前回の記事でカラーリングで暗くなった髪を明るくするにはブリーチが必要だということを書きました。
それでは毛先を明るくなった髪の人が根元の髪が伸びてきたらどうしましょう。
算数が関わってきます。
まず根元は新生毛(美容師は何もしていない髪をそう言います)5レベルの方を染めるという条件で説明します。
とりあえず赤とか青とか色は抜きにして明るさだけで考えます。
新生毛は希望の明るさのカラー剤を使います。
例えば10レベルが希望の明るさだとすれば10レベルのカラー剤を塗ります。
さてすでに染めて明るくなった髪(既染毛と言います)が今12レベルまで明るくなっていると仮定します。
ここで足し算と割り算を使います。
(使う薬+今の髪の明るさ)÷2=希望の明るさ
ここでは(使う薬+12レベル)÷2=10レベルの明るさになります。
20-12=8
よって使う薬は8レベルのカラー剤を使えば根元と毛先の明るさは合います。
実際の現場ではこれに色味が関わってきたり、既に染まっている髪が3段階に別れていたりとか色々な要素が絡み合って来るので綺麗にカラーリングをする為には知識と
経験が必要となってきますが単純化すればこんな感じです。
白髪染ではどうでしょう。
白髪は黒髪に比べて1レベル明るく染まります。固まっているところは2レベル明るく染まります。
では7レベルの明るさで白髪染めをしたいという時はどうなるでしょう。
白髪は1レベル下げた薬を使う必要があるので6レベル、白髪の多い人は5レベルの物を使います。
毛先の色は前回染めてから1ヶ月たっているので8レベルの明るさになっているとします。
先ほどの式に当てはめると毛先はどのカラー剤を使うと良いでしょう。
(使う薬+8レベル)÷2=7レベル
14-8=6
使う薬は6レベルのカラー剤です。
あれ 根元と毛先 同じ薬ですね。
そうなんです。
白髪染めだと1ヶ月経過した時、表面の髪が1〜2レベル明るくなっている事が多いです。(かなり黒染めの時は例外です)
よって根元だけ染めて白髪が染まってからシャンプー台で乳化と言う作業で毛先にカラー剤を移動させて染料を補給させて馴染ませるという事をする事が多いです。
これがリタッチカラーと呼ばれているものです。
お客様から良く白髪染めとおしゃれ染めはどう違うのと聞かれますがやっていることはこの様な考えに基いてやっています。
同じです。
白髪染めにはナチュラル、ダークブラウン、ブラウン、レッドブラウン、オレンジブラウン辺りを使うのが色持ちが良くツヤ感があるので良く使うという感じですが
今の時代なんでもありですから、これにこだわる必要はないと思います。
今日母から白髪染めを頼まれたので丁度写真をとりましたので上げておきます。
毛先は10レベルぐらいになっています。前回アッシュ系で染めたので赤みのないブラウンになっています。
白髪がそこそこ固まっているので5レベルの赤みの少ないナチュラルの薬を使いました。
本当は6レベルでよかったのですが、少し根元が暗めなのは違和感がないのを見せたかったのでワザと1レベル落としました。
先ほど説明したリタッチカラーです。
上手く伝わったか分からないですが、分からなくても大丈夫です。
僕に任せてください。
次回は写真によって変わる髪の色について書きます。
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