こんにちは。須藤です。
弊社はもともと2016年に個人事業として一人で開業したのですが
2019年1月に株式会社Airgeadとして法人化しました。
前回のブログでは法人化したことで何かが劇的に変わるわけではないけど、
関わる人が増えてくると考え方は徐々に変化してくる。ということを書きました。
今回は考え方が変わってくるという部分についてもう少し詳しく。
事業を起す時にかなり初期の段階で決めなければいけないことの一つとして、
①一人で始めてずっと一人でやっていくのか
②一人で始めて仲間を増やしていくのか
③複数名で始めて仲間を増やしていくのか
に大きく分類できるかと思います。
僕はというと完全に①の一人でやっていく形態を想定していましたし、実際に開業2年間はその状態でした。
理由として、当時は一般販売をせずにBARだけにチョコレートを卸す、という事業にそもそも人員が必要なかったことと
人を雇うだけの売上の見通しが立っていなかったこと。
あと僕自身がひとりの時間がとても好きで、1日の大半を他人と過ごすのに耐えられないと思っていたからです。
そんな少し変わった事業でしたが、というかそんな事業だからこそ徐々に面白がってくれる方々が増えて頻繁に取材の依頼があったり、2018年の4月にはNHKの極上スイーツマジックという番組でしっかりと特集してもらえたりと予想外の反響もあり
一人で経営する事業としてはかなりありがたい量の仕事をご発注頂いたと思います。
もちろんチョコレートのクオリティを高め続けたことや、お取り扱い先のバーテンダーの方々が毎回素敵に商品をオススメしてくれていたことが最重要なのは言うまでもありません。
最小限の人員でやっているこんな事業でさえ、本当に一人で成り立つわけでは無いんだなと実感したものです。
で、前回のブログで書いた通り事業を始めて2年ほど経ったころ、地元の青森県弘前市にクラフトチョコレートの専門店を立ちあげる構想が生まれ、思い立ったが即行動でどんどん準備を進めて構想から10ヶ月後の2018年10月には「浪漫須貯古齢糖」をオープンしました。
僕はその間も通常は東京アトリエでBAR専用チョコレートを作り発送し、月に6日間ほどアトリエの業務を休んで弘前に帰省→開業準備という形でした。こんな荒技が通用したのも物件を探す不動産業者、物件が決まってから店づくりに大きく関わってくれた工務店、地元スタッフの採用にあたって多方面に声を掛けてくれた友人、パッケージやwebのデザインを親身になって作ってくれたデザイナーなど、様々な人たちが関わってくれたおかげです。
細かいところまで言うともっとたくさんの人たちが協力してくれていますし、もちろん今現在働いてくれているスタッフ達のおかげで東京と弘前の離れた2拠点で密に連絡をとりあって相乗効果になるよう事業を進められています。
さて、ここまで書くとよくある「みんなのおかげで念願のお店が持てました。ありがとう〜」的なブログになってしまうのですが、弘前のお店は開業してからもう半年以上立ちますのでもう少し先のお話も。
まず、どんなお店でも開業直後というのはそれなりに盛り上がりますし、ご祝儀のような形で仕事が舞い込むことがよくあります。(BAR専用チョコレートはひっそりと始めたのでほぼなかったですが)
この時お世話になった方々、またはそれ以前に店づくりに協力してくれた方々に自分は一体何を返せているのでしょうか。
一人で事業をしていた時と関わる人たちが増えてからの考え方の大きな違いはここにあります。
もちろん、僕は友人価格や知り合い価格というのが嫌いなのでお仕事を頼む時は正規の価格で見積もりをもらって支払いをしています。
ただ、多くの人と関わる機会が増えたこと、またチョコレートは少し工夫するといろんな人の役に立つことができたりするので資金以外のリソース、たとえば知識や技術面、アイデアなどで貢献というほど大げさでは無くてもちょっと役に立ったり、「あいつの仕事に関わることができて良かった」と思ってもらうくらいのことは出来るのではと常に考えるようにしています。
一人でBAR専用チョコレートを作っていた時は自分と関わってくれるバーテンダーやBAR業界だけが盛り上がればそれで十分だと思っていましたが
今はそれに加えてお店のスタッフ、商品を購入してくれるお客様、関わってくれる様々な業態の人たちにとって「浪漫須貯古齢糖」に関わって良かった。と少しづつ得をしてもらえるよう
自分のリソースは出し惜しみせずに良い流れを循環させるようにしています。
それによってさらに出来ることが増えてくればより多くの人達に喜んでもらえるような次の一手が打てるので、自分たちだけが得をして贅沢をするのでは無く、良い流れが大きく循環出来るよう常にアイデアを捻っています。
そんな良い流れを作ることが地域にしても業界にしても「盛り上げる」ということなのではないでしょうか。
まあ、難しい感じで書いちゃってますが、簡単に言うと「いい人たちにいっぱい良くしてもらったからその人達にうちの事業でしかできない形で恩返し、または恩送りしていこう」ってことなんですね。
また、これは余談ですが僕がそもそもBAR専用チョコレートで力を入れている「アルコールとチョコレートのマリアージュ」についての考察もそろそろ次のやりたいことが溜まっており、さすがに個人レベルで出来る範疇を超えてきたのでこのような大きな流れの中でちょっとずつ研究を進めていきたいと思います。
【まとめ】
・一人の時に比べて関わる人数が増えてからの違いは「人の役にたつ」の規模が大きくなったこと。
・いろんな人の役に立つことができるとみんなが少しづつ得をするような大きな流れが作れる。
・自分が本当にやりたいことはその大きな流れの中でちょっとずつ消化できる。
【次回予告】
関わる人たちには得をして欲しいのですが
その関わる人達の見極めも重要だと実感しています。そんな話。
それではまた近いうちに、ごきげんよう。
アルコールとのマリアージュに特化した
BAR専用チョコレートの【アトリエAirgead】はこちら↓
*一般販売はしておりません。
アトリエAirgead(アールガッド)https://atelier-airgead.amebaownd.com/
クラフトチョコレート専門店
弘前【浪漫須貯古齢糖】はこちら↓
*アルコールとの相性は特に考えておりません。
*通販あります。
ロマンスチョコレートhttps://romance-cacao.shop-pro.jp/