昨日は青砥瑞人さんの脳神経科学レクチャー
「ハッピー原理を深く深める」を聴講。
青砥さんから学ぶ脳神経科学は
どのテーマも「自分の現実」に生かせるのが
すごく面白くて。
特に今回のテーマでもあった
「Well-being」についての脳的考察は
ピラティスの本質的な理解にも
とても役立っています。
というわけで今日は
ピラティスエクササイズというシステムは
Well-beingの育みに役立つんだよ
という話を書いてみようかと思います。
Well-beingとは
日本語の意味を調べると
「幸福」という言葉が
あてられていることが多いです。
じゃあ「Happy」とはどう違うの?
というと、脳的にみると
Happyは「反応(リアクション)」
Well-beingは「記憶(メモリー)」
well=「よい」
being=「状態」
Happyが記憶痕跡化された状態が
Well-being、となります。
私たちの脳には
フィルター⇒反応⇒記憶
というしくみがあります。
見たもの、聞いたこと、感じたことなど
そのすべての情報が取り込まれることはなく
どんなものを脳の中に取り入れるのかは
常に取捨選択されているんです。
(脳の中に入るのは1000分の1ともいわれます)
これが「フィルター」。
そして、脳内に取り込まれた情報に対し
「反応」し、情動が生まれたりします。
反応なので、それはとどまることなく
浮かんでは消え、また浮かんでは消えていく...
つまり一時的な変化でしかありません。
これが学習により「記憶」されていくと
神経細胞などの物質的な構造変化により
状態として記憶痕跡化します。
ピラティスのレッスンをしていると
「自分の認識」と「実際の身体の状態」が
ズレていたりすることがよくあります。
そんなとき、私はよく
「ピラティスが脳の誤認を書き換えてくれるんですよ」
とお客様に伝えたりします。
ピラティスが
「動きの再学習」のためのエクササイズ
と言われる理由はここにあるのですが
上に説明した
フィルター⇒反応⇒記憶
という脳の情報処理機能の
3つのしくみを知ると
なんとなくこれが理解できるかと。
身体的な
心地よさ・快適さ・スッキリ感などを
「反復学習」することによって
身体と脳にメモリー(記憶化)していくのに
ピラティスエクササイズというシステムが
とても役に立ちます。
さらにいうと
「反応」に気づくことと
それを再想起することが
「記憶」を強化していくのですが
反応に気づく(サリエンスネットワーク)のと
再想起する(セントラルエグゼクティブネットワーク)
のは別のしくみなんです。
長くなるので細かい説明は省きますが
ピラティス=コントロロジーというコンセプトが
まさにここを司っているといえます。
メモリー(記憶化)が強化されたものは
それが自分の「デフォルト」になります。
デフォルト=「標準の状態」「初期設定」
ピラティスによって得られた身体的な
心地よさ・快適さ・スッキリ感などを
意識的に「反復学習」することによって
それが自分の「標準値」になっていく。
心と身体はひとつですから
身体からのアプローチによっても
Well-beingを「デフォルト化」できる
といえます。
と同時に
Well-being脳が育まれると
「フィルター」や「反応」までもが
変化するんです。
だから
「ハッピーを感じるチカラ」
までもが強化され
Well-beingサイクル脳が
育まれていくんですよ!
これが
ピラティスエクササイズというシステムは
Well-beingの育みに役立つんだよ
という話の脳神経科学的な理由。
ジョセフ・ピラティスさんは著書の中で
コントロロジー(=ピラティス)の実践が
幸福を得る唯一の方法だというようなことを
書いていたりします。
近年の脳神経科学の発達が
ピラティスさんの唱えた
「コントロロジー」という哲学の本質を
科学的にも証明してくれているわけです。
今日書いた内容に興味のある方は
こちらの二冊をぜひ読んでみてくださいね!