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環学連通信

各地の生物多様性に関心のある若者が中心となり環境保全学生連帯会議が発足しました。
日本中の水辺の再生を目指し日々活動中!



本日は、近くの矢留小学校二年生の生徒達が見学に来てくださいました。

前半は、水族館内の見学。







「アリゲーターガーやん!」
「アリゲーター!」
まず最初に、入口のトロピカルジャイアントガー氏がアリゲーターガーと間違えられる(笑)

やはり、ガーは有名なようです。





大水槽。小さな水族館に、多くの子供たち。これは狭い(^^;

餌やりタイムは大賑わいです。




ちなみに、この水槽内にアリゲーターガーもいます。やはりここでも「アリゲーターガー!」の名が飛びかいます(笑)




続いてザリガニだらけのふれあいコーナー。もう、本当にザリガニだらけ。

沖縄産マダラロリカリアも人気者に。皆の感想は総じて「硬っ!」でした(笑)









30分ほどの見学時間のあとは、2階で講義の時間です。







掘割のタナゴの話。
二枚貝に産卵する魚。河川環境が良くなければ生きていけない魚です。タナゴの豊富な柳川掘割を大切に!







子供たちに人気だった、電気を放つ魚の話。水族館にいる電気ナマズや、最強の電圧を放つデンキウナギの話。電気ウナギは金属質な味がするらしい……







ウナギの話。
マリアナ沖から数千kmの旅をする魚。



ほかにも小学生からはどんどん質問が上がりました。ギンブナはメスしかいない話や、掘割最大の魚ソウギョの話、短時間ながら濃い時間になりました^^



「今度また来る!」なんて嬉しいことを言ってくれる少年もいたり、我々としても実りある教室となりました。
芦原の話





柳川市を流れる矢部川や沖端川、塩塚川には芦原が広がっています。もしかしたら、泥が堆積し雑草が生えているだけにしか思っていない方が多いかも知れませんが、この芦原は生き物にとって、とても大切な役割を担っています。






芦原は水を浄化したり、生き物の産卵場や生息地になることが出来ます。芦原の根元を覗いていると、無数の小さな穴が空いています。これはゴカイ類やカニ類の巣穴です。これだけの生き物の住処になっているのです。




バチ抜けと呼ばれるイトメ(ゴカイの仲間)の産卵。年に一度、一斉に巣穴から飛び出し産卵を終えると一生を終える。イトメは多くの魚や生き物の餌となります。






とくに柳川の芦原には“ハラグクレチゴガニ”が生息しています。このカニは、有明海奥部に流れ込む川(柳川~鹿島あたりまで)にしか生息していないとても珍しいカニです。とはいえ、このハラグクレチゴガニは柳川市の川などには数多く生息しています。普通にいるカニは、実は日本ではこの辺りでしか見ることが出来ない生き物だったりするのです。


豊かな芦原が残るからこそ、このハラグクレチゴガニも生息できます。しかし、このカニの生息地である芦原は失われつつあります。







河川改修により「雑草がかられ、泥が取り除かれ、綺麗になった!」と思うかもしれませんが、それにより無数の生き物の生息域が失われています。

有明海奥部周辺の芦原が失われハラグクレチゴガニが消えれば、イコールで日本からハラグクレチゴガニという種が消え去るということです。









芦原やハラグクレチゴガニだけではありません。最近ニホンウナギが絶滅危惧種になり話題になりましたが、ムツゴロウ、ワラスボ、ハゼクチ、エツ、アリアケシラウオ、アゲマキ、ウミタケetc……有明海に生息する多くの生き物が絶滅危惧種に指定されているのです。









干潟には稀に、絶滅危惧1A類の「水辺で遊ぶ子供たち」を見ることもできます。今のご時世、水辺は子供が最も近づいてはいけない場所になってしまいました。しかし、自然と接することなく大人になってしまえば、自然への興味や関心は薄れ、環境問題に対して無関心になってしまいます。

こういった、遊べる場所を保全し、水辺で遊ぶ子供たちを増やしていくことこそ、環境問題の根本を解決していける方法なのではないでしょうか?








この柳川という場所には、未だにそれらの貴重な生き物達の棲家があります。

人間の活動の最中で消えゆく生き物達の存在を、少しでも知っていただけると幸いです。


学生が運営する“やながわ有明海水族館”が柳川市にオープンしました!八月からこの水族館作業に取り掛かり、見切り発車感も否めませんが、なんとか開館に漕ぎ着けました。






私たちは有明海塾です。
有明海塾とは、有明海再生を目指すNPO法人SPERA森里海時代を拓くが世代交代を目的に、大学生や高校生が中心となり2015年8月9日に結成した学生団体です。干潟調査やシンポジウム、サイエンス・カフェなどを行ってきました。


そして、開校式の時からおきのはた水族館のお世話になっていました。




おきのはた水族館は“荒廃する有明海の現状を知らせるため”に近藤順三さんが私財を投じて作った私設水族館です。

しかしながら今年の6月頃、閉館する流れになってしまいました。そんな時に、存続のために手を挙げたのが有明海塾でした。








“自然に興味が無い人に環境問題を訴えても無関心なのはしかたがない。そして今後、ますます子ども達の自然離れは進んでいくなかで、それはより深刻になる。だからこそ、自然や生き物の面白さを伝える場所が必要なのです!生き物好きにさえなってくれれば、自ずと環境問題にも興味が湧くはず。そのキッカケの場を作ること、それが有明海塾水族館構想です”

有明海塾では、以前から学び(=遊び)の場としての“水族館”の必要性を訴えていました。









「ぜひ、やらせてください」

水族館を存続させたい近藤さんと、場所を探していた有明海塾。有明海塾水族館構想は、今年七月、ついに実現に向け動きました。そして程なく、10月15日リニューアル(運営が我々に移る日)ということも決まりました。






8月6日
水族館の現状を見に行きました。ものが多く、まずは整理から始めなければなりません。









(とりあえず積み上げたゴミ)
暑い夏、バイトや学業の合間を縫って作業を進めます。汗だくになりながら散らかっている荷物や漁具を整理し、ガラクタやゴミを集め、少しずつ片付けていきました。軽く軽トラ3台分を超えるガラクタの山を前に、素人集団の学生だけでは片付けすら大苦戦でした(汗)







「・・・・・・」







それでも九月に入る頃には、少しづつですが作業も進み


SPERAの方々の協力もあり、なんとか片付けることが出来ました!









ちなみに、塾長(小宮 春平)は八月末から2階に住込み作業を進めます(笑)
※椅子を並べてベットにしてました……(撤去済みw)












片付けと並行して、水槽設営も進めました。






水槽もこれだけあると、洗うことすら一苦労。しかも海水を使っていただけあって塩にやられてさらに大変……。






水槽台も手作りです。
お金が無いのでブロックを積み上げ、台を作りました。あまりにも不格好なので後日板を貼りつけカムフラージュ(汗)










同時に大水槽の整理も行いました。
1晩かかって砂をかき出し、泥だらけの巨大な濾過装置を洗います。1週間がかりの重労働です……。







水槽の裏。
ごちゃごちゃの配線やら機材やらが見えて何とも見栄えが悪かったのですが、鳥栖の熱帯魚店アクアルート34の社長の助言で黒のペンキで塗ることに。



完成品。なんとも見違える美しさですね( ̄▽ ̄)







人手不足、資金不足、とにかく課題が多くなかなか進まなかったのですが、10月に入る頃には、片付けの目処も立ち始めました。






流石にコンクリのままでは……と床も塗りました。随分明るくなりました!







鳥取からも増援。
有明海塾鳥取支部長が、シンポジウムに合わせて作業を手伝いに来てくださいました!









積み上げられていた漁具。


展示室に並べました。
入り切らない分は、とりあえず2階の倉庫へ。今後展示方法を考えていかなければ(汗)














入口の180cm水槽。
これも提供して頂きました。なんと、その方が飼育していた中の魚もそのまま寄贈していただきました!








オープン二日前。
ついに看板を入れ替えます。本当にぎりぎりの準備です……。

















10月15日







ついにオープンに漕ぎ着けました。
まだまだ見切り発車な感じも否めませんが、なんとかスタートラインには立てたという感じです。







絶滅危惧種に指定されたニホンウナギ





ショウキハゼとムツゴロウ





スッポン





大水槽





ツチフキ








古代魚ポリプテルス






ギギ






タウナギ






オオウナギ







開館記念に、鳥栖の熱帯魚アクアルート34から寄贈していただいたレッドコロソマ(アルビノ)






ヨシノボリ





チョウザメ






アカハライモリ
その他、塾長がせっせと集めてきた約70種。
近藤さんの頃は海水メインの水族館でしたが、海水の管理が難しく淡水魚多めになりました。

しかし、行く行くは有明海の生き物も増やしていきたいと思います!









さてさて、そんな感じに進んできた有明海塾水族館構想。

10月15日、ついにリニューアルオープンです。近藤前館長から小宮新館長へ、86歳から18際へのバトンタッチ。








そんなこんなで
やながわ有明海水族館開館いたしました!


これまで協力してくださった皆様、ありがとうございました。これからも色々助けを借りることもあると思いますが、よろしくお願いします!


そして皆様!
柳川にお越しの際は、ぜひともやながわ有明海水族館に足を運んでみてください!





柳川市で若者が運営する水族館
平日12:00~16:30
休日10:00~17:00 火曜日定休