原発をこれからもやって行こうとする人々は、核のゴミを一体どうするつもりなのか、私はいつも疑問に思わずにはいられません。
11日の「報道ステーションSUNDAY」で、核の最終処分についてを取材していました。
だいぶ長くなりますが、非常に重要な問題ですので、番組を見た方もそうでない方も、最後までお読み頂きたいと願います。
新潟県柏崎刈羽原発
このドラム缶には、低レベル放射性廃棄物(原発の金属部品 防護服 紙など)が入っている。
青森県六カ所村
ここは、原発から出る使用済み核燃料を再処理し、核燃料サイクルの要となっている施設だ。
敷地内はまるで軍事施設のように厳しい警備体制が敷かれ、カメラもNGの場所がある。
使用済み燃料受け入れ貯蔵施設の様子。
四角い貯蔵ラックが見える。
福井県敦賀 高速増殖炉 もんじゅ
若狭湾に面し、14基もの原発が並ぶ通称「原発銀座」の一角にそれはある。
発電しながら、同時に燃料も生む夢の原子炉 もんじゅ。
文殊菩薩から取ったその名前には、人と科学の調和が託されていた。
総事業費 約1兆円をかけたのにもかかわらず、1995年にナトリウム漏れ事故を起こし250日しか稼働していない。現在も止まったまま。
2010年にも燃料交換装置の落下事故を起こしている。
原発先進国のアメリカでさえ、高速増殖炉の研究、開発を中止し、フランスも慎重な姿勢を取り高速増殖炉スーパーフェニックスを閉鎖している。
なぜ、日本はもんじゅをあきらめないのか?
このまま核燃料サイクルの理想を追い求めれば、総事業費は19兆円にまで膨れあがるという。
継続か撤退か、そろそろ決断を下す時が来ているのかも知れない。
核燃料サイクルには、もうひとつの弱点がある。
それは、再処理工場から出る核のゴミだ。
六カ所村の再処理工場には、全国の原発から使用済み核燃料が集められている。
先ほどの貯蔵プールは、もう満杯状態になっている。
再処理を急げない理由は、技術力の不足にあった。プルトニウムから出る極めて高い放射能を帯びた廃液を処理する技術がないのだ。
それで、ガラス固化加工をイギリスなどの海外に委託している現状だ。
そして再び日本に戻された核のゴミは、六カ所村の貯蔵施設でとりあえず保管されている。
この施設で30年~50年かけて、放射能の減衰を待つという。その後、核のゴミを最終処分場に搬出する計画だそうだ。
ところが、日本には核のゴミの最終処分場がまだ存在しないのだ。
たとえ、核燃料サイクルが成功したとしても、永遠に核のゴミは生まれ続ける。
この問題を考えて、岐阜県の山奥に研究施設が作られた。2002年の事だ。
岐阜県瑞浪 超深地層研究所
この研究施設では、地下1000mの深みを目指して巨大な穴が掘り続けられていた。
汚染の可能性や地下水の流れ、地層の性質など目下、様々なデータが集められている。
しかし、地中に埋められた核のゴミが安全と言える状態になるのに、どれだけの時間が必要なのだろう。
もともと掘って来たウランと同じぐらいの放射能レベルになるのに数万年かかるようなので、10万年くらいの期間、安全評価をしないといけないと言う。
小出裕章氏
「原発でウランを燃やすと放射能の毒性は約1億倍高まる。
地下に約100万年閉じ込めておけば、もともとのウランの毒性までは減っていくだろうと言う事だが、そんな議論をする事自体が科学のなすべき事ではない。
元々やってはいけない事だった。」
100万年、それは私たちの祖先が地球に誕生し、今日に至るまでの途方もない時の流れだ。
築き上げた文明が今、問い直されている。
100万年後、人類が生き残っているかどうかが試されている。。。
動画はこちらです。24分
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