皆さんこんにちは
須藤です。
先日途中になってしまった添加物のお話。
今日は「転化糖」について
転化糖というのはペースト状のドロっとした材料で
砂糖の主成分である「ショ糖」が分解されて
「果糖」と「ブドウ糖」に分かれた状態のものです。
安定している状態のショ糖が2つのやや不安定な状態に分かれた事で水分と結びつきやすい特性を持っています。
生成方法としては
酸と共に加熱して人工的に化学反応させて作る方法と
ミツバチなどが持つ酵素により分解されて自然にできる方法があります。(蜂蜜は天然の転化糖)
チョコレートに添加される場合は
板チョコやタブレットではなく、ガナシュの中に入り
水分と結びつきやすい特性を利用して
生クリームやフルーツピューレなどの水分と結合させ、食感を調整したり
水分活性(雑菌が繁殖するのに利用できる水分がどれくらいあるか)を下げたりという目的で使います。
同じような効果を水飴で代用することも出来るのですが、僕の場合は水飴だと転化糖に比べてガナシュの口溶けがぬるっとしてやや悪くなると認識しているので
少し高価ではありますがサッと溶ける転化糖を使用することにしています。
(水飴だけ、転化糖だけで口に入れたときの溶け方を比べてみるとよく分かります。)
ちなみに
転化糖は焦げやすい性質もあるので
加熱の際は温度を上げすぎないように注意が必要です。
(転化糖を含む上白糖が焦げやすいのと同じ原理。これは転化糖の中の果糖の性質に由来する)
たまに
「水飴や転化糖を入れるのは殺菌の目的もある!」
ということを教えている人を見ることがあるのですがそれは間違いで
彼らには菌を殺す効果は無くて
あくまでも水分と結びついて結合水になることで菌が増殖するための「自由水」を少なくする(水分活性を下げる)
のだという事。
菌を殺すのではなくて増えにくい環境を作るのだという事を正しく認識していないと衛生面で問題が起きる可能性があるのでご注意を。
BAR専用チョコレートの美味しさを決めるのはもちろん、原料のチョコレートのクオリティとそれに合わせる副材料とのバランスが1番ですが
少量しか入らない添加物の性質をちゃんと理解し、狙いに合わせて正しく使うことで
最終的な味わいに大きく影響を与えてきます。
そんなBAR専用チョコレートに興味を持たれた
バーテンダーの方々。
取り扱い店募集中ですのでぜひ一度ご連絡ください。
有償サンプルのご用意もございます。
また
店舗限定の商品を作ってみたいBARのオーナー様からはもちろん
酒販店やメーカー様からも「銘柄に合わせたBAR専用チョコレート」の制作依頼を承っております。
BAR専用チョコレートとは?
商品一覧も記載されています。
それでは皆さん
今日も良い1日を
ごきげんよう!