11月10日から、東京銀座で藤城清治さんの『光のシンフォニー展』が始まりました。
http://jp.yamaha.com/events/fujishiro/
最近の藤城さんは、震災復興への強い思いを込めた作品が多くなっているそうで、東京近辺にお住まいの方は、それが見られるチャンスです。是非とも足を運んでいただきたいと思いました。(収益の一部は震災復興のための寄付になるそうです)
昨日のモーニングバードでも紹介されていました。
カミソリの刃を直接にぎり、キャラクターの気持ちになって紙をくりぬいていくそうです。
多い時には、一日200枚のカミソリを消耗する藤城さんの指はこんなです。
「仕事や絵を描くという感覚で影絵を作っているのではなくて、自分が生きている、呼吸している感覚。
呼吸をやめたら死んじゃうわけで、それと同じ。」と語る藤城さんにとって「影絵は人生そのもの」のようです。
そして今、藤城さんはその影絵で、被災地で懸命に生きている人々へメッセージを発信し始めたのです。
藤城さんは、8月に宮城県の被災地を訪れ、目に入る景色をスケッチしていました。これまで自然の美しさを描いてきましたが、そこで目の当たりにしたのはその自然の脅威でした。
「曲がった鉄骨とか、崩れた建物とかコンクリートのかけらとか、あらゆる人の色んな思いが含まれているものがガレキになってあって、それを僕が描いているわけだから、描いていても熱が入ってくるというかね、自分でも何かひきつけられるものがありますね。」
こうして復興への思いを込めた影絵が完成しました。
左はしに、いつものコビトさんがいます。
8月11日に行われた、復興への祈りを込めた花火大会。藤城さんは、この鎮魂の思いも影絵にしてくれました。
注意してご覧になってください。上の方にフェニックスがいます。
藤城さんの東北復興への思いが、花火の中から飛び立つ不死鳥・フェニックスの姿に込められているのです。
「生きかえれフェニックス」というタイトルには涙が出ます。
自然の脅威を感じ、震災という重いテーマでありながら、どこか私たちを暖かな気持ちにさせてくれる藤城さんの影絵。それはまさに、光と影。
普通の絵なら、違和感を覚える重機と妖精・千羽鶴たち。しかし、藤城さんの手にかかると不思議に調和した風景になるのです。
藤城さんはこう語ります。「ただ悲惨なものを単なるリアルに描いただけではしょうがないと思うんですよね。
その絵を見ることによって、人間の力を発揮したくなるとか勇気が出てくるとか、そういうものを感じさせてくれるような作品にしなければね。」
「いろんなことがあっても希望は必ずある。試練があれば、それをいっそう越えるような希望が生まれる。」
「生きている間は現役でやりたい。呼吸している限りは描き続けたいという気持ちでやっているんです。」
そう語る87歳の藤城さん、睡眠時間は平均3時間だそうです。
このパワーは、一体どこから湧いてくるのでしょう。
藤城さんは被災地に行かれ、瓦礫の中から草花が生えてきているのを見て「人間も乗り越えられるはずだ。それが地球に生まれて来た人間の使命だ。」と、そういう応援の意味を込めて作品を作っているそうです。
87歳の藤城さんのいきいきとした姿と、愛情あふれる影絵を見ていると、何だか自然と元気になってくる気がします。
いつまでもお元気で、これからもたくさんのステキな作品を私たちに見せて下さいね。
藤城さんも影絵も、ホントに大・大・大好きです
「光のシンフォニー展」は12月11日(日)まで、ヤマハ銀座スタジオで開かれています。
http://jp.yamaha.com/events/fujishiro/