遅くなる | Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

8年のスウェーデン生活を終え、家族で日本に引っ越して来ました。

国際恋愛・結婚をしている人には、
文化・考え方の違いで喧嘩をする人は多いと思う。
その国の常識は自分には非常識だったりで、同棲し始めた頃は私も相方とよく喧嘩をしていた(今もたまに喧嘩する)。
その中の一つが、『飲み会』である。
飲み会が問題なのではない。
帰る時間が問題なのだ。

移住したての頃は、ホームシックから一人になることを嫌がっていた私。
家族、友人が近くにいて、いつでも会ったり飲みに行ける相方を妬んだこともある。
「飲み会に行ってもいい?」
と聞かれると、めちゃくちゃ嫌な顔で、
「…いーよ(-_-メ)」
と言う。

全然良くないやん…| 壁 |д・)。

と相方は思っただろう。
その後は自分を一人家に残す相方に当たり、そんな自分に自己嫌悪になりメソメソし、
結局相方には楽しんでほしいという気持ちが勝り、
「遅くなってもいいよ。
友達と楽しんできて。
八つ当たりしてごめん…(T_T)」
と出かけ間際の相方に言うという、なんとも忙しい女であった。

17時に出かけた相方がその日帰って来たのは、
朝の4時。
朝帰りか~~~い!!

遅くなってもいいよ=日本の終電時間(だいたい1時頃)

を考えていた私。
まさか朝帰りになるとは思いもしなかったので、これにはびっくり。
私を一人残して(また言う)朝帰り…有り得ない!!
とまたまた喧嘩勃発。

私「日本じゃこんな時間に帰宅なんてありえないよ!」

相方「スウェーデンじゃ普通なんだよ、ろびまろちゃん。」

私「でも、私には有り得ない時間だっつーのヾ(。`Д´。)ノ」

相方「どう言えばいいかわからないよ、僕には。
これがスウェーデンの普通。僕の普通なんだ。
ろびまろちゃんが1時に帰れって言うなら帰るけど、
そうすれば僕の友達は、場合によっては早く帰る僕に気分を悪くするかもしれない。
パーティーなんかだと0時ぐらいからみんな盛り上がっていって、
2時~3時に解散っていうパターンが殆どだから。」

私「パートナー同士で何も言わないの?
喧嘩にならないの?」

相方「一方のパートナーが飲み会やパーティーだと、もう一方のパートナーは家族や友人と過ごすことが多い。
でも、ろびまろの場合はここでは同じようにできないんだもんね、
ろびまろの寂しい気持ちを僕はもうちょっと考えるべきだった。
ごめん。」

かなりの口論になったものの、
この最後の相方の言葉で私の怒りは治まり、寂し嬉しいという、なんだか複雑な涙へと変わった。

寂しいけど、相方が私の気持ちをわかろうとしてくれているし、
もうそれでいいか。
日本の常識は世界の非常識。
私は今スウェーデンにいる。
郷に入れば郷に従え、である。

「じゃあわかった。
それがスウェーデンの普通なら朝帰りでもいいよ。
もう何も言わない。
場の雰囲気壊すのもイヤだもんね。
でも一つ条件がある。
飲み会の日はソファーで寝て。
朝4時に帰ってきて、お酒臭いし口も臭いしイビキすごいし、
寝れなかったんだから!!笑」

こうして飲み会の日はソファーで寝ることを条件に、朝帰りを許した私である。

要はお互いがどれだけ歩み寄れるか、ということかもしれない。
今まで文化・考え方の違いで多くの喧嘩をしてきた私達であるが、
喧嘩の後は互いの気持ちを汲んで、
妥協したり、何か喜ぶことをしてあげたり、感謝の気持ちを述べたり、
そんな思いやりを両方が持つことで、今までの数々の喧嘩を乗り越えられたのだと思う。

しかし、朝帰りは本当にスウェーデンの普通なのか…。
一度相方ママにさりげな~くこんなことを言ってみた。
「相方は昨日は飲み会で、朝3時半ごろに帰ってきたんで、今日は疲れてるみたいです~(´▽`)ウフフフ」
するとママは言った。
「朝3時半!?
あなた、かなり酔っぱらって帰ってきたんでしょ~。
(首を振りながら)チッチッチッチ(舌打ちみたいな感じ)、朝の3時半…全くこの子は(-"-;)。」

「酔っぱらってなんてないよ~(噓)。」
と、そんなママを前にばつが悪そうにする相方。

相方よ、そんな顔して、
本当の本当に朝帰りは常識なのかい?

と思い、ばつが悪い顔をする相方を見て少々面白がりつつも、
今でも飲み会の日は朝帰りを許している私である。
たまにソファーのベッドメイキングもしてやるので、
私はかなり寛大な嫁(予定)だと自分で思うのであった。

ちなみに移住して2年半経った今は一人になっても特になんとも思わない。
たまに寂しいときもあるが、日本のバラエティーや映画を観てマッタリする時間もまた至福の時である。