愛知県国際展示場で行われた 

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ 

 

シベナティ・ノンティンガVS矢吹正道 

 

当日計量はノンティンガ(52.7kg)、矢吹は53.2kgと規定体重一杯に合わせて来た。 

 

1R、ノンティンガはやや足を止めスタート。 

 

ガードは挙げているが意外な立ち上がり。 

 

対し矢吹は早い左。ノンティンガは右クロス被せて来るが、矢吹も良く見ており、その左を下へ放つ。 

 

矢吹の左が伸び、何と左の差し合いに勝ったのは矢吹。 

 

10-9矢吹 

 

 

2R、矢吹は相手の右クロスを警戒しながら左を突く。 

 

矢吹の右でノンティンガがやや効く。 

 

ノンティンガも左で矢吹の顔を上げさせるが、矢吹は左でまた組立て直し。 

 

相手パンチも抜群のポジショニングで見切っている。 

 

10-9矢吹 

 

 

3R、左の差し合いでノンティンガも身体の位置を変えて来る。 

 

矢吹ブロック越しの連打の後、左ジャブを突く良いパターン。 

 

パワーは断然矢吹。 

 

ポイントは前半を取り王者。 

 

10-9ノンティンガ 

 

 

4R、ノンティンガリズムを取るが膝が硬く今一。 

 

矢吹の長い左が完全に差し勝つ。

 

相手のパンチも見切っており、あの右が当てればアゴの脆い王者は倒れるだろう。 

 

10-9矢吹 

 

 

5R、ノンティンガやや出て来る素振りも矢吹は抜群の距離感で防ぐ。 

 

相手パンチをスリッピングアウェーで躱す矢吹。 

 

矢吹の右は本当に切れており、硬い。 

 

10-9矢吹 

 

 

6R、ノンティンガややリセットし、ステップ&左もすぐに矢吹の距離となる。 

 

矢吹左ジャブ上下、相手パンチへの反応も良い。 

 

ワンツーやや浅かったが、まともに当たれば試合が終わる。 

 

10-9矢吹 

 

 

7R、矢吹冷静に左とストレート。 

 

ノンティンガも身体の動き戻るが、止まったところを打たれる。 

 

この回はノンティンガに付ける。 

 

10-9ノンティンガ 

 

 

8R、矢吹はやや良くない立ち上がりも左ジャブを下へ放つなど工夫。 

 

終盤矢吹のワンツーがヒット、追撃打でノンティンガがダウン。 

 

弱気の表情で首を振るがゴングにエスケイプ。 

 

10-8矢吹(追撃打はヒットせず、最初のワンツーでのダウン) 

 

 

9R、矢吹は当然連打を仕掛けるが、ノンティンガもこれ幸いと「抵抗」。 

 

矢吹は一旦足でリセット。 

 

左フックカウンターも好打。 

 

強烈な右でまたも王者からダウンを奪う矢吹。 

 

出血しながらから辛うじて立ち上がった王者へ襲い掛かり、最後も見事な右ストレートでダウンを奪い主審は即座にストップ(9R1:50TKO) 

 

矢吹が見事なTKOで王座復帰を果たした。 

 

内容的にもテクニシャンのノンティンガに対し、左で差し勝ち、抜群のポジショニングで相手パンチも見切るという想像もしなかった展開だった。 

 

勝因はとにかく左ジャブ。 

あのポジションから長く硬い左ジャブを上下に。 

 

あれだけ左が当たれば、必殺の右ストレートはいつでも当たる展開だった。 

 

最後までシンプルにストレート系で戦い、9Rもラフな展開からリセット後のストレートで試合を決めた。 

 

アフリカ勢あるあるのアゴの脆さ&気の弱さを露呈したノンティンガ。自分の土俵での陥落はショックだろう。 

 

矢吹の実に感動的なKO王座復帰劇。 

 

試合後、「オラスクアガ挑戦」とフライ転級も口にした矢吹。 

 

減量から解放されたらどれ程のパフォーマンスを見せるのか? 

 

オラスクアガは強敵だが、興味深いカードとなる。 

 

しかし今回の復帰劇は矢吹のベストバウトだ。お見事の一言。 

 

 

本日愛知県国際展示場にて行われる 

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ 

 

シベナティ・ノンティンガ(南アフリカ)VS矢吹正道(LUSH緑) 

 

前日計量は両選手共に200gアンダーの48.7kgで一発パス。 

減量苦が伝えられる矢吹だが、一発パスで見事な身体を作り上げた。 

 

気になるIBF当日計量は、お互い別々の場所で行われるが、矢吹が1時間早く計量を行うとのこと。 

 

これは心理的にもかなりのアドバンテージとなる。 

 

ノンティンガVS矢吹。 

 

構図的には「技術の有る王者をフィジカルとハートの強さで潰していく」という昭和~平成初期によく見られた日本の世界戦だ。 

 

嫌いではない、むしろ大好物だ。 

 

矢吹は最後の挑戦。 

 

あしたのジョーよろしく「真っ白な灰になり、燃え尽きる覚悟」で行けば下馬評を覆すことは十分可能だ。 

 

明日からの7大世界戦とは毛色が違うギラギラした世界戦。 

 

頑張れ矢吹! 

 

2日連続七大世界戦+那須川天心 

 

DAY2 

10月14日有明アリーナ 

 

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 

中谷潤人(M.T)VSペッチ・ソーチッパッタナ(タイ) 

7大世界戦大トリを務めるのは、中谷潤人。 

 

2度目の防衛戦相手は1位ペッチ。 

 

2戦連続して1位相手との防衛戦となる。 

 

ペッチは2018年12月井上拓真との「WBC世界バンタム級暫定王座」を争った長身(169cm)サウスポー。 

 

この時はサウスポー殺しスタイルに特化した拓真の動きに敗退し、49戦目にして初黒星。 

 

ただその後も再び勝利を積み重ね、通算戦績76勝(53KO)1敗と現代では考えられない数値を誇る。 

 

その内実は対戦相手の多くが二線級で負け越しどころかプロ未勝利相手も複数いるという「怪記録」なのだが、WBCアジア王者として防衛テープを伸ばしてきたので、WBCも無視できずに1位へとランクした。 

※この二線級相手との対戦はタイリング特有の文化であり、興行形態(入場無料も少なくない)も加味すべき 

 

ペッチはタイ特有のフィジカルを感じさせ、スタミナを基に相手に攻め入るサウスポー。 

 

時にスイッチも駆使する対戦相手からすると不気味で嫌なタイプだが、中谷相手では荷が重すぎる。 

 

ペッチは対峙した中谷との間に絶望的な距離を感じ、無策な前進を続けるが、中谷の硬い拳が異次元角度で飛んでくる。 

 

ペッチも一定程度の耐久性が有るため、試合時間は伸びる可能性も有るが、心も折られキャリア初のKO負けを喫するだろう。 

 

7大世界戦大トリを飾る中谷のパフォーマンスを堪能したい。 

 

中谷:28勝(21KO)26歳 

ペッチ:76勝(53KO)1敗 30歳