~ ウサギ@年下視点 ~

 

結果的に俺は、彼のパジャマをゲットすることに成功した。

ちょっと卑怯かもとは思ったけど、

「いいじゃん」

「新しいのじゃ意味がない」

「ダメって言ってない」

とか、あれこれ色んな言い方を連発&三段活用して、そのあいまも返事する隙を与えずちゅー攻めしたら、

彼は「根負け」という形で陥落(笑)

 

おかげでしょっちゅうズボンは落ちてくるし、裾踏んで転びそうになるし、袖も少しまくらないとダメだけど。

 

「ねぇ」

「ん?」

「ズボン、俺に返そうよ」

「やだ」

 

ベッドの中で彼にくっついたまま喋る。

 

「土曜の朝をズボンで邪魔しないで」

「よく言うよ、誰のズボンだと思ってんの(笑)」

「俺の~!」

「うさちゃんは小さいんでしょ?飼い主は体大きいんだから、それ着て裾踏んで転んだら危ないからダメだよ」

「文章が繋がらない」

「どの口が言う!?(笑)」

「ハハハ」

「だってさ~、トイレ行ったときも、洗面所行ったときも、毎回転びかけてたから心配なんだよ」

「……」

「上はあげるから、下は返して。安全性のためです。君の命の安全のため」

「え~、どうしよっかな~」

「迷ってるぐらいなら、まずは脱ぎ脱ぎしましょうね~」

「なにその言い方(笑)あ、ちょっ!(笑)」

 

彼は足で器用に、サッとぶかぶかのズボンを足元に押し下げてしまった。

足が凄く長いから、一瞬でベッドの端まで行っちゃったじゃないか!

 

「寒い!」

 

文句言ったら、ほっぺをむにって掴まれた。

 

「嘘ばっかり。布団の上じゃなくて、中にいるんだから寒くはないでしょ」

「俺の飼い主が遠くに行っちゃったじゃん」

「お前の飼い主は人間じゃなくて、パジャマかよ!」

 

ハハハと2人で笑う。

 

「パジャマに負けるとは、飼い主、傷つくなぁ(笑)」

「だっていつも使ってたり着てるもの、お気に入りの物なら、なんでも飼い主の分身じゃん」

「おぉ~。たしかに、そうとも言えるね」

 

彼は驚いた顔して俺をぎゅってした。

 

「うん」

「ってことは、俺もおまえの分身だね(笑)」

「本体よりおっきい分身って、分身っていうのかな」

 

俺より広い肩をぺちぺち叩く。

 

「理論上は間違ってないんじゃない?」

「たしかに」

 

俺は仰向けになると、彼の左腕を抱え込んで顔をスリスリして呟く。

 

「俺のほうが肩や腕に筋肉ついてるのに、変なの」

「変って何が?」

「俺の腰ひとまわりがこの肩から指先までとか、誰かさんの体が大きすぎる」

「ハハハ」

 

彼は楽しそうに笑った。

 

「5センチしか身長変わらないのにさ」

「そうだねぇ。じゃあ、パジャマの上、返す?」

「違うっ!」

「あ、違うのか(笑)」

 

わざとらしい言い方に、抱え込んでる腕を「がぶっ!」って噛んでやった。

 

「痛っ!歯形つけるなよ~」

「え、つけてほしいの?」

 

すかさず聞いたら、ぎゅっていきなり『真ん中』を握りしめられて、一瞬息が止まる。

 

「こらこら、あんまり調子のらないの」

 

あれ?今までそんなこと殆ど言ったことなかったのに。

 

(……)

 

一瞬考えたけど……

 

「噛まないし、歯形つけないから大丈夫」

 

がぶっ!ってしたところをそっと撫で撫でする。

 

「えっと……その~、撫でるのはいい、でしょ……?」

 

ちょっと遠慮がちに聞いちゃうのはどうしようもない。

 

「うん、いいよ」

 

よし、撫でるのはOKね。

 

「ぺろってするのは?」

「いいよ」

「……ぺろぺろ、は?」

「なんかその言い方、妙にヒワイだからやめろ(笑)」

「なにが?(笑)」

「おまえわかってて、わざと言ってんだろ(笑)」

 

ちっ、バレたか(笑)

 

「同じじゃん」

「たしかに、まぁ、舐めるのはそれで間違ってないな」

「でしょ」

「それもいいよ(笑)」

 

よっしゃ!

 

「ぎゅってするのは?」

「ぎゅっ?」

 

腕を軽くつねってみる。

 

「あんまり痛くしたり強くしないでくれるなら……いいよ」

「ん、わかった。それから……」

「まだあんの?(笑)」

「ふふふ」

 

その次は……

 

「ちゅってするのは?」

「それは好き♪」

 

あ、なんか声が嬉しそうだから、けっこう好きなんだな(笑)

 

「ちなみにどこにちゅーが一番好き?」

「くち」

「そこが一番好きなの?」

「うん、誰かさんがしてくれるのなら大好き♪」

「……誰かさんじゃなかったら?」

「そんなやついたら、蹴り飛ばす」

「女だったら?」

「なんでそこで女が出てくるんだよ。ん~、女なら蹴るのはまずいから、突き飛ばす」

 

ふふ、そっかそっか(嬉)

 

「だって、仕事とかだと必ず女性もいるじゃん」

「でもべつに俺は関係ないんだけど」

「うん、そうだけどさ。聞いてみただけ」

「飼い主なら、ちゃんとペットのこと『全部なんでも』管理してくれよな(笑)」

「うん(照)」

 

ぎゅって腕を抱え直してちゅってしたら、「良かったねぇ」って言いながら頭を撫でてくれた。

 

「良かったねぇって、何が?」

 

上を見上げると、彼は優しい目をして俺を見た。

 

「今の会話、お互いに反対だったらそう思わない?」

「うん、思う」

「ほら、わかってるじゃん(笑)」

「あ~(笑)……あ、ほかは?」

「他は?」

 

この際だからひととおり、彼のいろんな希望や許可不許可を聞きだした。

 

 

 

 

 

 

 

(続く)