「なぜヒトだけが老いるのか」

小林武彦先生著 (2023年)

 

 

私は読んでいませんが、この本より前に、

「生物はなぜ死ぬのか」を書かれたとのこと。

 

冒頭に、本の内容が紹介されてます。

 

生物は「変化と選択」を繰り返す「進化のプログラム」によって、

今ある姿・形・性質の全てを獲得した。

 

「死ぬこと」は進化する上で必要であり、

これまでの様々な生き物の死のおかげで、

私たちは少しずつ進化し、

現在までたどり着くことができた。

(「生物はなぜ死ぬのか」より)

 

 

「なぜヒトだけが老いるのか」では、

老化はどうやって起こるのかはてなマークに加え、

老化や死を受け止め、超越すべきという、

先生の哲学的な思いも書かれています。


覚え書きとして書き留めさせていただきます。

 

メモ

 

 

第2章 ヒト以外の生き物は老いずに死ぬ 

 

老化とははてなマーク

 

細胞レベルでは、

分裂が停止し、本来の機能が低下していく。

 

個体レベルでは、

この老化した細胞の増加によって、

虚弱(フレイル)という症状が出る。

 

老化の期間と状態は生き物によって違う。

 

 

死ぬ前の動きが悪くなった状態を

「老いた状態」とした場合、

野生で生きている生き物で

「老いた状態」を見ることはほぼない。

 

動きが悪くなるとすぐに「食べられて」死ぬ。

 

 

第4章 なぜヒトは老いるようになったのか

 

社会性の生き物であるヒトは、

家族を中心とした集団の中で進歩してきた。

 

集団を安定させ豊かにする役割を担う「ヒト」の存在が

有利となる。

 

長寿で元気なヒトがいる集団が「強い集団」となり選択され、

現在のヒトの長寿化につながっていった。

 

「なぜヒトだけが老いるのか」ではなく、

老いた人がいる社会が選択されて生き残ってきた。

 

 

先生から私たちへのメッセージと思える言葉を

紹介させていただきます。

 

私は「老い」は、いいシニアになるために

あるのだと思っています。

 

自分が生物学的な衰えを感じ始めたら、

次には死を意識します。

 

この頃から少しずつ利己から利他へ、

私欲から公共の利益へと

自身の価値観をシフトさせていくきっかけに

するのはどうでしょうか?

 

老いを悔いたり、

死を必要以上に怖れたりしてもどうにもならないし、

かえって元気がなくなります。

 

 

なぜヒトだけが老いるのか。

 

それは死を意識し公共を意識するためです。

 

死は何のためにあるのか。

 

それは進化のためです。

 

進化は何のためにあるのか。

 

それは私たちも含めた地球上の全ての生物の

存在理由なのです。

 

 

「なぜヒトだけが老いるのか」より

 

 

今年1月に、小林先生監修の

文系のための東大の先生が教える すごい細胞」

まとめさせていただいたので、よろしければ(__)

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