12月17日両国国技館三大世界戦。

 

【WBA世界バンタム級タイトルマッチ】

堤聖也(角海老宝石)VSノニト・ドネア(比国)

晴れて正規王者へ復帰した堤の2度目の防衛戦相手はレジェンド・ドネア。

 

暫定王座を有しているので、「統一戦」ともいえるが、日本的感覚では堤の防衛戦だ。

 

歴史に残る左フッカーとして5階級を制覇したドネアも既に43歳。

 

全盛期に比べスピード、耐久性は大きく目減り。

 

現在の位置にいること自体が奇跡ともいえる。

 

ドネアにとり旺盛な手数を繰り出してくる堤のスタイルは厄介というか、現在のドネアにとり一番いやなタイプだ。

 

ただ百戦錬磨のドネア。

 

現在の自身スペックも踏まえた戦法をとる。

 

省エネで「前へ出てくる堤を迎え撃つ」

 

左フック、アッパーカウンターに全てをかけてくる。

 

堤もドネアのパワーを警戒しているが、スタイル的に一発も貰わないという事は不可能。

 

このドネアのパンチを食らったときにどのような反応をするか?

 

被弾上等で前進を止めずに潰しに出るか?

 

レジェンドへ敬意を払いながらゲームをするか?

 

堤が心強いのはドネアのパワーを最大限に警戒し、リングへ上がるだろうということ。

 

良いところを見せようとせずに泥臭く行けるのが堤の強みだ。

 

常識的に考えて予想は後半(10R)堤が連打でドネアをギブアップに追い込むとみる。※ドネアはキャンバスに倒れることは拒否。

 

ただドネアファンの自分は、ドネア応援のスタンスで両国へ行く。

 

恐らく負ければドネアのラストファイトだろう。

 

偉大なるドネアの姿を目に焼き付けたい。

 

堤も今後のビッグファイト(井岡)の為にも落とせない試合。

 

堤:12勝(8KO)3分 29歳

ドネア:43勝(28KO)8敗 43歳

 

 

12月17日両国国技館 三大世界試合予想

 

【WBA-WBO世界ライトフライ級王座統一戦】

高見亨介(帝拳)VSレネ・サンティアゴ(プエルトリコ)

今年7月世界王座に就いた高見が世界王者としての初戦で他団体王者との統一戦を行うという前代未聞の工程。

 

減量苦も囁かれる高見にとりライトフライボクサーとして残された時間は限られるため、この選択を支持したい。

 

相手のサンティアゴは今年3月高見と同門の岩田翔吉を判定で下し王座を奪ったということで、仇討の構図となる。

 

サンティアゴは160cmのフォルムから強打を放つスラッガースタイルの持ち主だが、テクニカルにも戦える。

 

プエルトリカンお家芸のサイドへの動きは、高見にはないものだ。

 

守りに徹されるとパンチを当てることは困難。焦った岩田は単調なスタイルに陥ってしまった。

 

前半は(広いスタンスで)大きく動くサンティアゴがペースを奪うだろう。

 

スラッガースタイル時のサンティアゴはフルスイングする際にアゴも上がり気味だが、意外な耐久性がある(アゴが打たれ強い)。

 

高見としてはしつこく出てくる相手の左に右を被せ、強気姿勢で追い、サンティアゴのボディーをしつこく打ちたい。

 

仮に高見が攻めに逸り雑な攻撃パターンでは、サンティアゴの逃げ切り勝利もあり得る。

 

将来のスター候補でスーパーフライ制覇まで見通せる高見にとり、試練の統一戦となった。

 

予想としてはやはりホームの利と高見のハートの強さで後半印象的ラウンドを構築する高見の小差判定勝ちとみる。

サンティアゴも強くうまい選手。

 

実に興味深い統一戦が実現した。ある意味裏メインの試合だ。

 

高見:10勝(8KO)23歳

 

サンティアゴ:14勝(9KO)4敗 33歳

 

12月17日両国国技館三大世界戦予想

【WBO世界フライ級タイトルマッチ】

 

アンソニー・オラスクアガ(米国)VS桑原拓(大橋)

 

当初飯村樹輝弥相手の4度目の防衛戦が予定されていたが、飯村の怪我で桑原が代理挑戦者としての大役を得た。

 

桑原は二度目の世界挑戦となる。

 

前回(2024年5月)はユーリ阿久井政悟への挑戦。

 

一度KO負けしている相手に腰が引け。勝負をかけられなかった。

 

本来なら二度目の機会は遠のいていたはずの内容だったが、前途の様に幸運な話が舞い込んだ。

 

相手は強豪。将来の世界的スター候補のオラスクアガ。

 

正直負けて元々。

 

桑原は速い足とスピードがあるのでアウトボックスで対峙するだろうが、ここは強気に攻め火中の栗を拾いたい。

 

格好のサンプルがある。

 

1982年4月WBC世界ジュニアフライ級タイトルマッチ

 

メキシコの強打者王者アマド・ウルスアへ挑んだ友利正(三迫)

 

当時友利の戦績は18勝(5KO)5敗

 

名王者だった天竜数典を1Rで倒した試合はあったが、パワーよりもスピードで勝負するボクサー。

 

若さ故の甘さが顔を出す選手で、あのサパタを粉砕したウルスア相手に圧倒的不利の立場でリングへ上がった。

 

ただ試合開始から友利はとにかく強気。

 

輪島直伝?の勇気を前面に出した強気の攻撃。

 

実に鋭い右を打ち抜いた。

 

強気一辺倒の友利。

 

こうなると相手パンチも効かなくなる。

 

何発かウルスアの強打を食らったが、結局15R押し切り、殊勲の王座獲得となった。

 

桑原は序盤脚を使って乗り切るつもりだろうが、オラスクアガの圧力、パワーに飲み込まれる可能性は高い。

 

このパターンだと文字通りの惨敗を喫することだろう。

 

ここは序盤から強気の攻撃が必要。

 

「覚悟」が伝われば必ず事が動く。

 

脚を使い善戦マンの桑原で終わるか、覚悟を見せ会場を盛り上げるか。

 

桑原の覚醒に期待したい。

 

予想は皆様と同じオラスクアガのKO防衛。

 

耐久性に欠ける桑原だけに5Rまでの決着とみる。

 

ただ必ず意地のパンチで見せ場というか会場を沸かしてくれると信じたい。

 

オラスクアガ:10勝(7KO)1敗 26歳

桑原:14勝(9KO)2敗 30歳