書き込まれる資料作り | 悪態のプログラマ

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とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

このところ、私が仕事中に一番よく使うペンは「フリクションボール 」だろう。パイロットの「消せるボールペン」である。鉛筆代わりに気軽に使え、色も8色あるのがいい。昔から消しゴムで消せるタイプのボールペンはあったが、フリクションは摩擦熱で消えるので、消しカスも出ない。


ちょっとした打合せをするときにこのペンを使えば、普通の紙がホワイトボードのように使えて便利だ。そんなとき、私が書いた字を消すのを見て驚く人も多い。テレビ CM も流れていたし、この業界でも ITmedia Biz.ID で紹介されたりしているのだが、まだそれほど認知されていないのだろうか(ちなみに消せるラインマーカーもある)。



フリクションボールを使うようになってから、紙の資料を読みながら下線引いたり、余白に書き込みをするようなことが多くなった。例えば、会議中のメモは、ノートではなく配布された資料に書き込む。そうすることで資料とメモが直接に関係づけられ、後から情報を整理しやすくなる。


会議では話が二転三転するのが普通で、メモを取っていると、何度も書き直しが発生する(ホワイトボードはまさに会議にうってつけである)。普通の「消せないペン」で書き込みをすると、「取り消し線」だらけで読みにくくなるばかりか、資料の「貴重な余白」が無駄になってしまう。修正液を使うのは手間だし、元々印刷されていたものまで消えてしまう。かといって、普通の鉛筆やシャープペンシルのような薄い黒色では、資料の印刷に負けて目立たない。


フリクションボールなら、書き直しを気にせずにどんどん書き込める。発売当初はペン先が 0.7mm のものしかなかったが、0.5mm が出たことで、「貴重な余白」がより有効に活用できるようになった(資料の印字部分をペンのおしりに付いているゴムで擦ると、トナーが剥がれて少し汚れてしまうのが玉に瑕だが)。



読む人が書き込みを加えることで、その人にとっての資料の価値が上がる。そう考えると、資料を作るときには、書き込みをしてもらう前提で作るとよいのではないだろうか。


一般的には、上下左右の余白を広めにとるとか、メモ欄を作る、行間を広くするといったことが考えられる。更に、資料の用途によっては、他にも工夫はできるだろう。例えば、打合せのために質問事項をまとめたような資料であれば、回答を手書きで記入できるように、質問に並べて広い回答記入欄を用意しておくと便利だ。



そういえば、本を読むときには本に直接線を引き、書き込みをすることで理解を深めるべきだという主張もあるが、それも同じ理屈なのだろう。私には、どうしても心理的な抵抗があって、本に書き込みをすることはできない。しかし、仕事で使うような資料であれば、ほとんどの場合、原本である電子ファイルが手に入るため、そのような抵抗もない。むしろ、紙資源を有効活用できるという意味で、気分もよいのである。







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