20日間のご無沙汰でした。
★コム・オンボ神殿の記事から、もうそんな経ってしまったとは。。
再びエジプト脳に切り替えるのがちょっと大変です。。
だけど、いよいよエジプト旅報告も終盤となって参りました。
あと少しお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
ここからは、「アブ・シンベル神殿」です。
アブシンベル神殿は、砂岩でできた一枚岩を削って作られた2つの神殿(大神殿と小神殿)からなっています。
建造主は、何度も登場している「俺様大好き」ラメセス2世です。
アブシンベル大神殿は太陽神ラーを、アブシンベル小神殿はハトホル女神を祭神としています。
長い年月、砂に埋もれていたのですが、1813年になってようやく発見されました。
↑この4人、ぜ〜んぶラメセス2世。
しかし、1960年頃になって、ナイル川にアスワン・ハイ・ダムが建設される事になり、アブシンベル神殿は水没の危機にさらされたのです。
神殿を救うため、ユネスコよって国際的な救済活動が始められ、近くに巨大なドームを造って神殿をそっくりそのまま60m上に移動するという大事業が行われました。
神殿の移転は世界中の協力で成し遂げられ、この大規模な移設工事がきっかけとなり、遺跡や自然を保護する世界遺産が創設されたのです。
ツタンカーメンの「黄金のマスク」も、この資金集めの為に海外に初めて持ち出されたのでした。
こうしてアブシンベル神殿は、現在、世界遺産の象徴的な遺跡となっているのです。
王妃ネフェルタリ⬇︎
ラメセス2世の巨像は高さ20mもあり、足元にはネフェルタリや子供達の像も刻まれています。
パピルスで縛られた捕虜たちのレリーフ⬇︎
移設にあたり、神殿は1000個に正確に分割され、ナイル川から210m離れた丘へと移築されたそうですが、どれほど大掛かりな引越しだったか、今の姿からは想像も出来ません。
人造湖のナセル湖⬇︎
入口の頭上のホルス像⬇︎
門番の方にバクシーン(チップ)を渡すと、アンクの鍵を持たせてくれます。
私たちが訪れた時は、神殿内部は撮影禁止でしたが、今年の2月1日からアブシンベル神殿内の写真撮影が可能となったみたいです。
8体のラメセス2世像⬇︎
朝日の奇跡⬇︎
アブシンベル大神殿では、年に2回神殿の奥の至聖所まで日の光が届き、神殿の奥の4体の像のうち、冥界神であるプタハを除いた3体を明るく照らすようになっている事でも有名です。
俗説では、ラメセス2世の生まれた日(2月22日)と、王に即位した日(10月22日)と言われて来ましたが、そもそも神殿が造られた当初と現代では太陽の射し込む方角が違っているし、移築でさらに日にズレが生じたとも考えられます。
なので、この神殿の仕掛けは、セド祭という30年祭のために設計されたのではないかとする学者もいます。
セド祭とは、王が即位してから30年目に、王の生命力を蘇らせるために執り行われていた儀式だそうです。
しかし、その特別な日、朝日が1番早く照らし出すのは、左右の神の像ではなく、ラメセス2世の像だったのです。
アブシンベル神殿は、ラメセス2世の神格化の為に建てられた所なので、この年に2回の特別な日は、ラメセス2世が両側に並ぶ神と同格になった日を表しているのだと分かりました。
皆んなに、自分は神だと示すことが出来る日!
ラメセス2世どの、あなたはすごいっ!!
こんな壮大なロマンある仕掛けを作るなんて!
ご自分に自信がない方は、是非ともこの神殿を訪れて欲しいです。
自分大好きラメセス2世の想いに、どっぷり触れたら、感化されるものがあるかも知れません。
内部はそれほど広くないので、すぐに観終わってしまうけど、素晴らしい神殿でした。
お次は、すぐそばの小神殿に行ってみましょう。
続く。。