昨日、「はだしのゲン」の作者である中沢啓治さんの訃報をお伝えしました。
私は実写版のドラマは見た事がありましたが、漫画の方は読んだ事がなかったのです。
ちょうど、オールドボーイさんがアニメ映画の「はだしのゲン」の動画をアップして下さっていたので、見てみました。
こちら: http://ameblo.jp/mother-teresa/entry-11434829487.html
実写版を見た時には、これが中沢さんの実体験とは知らずに見ていたと思います。
でも、アニメ映画の方を見た時、父や姉弟を亡くしたシーンでは涙が止まりませんでした。
こんな原爆投下の地獄のような世界を、実際に中沢少年は幼いながらも記憶にとどめていたのかと、人間は何て愚かで残酷な事をする生き物なんだろうと胸が苦しくなりました。
広島の方は何度もご覧になっているようですが、まだ漫画の方を知らない方は、是非是非、この機会にご覧になる事を切にお願いいたします。
戦争や核兵器をなくしたいという中沢啓治さんからのメッセージを、ひしひしと感じることと思います。
アメリカが経済崩壊の崖っぷちで、そろそろ戦争ビジネスをやるのではなかろうかと懸念のある中、それをサポートするかのように自民党が政権を握りました。
脱原発の流れが加速していたのに、それが全く表に出ず、明らかにおかしい選挙でした。
ムサシという企業の開票マシンによる不正選挙ではないかと噂されていますが、原子力村と関連のある企業で、自民党にも政治献金をしているとなると、もはや噂の域ではないと思われます。
自民党は、憲法を変え徴兵制度を作り、核兵器が作れる原発も推進して、いつでも戦争ができる体制に整えようとしています。
中沢啓治さんの死は、この流れに対する最期の身体を張っての警鐘なんだと受け止めました。
中沢さんは、この漫画を書くために生かされてきたんだと思います。
最初中沢さんは、自分が被爆者である事を周囲に明かさず、原爆に関する事も漫画に描くのは意識的に避けていました。
原爆と言う言葉から、すぐ凄まじい姿と死体が脳裏に浮かび、やり切れないほどの死臭をも思い出させたのです。
それに、被爆者と言うだけで放射能がうつるとの差別があって、原爆からは一切逃げていたのでした。
しかし、母の死が彼を変えました。
火葬場で母の骨を拾おうとしたら、小さな破片しかなく「放射能ってやつはお袋の大事な大事な骨まで取っていくのかと腹が立ち、これは黙っていられない。お袋の弔い合戦をしてやろうと言う気持ちになった。」そうです。
母の死が、彼に本来の使命を思い出させてくれたのです。
興味深いもので、封印していた使命をあるきっかけで解いたのは、広島・長崎で二重被爆をされた山口彊(つとむ)さんも、そしてジョー・オダネルさんも同じです。
二重被爆~語り部・山口彊さんの遺言
焼き場に立つ少年
爆心地で放射能に被曝しながらも、奇跡的に生存できている方々は戦争や核兵器を無くすためのお役目があるのだと思います。
肥田舜太郎氏には、まだまだ頑張って頂きたいと思っています。
2年前、肺がんの告知を受け手術し、入退院を繰り返しながらも、酸素マスク・車イス姿でも尚、子どもたちへ想いを伝え続けた中沢啓治さんの気持ちが痛いほど分かります。
「皆さん方も、どんなことを言われたって、戦争だけは反対しろよ。
もう僕らは嫌というほど戦争の恐ろしさ、核兵器の恐ろしさを味わってきた。
もう二度とこれは繰り返しちゃいかん!!」
未来を担う子どもたちへ、それは命をかけての彼のメッセージだったのです。
日本のみならず、世界中の人々に「はだしのゲン」を知ってもらいたいです。