意識しているかどうかにかかわらず、ごくふつうの生活をおくっていれば、
生活の中のあらゆる動きが自然な運動となって、よい影響を与えてくれる。
普通の生活につきものの機能的活動を行なっていれば、不自然なエクササイズなど
行なう必要はないのである。
―――ジョセフ・H・ピラティス「YOUR HEALTH」より
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「運動不足病」という言葉があります。- それは「運動をしないことによりもたらされる病気」であり、
- 機械文明の発達した現代社会では、必然的にもたらされるもの。
人間も「動物」=動く生き物です。
ですが知恵の発達している人間は、自分たちにできる仕事をも、
ほとんどを機械に肩代わりさせるようになりました。
「動物」としてもっている機能をどんどん使わなくなってるんですね。
私たちがカラダを動かすために働くのは筋肉(骨格筋)ですが、
現代社会は筋肉をほとんど使わなくてもすむような環境であり生活様式です。
でも、筋肉はただ「動く」ことだけがその役割ではないんですよ。
筋肉が活動すること(収縮や弛緩を繰り返すこと)は、直接的および間接的に、
循環や代謝および内分泌のバランスに影響しています。
血液を全身に送ったり、エネルギーを生み出したり、全身の機能を調節したり、
といった生命を維持するためのしくみにも関わっているということです。
もちろん、骨の構造や姿勢、各器官のポジショニングなどにも影響しています。
各器官が本来あるべき位置にあることは、その働きを適切に保つためにも重要なこと。
つまり、「動かない」という生活様式は、単に「動く」という外側の機能だけでなく、
カラダの内側の機能のバランスまで崩してしまう原因にもなってしまうということです。
「ふつうの行動がよくある不調をなおす」とピラティス氏が著書の中で語っているように、
もし自然界に生きる動物たちと同じように、自然にカラダを動かして生活していれば、
カラダのバランスは自然と保つことができるはずなわけで。
だけど、現代社会の中でそういう生き方を選ぶことは逆に“不自然”だったりする。
だからこそカラダが本来持ってる機能を使うようなエクササイズ(運動)を
意識的に生活の中に取り入れていく必要が出てきちゃったわけなんですね。
そういう意味でも子どもが自然にカラダを動かしたがるのをとめちゃいけない。
子ども時代の過ごし方が人生の土台になりますからね。
カラダを動かすことをやめさせちゃうと、やがて動けないカラダに育っちゃいます。
運動のスクールに通え、ってことじゃありません。
走り回ったり、高いところへ登ったり、飛び降りたり、という自然な遊び方を
やりたいようにやりたいだけさせてあげるだけでいいんじゃないかなって思います。
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