今年の6月でスウェーデンに移住して丸5年となります。
そんな最初の節目を迎えるにあたって、『今だから話せる移住当初の私』を綴りたいと思います。
このブログでは時たま自分の辛い気持ちを綴ったり、スウェーデンの愚痴を言ったりしていましたが、
それでも今までブログに書けなかったこと、書かなかったこと、沢山あります。
なぜか。
それは、私自身本当にひどい精神状態だったからです
もう周りに言えないほど…言ったら引かれてしまうんではないかってほどに…
しかし5年という長いようで短い歳月の中で、色々とあり、気持ちの変化も出てきて、
そんなひどい状態から徐々に気持ちが前向きになってきているのが自分でもわかります。
あの頃には戻りたくないけれど、あの頃がなければ今の私はいないのだな、
とようやく思えるようになりました。
そんな(自分にとっては)地獄だった日々をこの節目を機に記録に残しておこうかな、と思ったのと、
今海外暮らしで悩んでいる方々に、
「あ、私よりひどい奴いるわ。」
な~んて、ちょっとでも元気を分けられたら…なんて思います
過去のブログにも書いた内容も出てくると思います。
また、ちょっと暗い話にもなるかもしれませんが、興味のある方は良ければお読みください。
(なるべく暗すぎないようにはするつもりです)
ちなみに移住当初の私、と書きましたが、
その前に移住前のことも綴っていこうと思います。
今日の話は移住前の私です。
話がちょっと長くなります。
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私がはじめてスウェーデンを訪れたのは、2011年4月のことだった。
オーストラリアで出会い、約半年ほど遠距離をしていた私達であったが、
遠距離のストレスで喧嘩も絶えず、一時期距離を置いていたことがあった。
そんな状態の中で、ボーから
「別れよう。ろびまろのことは好きだけど、もうこの状況に耐えられない。」
とメールで(←ここ、有り得ないせめて電話しろよ)別れを告げられた。
当初の再会予定は6月だった。
その再会目指して、バイトも頑張っていた。
それが、一通のメールで終わってしまうのか…。
距離は置いていたけど、私もまだボーが好きだ。
とにかく一回会って話し合おう、とそっちに会いに行きたい旨を伝えた。
「ろびまろが来ても、僕の気持ちは変わらないかもよ。」
と言われたのだが、
「いいよ。迷惑なら行かないけど、迷惑じゃなければそれでも行くよ。
それでダメだったら私も諦められるから。」
と伝えると、
「迷惑じゃないよ、来てくれるのは嬉しい。」
と言ってくれたので、急遽4月にスウェーデンへ行くことになった。
スウェーデンに着いて、ボーと会えた喜びをかみしめると共に、
スウェーデンでの生活に、なんとも言えない違和感というか、居心地の悪さを感じたのを覚えている。
オーストラリア生活では感じなかったことだ。
当初ボーは友人とアパートをシェアしていて、
私もそのアパートに泊まらせてもらっていたので、
見ず知らずの人と過ごすという気づかれがそうさせているのかな、と思う程度だった。
が、その違和感の原因を徐々に理解するようになる。
その話はまた今度することにして…。
さて、1カ月ほど滞在予定だったスウェーデン。
1週間ちょっとして、ボーがこんなことを言ってきた。
(当時の私↓、髪が長かった)
正直、面倒臭い…
人見知りな私は、こういう場が苦手だ。
今まで彼氏の友達や友達カップルと会って飲み会、ダブルデート、とかもやったことはない。
でも、海外はパーティー文化って聞くし、
向こうが会いたいと言ってくれてるのに断るのは失礼だし、
何よりも、
「僕もろびまろを友人に会わせたい!」
と言ってくれたボーを見て、私も嬉しかったこともあり、
「ありがとう。」
とパーティーの提案を引き受けた。
「でも私も人見知りだからサポートお願いね」
と伝えると、
「OK!まかせて!」
とボー。
オーストラリアでも初めましての人と沢山会ってきたんだし、
うん、大丈夫よね!!
と私は自分に言い聞かせ、勇気づけた。
そしてパーティー当日。
その日は朝からパーティー用のご飯やデザートを作った。
何を作ったかはもう覚えていないけど、
寿司を作ったことだけは覚えている。
パーティー開始時刻は17時だっただろうか…。
続々とくる友人達。
友人達はほぼカップル同伴でやってきていた。
「Trevligt att träffas!(はじめまして!)
Jag heter Robimaro.(ろびまろです)
Jag kommer från Japan.(日本から来ました)」
と、事前にボーから教えてもらっていた簡単なスウェーデン語の挨拶を交わし、
その後英語で軽~く会話をした。
最初は皆英語で話しかけてくれていたのだが、
それも長くは続かず、そして盛り上がるわけでもなく…。
ちょっとするとすぐにスウェーデン語での会話となった。
そうなるともう何を言っているのか、わけワカメ(ふるっ)。
ここで意見を言える人は、
「ちょっとちょっと~、イングリッシュぷり~ず!」
なんて言えるんだろうけど、
私には怖くてそんなこと言えなかった。
気を使い過ぎてしまう素の性格もあり、
雰囲気を壊してはダメだ、ボーの友人に不快な想いをさせてはいけない、
という気持ちのほうが強くでて、
ただひたすら笑顔で過ごした。
しかしそれもずっとだとキツイ。
2時間くらいは頑張ったか…。
ちょっと休憩しようと、居間の隅っこにあった椅子に腰をかけ休んだ。
近くにいたボーは友人に呼ばれ、いつの間にか隣のキッチンルームへと移動していた。
パーティーの主催者なのでずっと私といるわけにもいかない。
しょうがない。
しかし彼はその後、一度も私のところへ様子を見にくることはなかった。
話しかけてくる人もいなければ、スウェーデン語の中に英語で話しかける勇気もなく。
皆、顔見知り同士。
私だけがよそ者…。
ひとりぽつーんと、隅っこに座っていた。
ねぇ、これって本当に私の歓迎会なの?
皆私に会いたかったって本当?
誰も私に興味がないじゃん。
私の歓迎会なのに、私、透明人間なんですけど…。
今思えばただの社交辞令をボーは真に受け、そして私も真に受けただけだったんだと思う。
そんな中、
一人の友人が急に私に話しかけてきた。
「ろびまろ~、こっちに来たら~?」
と。
そんな急な申し出に私は、
友人のせっかくの好意を断った…
この時の私は、そこに一人立ち向かうのが怖かった(今も怖いけど)。
例えるなら、ライオン(スウェーデン人)の群れの中にシマウマ(私)が突入する、といったイメージか。
ボーがいれば行けただろうが、一人では無理だった。
だって、私一人が行ったところで盛り上がるわけでもないし、気を遣われて気を遣って終わりだし…。
でも、失礼なことをしてしまったという自覚はあった。
私は自己嫌悪に陥り、そしてちょっと気をゆるめばすぐに泣きだしてしまいそうなほどであった。
ボーに助けてほしいのに、ボーは全くこっちの様子を見に来ることはなかった。
ボーのところに行けば良かったのだが、それもまたボーの友人に気を遣わせてしまうかも、と思うと行けなかった。
あぁ、居づらい。
我慢の限界に達した私は、21時ごろ、ベッドルームへ向かった。
パーティー開始から4時間、頑張った。
とりあえず、一人になって横になりたい。
私は倒れるようにベッドに寝転んだ。
もし移住したら、こんな生活が待ってるのかな…。
そう思うと不安になり、そして涙が出てきた。
ところが、ベッドルームに続々と人が入ってくるではないか。
ボーの部屋には二つドアがあって、ひとつは居間に、ひとつは廊下に繋がっている。
廊下にでるとすぐ右側にトイレがあるのだが、そのトイレへ行く通り道として皆部屋に入ってくるのである。
勿論ボーの部屋を通らずとも、居間から廊下へ行ってトイレに行く方法もあるが、
居間にいる者は、ボーの部屋からの方が近道のため、ここを普通に通っていくのだ。
これは、落ち着かない…
泣くこともできない。
しかも歓迎会の主役が、こんなところで寝てやがるよ、なんて思われてしまう!!(実際そう思うスウェーデン人はあんまりいないけど)、
と思った私は、人の目につかない場所を探した。
そして見つけたのが、机と壁の隙間。
ここで体育座りをして、人がくるたびに息をひそめていた。
もう辛い、日本に帰りたい。
そう思いながら、私はただひたすら声を殺して泣いていた。
ボーは相変わらず友人と楽しんでいる。
全くこっちの様子を見に来ることはない。
これってもう私の歓迎会じゃないじゃん。
ボーちゃんが楽しむ為のパーティーじゃん。
時刻は0時過ぎ。
ほとんどの時間をほっとかれていた私は、悲しさと怒りと共にボーにメールをした。
「私の事、忘れてるでしょ?」
そのメールを送ってしばらくして、音楽が鳴りやみ、そして友人達が帰っていった。
0時半、ようやくボーは寝室にきて、
「ろびまろちゃん、大丈夫?」
と言ってきた。
おせぇよ!!
私は言った。
「ねぇ、これって私の歓迎会じゃないじゃん。
あんたの為のパーティーじゃん。
ずっとほったらかしにされてさ、サポートするとか言ってたのに全然だしさ。
私が3時間もこの部屋の隅っこにいて泣いてたのも、ボーちゃん知らなかったでしょ。」
するとボーはお酒がまわっていたからか、突然号泣。
ボー「ね、寝でるのがと思っで。だ、だ、だ、だから起ごしちゃ悪いと思っで」
私「でも、居間にいるときでも全然戻ってきてくれなかったじゃん。
一度でもベッドルームに来て様子見にきてくれた?
ボー「…(ただひたすら号泣)。」
そんな号泣するボーに私もちょっととまどい、
泣きたいのはこっちの方だよ…と思いながら、まずボーを落ち着かせることに。
少し落ち着いた頃に、私はまた続けた。
「正直、私もスウェーデンに移住することを考え始めていたけど、
でも、こんな状態だったら自信ないよ。
移住って、私達が考える以上に辛くて大変なことが沢山あると思うし、
私はそれを乗り越える覚悟をしてこなきゃいけないけど、
でもそれと同時に、私を支える覚悟もボーちゃんには必要なんだよ。
支えるって、それも結構大変なことなんだよ。
ボーちゃん、その覚悟あるの?
精神的に辛くなった私を支える覚悟あるの?」
「うん、ある。」
と即答のボー。
本当かい?
そしてボーはこんなことも言ってきた。
「でも、スウェーデンでは待っていても誰も来てくれない。
自分から輪の中に入ろうっていう態度を示さないといけないんだ。
そうじゃないとスウェーデン人も心を開かないから。」
それを最初に言いなさいよ
そしたらもうちょっと頑張れてたかもしれないのに。
日本だったら、日本人側が結構気を遣って、
頑張って英語で話しかけたりしてくれるのにな~と正直思ったが、
でもここはスウェーデン。
それがスウェーデンの普通なのであれば、苦手なことであっても頑張らなければいけないな、
とこの時思ったことを覚えている。
時刻は1時半を過ぎていた。
とりあえず、疲れもあるし、ボーも酔っぱらってるしで、
今日のところはもう寝ようということになった。
次の日、再び話し合った。
本当に覚悟はあるのか、と再び問いかけた。
ボーは言った。
「ろびまろと再会して、僕の気持ちは固まった。
もう何があっても揺らがないし、これからもずっとろびまろと一緒にいたい。
僕も頑張って支えるから、ろびまろもついてきてほしい。」
私は彼の言葉を信じることにした。
でも、やはり不安な気持ちはぬぐいさることができなくて、
今度は私の方が、
本当にこのまま付き合っていっていいものだろうか…。
私はスウェーデンでやっていけるのだろうか…。
別れて日本にいた方が幸せなんじゃないか…。
と思い始めたのであった。
続く。
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このパーティーがきっかけで、私はスウェーデンの全てのパーティーが苦手になりました。
長い間ひとりぼっちにされたトラウマと、
怖い、けど輪の中に入りたいアピールをしなければ…、
というプレッシャーがいつも襲ってきます。
今ではボーちゃんが結構サポートしてくれますが、
移住当初はもう全然でした。
2年目、3年目くらいからでしょうかね、目に見えて頑張ってサポートしてくれるようになったのは。
私も下手なスウェ語ではありますが、徐々に話せるようになってからは余裕がでてきました。
でも、友人とのパーティーは苦手で、今はもう参加もあまりしません
でも、最初の方は頑張って行ってました。
その時のエピソードがもう一つあるのですが、それはまた別の機会にお話したいと思います。
ちなみに今でもたまに、「こっちにきなよ~」といってくれたお誘いを断ったことを思い出しては、
あ~~~~
となります。
うなります。
その友人とはその後、移住してから3回くらい会う機会があったのですが、
やはりあの時のことを思い出してしまって…。
今でも顔を合わせづらいというか、気まずいというか、申し訳ない気持ちでいっぱいになります
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3月の結婚記念日があった週末、ボーちゃんがつくってくれたヘラジカのシチュー。
前日から仕込んでいて、
当時は数時間煮込んでいました。
お肉はとっても柔らかくて、味も甘しょっぱい感じでとっても美味しかったです。
そしてデザートとして、ちょっとお高めのチョコレートを買ってきてくれました。
どこのブランドかは教えてくれませんでしたが、シティーにも店舗があるみたいですね。
上品な甘さで全て美味しかったです