お客さん(法人)のクラウンハイブリッドAWS210
これまでのブログで、【プリウスはやっぱり0w-20だ❗️】と書いてきましたが… じゃあ他のハイブリッド車は??
これまでの経緯は、プリウスに5w-30を使用したところ、チョイ乗りが多い場合はエンジンが温まりきらずにオイルが早期に劣化(汚れは少ない)すると言う事実が発覚しました。
結果、信頼できる0w-20を使用すると言う結論に至った訳です。
じゃあ同社のクラウンハイブリッドはどうなのだろう
プリウス同様にTHSを採用して、単なるモーターアシストと回生ブレーキの組み合わせではない。
排気量の違いはあれど、基本的にはプリウスと基本理念は共通なのである。
ちなみに、二車のモーター出力とエンジン出力(内)は
ZVW30 60kw (73kw)
AWS210 105kw (131kw)
となる。モーター出力とエンジン出力の相関は概ね似たようなものなのがわかる。つまり、極端にモーターやエンジンどちらかの負荷が高いわけでは無く、エンジンもモーターもバランスよく大きくなっていると言える。
お客さんの協力の上早速試してみました
ご協力頂いた理由は、純正5W-20のオイルが減るからです…
実際に抜いた時は、2L程しかオイルが出てきませんでした。
補充しながらでもここまで減っているのは異常です。
はじめに試してもらったのは、エネオスのサスティナ
これは単純に、5W-20と言う粘度設定があったからです。
結果は、少し減りがマシにはなりましたが、補充は必要でした。
特に3,000km超えてからは減りが顕著で5,000km手前で交換。
次はエルフのエヴォリューション900 5w-30
はじめのうちはフィーリングも良く、減りは止まったかのようでした。しかし、やはり3,000kmで減りが激しくなり、フィーリングの低下が激しい。エンジンが極端に重苦しい時もあれば、妙に軽い時もある。※お客さん談
次はモービル1の5W-40
交換直後からやや重いフィーリングながら、エンジンが静かでハイブリッド車っぽい(当たり前なのですが)
5,000km時点で補充は約1Lほどで、まだ使用できそうだったので7,500kmまで引っ張りました。
念のため、最後にモチュール7100 10w-40をば
バイク用ですが、四輪にも使用可能です。何故わざわざ??
それは、二輪車はエンジンとクラッチを一つのオイルで潤滑している(例外あり)ので、せん断に非常に強い設計になっているんです。四輪よりも高熱で高回転に耐えなければいけませんので、ターボ車のサーキット走行などによく用いられる手法です。
結果は… 夏場は問題ないのですが、冬はさすがに重い。
セルモーターがありませんので、クランキングでの判断は難しいのですが、それでも重く感じると言うのはやはり厳しいようです。しかし減りは皆無でした。また、ここまで粘度を上げると、エンジンオイルが温まって適正温度になるまでに時間を要する事が懸念されます。エンジンは温まるまでは燃料を余分に噴射する仕組で、余分な燃料はオイルに少なからず混入します。これが燃料希釈と言うやつです。素性の良い高粘度オイルならば、温度が低くても燃焼室を密封する作用が強いので安全ですが、ハイブリッド車はとりわけエンジンが温まりにくいので10w-40は残念ながらボツです。
さて、ここまでで相性の良かったモノは5W-40です。
5W-40と10w-40は基本的に同じ40番ですが、40度動粘度に差があります。今回のクラウンハイブリッドの場合は、40度動粘度が80cStがベンチマークとなる事がわかりました。
純正の5W-20が50cSt前後なので、結構差が出た結果です。
また、今回はオイル減りの状況からオイル交換スパンも演繹する事ができました。クラウンハイブリッドの場合、7,500kmが限界のようです。プリウスが1万kmでもまだ余裕がある(ニューテック ZZ-11の場合)のに比べ、7,500kmが限界と言うのは意外でした。新車ならば、信頼できるオイルを1万km毎(以内)で交換がベストだと予想します。
エンジンオイルの相性テストをしている間に、odoは10万kmを突破しました。仕上げに、導き出した数字【80cSt/40度】を元にニューテックZZ-01とZZ-02をブレンドします。
これでやっと落ち着いた感が(笑)
約3年に渡り、お客さんとあーだこーだ進めて来たお陰で、お客さんもすっかりメンテナンスに詳しくなってしまいました。
【まとめ】
トヨタ車のプリウス以外のハイブリッド車は、プリウスよりもオイルへの負担が大きい❗️ プリウスと基本機構は同じでも、粘度や交換スパンに気を配ると車が長持ちします。
【独善的な推奨】
プリウスの場合
0w-20はニューテックのZZ-11一択❗️
1万km毎の交換
クラウンハイブリッドの場合
新車〜10万km 5w-30(or ZZ-11) 1万km以内厳守
※7,500km毎が理想的
10万km以上 5W-40(80cSt/40度目安) 7,500km毎
こんな感じでしょうか。
プリウスも車体は重いはずなのに、何故差が生じるのかは正直わかりません。同じアトキンソンサイクルエンジンでもクラウンは直噴である事を考えると、やはりこの寿命の差を生み出しているのは【直噴】で間違い無いと個人的には考えます。
中古で直噴エンジン車を買うのは、よく考えてからか、信頼できる人に意見を聞くようにして下さいね❗️
今日も元気に頑張りましょー