作:川上弘美
中央公論社(中公文庫)
2001.10
超個人的評価:★★★★-☆


日常のようで日常ではない。
ごく当たり前のようにさらりと語られる不思議な話。
クマとピクニックにいったり、河童の恋愛相談に乗ったり、壷の中の女とクリスマスを過ごしたり。
そんな少しシュールであたたかな短編集。


もはや何度目か判らないけど再読。
時にかわいく、時にシュールでゆるやかな優しさに満ちた物語はなんだかよくわからないけどクセになる。

出てくる登場人物はみんな憎めない。
とくにコスミスミコなんて普通に考えたらうっとうしくて仕方ないはずなのに、腹がたたないどころか愛おしくなる川上さんマジック。


手放せない一冊です。

神様 (中公文庫)/川上 弘美
¥480
Amazon.co.jp

作:茅田砂胡
イラスト:睦月ムンク
中央公論社(C☆ノベルズ)

2010.11

超個人的評価:★★★★-☆


やる気も根性も能力もない。ないないづくしの事務所所長、百之喜太朗の元には今日もやっかいな依頼ばかりやってくる。
今回の依頼は、殺人事件の容疑者になった弟の無実を証明して欲しいというもの。
しかし、その弟は動機あり、証拠あり、さらには目撃者までいて……

友人達の力を借りて(?)百之喜は無事事件を解決できるのか!?


帯いわくなんちゃってミステリー。

やる気も根性もない怠け者(でもトラブル体質の)所長の百之喜がここまでくるといっそ愛しいです。
なんていうか彼はこう、やっかいごとを連れてくるマスコット的な……
主人公だけどほとんど動きません。
活躍……はある意味してるけど。


中盤以降延々と続く旧家のごたごた及びどろどろはここまでくると逆に清々しい気分になってくる不思議。
こんなエイリアンたちとは間違っても近づきたくはないですが。


とにかく女性が強い茅田さんの作品だけあって、未だ名前だけ登場している百之喜の大家の銀子さんがどんな人なのかとても楽しみです。


祝もものき事務所 (C・NOVELSファンタジア)/茅田 砂胡

¥945
Amazon.co.jp

作:かわい有美子
イラスト:花本安嗣ぐ
笠倉出版(クロスノベルズ)
2003.5
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


ごく普通の地方公務員の水端佑季は初めて訪れた上海で恋人と別れた。
一人上海に残ることを選んだ佑季は元恋人の計らいで、彼の取引先の社員、滝乃と共に観光地をまわることになる。
狡いところのあった元恋人とは違う包み込むような滝乃の優しさに惹かれ始める自分を止められない佑季だったが……


遠い異国で生まれた恋。
ゆっくりゆっくり話が進むのが良い意味でじりじりする。
上海の空気感まで書き込まれているようで素敵でした。


佑季がぼんやりしているようでいて芯が強いのが好印象。


元彼の伊藤と比べると滝乃のいい男っぷりが際だちます。
伊藤は同時に複数の人を愛せてしまったり、ごく自然に嘘をつく狡さを持った人。
ああ、いそうだなあこういう人と思うと同時に、こういう人に惚れると辛いだろうな。
別にいつも贅沢させてくれなくてもいい。甘い言葉ばっかり言うのも信じられない。
一緒にいて落ち着くとか安心するっていうのがやっぱり一番だよねと妙に納得してしまった一冊でした。

上海金魚 (CROSS NOVELS)/かわい 有美子
¥900
Amazon.co.jp

作:英田サキ
イラスト:北畠あけ乃
太陽図書(SHYノベルズ)
2004.7
超個人的評価:★★★☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


父親が亡くなり一人になった静一の元に、ずっと離れて暮らしていた弟の亮介が帰ってきた。
記憶の中ではまだ幼い少年だった弟は、すっかり大人の男に成長していた。
しかし一緒に過ごすうちに、穏やかな距離感と優しさに惹かれる自分を止められなくなる静一だったが……


英田さんのデビュー二冊目の本。
一冊目とのテンションの違いにびっくりしましたが、私はこういうしっとりした話の方が好きです。


義兄弟モノで弟×兄。
最初から兄一直線の弟と違って弟の将来を考えるあまりぐるぐるするお兄ちゃん。
知人に恋人の振りをしてもらって別れて……あたりまでは大変切なくてよかったのですが、その後の行動にはちょっとびっくりしました。
やっぱり弟のことを忘れられなくて、思いあまってストーキング。
気持ちはわからなくはないけど……

あなたから別れたのに!!って思わなくもない。

振り回された弟くんがちょっと不憫かも。

君のために泣こう (SHYノベルス)/英田 サキ
¥903
Amazon.co.jp

作:崎谷真琴
イラスト:沙月ゆう
集英社(コバルト文庫)
2008.4
超個人的評価:★★☆☆☆


ゴームの島の宿屋で働くシレネは3年前火事にあう以前の記憶がない。
彼女は宿屋の常連、セディムの紹介でゴームの山の中にある家で住み込みで働くことになる。
その家にいたのは人当たりのいい美少年のイリオとしゃべる魚のくじら、そして家の主人だという偏屈もののエンゴラロッソ。
彼の正体は人間ではなく、家の精霊だというのだが……

はたしてこの家でシレネは上手くやっていけるのか?!


久しぶりに少女小説を読もう!!と思って手に取った一冊。
設定やらキャラクターやらはコバルトっぽくていいのですが、正直文章がイマイチうまくない。

特に後編の主人公の感情に対する書き込みが唐突すぎて話には乗りきれず。
もっと前々から色々書き込んでくれた方が読者には伝わるんじゃないかな。
なんだかもやっとしたまま読み終わってしまいました。

精霊の島のシレネ 上手な家の手なずけ方 (精霊の島のシレネシリーズ) (コバルト文庫)/崎谷 真琴
¥460
Amazon.co.jp

作:椎崎夕
イラスト:佐々成美
太陽図書(SHYノベルズ)
2010.10
超個人的評価:★+☆☆☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


システムエンジニアの克史は本社に戻ったものの、ソリのあわない上司の元ろくな仕事を回してもらえず不満だらけの毎日だった。
そんな時スナックで出会った男に心だけでなく体まで蹂躙される。
しかもその男、里見は克史の出向先の上司だった。
使えるものはすべて使われ、脅されるように里見との関係を続ける克史だったが……


出向先の上司に気に入られた主人公が、脅されるように体を好きにされて、なんだかよくわからないうちにそれを受け入れる話、か?
椎崎さんにしてはハードめな設定だなあと思って読み始めたのはいいけど、あまりにも誰も彼もひとでなしでちょっと焦った。感情移入は難しいです。
主人公が最後に更正するのかといえばそうでもなく、攻の里見さんは執着というにも行動が謎なうえ常識をぶっとばしすぎて、そんな彼に自由にされちゃう主人公もちょっと理解できない。


唯一のメイン女性キャラ、克史狙いの今村さんはさりげなくちょっかいをかけたり、
里見が飽きたらあなたを私のものにする宣言をしたり、男勝りどころではないその性格はかっこいいを通り越してただ怖かった。


ひとでなし (SHYノベルス)/椎崎 夕

¥903
Amazon.co.jp

作:高遠春加
イラスト:加地佳鹿
二見書房(シャレード文庫)
1999.7
超個人的評価:★★★★-☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


ある朝七瀬が目覚めると、見知らぬ男とすっ裸で同じベッドで寝ていた。
テンパりまくる七瀬をよそに冷静に見える男、匡一は高槻コンピュータなんてあだ名で呼ばれる医学部一の秀才で、七瀬の恋人だと言うのだが……


本棚整理のため再読。
一人称でさらさら読める。
ある日突然記憶喪失になってしまった七瀬。
しかも気づいた時には恋人(男)と同衾。
それでもあんまりシリアスにならないのは、明るい七瀬のキャラクターのおかげでしょう。
事件の真相はあまりにも匡一がカワイソウなものなんですが、それすら許せてしまう。

お気楽な七瀬の語りでライトな話なのだなと思っていたら、同時収録の二人の出会い編では匡一の中々にヘビィな背景が描かれる。

正反対の二人だからこそ補い合って幸せになれる。ものすごく応援したくなるカップルです。

神経衰弱ぎりぎりの男たち (二見シャレード文庫)/高遠 春加
¥580
Amazon.co.jp



作:崎谷はるひ
イラスト:高永ひなこ
角川書店(ルビー文庫)
2007.7
超個人的評価:★★★★☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


映画賞を受賞して、着実に映画監督への道を歩みはじめた弥刀紀章。
プロデューサーから出された課題は「青春」を題材にした物語のある映画の脚本を作ること。
今までの自分の作品とは正反対の課題に悩んだ紀章は、大学受験を控えた知人の佐倉朋樹に映画の取材をさせて欲しいと頼み込む。
取材するうちに少しずつ朋樹の若さと強さに惹かれ始める紀章だったが、そんな時かつて深く傷つき、心の奥底に沈めたはずの過去と再会してしまい……


元シリーズとはうってかわった弥刀さんのダメダメっぷりに度肝を抜かれたけれど、普段飄々としているだけにこのギャップにはぐっとくる。
過去に縛られて今を見失ってあがく大人と、今を生きる強い若者。
基本男前受が好きなので朋樹の潔さと懐の大きさにキュン。


だがしかしシリーズ一の大物は藍でしょうね。
知靖の過去を知ってもすべて許して受け入れる器のでかさ。


なんだかんだ不思議な関係_朋樹が弥刀さんを許すというか甘やかす?というか_に落ち着いた二人ですが、今後この関係がどうなるのかが気になります。
ここまで受けが大物だとまさかのリバ?とか思ってしまう。
だって朋樹見た目は細いけど、実は結構ガテン系……
あああ、弥刀さん(笑)


続き買ってこよう。

平行線上のモラトリアム (角川ルビー文庫)/崎谷 はるひ
¥600
Amazon.co.jp



作:秀香穂里
イラスト:山田ユギ
徳間書店(キャラ文庫)
2010.1
超個人的評価:★★-☆☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


祖父が倒れたせいで、おんぼろアパートの管理人代理になった大学生の太一。
アパートの住人たちはホストにホステス、パチプロとクセモノ揃い。
中でも一番やっかいなのがポルノ作家の吉住だった。
自作のポルノ小説を太一に読ませては反応を伺ったり、セクハラを仕掛けてきたり。
管理人代理としておおむね上手くやっている太一だったが、どうしてもこの吉住だけは苦手だった。
ある日、太一は吉住をはじめアパートの住人たちが密かに外出するところを目撃して……


ストーリーの流れはおもしろかったのですが、どうしても主役二人に感情移入できず微妙な感じのまま読み終わってしまいました。

冒頭から太一は昔気質だけどあったかい祖父母に育てられたせいで困っている人を放っておけないっていう性格が提示されます。
それなのに住人を見る目がさりげなく上から目線だったり、妙にうがったものの考え方をするところが最初の性格と上手く一致しなくて。


吉住を意識しているのはわかるんですが、この前半の描写だけだとそこまで変人!って毛嫌いするほどでもないような。

だけどこの吉住氏の行動も結局なんだったのという気はする。
自作のポルノ小説を渡してみたりセクハラをしてみたり。
また何を考えているのかよくわからない無口&不思議キャラクターなのでなんとも。


途中で太一がアパートの住人の恋心を当人にばらしてしまいます。
特殊な状況ではありますが、二人とも男同士。
本人は見つめているだけでいいのと言っていたにもかかわらず、です。
上手くいったからいいようなものの一歩間違ったら大惨事だよなあと。
いくら正義感からの行動でもそれはやっちゃいけないような気がするの。

隣人には秘密がある(キャラ文庫)/秀香穂里
¥560
Amazon.co.jp

日記としてはお久しぶりな感じです。
さて、やっと2010年分の感想を書き終えました。
我ながら遅っ!!と驚くばかりですが(半年遅れ……)、ここ数ヶ月ひたすら一度読んだ本を読み返していたおかげでもうすぐ追いつける……といいのになくらいまで追いついて来ました。
残りの感想未記入本は40冊弱なのですが、3割くらいマンガなのでサクサク行けるはず。
(マンガの感想は読書メーターの方のみに書かせていただいてます)


そんな訳でさくっと2010年分のまとめをしたいと思います。


読んだ本:274冊(内再読:23冊)
一般:79冊 BL:172冊
一般再読:6冊 BL再読:17冊

2010年は(も?)たくさんBLを読みあさった一年でした。


詳細分類はこちら↓

ラノベ少女系:25冊 ラノベ少年系:15冊 BL:189冊
一般文芸:36冊 ミステリ:3冊 ホラー:3冊 児童文学:1
海外:2


今年の目標は部屋にある大量の本を読み返して、少し本を減らすことと、もう少し視野を広げて色々なジャンルの本を読むことにしようと思います。
あ、あと過去記事の倉庫の編集作業も同時進行していきたい。

やりたいことも読みたい本もいっぱいですが、好きでやっていることなのでがんばります。