偉大なるワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が引退表明。
IBF世界ライト級王座に就きながらの引退。
世界王者のままの引退は昨今では珍しいが、自分はこの決断に大いに賛成。

アマプロ通じて終ぞ底をみせずのフィナーレはロマチェンコに相応しい。 ※一時は後継者キーションとの手合わせを期待したが、実現しなかった事に安堵。
残念ながらキーションがその席に座る資格を自ら手放してしまった。
アマ:396勝1敗(五輪2連覇)
プロ:18勝(12KO)3敗(3階級制覇、キャリア21戦中17戦が世界戦)
アマ時代唯一の敗戦相手にはリベンジし、プロでの「3敗」は全ていわくつきの内容。
裁定が逆でも全く違和のないクロスゲームだった。
※自分の採点、感想:サリド戦は無効。
(肩を痛めていた)テオフィモ戦は113-115で落とした??
ヘイニー戦は分の良いドロー(114-114)。
ワシル・ロマチェンコ。
そのスタイルは正に未来から来たサイボーグ、エイリアンだった。
以前も記したが、40年後のボクシング競技でも立派に通用する動き、技巧。
90年代フライ級にある世界王者が居た。
技術に秀でていたその選手は時に相手の後ろに回る程、対戦相手を手玉に取っていた。
相手からするとこれ以上ない屈辱。世界戦レベルでこのシーンを観ることは決して多くないのだが、ロマチェンコにかかれば訳なく披露。
全てが異次元、サイドへの動き、目のフェイント。相手がいかに獰猛でも蜂のようにホバリングし、自在に針を刺し続けた。
対戦相手は身も心も折られ「ロマチェンコ負け」を喫していった。
あの誇り高い戦士たちが開始ゴングを拒否する様を見せつけられ、もう笑ってしまうほどの動きに感嘆すると共に底知れぬ恐怖を感じた。
名うての技巧派もロマの動きを前に石のように固まった。
そして裏ロマテクニック。
相手クリンチから逃れる際の腕の抜き、相手ガードをこじ開ける「ブロー」
次工程を知り尽くしたあえて当てないブロー。
相手呼吸、腹筋の収縮を読み切ったボディーで天才リナレスら多くの戦士を悶絶させた(息を吸う伸展時に刺す)。
しばらくこのレベルの選手は現れないと断言する。
但し2020年代にロマチェンコの試合を数多くのボクサーが観たことにより、技術進化時計の針が加速したことは間違いない。
ありがとうロマチェンコ。
余りに難解な教科書だが、ロマの映像はこれからも常に横に置いておく。