2023年に映画館で観た映画ベスト6 | 映画の旅☆Everyday

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2023年に映画館で観た映画は72本で、その中からベスト6を発表します。



定義は、「この映画に出逢えて、または再会できて、本当に良かった!」と心の底から思える映画です!※何故ベスト6という中途半端な感じになってしまったのかというと、この定義に則って選出してみたら、思った程該当する映画が少なかったからです(笑)



では、行きましょう!



第一位

【母の秘密】


これは完全にやられました。演技も脚本も撮影も素晴らし過ぎました。事実、劇場では啜り泣きが聞こえてましたよ。私も大粒の涙が零れ落ちそうでした。


あらすじを簡潔に説明すると、「湯を沸かすほどの熱い愛」に近いです。


「湯を沸かすほどの熱い愛」は、娘に真実を伝えます。余命僅かな中、母親としての最期の使命を果たすべく、命を削って娘に真実を伝えようとする様に、多くの人が感動をしたと思います。私は母親の強さと優しさを、再確認する事が出来ました。


「母の秘密」は、なんと娘に真実を伝えないんです。娘のことを第一に考えて、真実を言うべきかと葛藤や苦悩して、結局は伝えない事に決めたものの、その哀しさと切なさが痛い程伝わって来ました。これも母親としての強さと優しさを感じました。


真実を伝えるのも愛であり、伝えないのも愛。これは時代や境遇、本人の性格や、当人同士の関係性によって、大きく異なります。「湯を沸かすほどの熱い愛」は現代が舞台だったのに対して、「母の秘密」は戦中と戦後が舞台です。


戦中の上海、戦後数年経過した日光と東京、三つの場所と、二つの時代を行き来しながら物語が進んでいきます。脚本も素晴らしいですよ。戦争は当人や身内の人が戦場に行っていなくても、関係は引き裂かれるという所を、説教臭くなく、説明臭くなく気付かせてくれるし、伏線の回収も上手いです。


「あの来客は、そこに繋がるのか!?」と、どうでも良いような何気ないシーンが伏線と気付かされた時、脚本のクオリティの高さを感じました。もちろん説明セリフなどなし。役者さんは表情と仕草と佇まいで、心のメッセージを伝えてくれています。


「湯を沸かすほどの熱い愛」と違い、あまり笑顔になれるシーンはありませんが、隠れた名作であると同時に、親子愛で泣きたい人には自信を持って紹介出来ます。



第二位

【ただいま、つなかん】


これも一人の女性の、強さと優しさと逞しさを感じました。ただの個性豊かな民宿の女将さんの半生を描いたドキュメンタリーかなと思いきや、とんでもない。すごい励まされて、心温まってしまいました。


しかしです。もう一度言いますが、私は確かに励みになったけれど、それは自分の悩みや迷いが小っぽけに思える程、強烈な不幸が女将さんに襲い掛かったからなんですね。ビックリしましたよ。急転直下過ぎて、私はショックを隠し切れずに、動揺しながら観ていました。


「こんなに誰からも愛されている女将さんに、何故こんなにも絶望が訪れるのか!いくらなんでも不公平過ぎないか!?」と、憤慨してしまいました。


でも、、、だからこそ映画になってしまうんですよね。。。人生に起伏がある方が、物語にしやすいんですよね。しかし底辺が続いてばっかりでも、映画として成立しない。やはりトコトン落ちて落ち切って、立ち上がって、前を向いて歩いているからこそ、映画として成り立つんです。


東日本大震災、最愛の人の突然の事故死、コロナ。


女将さんは本当に強い。みんなが笑顔になる。みんなから愛されている。だからこそどれだけ落ちても、周りの人たちがサポートしてくれる。人生はやり直せる。よく聞く陳腐な言葉ではあるけれど、本当にそう感じれた映画でした。



第三位

【クリード 過去の逆襲】

フレディマーキュリーの自伝映画である「ボヘミアンラプソディ」で私が大感動した所は、製作陣のQUEENへの敬意と愛情が、私のそれと一致して、共鳴できた所なんです。


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今回のクリードも全く同じ。長年のロッキーファンだったら、気付くと思います。所々に過去のシリーズ作品への、リスペクトを感じさせてくれるシーンがありました。


監督や脚本や製作陣の人達は、頼まれた仕事をやっているのではなくて、ロッキーシリーズが大好きだという所が、しっかりと伝わって来たんです。それだけでも嬉しい。私の「ロッキー」への敬意と愛情は、本物であると自信が付いたのだから。



第四位

【泥の河】



ラストシーンは切な過ぎる。少年たちの最後の別れに、いつかまた会えるという希望はあるのだろうか。仮に奇跡的に再会できたとしても、笑顔で対面出来るだろうか。


戦後10年の敗戦色が色濃く残る時代背景と、大阪の貧困街という地理を知らなくても、痛いほどそれを感じさせてくれると思います。決して笑顔になれる作品ではありませんが、映画としてのクオリティは高いです。もっともっと評価されて良いと思います。



第五位

【バックドラフト】


7月に午前十時の映画祭で鑑賞して、五ヶ月経っても未だにカートラッセルの演技が、記憶に残っています。


特に後半の子供に仕事に行くという口実で、別れを告げるシーン。これを書いている時でも、ダメな父親として苦悩しながらも、それを見せまいと笑顔を作っている表情が、しっかりと思い出されます。


脚本も素晴らしいです。挫折、衝突、和解、別れ、新たなる始まり。メインキャストみんなが、信念と情熱をぶつけ合っていて、感銘を受けざる得ませんでした。消防士の話だけではなく、火災保険や政治のスキャンダルまで絡ませて、ミステリアスな要素を含ませながら多方面に広げるも、最後はきっちり一つに纏めていました。


第六位

【君たちはどう生きるか】


はっきり言って、つまらなかったんですけど、懐かしさを感じる事が出来た所が、印象に残っているんです。しかし初めて観た人や、ジブリ作品に思い入れが少ない人は、これを感じる事が出来ないので、低評価になってしまうでしょうね。一つの映画として俯瞰したら、物足りないというのも理解できます。



今振り返っても良作だと思うけれど、あまり印象には残っていない作品たち。


【私はモーリーンカーニー】

【フラッグデイ】

【キリングオブチェネスチェンバレン】


もう一度じっくり見返してみたい作品たち。


【網走番外地】

【ラストエンペラー】

【離ればなれになっても】

【エクソシスト】

【パリテキサス】

【ローマの休日】

【アプローズ、アプローズ】




2024年も映画の旅は続きます。