『あの日のI Love You』(原題:十五年等待候鸟)最終回の理解はどうする?!① | 山楂(さんざし)の華流な日々

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GYAO!で絶賛無料配信中のダンルン出演ドラマ『あの日のI Love You』(原題:十五年等待候鸟)。

私は今年の3月に中国語字幕で視聴したのですが、最終回にビックリしたことは、ブログにも書いたとおり。

 

 

GYAOでもついに最終回まで配信されたので、ダンルン演じる柳千仁が再登場する13話からをざざっと見てみました。

すると、あれあれ・・・?全22話になってる。

私が見た中国版は全24話。日本仕様に1回の時間を調整したとしても・・・13話での千仁帰国は同じだったし、それほど大きなズレはないはず。

と思って、昨年発売されたDVDの情報をamazonで確認してみると「中国版24話を日本版22話に再編集(ノーカット)」と書いてある。楽天、U-NEXT、エンタメアジア、みるアジアも22話なので、日本版は22話らしい。で、ほんとにノーカット?!

 

なんて思いながら、百度百科のあらすじと照らし合わせながら、特に20話以降を念入りに確認してみると、中国版最終回は、9割くらい回想シーンだったから、それを端折ったとしても、2話短縮はちょっときついかな?!という印象。

 

以下、ネタばれありで、話数検証と、原作ラストとの違いに言及しますので、気になる方はご注意を。

 

中国版は第21話の終わりから絵画展のお話へ。尚轩(シャンシュエン)が黎璃(リー)の絵を見つけて、作者に会いたい云々言って待っているところまでが第21話。第22話が絵画展で会うところからなので、ちょうどこれが日本版第21話と重なる。とすると、だいたい中国版第23話・24話がまとめて日本版第22話(最終回)になってる感じか。

 

中国版第23話は李君(ジュン)の手配で尚轩(シャンシュエン)と黎璃(リー)が会うところから。

日本版22話(最終回)の始めのところ(湿原を歩いているシーン)の、少し手前です。

つまり、中国版ではいきなり二人が湿原を歩いてるわけではなく、李君(ジュン)に呼び出された黎璃(リー)が一人で湿原にやって来て、尚轩(シャンシュエン)を見つけて少し話すシーンがあるんだけど、これは明らかにカットされてます(サモさん、情報提供ありがとう!)。

 

※カットシーンの会話(山楂の簡易訳)

リ)呼び出したのは、ジュンじゃなくてあなただったのね。こんなことして、楽しい?

シ)もし俺が呼び出してても、来たか?

リ)お互い時間があるなら、もちろん。

シ)ならよかった。実は1枚の絵を買ったんだ。ちょっと鑑定してもらえないかな。

リ)それなら専門の人を探して。私じゃ無理よ。

シ)この絵はちょっと違うんだ。

 

と言って、展望台の方へ歩き出す。

そこからが、日本版第22話のスタートになってます。ま、カットして差し障る内容じゃないけど、日本版最終回の始まりが唐突なのは、やはりカットのせい。

あとは予想通り、中国版第24話(最終回)の9割くらいを占める回想シーン全カット、で中国版の第23話・24話を合わせて日本版22話の出来上がり、となっているようです。にしても、全24話を全22話にするにはあと1話分、どこかがカットされてるはずだけど、私が中国版を見たのはもうだいぶ前なので、細かい検証は省略。上記カットシーンのように差し障りなしと判断されたところがちょこちょこ削られているのではないかと推測します。

 

そんな最終回に至る、日本版13~22話を見た結果・・・なんとなく、最終回に対する印象が違う・・・。

この最終回、結局、どう理解すべきなんでしょう?!

 

1)尚轩(シャンシュエン)は渡り鳥の飛来日に湿原に行き、展望台に彼女の姿を見てほほ笑む。

見たのは、彼女の魂とか幻のようなものだけど、それでいい。もう心はずっと一緒。

そもそも義父が医者なうえ、千仁とあれだけ闘病してたのに、かなり病気が進行していたようだし、ドナーもまだ見つかってなかった。千仁にあそこまで頼り、委ねてたのに、結婚式当日に突然姿を消して尚轩を選ぶようなキャラだったとも思えないし、どこかで一人で治療しながら生きていることは考えにくいのでは?でも、義父や千仁も知らない間にどこかで死んでることもない?・・・では、まだどこかで一人で死を待つ日々を送っている、かもしれない。

 

2)尚轩(シャンシュエン)は渡り鳥の飛来日に湿原に行き、展望台に彼女の姿を見てほほ笑む。

渡り鳥の約束を守って帰ってきた彼女に会えて、二人は幸せに。

その先は、近い将来の死までのときを一緒に過ごすか、ドナーが見つかって病気が治る、ということもありうる。でもこの1か月、一人で生活できてたの?という謎は残る。

 

結局、結婚式から消えた彼女がどこへ行った?どういうつもりだった?というのが、あんまりはっきりしないラスト。

生きてるのか、死んでるのか、結構今にも死にそうだったのに、千仁の支えなく一人で生きてられるのか???

湿原に置いて行った渡り鳥の絵の解釈、千仁説と尚轩説、どっちが正しいの?っていうのも気になるところ。

 

中国のyahoo知恵袋みたいなのでも、結構話題になってたみたいです。

過去の記事にも書いてますが、私の、初見の感想は1)です。当時の私の心理状態(2022年3月後半なので、暗め)と、千仁目線の影響もあったと思います。

が、そもそも、病気がわかった時の重そうな感じからして、7年生きてるのが結構奇跡的。

15年愛にするために7年闘病したとしか思えない・・・ダニエルも凱旋帰国まで7年はいらないと思うし。

それに、ほんとは尚轩を好きなことはずっとわかってたのに、結婚式当日まで来ておきながら、7年もの歳月を共に闘病してくれた千仁を置いていく行き方が、周りにいろいろ気を遣う黎璃(リー)らしくないようにも思うし・・・。

結構つじつまの合わないことがある系の漫画チックドラマだから、あまり細かいことは突き詰めず、消えた(すでに、またはいずれ一人で死ぬ)けど、渡り鳥の約束で魂は毎年帰ってくる的な感じに捉えることにしました。

 

で、今回日本版を見た感想は、2)と思う人が多いかもしれない、というもの。

回想シーンがカットされているせいで、なんだかすっきり終わってしまってるから、余計に尚轩の微笑みがそういう風に見えるかな、と。

中国版最終回の回想シーンはどう見ても長すぎたけど、全部カットはやっぱり流れを変えてしまう気がします。

 

結局、どっちに解釈してもいいっていうパターンなんでしょうね。

ところで、原作は全然違うラストらしく、そのことも中国でドラマ版の解釈論議を呼ぶ原因になっていたようです。

なんか長くなっちゃったので、その内容紹介は、また今度。


↑こういうシーンはありません。