『战火狼烟』⑰~ダンルンカットその15 | 山楂(さんざし)の華流な日々

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前回記事はこちら↓(第33話・母との再会~)

 

ダンルンカットはこちらの動画から↓ 今回記事では第34話をご紹介♪

【第34話】

①小柔との再会

克也は、バイオリン片手に小柔のレコード店に行き、店の前で弾き始める。

その曲に、驚いて店の外に出てくる小柔。←ひょっとするとこの曲は、陳大野が小柔にプレゼントした曲?(未確認)

柔:除夕、帰ってきたのね。

除:小柔先生、僕のバイオリンは進歩したかな?

柔:うーん、まあまあね。先生に教わったんじゃなく、自分で練習したんだって、すぐにわかるわ。

除:じゃあ、また教えてよ。

にっこり、微笑み合う二人。

 

段鉄と中秋は、以前に誘拐した除夕と中秋を引き合わせたレストランで、あの頃はこんな風に一緒に仕事をすることになるとは思わなかった、と話をしている。段鉄は除夕の変化を指摘し、「自分が除夕を実父に会わせなければ、今も除夕は善良な少年のままだっただろう。馬家に申し訳ないことをしたと思っている。」と詫びつつ、

「1年間の行方不明の後に再び現れて自分と手を組んだのには別の目的があるのだろう。」と切り出して、「王と亀田殺害事件の調査はしないから、小柔を仲間に引き入れないでくれ。」と取引を持ち掛ける。

 

②懐かしい川べりを歩く除夕と小柔。

 

小柔は、いつも除夕を思い出し、日本でどうしてるかなと考えていたことなどを話し、「どうして連絡くれなかったの?」「もう行かない?行かないわよね。」「こっちで何をするの?」「家族にはもう会った?」と質問攻めにするが、除夕は口を開かない。

柔:どうして私ばっかり喋ってるの?何か言ってよ。日本での勉強は終わったの?

除:終わったよ。向こうでも元気だったよ。いつも君を思い出してた。

柔:何を?

除:僕が出発する時に君が「待ってる」って言ってくれたこと。

柔:私もあなたの家族もみんなあなたの帰りを待ってたわ。

除:みんなが待っているのが会いたくない人じゃないか心配だった・・・辽城に帰って、こんなに孤独を感じたことはないよ。誰も僕を受け入れてくれない。僕を育ててくれた家族も。

柔:日本に留学に行っただけでしょ?どうして家族があなたを受け入れないの?

 

除:僕の本当の名前は馬除夕じゃない。高橋克也だ。日本に行って、東京陸軍学校で学び、軍隊に入った。今、君の前にいるのは、一人の関東軍の少佐だ。小柔、僕を受け入れられるか?

小柔は驚き、顔をそらす。

除:わかってる。誰もが僕を悪魔のように扱う。僕も自分の本当の身分を母に言う勇気がない。この話を君にするのは、君をだましたくないからだ。

柔:あなたもそうなりたくはないのよね。

除:なりたいとかなりたくないとかじゃないんだ。生まれた時から、僕には日本人の血が流れてるんだから。

柔:どうしてそんな・・・たった一人の家族が日本人の手先で、たった一人の生きている親友がまさか日本軍人だなんて。

 

除:いいさ、わかるよ。僕が高橋克也であることを受け入れられないなら・・・。

柔:なんでそんな勝手なこと・・・

ショックで涙を流しながら、ふらふらと立ち去る小柔。

除夕も苦しい表情。

 

小柔と克也の様子は、阿英が観察していて、段鉄に、除夕を止めずとも小柔が彼を受け入れることはなさそうだと報告するが、段鉄は除夕を呼び出して話をするという。

 

③克也は高橋邸でぼんやりしていると、小蝶からコートをかけられ、小柔のことで機嫌が悪いのかと聞かれ、「小柔があなたを受け入れないのは他の中国人と同じ。」とか「小柔はあなたにふさわしくない」などと言われる。

克也は「小柔をお前に評価されるいわれはない。どのみちお前に興味はない。」との返事。←なんでもいいけど、「ぼっちゃま」を「ぼうさま」と言うのはやめて💦

 

④克也は段鉄に呼ばれ、王と亀田の事件の捜査状況を聞かれるが、克也は、お前に逐一報告する必要はないと返答。

段:高橋少佐、以前は俺が悪かった。謝るよ。俺を恨んでいるのはわかるが、俺もお前の父さんや大川組のために働いてきたのだから、仲間だと思ってほしい。

克:お前が大川組のためにしてくれたことは、いちいち言われなくてもわかっている。今日は、何のために呼んだんだ?

段:そう、今日は頼みがあって呼んだんだ。

克:俺にできることならいいが。

段:俗に鶏は鶏、亀は亀。イナゴはイナゴ、ウミガメの相手が見つからなければ池の亀で間に合わせろ、と言うのを知っているか。中国語が母語なら、説明はいらないだろう?

 

克:それは、結婚には家柄や財産のつり合いが必要だって話だろ。

段鉄は、暗に「小柔から手を引け」と伝えようとするが、克也は「何の話かさっぱりわからない。」と白を切る。段鉄はやむなく直球で「もう小柔と会わないでくれ」「日本高級軍人の克也に、レコード店の店主の妹は釣り合わない」と言うが、克也は納得しない。

克:俺がお前に監禁され、絶望していた時に、小柔は大きな助けになってくれた。だから俺たちは特別深い友情で結ばれている。会うのは古い友人だからで、お前が勘ぐるような関係ではない。

段:今は友達でも、やがて小柔を愛してしまったらどうする?美人で性格もいいんだ。

克:考えすぎだろう。

 

段:兄とはそんなものだ。そしてお前のためでもある。あいつは俺が日本人と付き合っていることを嫌って関係を断ったんだ。日本軍人のお前を受け入れられるわけがない。傷つきたくなかったら、俺の言うことを聞くんだ。もう小柔とは会うな。

克:裏庭を見たい。

 

裏庭に向かいながら、克也は「お前の要求に応じよう。」と言う。

段:アニキの忠告を聞いてくれてありがとう。

克:もうアニキ面はやめてもらいたい。

段:なら、俺をおじさんと呼ぶか?年上なんだから。

 

克:お前の要求を聞く代わりに、1つ命令を聞いてもらおうか。

段:何でも言ってくれ。

克:警察局長の職務を停止する。

段鉄は「小柔と会うなと言ったからか」「お前の命令を父親は知っているのか?」などと揺さぶりをかけるが、克也は動じず、かつて監禁されていた除夕が逃げ出そうと登った壁を指さして、当時のこと(背後から段鉄に撃たれて、尿を漏らしたこと)を話す。

克:段さん、正直、俺はお前が大嫌いだ。でも、友人の小柔の兄だからメンツをやろう。職を解かれたくないなら、挽回の方法はある。

と、かつての自分が段鉄にされたように「壁をよじ登り、後ろから撃たれて滑り落ちるところを見せてくれ。」と言い、

段鉄が渋々壁に向かうと「滑り落ちた後に尿を漏らすのを忘れるなよ。」と付け加え、得意げな顔をする。

怒った段鉄は「馬除夕、俺の目の前で漏らしたことを一生覚えてろ。」と言って立ち去ろうとする。

克:段さん、待ちなさい。あなたは職を解かれたのだから、もう警察官ではない。銃を持っていたらおかしいだろう。渡しなさい。

仕返しが過ぎる克也に段鉄も捨て台詞で銃を渡す。

克:どんなことにも相応の代償がある。お前が俺に教えたんだ。今はお前が代償を支払うときだ。

 

部屋に戻りいらだつ段鉄。

 

⑤家の前で、帰ってきた父と再会。

 

←以前とは違って本当にうれしそうな表情をしてる。親子の情が感じられる目。

 

謎の日本語で会話しながら、将棋的なものをしている二人。←ここで克也の日本語が「父さま、~(うどん、って聞こえて何言ってるのかわからない。「棋艺」なんだけど。)が上手になったわね」と女言葉なの、とんでもないからやめて・・・。この将棋的なものは丸い駒だし、結局、日本の将棋ではなく中国の象棋?

父は、辽城に戻って何をしていたのかを聞く。克也は、馬家の家族や小柔と会ったこと、兄の中秋以外は、自分を化け物のように扱って受け入れられなかったことを報告し、父は日本に行くことを提案した時に話した「人と人との関係は残酷で血なまぐさいものだ。」という話を繰り返し、克也もその続きを覚えていることを示す。←詳細は、過去記事『战火狼烟』⑫ 身近な人ほど自分を傷つける、という話。

 

父:克也、もし人生をやり直せるなら、もう一度選択できるなら、また私を父と認め、日本へ勉強に行くか?

克:馬家の人との情はある。でも、もしやり直せるとしても、僕の選択は同じです。

将棋的なものの続きをして、調子を取り戻す克也。「父と話して、気持ちが落ち着いた」と言う。

 

警察では、段鉄が自分に代わって局長になる中秋にぶつぶつ言いながら荷物を整理。

 

⑥高橋家で、父から段鉄を免職した理由を聞かれ、過去の復讐だと話す克也だが、父は別の目的があるのではないかと問いただす。

 

克也は、王と亀田の殺害事件について、段鉄に何の手掛かりもないことは考えにくく、何かを隠していると考えていて、その何かをあぶり出すための免職だと話し、その手腕に父も満足。←考え方・やり口が似てきたね。

 

段鉄が家でダラダラしていると高橋から電話。高橋は「王・亀田殺害犯の重要な手掛かりを提供したら、復職させる」と揺さぶりをかける。それを聞いた阿英は「南燕を出せばいいのでは?」と言うが、それでは小柔に累が及ぶため、段鉄は作戦を考える。

 

⑦中秋と川辺を歩きながら話をする克也(第35話冒頭でリピートのため、次の記事に)。

 

****第34話はここまで。

この回、出番多い~。

克也になって帰ってきた除夕、とうとう最愛の小柔にも再会。再会のシーンは優しくて緩やか、でも、彼女には嘘をつきたくなくて、すぐに自分の身分を告白・・・きっと受け入れられないことはわかっていたはずなのに。

強いショックを受ける小柔も、その様子に苦しむ克也も、リアルな心の表現に、見ている方まで苦しくなりました😿

 

一方で、父との関係は格段に良くなっています。自分を流れる血や現在の身分に違和感なく家族として接することができるのは、もう実父しかいない、という状況。大好きだった人たちの戸惑いや恐れは理解できても、それが自分に向けられることの辛さは相当なものだろうと思います。だけど、自分に流れる血は変えられないし、自分の選択によって元に戻れるものではなくて、初めから決まっていたことだと受け入れるしかない・・・それは悲しみなのか絶望なのか・・・体験した人にしかわからない思いを演じるダンルンの底力を感じた回でした。

 

実父の身近な人ほど自分を傷つける話が繰り返されたので過去記事を確認してみたら・・・ほんとに顔が、表情が違う。この時はまだ「克也を受け入れつつある除夕」だったんだと、比べてみたらはっきりわかる。そして、帰ってきた克也は、除夕として家族や小柔に会っても除夕には戻り切らない克也だ。

なんてすごいの?!👏

↓実父の話を振り返りたい方、「克也を受け入れつつある除夕」をチェックしたい方はこちら。

 

続きをお楽しみに。