5月12日 メルトダウンだが最悪シナリオ回避 小出裕章氏 | misaのブログ

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東京電力も、ついに1号機のメルトダウンを認めました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110512-00001114-yom-sci

それについての小出裕章氏のインタビューです。

http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/05/12/tanemaki-may12/



MC:福島第一原発1号機に関して東電は、意図的に水をどんどん入れて、水棺という方法で冷却して行こうというのを目指していた。

この案に、小出先生は当初から否定的だった。

この案がどうやら非常に難しくなって来たのではないかと東電も認める事になった。

小出氏:圧力容器が壊れているというのは、ずっと前から東京電力も言っていたから、水が溜まらないというのは当たり前。

でもこれまでは、燃料棒の頭からマイナス1.7mとずっと東京電力が言って来た。
直径1cm長さ4mという細長い物干し竿だが、それが縦にずっと林のように並んでいる。

それが上の方から1m70cm分は水が無いと言っていたのが、これまでの東京電力の言い分だった。

下の方2m分位はまだ水があると。

私は、その東京電力のデータというのを信用して、それならば、圧力容器に確かに穴は開いているけれども、原子炉の底ではないと思って来た。  

底で水が抜けているのではなくて、胴体部分で穴が開いている、つまり再循環系の配管が破れているというのが、私の推定だった。

所が今日の東京電力の発表は、もうそんなんじゃない、と。

原子炉圧力容器の中には何の水も無いと、そういう発表になってしまった。

燃料棒は完全に干上がっていると、東京電力が、今日言った。

完全に干上がってしまっていると言うのであれば、炉心を冷やす事が出来ないので、もう炉心は完全に崩壊して溶けて、圧力容器の底に落ちていると思う。

圧力容器の中に水が全く溜まらないという事は、要するに底に穴が開いているという事。

底に穴が開いているなら、溶けた燃料はもちろんその穴から溶けだしてしまう。

その燃料は、格納容器の底に流れ落ちてしまっていると、私は思う。

格納容器というのは、放射能を閉じ込める最後の防壁な訳だが、圧力容器に比べれば遥かに薄くて構造的には弱いものだ。

圧力容器は、厚さが16cmもある鋼鉄の鍋だが、格納容器は、厚さが3cm位しかない。

だから、そこに溶けた燃料が落下してしまえば、その格納容器の鋼鉄製の板も溶けてしまう可能性が強い。

ウランの燃料ペレットは、約2800℃にならないと溶けないものなので、それが流れ落ちて来ている訳だから、(鋼鉄は、1400℃~1500℃で溶ける)冷やす事が出来なければ、穴が開いてしまう。

MC:東電の発表では、内側の圧力容器の中に、容器の1割程度以下だが水がちょっとは溜まっていて、その水で何とか圧力容器の底に溶け落ちた燃料を冷やしているのではないか、と。

小出氏:私は科学というものに携わっているので、そういう人間にとって何が一番大切かと言うと、正確なデータ。

原子炉の中にどれだけの水がある、あるいは圧力や温度がどれだけになっている、という事が一番大切だし、それが間違えているという事であれば、どんな推測をしても意味がない。

私はこれまでも東京電力が公表するデータに基づいて、様々な推測を皆さんにお伝えして来た。

ある時、東京電力が塩素38というのを見つけたという発表をしたので、それなら再臨界という現象を疑う以外にはない、と私は言ったが、しばらくしたら、東京電力が塩素38を検出したのは間違いだと言い出す。

もともとのデータが間違えているなら、どんな推測も意味がない。

だから、どんな推測をしてももう意味がない、と私は思ってしまう。

MC:今回水位が解ったのは、建屋の中に作業員の方が入れるようになって、水位を計測できたようだ。

小出氏:今言われているものだって、本当に信頼出来るデータなのかどうかという事が、私にはもう解らなくなった。

落合氏:今日の夕刊で各紙とも今回の1号機に関しては記事にしているのだが、各紙とも見出しが違っている。

毎日と産経は「溶融」、読売と日経は「崩落」、朝日は「形とどめず」。

小出氏:東京電力が言ったように、燃料棒がある所が完全に露出しているのであれば、溶けて圧力容器の底に落ちたたと言う事。

MC:メルトダウン。

小出氏:しています。それはもう確実。

私は、メルトダウンをした時に、圧力容器の底にもし水が残っている状態であれば水蒸気爆発をすると思っていて、それが私の最悪シナリオだった。

でももう既に、炉心はメルトダウンをしていても、水蒸気爆発は起きていないから良かったと思う。

圧力容器の中に全く水が無いという事は、圧力容器の底に穴が開いていると考える以外にない。

底に穴が開いていると言うならば、炉心から溶け落ちた燃料は、その穴を通してまた落ちる。

格納容器は、東京電力の方策によれば、水棺をしようとした訳だが、私はそれは出来ないと言って来た。

格納容器に損傷があるので、水を溜めたくても溜まらない、と私は言って来たのだが、どうもそれも本当らしい。

だが、格納容器の底の部分には、たぶんまだ水は溜まっているいると私は思う。

つまり、圧力容器から溶け落ちて来たウランの燃料は、格納容器の中でまだ水によって冷やされているという状態だと思う。

MC:ずっと水で冷やし続ければ、爆発は起こらないのか。

小出氏:格納容器の底が抜けない限りは、大丈夫だろうと思う。

底が溶ける可能性はある。

溶けるかどうかは、温度で決まるが、温度というのは、発熱と除熱のバランスで決まる。

だから、水をキチッと入れていられる限りは大丈夫だろうと私は思うが、水を入れるのに支障が出て、格納容器内の水が少なくなる、そして溶けた燃料が露出するという事になれば、格納容器も穴が開くと思う。

MC:東電は、毎時8トン程入れている注水の量を増加させる検討を始めたそうだ。

小出氏:水を入れた所で格納容器から結局漏れてしまっている。

もう確か1万数千トンの水を入れたはずだが、格納容器全体は確か4000トンか6000トン位の水しか入らないはずで、既にほとんど溢れてしまっている。

水量を多くした所で、もう溜まらないのだから、水量を多くする事に意味はない。

<転載ここまで>



木下黄太氏の記事より http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/690fa101ec86b0db439bf633856fc6cc

《メルトダウンしていた1号機は「想定外」の東電。さらに心配が強い3号機の現状。危機深まる》

今日、はっきりしたことは、東京電力が従来から話していた危機認識はまったく形を成していなくて、最低限このくらいは考えているのだろうということさえ、全く考えていなかったと言う事。

1号機が危機にあるのではないのかという認識は何回も伝えているし、実際、核燃料は溶けているのではないのかという指摘はずいぶん前から専門家に聞いていたが、彼らはずっと損傷が70パーセントといい、次は55パーセントと言い、核燃料はある程度水に浸かっている、データはマイナス1700ミリはあるといい続けていた。

これを一応信用する立ち位置で小出先生などは「配管の損傷」などに言及されていた。

そもそも、もともとのデータが違っていたと言うか、はっきりいって全くデタラメの話を真実であるかのごとく東京電力が言い続けていた事がはっきりした。

だから、今、東京電力が話している内容をどこまで信じられるのかと言うジレンマにある。

今日の展開で、「1号機のこと、もう東電はどうしようもない。」と親しい記者からもあきれかえった声で電話で言われた。

このように、あきれかえって、嫌になる感覚が蔓延している。

こういうことは「慣れ」になりはじめている。

この「慣れ」が危ない。本当の危機はこれから。

危機が起こる手前でこういう「慣れ」が蔓延すると、緊急時に対応が遅れるからだ。

小出先生とも話したが、炉心が溶け落ちているわけだから、本来何が起きてもおかしくなかったんだが、うまいぐあいに格納容器の底に水がたまっているようだ。

水蒸気爆発が起きずに、とりあえず落ち着いているなら、最悪の事態は1号機に関しては当面避けられるのではないか。たまたまだが。

工程表はそのとおりに進む可能性はどんどん低くなったと言う事。

1号機は「想定外」のメルトダウンが確定し、この想定外の事態の中で、懸念は続く。

今の東電の説明を完全に信じられない気持ちも含め、1号機の危機も去っていない。

そして、3号機の懸念は継続している。

とにかく温度変化が激しい部位があることなど、圧力容器の中で「想定外」の事態が起きていることを、今まで以上にチェックを続ける必要がある。

1号機のことが「メルトダウン」と言う言葉まで出てくる状況だとすれば、さらに深刻な3号機で一体何が起きるのか。

「メルトスルー」という破局もおきうるということを、強い危機意識を、あらためて思って欲しい。

政府や東電がみんなの安全を守ってはくれるわけではない事を強く認識して欲しい。

<まとめ終わり>



福島第一原発が危ない状況にある事を、どれくらいの国民が関心を持って見守っているでしょうか。

なかなか収束しない現時点での放射能の量は、既にチェルノブイリを上回っていると思います。

日本はおろか、全世界が汚染され続けています。

第二・第三の事故が巨大地震によって引き起こされてからでは遅いのです。

日本だけの事では済まない原発を、早く廃炉にしなければと痛感しています。