すアマで無双を誇り、祖国キューバから「亡命」プロ入りしたアンディ・クルス。
アマ時代手合わせし、プロではライバルという立ち位置になるキーション・デービス(米国)が私生活のゴタつきで今一歩大衆の支持を受けられない現状。一歩抜け出す好機に恵まれた。
プロ7戦目で世界初挑戦(米国ラスベガス)
IBF世界ライト級王者レイモンド・ムラタラ(米国)との対戦。
ムラタラも23勝(17KO)無敗の戦績を誇るが、予想はやはりクルス戴冠に傾いていた。
1R、対峙するとムラタラの身体が一回り大きい。
両者実にレベルが高い左を繰り出すが、クルスは左を上下に散らす。
クルス右オーバーハンド→インサイドから突き刺す。
速いステップ、逆ワンツーで初回を抑える。
10-9クルス
2R、ムラタナはフェイントを交えたプレッシャーをかけ続ける。
追い方が実にうまい。
クルスは左で突き放そうとするが、パワー&フィジカルはムラタラが上。
10-9ムラタラ
3R、ムラタラは開始からプレス。
クルス速いパンチで対抗もムラタラは右オーバーハンドでクルス左を止めにかかる。
またフィエントを駆使しての追い方は、勘が良いクルスに有効。
クルス後半にカウンター好打。ガード越しだがコンビで印象付け。
10-9クルス
4R、クルス上質のステップもムラタラの追い方が巧い。
一発パワーも上。
またも右を被せたが、クルスも意地で左ジャブは止めない。
クルスのワンツーでもムラタラは止まらないが、速いコンビで印象点。
10-9クルス
5R、クルスは相手パンチをブロックしているが、下がり続けるので見栄えが良くない。
両者パンチ応酬もムラタラの一発パワーの印象が良い。
10-9ムラタラ
6R、ムラタラはワイルドな攻撃にアッパーも交えてくる。
クルスもクリンチ攻防で対抗は出来ているが、下がるのでムラタラの攻勢にポイントが流れる。
10-9ムラタラ
7R、クルスはペース奪うために左を増していく。
速いコンビと相手パンチはブロッキング。
相変わらず下がるシーンがほとんどだが、何とか相手攻撃をさばく時間も多い。
10-9クルス
8R、クルスの良いワンツーにもムラタラは止まらない。
しかし速いコンビと実にレベルが高いというか驚愕のタイミングでの右カウンター。
ムラタラのプレスに速いコンビで対抗。
10-9クルス
9R、クルス高速コンビや右カウンターなど積極的。
カウンターや速いコンビでリードしていたが、後半ムラタラのプレスに逆転を許してしまう。公式は割れている?
10-9ムラタラ
10R、ムラタラのプレスは止まらない。
クルスもカウンター&素早い動きだが、上質なスタイルをムラタラは飲み込んでいく。
10-9ムラタラ
11R、ムラタラはクルスのガードの上からパンチで攻勢点を稼ぐ。
打ってはくっ付きクルス反撃を分断。
挑戦者クルスは前へ出るシーンを創成しなくては・・・。
10-9ムラタラ
12R、この回を抑えた方が勝ちでは?
ムラタナはプレス。時折クルスのパンチも入るが、効かない素振りというか受けても微動だにしない姿勢は好印象。
終盤ワイルドな構成でポイント引き寄せたのはムラタラ。
発表された採点は114-114、116-112、118-110の2-0でムラタラ防衛が支持された。※自分のPC採点は115-113でムラタラ。
118-110の採点はクルスの最高級技巧にリスペクトがない裁定だ。

今回はムラタラのハートを褒めるべきだ。よくぞあのステップを潰せたものだ。
クルスの評価は下らずに商品価値維持したレベルの高い12ラウンズだった。
あのスピード豊かな左とコンビは、まるでホルヘ・リナレスクラス。防御、カウンター技術はライト級でトップクラス。
欲を言えば挑戦者らしく攻める姿勢の時間を増やしたかったが、課題が明白になったので次回機会には修正してくるだろう。
ライバルデービスは1月31日に1階級上のWBO世界スーパーライト級王者ジャメイン・オルティス(米国)へ挑むが2階級制覇が確実視されている。
ライバル争いで一歩後退したクルスだが、逆に再起ロードが楽しみになる初挑戦だった。
しかしこのような極上の技術戦を見せつけられるとライト級以上の日本選手戴冠はいつの日になることやら・・・。