申し訳ないけど・・・。 | Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

8年のスウェーデン生活を終え、家族で日本に引っ越して来ました。

ここ近年、スウェーデンで移民による物乞いが増えている。
お金ください、と紙コップを片手に声をかけてくるのである。
しかし相方は
「下手に払わない方がいい。もしかしたらちょっと離れたところで仲間がいるかもしれない。お金をあげたらお金をたくさん持っていると思われる。そしたらその仲間に取り囲まれ、ひったくられる可能性もあるから。」
と言っていたことがあった。
もちろん、全員そうなわけではなく、こういうのは稀なケースらしい。
しかし私は見た目がもう、THE外国人!と丸わかりであるため、
下手に払うと後が怖いかも・・・と、
物乞いに会ってもいつも無視を通していた。

昨日、相方とシティーへ向かい、ちょっとした買い物を楽しんだ。
帰りのバスを待っている間、物乞いの女性が声をかけてきた。
「すみません、お金をください。」
と。
普段私一人のときは、何も言わずに首を振るだけなのだが、
相方は親切丁寧に、
「あぁ、あげたいのはやまやまなんだけど、あいにく今カードしか持っていないんだ。」
と答えていた。
しかしその女性は食い下がらない。
「お願い、少しでいいの。ほんのすこしでいいから。」
相方もまた、
「うん僕もできることならそうしたいよ。」
と返す。
そんなやりとりが3,4回程続き、女性はあきらめ私のもとへ。
私は相方につられて同じようなことを言った。
「ごめんなさい、今は1クローナも無いの。」
と。
しかし女性はまた食い下がらない。
「お願い、ほんの少しでいいの、ほんの少し、少しでいいから。」
しかし私は、
「今は本当にお金がないの、ごめんなさい。」
と返した。
すると女性は私の頭から靴までをなめまわし、
そして最後に軽蔑の眼差しを向け、去って行った。

相方に、
「あげた方がよかったかな?なんか軽蔑されちゃった。」
と言うと、
「僕も軽蔑されたよ。でもそれが彼らの仕事だから。」
と全く気にしていない様子。


そして今日、学校の帰り道、可愛いピンクの帽子をかぶった女性にお金を求められた。
よく見ると昨日の女性だった。
今回は何も言わず、首を横に振るだけで対応。
するとすぐにいなくなった。
変に物事を言わない方がいい。
何も言わないのが一番である。


申し訳ないけど、あげられない。
こっちもお金に余裕があるわけでもないから、あげられない。
危険な目に合うかもしれないから、あげられない。