YouTubeで全話見られて面白い、と聞いて、なんとなく見始めた中国現代ドラマ『做自己的光』(Be your own light)全40話(中国語字幕)、ほんとに面白くて、ほかに見てる途中だったものを置き去りにして、優先的に視聴終了(~1月31日。)。
主演は、刘涛(Liu Tao/リウ・タオ)。そして、両側にいるのは、その職場の仲間の秦海璐(向かって右の白シャツ)、柴碧云(左の黒シャツ)。3人は同じテレビ局でキャスターや司会者などとしてバリバリ働く女性たち。
2023年7月17日公開のドラマで、撮影地は成都、撮影期間は2022年6月22日~11月4日。
それぞれのセリフ入り写真を貼りつつ紹介〜(よいセリフがいっぱいあったことを思い出せる)
刘涛が、美人で演技もうまくて現代ドラマでもとても素敵なのは『欢乐颂』でも体験済みなとおり。
今回は、家庭も仕事も理想的な女性としてのスタートから、夫が予想外の借金を残して突然失踪したうえ、仕事では担当番組が打ち切りになる、など苦しい挫折を経て、プライドをかなぐり捨てて現実と戦い、自分の力で、より素晴らしく新しい人生を切り開いていく様を見事に見せてくれる。
3女性とも仕事や恋の悩みや成長を見せてくれるのだけど、一番驚きがあったのは、秦海璐。
『白鹿原』の白家のお母さん(白鹿の精か、専業主婦の鏡か、という慈愛にあふれた古風な女性)役とは打って変わって、性格強めのキャリアウーマンで一瞬驚いたけど、むちゃくちゃ演技が上手い!国家一級演員なのもうなずける。刘涛と秦海璐の役柄は親友だけど切磋琢磨し合う、ライバルでもある関係として描かれているけど、実際にも同年齢のベテラン女優同志で仲がよさそう。メイキングを見ると積極的に意見を言ってシーンを作ってるのもカッコいい👏
かわいいところも、キツくてイラっとさせられるところも、心配になるところもいろいろあるんだけど、動きから表情から何もかもが、とにかく上手い。
百度百科に書いてあるプロフィールの165㎝48㎏には見えない(太って見える)けど、その体型ネタもセリフに出てきて、その反応や態度もキュートでリアルなのが面白い(学生時代からのライバル男性から、取材中に、「お前、そんなに食って太るのが心配じゃないのか?〇キロあるだろ」等と突っ込まれても、全く動じずそれより上の数字を言ったりする態度とか、なんかもう、かわいくてツボ)。このライバル男性との、二人とも見た目大人っぽいのに中身小学生並みの恋愛模様も見もの。
↑ 各自のKPI(目標)入り写真も面白い。
学生時代から意識し合う仲のライバル男性。
3人目女子は、初見の美人ちゃん柴碧云。
農村出身でハングリー精神がハンパなく、成り上がるためには手段を選ばない(女の武器も使うし、自分のためならライバルのみならず友達でも窮地に陥れる。恋愛も玉の輿目当てで感情抜き。)。この人とは、私ならリアルでは距離を置きたい・・・そこは職業人としても友人としてもやったらダメだろうってことも、この人はやってしまう。でもなんだか魅力のある人物でもあり、かわいいしモテる。そんな彼女も最後には目を覚まして自分の力で輝ける人になろうとしていく。上の写真の言葉はその時のもので、潔い。次の恋のお相手は個性的だけど、きっととても良いカップルになりそうで好感が持てる。
貸したお金を返してもらえず店はつぶれ、彼女にも逃げられたと言って、借金返済を求めて何欢に近づく。陽気な性格と美味しい料理を武器に何欢の小学生息子とも仲良くなって、何欢とも互いになくてはならない存在になっていく。その過程と葛藤も双方とても自然で好ましい。何欢に一旦距離を置かれるシーンの態度や表情とか、なかなかの表現力。
こんな人が自主的に、とびきり美味しいご飯やお菓子を作って子どもと仲良く待っていてくれたら、気持ちよく仕事もはかどることでしょう。。。
※お料理寧寧が見られるメイキング映像はこちら。9分30秒くらいから。なんでも自分でできちゃう腕前を披露してくれます。
と、遊び心もいっぱいの現代ドラマ、セリフに現実を思わせるネタが入ってたり、ダジャレが入ってたり(刘涛演じる何欢がニュースネタの潜入取材をするために住宅購入希望のセレブ夫人を装って現地見学に行くシーンでは「私は(親族の分など合わせて)六軒買いたいのよ」と「六套」を連発するのだけど、「六套」(liutao)というのは、刘涛の名前と同じ発音。)するのも笑えていい。
ストーリー的には、
番組の視聴率争いや、会社の方針との戦い、広告収入の確保などなど仕事面での課題や恋愛の問題など、理想と現実に悩んだり、選択を迫られて迷ったりしながら、自分にとって大切なものや譲れないものが浮き彫りになっていく。新しい世代との共通言語や理解が見つからず、呆気にとられるところとかもリアルで共感できる。
時代の移り変わりやメディアの変化に苦しむのも、テレビ業界のリアルだろうと思う。SNSやホットトピックスに左右される世論の風向きや、インフルエンサーの台頭、誰もが発信者になれるネット時代、これまでのやり方では通用しなくなったことにあがいたり、割り切ったり、逆に学びを得て挽回を目指したり、と、現代的な問題を反映している。
以前見た周冬雨主演の映画『熱捜』を思い出すような展開もあり、じりじり、ざわざわした気持ちにもさせられる。
終盤、3人の仕事も恋もそれぞれの努力の果てに終着点が見えてきたところで、何欢の夫が帰って来て、失踪の真相が判明していく。そして、夫の悪あがきの後、晴れて付き合うことになった何欢と蒋俊豪。そこまでの押さえてた二人もよかったけど、付き合いだした二人の甘々ムードがすごかった⤴
ドラマのタイトル『做自己的光』は英語タイトルが『Be your own light』で、日本語で言えば『自分の光になれ』という感じなんだろうけど、ドラマ後半からはその言葉をハッキリ意識したセリフも増えていく。変わっていく、前進していく中で、自分自身の力で輝く人生を切り開くことの意義や力強さを意識していく主人公たち。『自分の光になれ』=『自分が自分の光になれ』『自分で自分を輝かせよう』というニュアンスを感じたので、タイトルしては『自分の力で輝いて』とかでもいいかも。
このドラマのテーマは、人生で本当に大切なものは何か(自分に恥じない生き方をすること、楽しい毎日を送ること、信念を大切にすること、お金で買えないものの価値を理解することなど)、そして、どう輝ける人生を作っていくかだということがストレートに伝わってきて、視聴後は、ちょっとよい感じの小説を読んだ時のようなすがすがしさがある。
私はわりと中国のお仕事ドラマが好きで、これも好きなジャンル。でも、そうでなくてもこのドラマはテンポもよく、コミカルな面も程よくあって、内容的にもバランスよく楽しめるドラマではないかと思います。おススメ⤴
ドラマはこちらから全話見られます(中国語または英語字幕。日本語字幕は自動翻訳で対応できるらしいです。)
刘宇宁が歌う主題歌《我只愿朝着光》はこちら↓ このほかにもエンディング・挿入歌あり。
※本記事で引用した、思い出したドラマや映画についてのブログ記事はこちら。