つわけがないと頭のどこかでは思っているからだ。※悪い見本で己を正すこともあるので絶対とは言えないけど笑

 

寧鈺軒の屋敷では、聶桑榆が既に亡くなっていたのを立ち聞きした途端、闇堕ちしてしまった陶思維。

この事を速攻敵の凌剣星にたれ込みに向かう彼は、寧鈺軒の友人と言いながら、幼い頃から聶桑榆を好いていた彼にとっては、己の気持ちの方が大事だったようである。

 

この陶思維の所業で、凌剣星に身分を知られた事に気付いた李銘は、娘に危険が及ぶことを恐れ海坊を離れることにする。

知らせを受けた寧鈺軒は、一瞬でもいいから会いたいという気持ちで、がむしゃらに波止場へ向かうも時すでに遅し、、、と、涙をこらえ切れず頭を抱える彼の背面から李曼登場である。※留まっていて欲しいという視聴者の希望を叶えた胸熱シーン笑

 

会いたい気持ちに我慢を重ねる日々を送っていたが、遂に一緒にいることに決めた二人は、袁朗から告白された父親の罪の真相を探ることにする。

そもそもこの件も、壇王が仕掛けたのではないかと薄々気付いている一行の、証拠を集めながら狙いを彼に定める準備を進める姿は、遂に悪党頭の首根っこを掴む時が来るという期待で胸が昂る思いである。

 

しかし、二人がキャッキャしている背面で、それを真っ直ぐな瞳(無の表情)で見つめる鬼白は笑える。この後、自分も水娘子の元へ駆けてって、開口一番「我喜歡你」も笑うわ。


「皇商大会」のため、海坊へ訪れた皇帝の前で、悪巧みが明るみになった温椀に、焦燥感を隠せない凌剣星は、李曼の身分を暴露して目眩しをする手段に早速切り替える。しかし、逆に温椀の身分を暴露されたことで自滅の道へまっしぐら。

このシーンは、まさに手駒をゴミの様に捨てるという縮図が顕著に現れていてちょっと笑える。

 

結果、李曼の父と寧鈺軒の父は二人連れ立って上京の準備をしていたのに、袁朗の父をそそのかし争いの策略を立てた壇王によって当時の悲劇が起きたということ、海坊に派遣された長官も思い通りにならないと言って殺めていたこと、その他諸々の悪事が凌剣星の証言によって明るみになり、遂に悪党頭(壇王)は封じられる。

寧鈺軒の計らいで、凌剣星が口封じのために殺される事を予測し、鬼白を警護に送っていたおかげである。更に付け加えると、李曼の身分がバレた時のために、皇帝に恩赦を賜っていたのもさすがといわざるを得ない。

 

この功績で皇帝からの絶大なる信頼を得た寧鈺軒は、宰相の地位を賜ることになる。この好機に、身分を偽った罪のある李曼が宰相夫人となれば、彼の前途に影響を与えると危惧した李曼は、潔く身を引くことにする。

絶妙なこのタイミングで、恩赦を受けた李曼を許せずにいた陶思維が私罰を与えるため牢から連れ出し、己もろとも崖から海へ落ちてしまう。


これを目撃した寧鈺軒は、またもや失意の底に落とされる。その後も必死で捜索するものの李曼は見つからず、宰相の身分では海坊に留まる事も出来ない彼は、涙をのんで京城に戻り1年が経っていた。

 

当時、海に落ちた李曼は、運よく河原に打ち上げられ、最後に一目会いたいと寧鈺軒の元へ自力で戻ってくるが、彼は既に京城へ出発しており、かつての様には会えず仕舞いとなる。

これで良かったんだと己を納得させる李曼は、生きていることも彼には知らせず、辺境で商売を営む生活を送って1年が経っていた。


1年後、災害に見舞われた海坊で二人は偶然再会する。

 

お互い目線が会った瞬間、駆け寄りたいという逸る気持ちを抑え、冷静に会話を交わす二人には、褪せない心が冗談っぽく涙を流すことで表現されている。


1年を経てやっと再会出来たのに、今度は皇帝から婚姻を賜られた寧鈺軒は、全てを失くしても李曼以外の女は娶らない、と頑として挙式には出ないと言い張るが、賜られた夫人は李曼である。このことは視聴者には分かっていたけどね笑

 

かつて、宰相となる寧鈺軒へ李曼が嫁ぐことを暗に否定した皇帝は、反対を押し切ってまで自我を通すことなく、1年もの間、一度も会わずに堪えた二人を今回は許すことにしたようである。

皇帝というと勝手なヤツばかりだけど、この皇帝は最初から最後まで賢人だった。※私がこの地位に就いた時、お前はまだ乳を吸っていたではないか!と去り際、壇王に言われていたそれを想像するとじわる、、、

 

女に夢中になっていても、先見の目は狂わず、仕事も完璧こなす寧鈺軒は、女で自滅した陶思維と比べると段違いに出来る男である。

そういえば、陶思維の遺体は回収されたのだろうか、、、

 

 

面白かった。やっぱドラマはハッピーエンドよ。