突然の訃報 寺田啓佐さん | misaのブログ

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300年続く老舗の造り酒屋、寺田本家23代目当主である蔵元・寺田啓佐(けいすけ)さん(63歳)が、4月18日の朝ご逝去されたという突然の訃報にショックを受けております。

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私は、寺田さんとは昨年のちょうど今頃、映画「降りてゆく生き方」の2周年記念の東京上映会の時にお会いしました。

寺田さんは、この映画のモデルのおひとりなんです。

降りてゆくって何から?という方は、こちらの動画をご覧頂き、是非「降りてゆく生き方」の上映会を探して観ていただきたいです。

私は2回観ましたが、素晴らしい映画なのです。



寺田さんは、とても為になるお話をたくさんして下さる方でした。

儲けよう成功してやろうと考えてお酒を作っている時は、全く上手く行かず、ついには自分の直腸までも腐らせてしまった寺田さん。

その事から、それまで自然の摂理に逆らった生き方をしていた事に気づき、小さな微生物のように無理をせず、楽しく心地よい生き方をしていけばいいんだと分かったそうです。

発酵していれば腐らないという大事なことを、寺田さんは私たちに教えてくれました。

発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方/寺田 啓佐



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トータルヘルスデザインさんが行った寺田さんへのインタビューから抜粋します。

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寺田氏「発酵というのは、腐らないだけではなくて、楽しいことにスポットライトを当てて幸運をもたらしてくれる、そんな所があります。

微生物は自然に沿って生きているので、人間のように頭で考えて無理に頑張ることもありません。

目の前に壁があれば、それを乗り越えようとするのではなく、壁を避けながら心地よい方向に進んでいくんですね。

放射能汚染についてもすごく騒がれていますが、先日被災地に行って発酵液を15トンくらい散布したら、大気中の放射能の値が抑えられる事が分かりました。

まだ、一般には認められていませんが、放射性物質に汚染されたお米や肥料なども発酵すると数値が下がるようです。

古来日本人が生活の中に取り入れて来た発酵の知恵を活かすことが、これから私たちが楽しく暮らしていく上での大きなテーマになるのではないかと思います。

うちの蔵の近くに土を全く耕さない不耕起栽培でお米を作っている農家があるのですが、他の農家が同じように育ててもうまくいかないのに、そこだけは何故かうまくいっているんですね。

何が違うかというと、そこの農家の方は《いいお米に育って、食べてくれる人が健康になりますように》と、いつもお米に話しかけているそうです。

それと同じような事がお酒づくりの現場においても起こります。

3人の蔵人が同じ蔵で同じ時期に仕込んだものでも、全く違うお酒になるように、かかわる人の意識によって出来るものが変わってくるのです。

これからは、いろんな意味でごまかしが通用しない時代に入っていくと思います。

たとえいいものを作ったとしても、それをどう伝えるか、という事がとても大きい。

どれだけ多くの人と思いを共有していけるのかというのが私たちにとっても大切なテーマだと感じています。

そして、下手に頭で考えるのではなく、宇宙の意識に沿って神様が望んでいる方向に進む事ができれば、自然はそれに応えてくれるはずです。

みんな違ってみんないいって誰かが言っていましたけれども、あれは真理だと思いますね。

発酵もいろんな微生物がいる事によって、調和が取れている。

人生そのものもそうだと思います。」

<以上>

寺田さん、お疲れ様でした。

あなたには、まだまだこれからもたくさんお話を聞かせて頂きたかったです。

ご冥福をお祈りいたします。