そもそも原発は本当に経済的なのか? | misaのブログ

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3月29日に放映された「モーニングバード・そもそも総研たまペディア」からまとめました。

【国民がこれまで原発を受け入れてきた理由】

①過酷な事故は起きない
②安い

この二つが間違いであったなら、原発はいらないという事になる。

富士通総研 高橋洋氏に聞く。

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「これまで原発というのは、発電コストが低いからやるんだと、日本は資源を持っていないんだから安く発電できるのは大事だよね、という理由からだった。

ところが、今回3.11の後に色々な検証がなされて、実は全然安くないという事が日本でも明らかになった。

アメリカが「脱原発」と言っていないのに、どうして原発が増えないかと言ったら、経済性だ。

コストが合わないのだ。

原発を作って運転する、うまく行けばものすごく安くなるかも知れないが、うまく行かないケースの方が多い。

日本でも原発はよく止まっている。一度止まると全然もうからない。

ましてや今回のようなとんでもない事故を引き起こすと、日本最大の電力会社がつぶれるようなリスクを抱えている。

だから、純粋にビジネスベースで考えると、とても普通の民間企業がとれるリスクじゃないというのが世界の常識的な考え方。

得しない事はやらない方がいい、というのが私が考える一番大きな理由。」

立命館大学 大島堅一教授に聞いた。

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「経済性を高めれば高めるほど、安全は軽視され安くなるわけだが、逆に安全性を高めれば高めるほど経済性は悪くなる傾向にある。

これから福島の原発事故をふまえれば、安全性は高めるわけだから経済性がなくなるのは自明の理。

例えば、過酷事故対策で様々な付帯設備を付けたり、堤防を作ったりする。

それ自体は原発のコストになる。1000億円仮にかかったとしたら、その分建設費として原発コストになる。

そういう意味で、原発はもう経済性はないと思う。」

再稼働したとしても、これからはお金をかけないと動かせない事になる。

これまでの原子力の5.9円という値がそもそも間違っていたのだが、事故後の試算では8.9円にされた。

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損害額も6兆円で済むわけはなく、48兆円ほどかかるのではないかという試算もある。

そうすると原子力コストは13.1円にまで上がる。

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これ以外に原発は、自動車で言う自賠責のような保険をかけているが、賠償金として下りる金額は政府・民間とも上限は1200億円となっており、とても足りるものではない。

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だが、任意保険をかけるのは、とても無理のようだ。

大島堅一教授「ドイツ・ライプチヒの保険研究所が出した報告書があるが、最低限、最悪の原発事故が起きて、600とか700兆円くらいの被害がもし仮に出たとしたら、どれくらいの保険料になるかという計算をしたものだ。

1基だけでカバーするとなると、kwhあたり約1000円となった。

事業費の何倍も保険料がかかるなんて事業はあり得ないので、普通、保険は成り立たない。」

ドイツでは1基しかないという想定で計算してあるので、これを54基ある我が国に置き換えると保険料は約20円になる。

そうすると石油の22.1円よりも高くなってしまい、とても経済的とは言えない。

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さらに、政府にかけている自賠責のような保険は事故を受けて、4月から7倍に保険料が上がるそうだ。

1事業所あたり年間 3600万円だったものが、2億4000万円になる。

つまり、これもこれからの原発コストに組み込まれる事になると思われる。

高橋洋氏「去年6月にドイツに行って印象的だったのは、原子力の事をブリッジングテクノロジーと呼んでいた事。

つまり、過渡的なテクノロジーであると。

では、未来は何かと言うと、再生可能エネルギーだという。

本来、再生可能エネルギーの時代がもっと早く来てくれれば、原子力はいらなかったと。

化石燃料の時代と、再生可能エネルギーの時代の間がちょっと開いてしまったので、その間の架け橋として原子力を使わざるを得なかったんだと。

しかし、技術革新の結果、再生可能エネルギーがペイするようになってきたので、ドイツはもう原発を止めて、とっとと世界最先端の再生可能エネルギーの国になろうというのがドイツの国家戦略となった。

毎日毎日、太陽の光が降り風が吹くわけで、地球が崩壊しない限り永遠に存在する自国のエネルギー源であって、しかも、高騰しない。タダだから。

石油はどんどん値上がりするし、原発もウランが上がるかも知れないし、安全基準がきつくなってどんどん上がっていく事が考えられる。

でも、再生可能エネルギーは燃料費はゼロ!ずっとゼロ!高騰しない。輸入する必要もない。

エネルギー安全保障上、こんな理想的な電源はない。

それにプラスして、経済性・産業の方の話になるが、今、世界で再生可能エネルギーでやっている国はあまりないので、産業的にもどんどんやっていくと。

単に太陽光パネルとか風力発電のタービンだけではなくて、電力システム全体を再生可能エネルギーに適合するような仕組みに替えないといけないと、そういうチャレンジを今ドイツはやっている。

全く違う電力システムになると思った方がいい。それもひとつの産業になる。」

原発の安全神話は崩れた。そして原発コストも非常に高い。

そうなると、我々が原発を受け入れる理由はない事になる。

それでも原発を続けたいという人の論理は、エネルギー安全保障だと必ず言う。

つまり、石油がどんどんなくなっていく中で、原子力をやっていかないとエネルギーが足りなくなるのではないかという不安があると。

しかし、ウランは石油よりももっと少ない資源である事を忘れてはならない。それさえも日本は買っている状態だ。

それに比べ、再生可能エネルギーは純国産である。

これを増やす事は、エネルギー安全保障上、こんなに理想的なものはない。

意外な事だが、エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合が最も高い国はスペインよりも中国だと言う。

それは、発展途上国でお金がないため原発が建てられなかったからだ。

原発がなければ工夫してやっていけばいいのだ。

日本は、技術力ではどこにも負けない国である。再生可能エネルギーの技術を、こうした発展途上国に輸出する事もこれからは可能となる。

<まとめ終わり>

ドイツに出来て日本が出来ないわけはありません。

これから日本は、再生可能エネルギーにおける世界のスタンダードを目指していくべきでしょう。

今、方向転換しなくていつするのでしょう。

原発は、化石燃料と再生可能エネルギーとの間のいっ時のつなぎだったのです。

もう、お役目は終わりました。お疲れ様でした。お世話になり、ありがとうございました。

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