作:榎田尤利
イラスト:茶屋町勝呂
笠倉出版社(クロスノベルズ)
2003.2
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


自分の恋人が他の男に抱かれるのを「見る」こと。
それが玲治が望に求めたセックスだった。
行為の最中、狂おしい視線を感じるものの、自分には指一本触れてこない恋人に次第に不安感を募らせて行く望だったが……

玲治の性癖には深い傷の記憶に関わっていて……


訳あって自分の恋人を抱けない代わりに恋人に他の男との行為を求める男と、そんな彼を愛してしまった青年。
表題作のおそろしく重くて痛い展開とラストに、もうどうしたものかと思ったけれど、番外編的な続編に救われた気がします。
玲治の友人の美容師と、まじめだけどださい教師の話。
先生が悪い男に振り回されるだけの話かと思いきや、それだけでは終わらず心の傷にどんどん踏み込んでいきます。こちらもまたハッピーとは言い切れないところで終わるのですが、ちゃんと最後に希望は用意されている優しさ。
このあたりが榎田さんだなあという気もする。


崩壊の後にある希望。
そんなものを感じる一冊でした。

明日が世界の終わりでも (CROSS NOVELS)/榎田 尤利
¥900
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作:椹野道流
イラスト:唯月一
二見書房(シャレード文庫)
2003.7
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


シアトルに移り住み、現地で結婚式まで済ませて幸せに暮らす江南と篤臣。
そんな二人の元に篤臣の父親の訃報が届いた。
急遽帰国することを決意する二人だったが、この日本行きには思わぬ波乱が待ち受けていた?!
篤臣の実家を訪れた江南が篤臣の母親にまさかのカミングアウト。
そこに江南の両親も乗り込んできて……果たして二人の運命は?


シリーズ三冊目はまさかのカミングアウト編。
とはいえ、二人のなれそめ(強姦云々)まで詳しく語る必要はなかったのではという気はしないでもない。
若干あっさりまとまりすぎな感じはあるけど、その分優しいお話になっている。
いいか。BLだもの。ファンタジーだもの。
この甘さと優しさが椹野さんらしさだなあと思う今日この頃。


後半は二人の新婚旅行話。
ロマンチストで若干気障な江南と現実主義で男らしいけど奥さんな篤臣と。
トラブルはいっぱいだけど、なんだかんだラブラブな二人なのでした。

耳にメロディー、唇にキス―右手にメス、左手に花束〈3〉 (二見シャレード文庫)/椹野 道流

¥560
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作:沙野風結子
イラスト:朝南かつみ
プランタン出版(プラチナ文庫)
2010.1
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


忍の里で権力者の影武者として育てられた葛。
彼は月室藩主の息子・藤爾の代わりとして上忍珀とともに人質として緋垣藩を訪れた。
そこで彼が出会ったのは、周囲に禍を撒くと恐れられている藩主の嫡男、彬匡だった。
人の体液から情報を得る能力を持つ葛は、目的のため彬匡に近づこうとするが……


時代物風SF?忍者で殿様で三角関係。
かなり入り組んだ設定で厚い本をすらすら読ませるのはさすがの沙野さんクオリティ。
話はなんだかんだ収るところに収ったけれど、宙ぶらりんな珀のこととか気になるところはいくつか。
基本的には一対一の話が好きなので、そういう意味ではちょっと複雑だったかも。
このもやもやも続編で解消されたりとかしないだろうか。

続きが二年後とか……遠いよ!

つる草の封淫 (プラチナ文庫)/沙野 風結子
¥670
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作:縞田理理
イラスト:門地かおり
新書館(ウイングス文庫)
2005.10
超個人的評価:★★★☆☆

裏庭で影がまどろむ昼下がり (新書館ウィングス文庫)/縞田 理理
¥630
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せこいチンピラまがいの生活をしていた少年、テルは組織の麻薬を盗んだせいで追われていた。
勢い逃げ込んだ神秘グッズショップ「水銀の秘密」で、マネキンのような不自然な男、ハーパーと出会い助けを求めるが追手に見つかって殺されてしまう。
もうダメだと覚悟した瞬間ハーパーが息を吹き返して……
ハーパーは人間ではなく、人間が大好きな妖精だった?!


人間大好きで人間に化けて生活している妖精(実際はスライム状)と人間嫌いの少年の話。
昔の知人(故人)に嫉妬してみたり、ハーパーの視線が自分に向いていないのに悩んでみたり。
いつの間にそんなにはハーパーが好きになったのと思いつつもほほえましい。
一冊完結じゃなくてもっと長く読みたかったかもしれません。

作:崎谷はるひ
イラスト:おおや和美
角川書店(ルビー文庫)
2007.4
超個人的評価:★★★★☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


システムエンジニアの朝倉薙は親友からの依頼で引き受けた仕事のために派遣先の社宅に仮住まいすることになった。
引っ越しそばを持って行った先の隣人は金髪碧眼のアメリカ人ケネス。
日本語ぺらぺらでそこらの日本人よりよほど日本に詳しい彼は、人嫌いの薙を情熱的に口説いてくるが……


やっとブルー・サウンドシリーズを頭から集め出したので再読。
やっぱりシリーズ物は順番に読むべきだよなあと再確認。
朝倉の過去は色々痛いけれど、これからケネスに幸せにしてもらうといいよ。


金髪碧眼の王子様が実は結構どSなのが個人的にはかなりツボです。

って、なんか前にもこんなことを言っていた気がする(笑)

別にどSが好きな訳ではなく、単純にギャップ萌えなんだと思います。

しじまの夜に浮かぶ月 (角川ルビー文庫)/崎谷 はるひ
¥620
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作:崎谷はるひ
イラスト:おおや和美
角川書店(ルビー文庫)
2007.6
超個人的評価:★★★★☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


ブルー・サウンドの厨房ヘルプ、山下はゲイカップルの別れ話に巻き込まれ、水をかけられた。
そのあげく山下に水をかけた張本人である一葡に一目惚れされ、告白されてしまう。
人当たりはいいけれど恋愛に関しては温度の低い山下は、その度にやんわりと断りつづけるが、一葡はめげなくて……


一見いい人そうだけど、恋愛事には醒めた攻と、そんな彼を一途に追いかける受。
最初ただの馬鹿な子かと思った一葡が意外としっかりしていて、そのギャップとケナゲさに
やられた。
一方的に一葡が追いかける展開だった前半とは変わって、後半はちゃんと山下が追いかける
展開になっているのも安心して読めます。
好青年っぽい攻が実はどSなのも楽しかった。

振り返ればかなたの海 (角川ルビー文庫)/崎谷 はるひ
¥620
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作:崎谷はるひ
イラスト:おおや和美
角川書店(角川ルビー文庫)
2005.6
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


すべてに秀でていることがコンプレックスの和輝は、高校3年生の時行きずりの年上の男と肌を重ねた。
知っているのはショーイという彼の名前だけ。
母親からの重圧や、兄に対する執着を消化できないでいる和輝を子供だと笑った彼。
そんな彼と兄の働くレストラン、ブルー・サウンドで再会し……


ブラコン大学生×ラジオDJ。
前回のメインキャラ瀬里の弟、和輝の話。
年下攻めで、DJのショーイさんは性悪ぶった襲い受。
強がっているけれど弱いところもある笙惟と、まだ若いせいで余裕はないけど頭の切れる和輝はいいコンビ。
和輝、将来はいい男になりそうだなと思う一方で、同時収録の大智×瀬里編の大智のだめだめっぷりがすさまじい。


まあどんな相手でも惚れちゃったもんはしょうがないよね。
このまま大智は瀬里の尻にしかれるような気がするけれど、それはそれで楽しそうなのでよしです。


耳をすませばかすかな海 (角川ルビー文庫)/崎谷 はるひ

¥650
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作:崎谷はるひ
イラスト:おおや和美
角川書店(ルビー文庫)
2005.2
超個人的評価:★★★★-☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


完璧な弟に対する劣等感で、すっかり卑屈に育ってしまった瀬里。
大学進学を機に家を飛び出したものの、自分の居場所を見つけられずにいた彼は湘南にあるレストラン「ブルー・サウンド」で働き始める。
快活なスタッフたちの中で唯一苦手なのが厨房担当の大智だ。
自信に満ちた態度はどこか弟を思い出させるが、いつしかそれは彼の優しさだと気づき始める。
そんな時現われた弟から大智は瀬里をかばってくれて……


シリーズ2巻はブルー・サウンドの厨房担当×アルバイト。
時間軸的には1巻とほぼ同時で、初心な瀬里たちの関係と裏に見え隠れするアダルトカップルの対比がおもしろかった。

どうしても苦手な人。だけどそれは気になる気持ちの裏返し。
ビバ王道。
一見しっかりしているように見える大智は、恋愛においては意外とへたれかもしれない気がしている。

さりげなくまゆきちが大活躍している。
女の子が活躍するBLっていいよね。


手を伸ばせばはるかな海 (角川ルビー文庫)/崎谷 はるひ

¥620
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作:崎屋はるひ
イラスト:おおや和美
角川書店(ルビー文庫)
2004.10
超個人的評価:★★★★-☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


湘南にあるカフェレストラン、ブルーサウンドの店長を務める藤木はかつてこの地で恋人に別れを告げた過去があった。
それは相手の将来を考えての苦渋の決断だった。当時は不器用で、あえて露悪的な言葉を吐くことしかできなかった藤木も十年の時が経って変わった……はずだった。
ある日、藤木は自分の店を訪れたかつての恋人、嘉悦と再会する。
その薬指にプラチナリングを見つけてしまった藤木。しかし想いは止めることができなくて……


ブルーサウンドシリーズ第一巻。
こういうシリーズもので最初から店長っていうのはちょっと珍しい気がした。
別れた恋人との再会もの。
こういう主人公がぐるぐると自分を追い込んじゃう話は結構好き。
こういう再会ものでぐっと来るのは、二人が離れていた時間があることだと思います。
別れてから十年間。当然その間に付き合った人もいるし、変わったものもある。
だけどその中で変わらない想い。そういうのが大好物です。
ひたすらぐるぐるしてしまいがちな物語の中で、ノーテンキな大智と真雪がいい味を出していた気がします。


目を閉じればいつかの海 (角川ルビー文庫)/崎谷 はるひ

¥600
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作:三崎亜記
集英社(集英社文庫)
2006.12
超個人的評価:★★★+☆☆

となり町戦争 (集英社文庫)/三崎 亜記
¥500
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ある日、突然隣町と戦争が始まった。
広報紙の小さな記事でそれを知った主人公の「僕」
まったく実感がわかないまま続いていく日常の中で、広報紙に載る戦死者の数だけが増えていく。
現実に起っている「戦争」に実感を得られないままでいる僕の元に、町役場から一通の伝令書が届き……


不思議な話だった。
目に見えない戦争。
物語の中で荒唐無稽で酷く虚構的なそれは確かに現代の戦争の本質をよく現しているのかもしれない。
だって私たちは実際の戦争を知らない。
だけど、それは確実にこの世界に今も存在していて、今日も誰かが命を落としている。


色々考えさせられる話ではあったけれど、唯一主人公と香西さんの関係だけはもっとフィクションっぽくてよかったかもしれないなんて思った。

なんかこのラストはさみしいすぎる気がするんだよね。